人物評伝 - 文藝春秋作品一覧

  • タクトは踊る 風雲児・小澤征爾の生涯
    4.8
    クラシック界に数々の金字塔を打ち立てた男 “世界のマエストロ“の訃報から一年。 長年取材し続けてきた著者が満を持して放つ本格評伝。 『N響事件』憧れのNHK交響楽団と何があったのか 『二つの恋』ピアニスト、モデルとの恋 『日本フィルの分裂』如何にして新日本フィル創立へ向かったのか 『ボストン交響楽団音楽監督』30年の長期政権 『サイトウ・キネン・オーケストラ』新たなライフワーク 『ウィーン歌劇場音楽監督』クラシック界最高のポストの一つに就任 <目次> プロローグ 第1章 スクーターと貨物船で●北京の四合院/引き揚げ/贅沢と貧困/成城学園中学校へetc 第2章 N響事件●五ヶ月間の滞日中に/初レコード録音/N響のこと、よろしく頼みますetc 第3章 二つの恋●指揮者を指揮する男/恩師斎藤秀雄を排除してetc 第4章 日本フィル分裂事件●日本フィル首席指揮者/小澤体制での解雇etc 第5章 新日本フィルとボストン響●新日本フィルハーモニー交響楽団結成/嬉遊曲、鳴りやまずetc 第6章 サイトウ・キネン・フェスティバル●俺に反対できるのはあんたぐらいetc 第7章 世界の頂点へ●予想外の記者会見/屈指の歌劇場制覇/旅を住処とするetc 第8章 初心に戻る●降板/発病/二〇一〇年 復帰会見/七分間の本番etc 年表
  • お天道様は見てる 尾畠春夫のことば
    4.6
    【スーパーボランティア 尾畠さんがすべて語った!】 日本を元気にする82歳の人生とことば 2018年、行方不明だった2歳児を発見し、一躍時の人となった尾畠さん。「スーパーボランティア」はその年の流行語大賞にもなった。尾畠さんとは一体どんな人物なのか。著者が3年にわたる交流を重ねると、意外な素顔が明らかに。毎朝8キロ走り、家の庭に生えた雑草を食べ、ここ十数年は病気知らず、全国の災害地を飛び回り、毎月年金5万5千円で暮らす――超元気な尾畠さんの知られざる人生と胸に残ることば。100枚近くのフルカラー写真も掲載! 目次 はじめに 序章  奇妙な生活 第1章 最後のイワシ(幼少期編) 第2章 包丁と足袋(修業と独立編) 第3章 抱き合ってな泣いた日(第二の人生編) 第4章 奮闘500日(東日本大震災編) 第5章 守り抜いた約束(2歳救出編) 第6章 土嚢とスコップ(広島・呉ボランティア編) 第7章 眠れない日々(東海道大騒動編) 第8章 愛しき由布岳(山岳ボランティア編) 終章 母なる太陽 おわりに
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯
    3.8
    三井物産に35年間在職し、華々しい業績をあげた後、78歳で財界人から初めて国鉄総裁になった“ヤング・ソルジャー”──自らを山猿(マンキー)と称し、欧米流の経営手腕を発揮した高齢のビジネスマンは、誰もが敬遠した不遇のポストにあえて飛び込む。問題の山積する国鉄の改革を通し、明治人の一徹さと30年に及ぶ海外生活で培われた合理主義から“卑ではない”ほんものの人間の堂々たる人生を、著者は克明な取材と温かな視線で描いた。ベストセラー作品を電子書籍化。
  • 文春ムック 昭和100年の100人 リーダー篇
    4.0
    昭和100年特別企画 肉親・親友・側近が見たリーダーたちの素顔 *もくじより グラビア 昭和100年の100人 家族の肖像 間近で拝見した昭和天皇 ――現人神から国民統合の象徴へ。波乱の時代を生きた天皇が見せた人間臭い瞬間 ・「『あっ、そう』はいちいち訳しませんでした」 眞崎秀樹 ・「祖父の思い出」 壬生基博 ・「や、元気?」 久邇邦昭 テロと戦争の時代 ――金融恐慌からスタートした昭和の時代は、テロと戦争に飲み込まれていく ・西園寺公望「天皇神格化には絶対反対だった『最後の元老』」 西園寺公一 ・團琢磨「祖父の合理主義で高くなった『炭坑節』の煙突」 團伊玖磨 ほか 新日本の建設 ――大東亜戦争の敗戦で明治維新以来の帝国日本は崩壊し、新日本がスタートする ・吉田茂「小村と松岡の話」 麻生太郎 ・麻生和子「初のファーストレディー」 荒船旦子 ほか 高度経済成長の光と影 ――軍事大国から経済大国へ。社会に歪みを生みつつも、日本経済のすさまじい成長が始まった ・正力松太郎「奇想天外“大正力”の経営術」 渡邉恒雄 ・松永安左ヱ門「権威を嫌う“電力の鬼”の迫力」 貞森潤一郎 ほか 日本の針路を決めた一族、岸・佐藤・松岡家 ――山口県熊毛郡の小さな町の三軒の親戚が、戦前、戦後、この国の運命を変えた ・岸信介「後継総理の密約」 安倍晋三 ほか 昭和元禄からバブル崩壊へ ――世界第二位の経済大国となった日本は傲慢になり、再び破綻に向って突き進む ・田中角栄「キング・オブ・政治家」 朝賀昭 ・布施健「『国民の期待は検察にあり』」 堀田力 ほか
  • 楚漢名臣列伝
    3.8
    乱世を彩った異才・俊才10人の肖像 秦の始皇帝の死後、勃興してきた楚の項羽と漢の劉邦。覇を競う彼らに仕え、乱世で活躍した様々な異才・俊才十人の知られざる肖像。
  • 戦国名臣列伝
    3.2
    戦国の七大国が、秦によって統一されるまで 越の范蠡、秦の商鞅、燕の楽毅、楚の屈原など、中国四千年の歴史の中で、本当に自由な発想が許された戦国時代の名臣たちの生涯
  • 春秋名臣列伝
    3.5
    中原の覇者を目指す者たちの深謀遠慮 中国最古の年代記『春秋』を孔子が編み、呉越が戦った時代。管仲や子産、孫子など二十人の名臣を軸に、各国の興亡のドラマを描く
  • 日本の戦後を知るための12人 池上彰の<夜間授業>
    4.1
    現代日本を形作ったキーパーソン12人を語りつくす! 田中角栄、渡邉恒雄、ホリエモンに池田大作、上皇陛下まで……、毀誉褒貶ありつつも戦後日本を決定づけた人々を池上解説。 2018年から文藝春秋西館で行われた「〈夜間授業〉池上彰“戦後”に挑んだ10人の日本人」をもとに構成・編集。講義で実際に出たQ&Aも収録し、改めて基本から現代史の重要人物たちを知ることができます。 「戦後日本」に対峙し、変革をもたらした型破りな人々の“功罪”で学ぶ現代史講義。 第1回 田中角栄 今、見直される理由 第2回 江副浩正 情報社会の開拓者 第3回 小泉純一郎 断言する“変人”政治家 第4回 中内功 価格破壊の風雲児 第5回 渡邉恒雄 読売帝国の支配者 第6回 堤清二 詩人経営者の血脈 第7回 村上世彰と堀江貴文 金儲け至上主義と国策捜査 第8回 石原慎太郎 暴言と思いつきの長期都政 第9回 池田大作と創価学会 政教分離と自公連立 第10回 上皇陛下と上皇后・美智子さま 象徴天皇としての試行錯誤 (目次より)
  • 永田鉄山の総力戦
    4.0
    総力戦の時代、日本にどんな選択があったか 昭和史に新たな光をあてる! 昭和10年、人事抗争の末、陸軍省内で殺害された陸軍の最高頭脳、永田鉄山。彼が挑んだのは「国を守るための戦争か、戦争のための国家か?」という総力戦のパラドックスだった。その永田の国家総動員体制論と、国家観として、正面からぶつかったのが美濃部達吉「天皇機関説」であった。 トランプの関税外交ひとつとっても、国家と国家が、経済、政治、外交など 総力でぶつかり合う「総力戦」は、実は現代の世界にも通じる難問にほかならない。総力戦の時代、日本にどのような選択があり得るのか? 〈ひとたび総力戦が開始されると、国家の存続、国民の安全のためには、その国の軍事、経済、政治、社会生活、文化などのすべてを動員して戦わなければならない。これが「総力戦」の出発点のはずである。ところが、総力戦を前提とすると、「国民と国家を守るための戦争」であるはずのものが、「戦争のための国家」へと反転してしまう。それは、「国家総力戦」自体がもつ不条理の反映でもあった。国家の全てを賭けて戦わなければ生き残れない、という過酷な現実にいかに対応するか、という難問が、永田のテーマだった。〉(「はじめに」より)
  • 陸軍作戦部長 田中新一 なぜ参謀は対米開戦を叫んだのか?
    4.0
    対米戦争を決した男は何を考えていたのか? 田中は陸軍の中でも最も強硬に日米開戦を主張した人物です。参謀本部作戦部長という重要なポジションにあって、作戦立案の中心を担った田中は、国策決定上、大きな発言力を持ちました。 なぜ圧倒的な国力差のある米国と戦わなければならないか。実はかなり開戦のギリギリまで、日本は、なんとか米国とは戦わない方法はないか、と検討を重ねています。しかし、田中は早くから米国との戦争を決意していました。 現代の眼からは田中が唱えた「日米開戦すべし(そしてソ連も)」との主張は理解しがたいでしょう。しかも田中は同時にソ連とも戦うべきだ、と主張します。無理に決まっています(実際、陸軍も無理だと判断しました)。しかし田中は陸軍の頭脳ともいうべき参謀本部の、しかも作戦担当のトップだったのです。彼の対米開戦論は、参謀本部に結集した情報に基づき、彼なりのロジックで組み立てられたものでした。その論理とは何だったのか。 参謀は、いかに勝利への答えが出ない状況でも、何か無理やりにでも、「これなら勝てる(可能性がないわけではないかも)」みたいなプランを出し続けなくてはなりません。田中はその仕事にきわめて精力的に取り組みました(その結果、日本を敗戦に導きます)。 戦争の途中で、田中は軍務局長をぶん殴り、東条英機首相に「馬鹿者共」を罵声を投げつけて、ビルマに飛ばされてしまいますが、田中がいなくなると陸軍にはもう、「これなら勝てる(以下略)」を絞り出せる人はいなくなってしまいます。そのあと2年半くらい、日本はずるずると犠牲を出し続けて、負けます。そういう本です。是非ご一読を。
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち
    4.3
    2016年3月公開 映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』原作 世界中が、アメリカ発の住宅好況に酔っていた2000年代半ば、そのまやかしを見抜き、世界経済が破綻する方に賭けた男達がいた。投資銀行、格付機関、米政府の裏をかき、彼らはいかに世紀の空売りと呼ばれる大相場をはったのか。『マネー・ボール』の著者マイケル・ルイスが世界同時金融危機の実相を描く痛快ノンフィクション。解説・藤沢数希 電子書籍では、マイケル・ルイス氏が映画化の経緯や、その見所について述べた「映画化記念 著者特別エッセイ」を収録。
  • やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく
    4.5
    NHK朝ドラ「あんぱん」放送目前! 「アンパンマン」作者の本格評伝 栗林忠道、島尾ミホ、原民喜などの評伝を手がけてきた梯久美子が、綿密な取材をもとに知られざるエピソードを掘り起こした「やなせたかし」評伝の決定版。 高知県で生まれた嵩(たかし)は、幼少期に父を亡くし、再婚した母とも別れて伯父の家で育つ。 東京で美術を学び、デザイナーとなるが、徴兵され中国大陸へ。 戦場で飢えを経験したことと、たったひとりの弟が23歳の若さで戦死したことが、のちに「アンパンマン」の誕生につながっていく。 戦後に就職した高知新聞社で「韋駄天おのぶ」とあだ名される元気いっぱいの女性・暢(のぶ)と出会った嵩は、 再度上京し、妻となった暢とともに子どもの頃からの夢だった漫画家を目指す。 たくさんの挫折を経験し、ようやくアンパンマンを生み出すが、 「顔を食べさせるなんて残酷だ」「気持ち悪い」と大人たちからは大ブーイング。 だが子どもたちは、無垢な心でアンパンマンを愛してくれた――。 著者はかつて『詩とメルヘン』編集者として、やなせたかしのもとで働き、晩年まで親交があった。 子ども向けに書いた伝記『勇気の花がひらくとき やなせたかしとアンパンマンの物語』(フレーベル館)はロングセラーとなり、小学校の教科書に採用されている。 2011年の東日本大震災直後、被災地からラジオ局にリクエストが殺到した「アンパンマンのマーチ」。 避難所で大合唱する子どもの姿に、92歳だったやなせは感動し、94歳で亡くなるまで、復興のために力を尽くした。 愛と勇気に生きた稀有な生涯を、評伝の名手が心を込めて綴る感動作。
  • 世界を変えた10人の女性 お茶の水女子大学特別講義
    4.3
    近現代において大きな足跡を残した10人の女性たち。その生涯と業績について、著者が名門女子大で講義した上で、学生たちと徹底討論! 取り上げられたのは以下の女性たち。 ミャンマーの民主活動家アウンサンスーチー 「ザ・ボディショップ」を起業したアニータ・ロディック インドで救済活動に身をささげたマザー・テレサ アメリカの女性解放運動リーダー、ベティ・フリーダン イギリスの元首相マーガレット・サッチャー 近代的な看護の概念を生み出したフローレンス・ナイチンゲール 物理学者・化学者マリー・キュリー 国連難民高等弁務官、緒方貞子 環境保護活動家ワンガリ・マータイ 元GHQ職員ベアテ・シロタ・ゴードン ※このコンテンツは文庫版に使用されている写真の一部が掲載されていません。
  • 政治と情念 権力・カネ・女
    3.8
    2016年、ときならぬ角栄ブームが起きた。 1974年に「田中角栄研究ーその金脈と人脈」を発表し、田中総理退陣の先鞭をつけた著者はこう書く。 「田中角栄になぜそれほどのパワーがあったのか。(中略)なんといってもその根底にあったのは、角栄の不思議な人間的魅力だったといえるだろう」  また、こうも言う。 「田中角栄は情念の人だった」 本書は発表当時、世間の耳目を集めていた角栄の長女、真紀子元外相の分析を入り口に田中角栄の人生を振り返り、さらには日本政治における「角栄の遺伝子」問題を研究した書である。
  • 殉死
    3.8
    乃木希典――第三軍司令官、陸軍大将として日露戦争の勝利に貢献。戦後は伯爵となり、学習院院長、軍事参議官、宮内省御用掛などを歴任し、英雄として称えられた。そんな彼が明治帝の崩御に殉じて、妻とともに自らの命を断ったのはなぜなのか? “軍神”と呼ばれた男の内面に迫り、人間像を浮き彫りにした問題作。
  • 龍馬史
    4.0
    坂本龍馬を斬ったのは誰か? 黒幕は? 幕末最大のミステリーに挑んだ 気鋭の歴史家が、史料の丹念な読解と巧みな推理でついに謎を解きあかした。 自筆の書状から龍馬の内面に迫り、龍馬が生きた幕末という時代、土佐藩の事情などを一つ一つ検証。既成の枠にとらわれない自由な発想の持ち主が生まれた背景にも迫ります。 坂本龍馬の生涯をたどることで、複雑な幕末史が分かる。
  • 合気を極めた男・佐川幸義 孤塁の名人
    3.0
    指1本で大男を吹き飛ばす合気を極めた男・佐川幸義。 「大東流合気柔術」を実際に体験した著者が名人の生涯と合気の秘密に迫る。 わずかに身体を動かすだけで、つかみかかる猛者たちを宙に吹き飛ばす「大東流合気柔術」。 その創始者である武田惣角から直伝を受け、さらに高みを目指した伝説的師範・佐川幸義。 彼の魔法のような強さはどこから来たのか? 1998年に95歳で亡くなるまで、10年にわたって師事した著者が、高弟たちの証言をもとに描いた本格評伝。
  • 愛の顛末 恋と死と文学と
    4.5
    悲恋、秘められた恋、ストーカー的熱情など、文学者たちの知られざる愛のかたちを追った珠玉のノンフィクション。 ●小林多喜二――沈黙を貫いて亡くなった小林多喜二の恋人、田口タキ。多喜二に深く愛されながらも、自分は彼にふさわしくないと身を引き、それゆえ伝説的な存在になった。 ●近松秋江――女性に対する尋常でない恋着を描いて明治・大正の文学史に特異な足跡を残した近松秋江。いまでいうストーカーのごとき執着と妄執は、「非常識」「破廉恥」と評された。 ●三浦綾子――旭川の小学校教師であった三浦綾子は、敗戦による価値観の転倒に打ちのめされ退職、自死を図る。光を与えたのはクリスチャンである一人の青年だったが、彼は結核で逝き――。 ●中島敦――母の愛、家庭のぬくもりを知らずに育った中島敦が選んだ女性は、ふくよかで母性的な人だった。だが彼女には親同士が決めた婚約者がいた。そこから中島の大奮闘が始まる。 ●原民喜――最愛の妻を失ったときから、原民喜はその半身を死の側に置いていた。だが広島で被爆しその惨状を目の当たりにしたことで、彼は自らの死を延期したのだった。 ●梶井基次郎――宇野千代をめぐって、その夫、尾崎士郎と決闘-そんな噂が流れるほど話題になった梶井基次郎の恋。では、千代はどう思っていたのか。二人の出会いから別れを丹念にたどると、恋多き女の心情が浮かび上がる。 他に取り上げたのは、鈴木しづ子、中城ふみ子、寺田寅彦、八木重吉、宮柊二、吉野せい。 解説・永田和宏
  • 赤塚不二夫のことを書いたのだ!!
    4.0
    『おそ松くん』『天才バカボン』『レッツラゴン』…生涯じつに8万枚の漫画を執筆した天才漫画家・赤塚不二夫に、35年間連れ添った小学館の編集者がいる。“武居記者”というキャラクターで赤塚漫画にも登場する本人が、天才との濃厚すぎる日々を語る。ニャロメのモデル、『天才バカボン』引き抜き事件、新婚そうそう5日間泊り込み、ヤクザに追われてふぐ三昧、崇拝する美空ひばりと新宿デートなど、はちゃめちゃで抱腹絶倒の秘話満載! 浅野忠信主演で、映画化。
  • 茜色の空 哲人政治家・大平正芳の生涯
    4.2
    スマートとはいえない風貌に「鈍牛」「アーウー」と渾名された訥弁。だが遺した言葉は「環太平洋連帯」「文化の時代」「地域の自主性」等、21世紀の日本を見通していた。青年期から、大蔵官僚として戦後日本の復興に尽くした壮年期、総理大臣の座につくも権力闘争の波に翻弄され壮絶な最期を遂げるまでを描いた長篇小説。
  • 麻原彰晃の誕生
    3.7
    宗教団体が狂気を帯びた、そのルーツは何か? 地下鉄サリン事件などで死刑判決を受けたオウム真理教の教祖に狂気が宿った原因は何だったのか。幼年期に遡る徹底取材で闇を描く
  • 姉・米原万里
    4.4
    アレルギーを起こすほど卵好き、お便所に三回落ちたなど、「トットちゃんより変わっていた」伝説のロシア語会議通訳、米原万里。プラハでの少女時代を共に過ごした三歳年下の妹が、名エッセイの舞台裏やさまざまな武勇伝の真相を明かす。「旅行者の朝食」「ハルヴァ」など食をめぐる美味しい話と秘蔵写真満載! 解説・福岡伸一 【目次】 卵が大好き 米原家の大食い伝説 プラハの黒パン クネードリキ ソビエト学校のキャンプ 赤いエリートの避暑地 父の料理、母の料理 大好きな写真 米原万里が詩人だったころ 職業は「踊り子」 きれいな一重まぶた 飲まない万里のまっ茶な真実 毛深い家族 わたしは料理の道へ いつも本を読んでいた 「旅行者の朝食」 あとがき 文庫版のためのあとがき 解説 福岡伸一 文庫版のための付録、その1、その2
  • 安倍晋三実録
    4.1
    安倍氏に最も食い込んだ記者による「安倍評伝」の決定版! 20年にわたり安倍氏を取材してきた元NHK記者が「回顧録」にも書かれていない肉声を記録した膨大な取材メモからその実像を描く。 はじめに 第1章 第三次政権への夢 第2章 雌伏の五年間と歴代最長政権 第3章 慰安婦問題と靖国参拝 第4章 トランプと地球儀俯瞰外交 第5章 拉致問題解決への信念 第6章 習近平との対決 第7章 生前退位と未来の皇室像 第8章 スキャンダルと財務省 第9章 岸家と安倍家の葛藤 おわりに
  • 天邪鬼のすすめ
    -
    「壮大なまわり道の中で研ぎ澄ました私の感性……頼れるものは、それしかない」 不安の時代を生き抜くヒントに富む、 ベストセラー作家の自伝的エッセイ 厳格な軍人家族に生まれた著者は、敗戦によってすべての価値観が根底から覆ってしまう。凛として「恥を知る」ことを説いた父が、戦後は見る影もなく落魄。そのくせ世の中が落ち着くと、徐々に昔の価値観に戻っていく……。そんな父と、暁子は確執を深める。家の中はぎくしゃくし、母とも心が通じなくなっていく。 また、結核を患ったせいで、幼い暁子は長期の入院を強いられた。外で遊ぶこともならず、彼女はおのずと自分自身に向き合うようになる。敗戦と結核、これが原点となった。 家族と離れて自由を謳歌した高校・大学時代。NHK入局後、野際陽子との出会いで悟った「私は私」という境地。そして、ある音楽家の男性との運命的な出会いと大失恋。さらに、パートナーを得た後にも暁子に影を落とす父と母の存在……。 波瀾万丈の来し方を振り返りながら、著者はあるヒントを投げかける。「天邪鬼」であること。そして「おめでたさ」を失わないことの大切さ。挫折と思えたものを逆転してこられたのは、天邪鬼とおめでたさがあったからこそ。 自分で考え、反骨を忘れない。自分で食べる。自分で決める……その大原則さえ守っていれば、人は自由に生きることができる。切れ味鋭く、かつ滋味深い著者の言葉は、不透明な時代を生き抜くための力を与えてくれる。
  • 硫黄島 栗林中将の最期
    4.0
    名将の死の真相を解き明かす、傑作ノンフィクション 硫黄島総指揮官栗林の「ノイローゼ→投降→部下による斬殺」説は本当か? 名将の死の真相が遂に明らかに。感動のノンフィクション。
  • 伊賀の人・松尾芭蕉
    -
    「忘れなかった『武士の品格』」、「美食家」、「月オタク」、「大ヤマ師」、「お伊勢参りは生涯で六度」 "忍者の里"から江戸へ――俳聖「芭蕉」誕生の秘密とは。そしていかに煩悩と戦い理想に生きたか。その人間味に迫る。 生涯の大半を旅に費やした芭蕉。しかし、生まれ育った伊賀に頻繁に帰るなど、心の拠り所は常に故郷にあった。 芭蕉はいかにして「俳聖」となり、俳句という文学で何を成し遂げようとしたのか――。人間芭蕉の旅の軌跡と素顔を紐解く。 序章  俳諧師「芭蕉」誕生前夜 第一章 江戸で決意した行脚詩人の道 第二章 野垂れ死に覚悟の旅 第三章 神様か、大山師か 第四章 俳聖の神髄とライバル井原西鶴 第五章 無頼の門人たち 終章  芭蕉の最期
  • イタリア「色悪党」列伝 カエサルからムッソリーニまで
    4.0
    イタリア男といえば、軽いノリの女好き「ちょい悪オヤジ」ばかり? 「史上最強」とされる古代ローマ帝国が誕生し、ルネサンスの文化・芸術が花ひらいたかの地には、世界史を動かし、時代を騒がせた男たちが歴史上に多く存在する。 文字通り「英雄色を好む」だったカエサル、ベッドの上でも天才だったダヴィンチ、華麗なる夜の外交官カサノヴァ、セックスと権力におぼれた独裁者ムッソリーニなど、なみはずれた才能と実行力を持ち、なおかつ華やかな女性遍歴がつきまとった「色悪党」たちの物語。
  • 植村直己・夢の軌跡
    4.0
    稀代の大冒険家の伝記〈決定版〉! 日本人初のエベレスト登頂に続き、世界初の5大陸最高峰登頂を果たした1ヵ月後、植村は1枚のたたんだ紙を畳の上に広げ「南極の地図です」と言った。ここを単独で横断するのが自分の次の目標だ、とも。16年にわたり植村の活動を支え、夢を共に追ってきた著者がつづる冒険家の肖像。見たい、体験したい欲求を、植村は生涯追い続けた――。
  • 美しい日本人
    3.0
    現在の日本と日本人を見つめ直す 明治以来、日本には数多くの、無私の人、潔い人、天晴れな人――、ひと言で言うなら「美しい日本人」がいました。 そうした人々の生き方を知ると、そうそう、日本人ってこうだったんだよなあとしみじみ胸に迫るものがあります。歴史に名を残さないまでも、こうした日本人は市井にたくさんいたはずです。 ましてや、殖財と私利私欲に走る人たちのニュースが連日のように報じられる昨今だからこそ、そんな“偉人”たちの片鱗に触れれば、痛快な思いがしたり考え直したりするのではないでしょうか。 “偉人”の人生は、我が身を映す鏡でもあるのです。 本書では、かつて『文藝春秋』で記事になった数百人の人物のなかから、“美しく生きた日本人”73人を厳選しました。 たとえば、政官界からは鈴木貫太郎、白洲次郎、土光敏夫……、国際社会からは緒方貞子、杉原千畝、植村直己、盛田昭夫……、実業界からは本田宗一郎、星一、井深大……、文化からは小津安二郎、城山三郎、淀川長治、兼高かおる……、学問からは柳田國男、白川静、牧野富太郎……、芸能からは高峰秀子、渥美清、坂本九……と多岐の分野にひろがっています。ときにその恩恵は、現在の私たちにも及んでいます。文芸や芸能であれば、大多数の国民がその恩恵を享受していることでしょう。 本書が読者諸兄の人生と思考にとって、良き一助になれば幸いです。
  • エイズ治療薬を発見した男 満屋裕明
    4.3
    「死の病」と恐れられたエイズ。その治療薬を世界で初めて開発したのは日本人だった!  熊本大学医学部を卒業し、アメリカの国立衛生研究所に勤務していたときの快挙である。リスクの高い研究に生命を賭して取り組んだ日々、巻き込まれた特許紛争など、いまやノーベル賞候補ともいわれる研究者の半生を描いたノンフィクション。
  • 江戸の名奉行 43人の実録列伝
    3.3
    鬼平、大岡越前、遠山の金さん……。時代小説や時代劇で知られる実在した町奉行、勘定奉行、火付盗賊改など名奉行43人の実像とは? 「名裁き」から生まれた泣ける人情話から、厳酷なる取り調べ、火あぶりの拷問、島流しの実態まで、豊富な史料から明らかにする。読めばさらに深く楽しめる、時代小説ファン必携の1冊。
  • エリザベート ハプスブルク家最後の皇女 上
    3.5
    二十世紀中欧の動乱と悲劇を描く一大叙事詩 世紀末ウィーンのハプスブルク王家の嫡流に生まれ、帝国崩壊と二度の大戦を経て、社民党闘士と再婚した美しき大公女の波瀾の人生。 ◎祖母は人気ミュージカル「エリザベート」で有名なエリザベート皇后 ◎父は男爵令嬢と謎の自殺を遂げたルドルフ皇太子 ◎一目惚れのあげく、祖父・皇帝の力で得た初婚の不幸な結果 ◎貴賤結婚を忌んだ宮廷儀礼の末に起きたサライェヴォの悲劇 ◎オーストリア=ハンガリー帝国の崩壊に至った第一次世界大戦 ◎一市民となった後の、社会民主主義運動家との出会い ◎「同じドイツ民族」を旗じるしにナチスの恫喝で進むオーストリア併合の一部始終 ハプスブルグ家最後の皇女のたどった波乱万丈な八十年の人生を通して、激動のヨーロッパを読む。 ※この電子書籍は、2003年6月に刊行された文春文庫版を底本にしています。
  • Au オードリー・タン 天才IT相7つの顔
    4.3
    日本初刊行、天才のすべてがわかる決定版がついに文庫化 IQ180以上、中学校中退。起業、AppleでSiriの開発に関わり20代で性を変えた無政府主義者が台湾政府で活躍するまで。 ※この電子書籍は2022年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 尾崎豊 夢のかたち
    5.0
    尾崎豊は26歳で世を去った。1992年4月25日未明に、民家の軒先で瀕死の姿で発見されたとき、彼は全裸で、全身に傷を負っていた。全力で走りつづけ、自ら傷つき、周囲を傷つけつづけたその軌跡。少年少女の代弁者にまつり上げられ、プロダクションやレコード会社に裏切られ、覚醒剤に救いを求めて破滅していった“カリスマ”の孤独な肖像を、彼自身の言葉、スタッフ達の証言、ファンの声によって浮き彫りにする。NYでの生活、死後の署名運動の経過についても補筆。
  • 小沢一郎 淋しき家族の肖像
    -
    「岩手や日本の為になる人間ではないとわかり離婚いたしました」(妻・和子の手紙) 『週刊文春』で妻・和子からの「離縁状」をスクープした著者が、 20年以上の小沢一郎取材の成果をすべて注いだ衝撃ノンフィクション! 家族の亀裂――。それが「政治家・小沢」崩壊の引き金だった。なぜ妻と3人の息子は小沢のもとを離れたのか? 隠し子を別の愛人に預けたのは何故か? 父・佐重喜と母・みちとの間の秘密とは? 小沢一郎という平成の政局を牛耳った政治家の人間性に潜む謎に迫るノンフィクション。
  • 小澤征爾 覇者の法則
    4.0
    なぜ彼だけが「世界のオザワ」となり得たのか。構想十数年、カリスマの秘密を徹底解明。 ラグビーに夢中だった子供時代、無鉄砲な海外武者修行に飛び出した青年時代。カラヤン、バーンスタインといった巨匠からの絶賛。N響との対立という試練。数多の浮沈を経て、音楽界の最高峰・ウィーン国立歌劇場音楽監督に登りつめた世界のマエストロ・小澤征爾。その知られざるエピソードを辿りながら、「説得力という不可解なオーラ」「文法的に正しい正確で論理的な思考法」「動物的な意志」など、指揮者としての成功を生んだ秘密に迫ります。小澤流「逆境を味方にする力」の方法論です。
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折
    4.4
    ”全身脚本家”驚愕の真実! 『羅生門』、『七人の侍』、『私は貝になりたい』、『白い巨塔』、『日本のいちばん長い日』、『日本沈没』、『砂の器』、『八甲田山』、『八つ墓村』、『幻の湖』など、歴史的傑作、怪作のシナリオを生み出した、日本を代表する脚本家・橋本忍の決定版評伝。 著者が生前に行った十数時間にわたるインタビューと、関係者への取材、創作ノートをはじめ遺族から譲り受けた膨大な資料をもとに、その破天荒な映画人の「真実」に迫る。 目次 序 鬼の詩 一 山の章 二 藪の章 『羅生門』 三 明の章 『生きる』『七人の侍』 四 離の章 『蜘蛛巣城』『夜の鼓』『女殺し油地獄』『風林火山』 五 裁の章 『真昼の暗黒』『私は貝になりたい』 六 冴の章 『切腹』『仇討』『侍』『日本のいちばん長い日』『上意討ち』『首』 七 血の章 『張込み』『ゼロの焦点』『人斬り』『黒い画集 あるサラリーマンの証言』『砂の器』 《特別インタビュー》山田洋次の語る、師・橋本忍との日々 八 計の章 『人間革命』 九 雪の章 『八甲田山』 十 犬の章 『八つ墓村』『幻の湖』 十一 鬼の章 『愛の陽炎』『旅路 村でいちばんの首吊りの木』『鉄砲とキリスト』『天武の夢』 橋本忍 脚本映画一覧
  • 金子みすゞと詩の王国
    4.7
    「人間・金子みすゞ」の真の姿に迫る 新しいみすゞ像と名詩60作を徹底解説! 金子みすゞの詩というと、優しくて可愛らしい作風を連想します。しかし残された五百余編は幅広いテーマを含み、意欲的に創作されたものです。一人で生まれ、一人で死んでいく人間の根源的な孤独、子ども心のあどけなさと寂しさ、小さな命の愛しさ、宇宙の成り立ち、さらに童謡詩の範疇(はんちゅう)を超えて、女性の生き方にも筆を広げています。これらの詩は、みすゞの人生の哀歓とも関わっているのです。 金子みすゞの希望と挫折の生涯、大正デモクラシーの理想から生まれた童謡詩の盛衰をたどりながら、珠玉の名詩60編を文学の視点から読解する新しいみすゞ論。NHK「100分de名著 金子みすゞ詩集」で指南役を務めた著者が、番組テキストに大幅に加筆。図版写真97点、実弟の日記を収載の決定版。心に響く暖かな言葉の王国へいざなう。 ◆金子みすゞ(かねこ・みすず) 詩人。本名テル。1903(明治36)年、山口県生まれ。下関の書店員だった20歳で詩作を始め、雑誌「童話」「赤い鳥」に投稿。詩人の西條八十に絶賛されるも、生前に詩集はなく、1930(昭和5)年に自死。代表作「私と小鳥と鈴と」「大漁」「蜂と神さま」「こだまでしょうか」。 ◆松本侑子(まつもと・ゆうこ) 作家・翻訳家。『巨食症の明けない夜明け』すばる文学賞。『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』新田次郎文学賞。訳書に日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ(文春文庫)。著書に、金子みすゞの弟で脚本家の上山雅輔(かみやまがすけ)の日記から判明した新事実に基づいた伝記小説『みすゞと雅輔』。
  • 河東碧梧桐―表現の永続革命
    -
    伝説の俳人/書家の画期的評伝! 上野千鶴子氏激賞! 「世界最短詩型である俳句は、日本語と格闘せずには表現たりえない。本書は『表現の革命』を論じて、真に革命的な日本語表現論だ」 正岡子規の後継者と目されながら、高浜虚子の陰に隠れ、歴史から抹殺された俳人・河東碧梧桐(1873-1937)。「有季定型」の枠にとどまることなく俳句革新の運動を続け、さらには書にも数多くの傑作を残した、その巨大な足跡を掘り起こす画期的評伝。 ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯
    3.7
    「もし、『ボビー・フィッシャーはどんな人?』と聞かれたら、『チェスの世界のモーツァルト』と私は答えます」(羽生善治)。すなわち、誰もが認める天才である。その天才性を棋譜を追うことで簡単に知ることができる。そして、天才としての彼とはまったく別の人間性も有している――。それが、不世出のチェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーです。 13歳にしてクイーンを捨て駒とする大胆華麗な「世紀の一局」を達成し、翌年、全米王者に。東西冷戦下、国家の威信をかけてソ連を破り世界の頂点に立つが、奇行を繰り返したあげく表舞台から失踪。ホームレス寸前の日々の末、日本で潜伏生活を送る――。アメリカの神童は、なぜ狂気の淵へと転落したのか。少年時代から親交を結んできた著者が、手紙、未発表の自伝、KGBやFBIのファイルを駆使して描いた、輝きそして壊れた男の評伝。羽生善治氏による解説付き。
  • 外国人レスラー最強列伝
    4.0
    取材歴50年以上! 伝説のプロレス記者による昭和プロレス回顧録3部作の完結編。 取り上げたのは以下の14人。 ●鉄人ルー・テーズ ・・・来日中、酔った男に額をピシャピシャと叩かれたとき、人格的にも世界最高のプロレスラーがとった行動とは。 ●神様カール・ゴッチ ・・・東京・渋谷のリキ・スポーツパレスで開かれた「ゴッチ教室」。 ●噛みつき魔フレッド・ブラッシー ・・・記者でさえ近づきたくなかったヒール(悪役)の結婚秘話。 ●黒い魔神ボボ・ブラジル ・・・「真面目で誠実」と馬場に評された男の素顔。 ●鉄の爪フリッツ・フォン・エリック ・・・著者が身をもって味わったアイアン・クローの威力。 ●生傷男ディック・ザ・ブルーザー・アフィルス ・・・「世界一の無法男」の意外なファッション・センス。 ●荒法師ジン・キニスキー ・・・和式トイレを自分で掃除した未来のNWA世界チャンピオン。 ●人間発電所ブルーノ・サンマルチノ ・・・「ニューヨークの帝王」の頭髪に隠された秘密。 ●狂犬ディック・マードック ・・・「ビールを飲むためにプロレスをやっている」愛すべき天然バカ。 ●オランダの赤鬼ウィレム・ルスカ ・・・世界最強は誰か? と問われたら、即座にその名前を挙げる。 ●人間風車ビル・ロビンソン ・・・東スポの1面をかざった「夜の帝王」との大阪・北新地の夜。 ●放浪の殺し屋ジプシー・ジョー ・・・国際プロレスの末期を支えたタフネス。 ●韓国の猛牛・大木金太郎 ・・・放った頭突きは5万発の元祖韓流スター。
  • 学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで
    4.1
    「あの日みた花の名前を僕達はまだ知らない。」 「心が叫びたがってるんだ。」 ひきこもりだったじんたんと、 幼少期のトラウマで声が出なくなった成瀬順。 二人を主人公にした二本のアニメは、 日本中の心を揺さぶり、舞台となった秩父は 全国からファンが訪れるアニメの聖地となった。 実は、そのアニメの脚本を書いた岡田麿里自身が 小学校で学校に行けなくなっていたのです。 これは、母親と二人きりの長い長い時間をすごし そして「お話」に出会い、 やがて秩父から「外の世界」に出て行った岡田の初めての自伝。
  • 合本 昭和天皇【文春e-Books】
    -
    彼の人――昭和天皇―の視座を借りて、近現代史のメインプレイヤーから、一般兵士、市井の人々のドラマを描いたく大作、全7部を一巻に収録。 第一部 日露戦争と乃木希典の死 第二部 英国王室と関東大震災 第三部 金融恐慌と血盟団事件 第四部 二・二六事件 第五部 日米交渉と開戦 第六部 聖断 第七部 独立回復
  • 起業家の勇気 USEN宇野康秀とベンチャーの興亡
    4.3
    堀江貴文、藤田晋ら“ヒルズ族の兄貴分”と呼ばれた男。 ネットベンチャーが続々花開いた時代に、USENの宇野康秀社長は、フジテレビからホリエモンのライブドア株を購入したり、プロ野球の新規参入問題などで、メディアの脚光を浴びました。2001年には、平井堅、米倉涼子らとともにベストドレッサー賞も受賞しています。 しかし華やかに見えるその半生は、挫折と試練の連続でした。 父親の元忠は大阪ミナミで有線放送の会社を興し、裸一貫、全国を制覇した立志伝中の人物です。ところが無断で電柱に有線のケーブルを引いたり、ライバル会社のケーブルを切ったりという悪どいやり方は、息子である康秀に巨大な負債となってのしかかります。 やっとのことで有線放送の会社をブロードバンド事業へと導いた宇野の手腕。しかしこれからという時に、リーマンショックによって経営は暗転し、融資を受けた銀行団との壮絶なバトルが始まるのでした。 起業家の資質とは何か、起業精神の本質はどこにあるのか。 壮大な事業に挑んだ宇野元忠、康秀父子の生き方を軸に、若き日の孫正義、三木谷浩史、藤田晋、村上世彰ら、錚々たるベンチャー創業者たちの興亡の歴史を鮮やかに描きます。
  • 菊池寛アンド・カンパニー
    5.0
    ベストセラー作家にして、100年つづく企業を創ったベンチャー起業家、菊池寛。 高名な文人を祖先にもつ家系ながら、維新で没落した士族の家に生まれた菊池寛は、 家計が厳しく、何度も人生の遠回りを余儀なくされた彼が、念願の旧制第一高等学校に入学したとき、すでに23歳になっていた。 その一高の寮で、芥川龍之介、久米正雄、成瀬正一など、文学を愛する仲間たちと出会う。ところが、寮でマントが盗まれた事件に巻き込まれた菊池寛は、一高を自主退学。 ひとり孤独な日々を送る菊池寛に、小説を世に問う場を与えたのは、一高で出会った仲間たちだった。 「恩讐の彼方に」「真珠夫人」などを発表して、一躍、文壇の最前線に躍り出た菊池寛は、大正11(1922)年、「私は頼まれて物を云ふことに飽いた」と宣言。若い仲間たちと新しいメディアの創設に乗り出す。 「厚くて高い雑誌よりも薄くて安い雑誌が売れる」と見抜くマーケティングのセンス。 編集後記を双方向メディアとして使い、読者とのコミットメント(関わり)を強化。 読者に予約購読を呼びかけ、一種のクラウドファンディングとして資金を調達。 大きく広告をうって、部数増→定価引き下げ→さらなる部数増、という好循環を狙いつつ、広告効果の検証も怠らない。 菊池寛は、現在のビジネス戦略にも通じる施策を、次々と展開していった。 渋沢栄一、小林一三など、近代日本の傑出したイノベーターを描いてきた著者が、新たな視点で描き出す、「100年前のネットメディア」を生み出した菊池寛と。それを取り巻く仲間たちの姿。
  • 記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記
    3.5
    裏切ってでも、書け! 文藝春秋読者賞に輝く圧巻のノンフィクション大作が遂に発売。 巨大メディアを牛耳る「独裁者」に立ち向かった男が、恥辱に満ちた抵抗の半生と、特ダネに情熱を注ぐ反骨記者たちの生き様を描く―― 〈概要〉 オールドメディアが後退戦を強いられる中、記者はいかに生きるべきかを問い直す、圧巻のノンフィクション大作。『しんがり』『石つぶて』などの著作で知られるノンフィクション作家・清武英利氏が、野村證券をはじめ四大証券会社の損失補填を暴いたスクープ記者時代から、「読売のドン」こと渡邉恒雄氏と対決した「清武の乱」の内幕に至るまで、約50年にわたる波乱万丈の記者人生を克明に綴る。一方で、特ダネに異様な情熱を注ぐ令和の反骨記者たちも登場。自民党の裏金問題を暴いた赤旗事件記者や、話題作『対馬の海に沈む』で農協の暗部を追及したジャーナリスト、神戸連続児童殺傷事件「少年A」の両親の独占手記を取った元週刊文春記者など、強烈な個性を持つ記者たちの生き様を描く。逼迫したメディア界を揺り動かす、重厚かつ熱量あふれる記者列伝が誕生!
  • 北の富士流
    3.7
    いまや「日本一着物が似合う男」としてNHKの大相撲解説で人気の北の富士勝昭。第52代横綱であり、親方として千代の富士、北勝海の二人の横綱を育て上げた名伯楽であります。そんな北の富士の男としての魅力を余すところなく綴ったのが本書であります。老若男女全ての大相撲ファン、いや全日本国民、必読の一冊! 【目次より】 第1章 北の富士前夜、北海道のけしき 第2章 私と相撲の遠距離交際 第3章 猛稽古と遊びの方程式 第4章 出世みち三歩進んで二歩下がる 第5章 破門から初優勝への大逆転 第6章 ライバル玉の海との出世競争と熱き友情 第7章 「夜の帝王」と「ネオン無情」の極彩色 第8章 横綱時代の万華鏡 第9章 二横綱を育てた名伯楽の奥行き 第10章 北の富士流の試練 第11章 テレビ解説席の粋、華、情 ※この電子書籍は2016年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 木戸幸一 内大臣の太平洋戦争
    4.4
    東条内閣を生み、「聖断」を演出した昭和史のキーパーソン、初の本格的評伝! なぜ日本政治は軍部に引きずられたのか? 昭和史最大の謎を解く鍵を握る人物が木戸幸一だ。 昭和日本の運命を決する重大な岐路には、必ず彼の姿があった。 開戦時から終戦時まで内大臣をつとめ、東条内閣の生みの親。 木戸孝允の子孫、昭和天皇最側近のひとりにして、 昭和史の基本文献として知られる『木戸日記』を書いた木戸だが、 彼がいかなる政治認識を持ち、重要な局面で何を行ったか、 正面から論じた著作は少ない。 満州事変、二・二六事件から終戦まで、昭和の岐路に立ち続けた木戸を通して、 昭和前期、日本が直面した難局が浮かび上がる。 ロングセラー『昭和陸軍全史』をはじめ、永田鉄山、石原莞爾、浜口雄幸などの評伝で 定評がある著者が描く昭和史のキーパーソン初の本格的評伝。 【内容】 満州事変 内大臣秘書官としていち早く陸軍情報を入手 陸軍最高の戦略家・永田鉄山との交流 二・二六事件 反乱軍鎮圧を上申 日中戦争 トラウトマン工作に反対 「軍部と右翼に厳しすぎる」昭和天皇に抱いた不満 三国同盟と日米諒解案は両立できると考えていた 独ソ開戦という大誤算 日米戦回避のためにあえて東条英機を首相に 「聖断」の演出者として ほか
  • 巨人軍vs.落合博満
    3.8
    NumberWebで2000万PV超の人気連載 40歳落合博満のFA移籍は事件だった。巨人にとって落合がいた3年間とは何だったのか? なぜ巨人・落合監督は誕生しなかったか? 【単行本オビより】 徹底検証ノンフィクション 40歳落合博満は誰と戦っていたのか? 40歳落合「巨人はこんなに練習しないのか…」vs. 巨人OB「早く落合をクビにしろ!」「4億円の値打ちない」 あれから30年――。巨人にとって落合がいた、あの3年間とは何だったのか? なぜ「巨人・落合監督」は誕生しなかったのか? vs. ライバル原辰徳 vs. 松井秀喜「不仲説」 vs. 清原和博「FA移籍騒動」
  • 清原和博 告白
    4.2
    一体どこから、何が狂い始めたのか。 堕ちた英雄が見た栄光と地獄。 10万部突破の衝撃の書、ついに文庫化。 「自分の人生を振り返って、どこからおかしくなったのかとか、 狂い始めたんだろうとか。苦しかったですね……」 覚醒剤取締法違反で逮捕され、2020年6月15日に執行猶予が満了した清原和博。 怪物の名をほしいままにした甲子園のヒーローは、なぜ覚醒剤という悪魔の手に堕ちたのか。 岸和田のやんちゃな野球少年がPL学園に入学、ドラフト事件で盟友・桑田と訣別。 西武の4番として輝いた日々、巨人移籍後の重圧と屈辱。 “番長”を演じ、ピアス、刺青、肉体改造……そして覚醒剤に出遭う。 「僕は、そこから闇の世界に入っていきました」 栄光と転落の半生と、自らの罪を悔いながら、鬱病、薬物依存症とたたかう日々を赤裸々に綴る。 ※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 検屍 M・モンローのヘア
    4.0
    マリリン・モンローの死は自殺か他殺か。世紀の美女の急死にマスコミは騒然、好奇心が突出した取材攻勢に検視官は沈黙の反抗を起こす。奇遇なことにアメリカで冤罪事件を調査していた著者は、くだんの検視官へと到達することになる。大宅賞受賞作家がシャロン・テート、ロバート・ケネディの担当官でもあったトーマス野口に取材し、その謎を探る「M・モンローのヘア」他、人種差別のからむアメリカの実情をひもとくとともに日本の冤罪事件を取り上げ、刑事司法のあり方を問う注目作。
  • 現代中国悪女列伝
    4.2
    中国に、美女は多いが「悪女」も多い……。中国で悪女と呼ばれるには4つの条件があります。1、美女であること。2、才媛であること。3、世間を驚愕させる事件を起こすこと。4、政治権力とかかわりがあること。つまり美人で、頭も良くなければ悪女になれません。 彼女らは、なぜ悪女になったのでしょうか? 悪女にならずには生きていけなかったからです。薄煕来の妻・谷開来、“公共情婦”李薇、ネット上の露悪女、そして江青、葉群。中国を陰で動かした悪女たちそれぞれの人生には、恐ろしいけれど、どこか物悲しさ、痛ましさを覚えます。彼女らの素顔を通じて、現代中国の本質に迫ります。
  • 現代日本バカ図鑑
    3.0
    バカとは知識がないことではありません。価値判断ができないことです。 豊富な知識と立派な肩書きをもつバカは大勢います。 いつの時代でも一番強いのはバカなのです。「非学者論に負けず」という 言葉があるように、バカは論破できないから。批判する側は疲弊し、バカをみるのです。 バカにバカと言ったところで、奴らが反省するわけでもないし、無駄な反発をかうだけだし、徒労である。 しかし世の中には言ってもムダかもしれないけど、言わなければならないことがあります。 バカが圧倒的な権力を握るようになってしまった今の時代、国を滅ぼすバカには、 やはりバカと言うしかありません。 週刊文春の好評連載「今週のバカ」を再構成。 主な登場人物は、石原慎太郎、橋下徹、安倍晋三、みのもんた、朴槿恵、秋元康、朝日新聞、ネトウヨ、松本人志・・・。
  • 恋の華・白蓮事件
    4.5
    有夫の身でありながら年下の青年弁護士・宮崎竜介の子を身ごもった歌人・柳原白蓮の人生。天皇のいとこという高貴な身分、類まれな美貌と文学の才に恵まれた彼女は、大正十年十月のある日、二回り年上の二度目の夫、無学だが九州の炭鉱王と呼ばれた伊藤伝右衛門のもとから奔り、しかも前代未聞の“女からの絶縁状”を新聞に公開する。夫の出方しだいでは白蓮も竜介も姦通罪に問われる……。小説のような人生を情熱的に生きた白蓮の生涯を、丁寧な取材で描き出す。
  • 幸運な男 渋沢栄一人生録
    -
    幕末のテロリストが、愛される経営者に! 横浜焼き打ちを決行しようとした青年は、パリ万博で幕府の瓦解を知る。「一万円札の顔」になった日本最強の経営者、その数奇な運命。 色好みだけど、ケチではなかった。「史上最強の経営者」「日本資本主義の父」など、多くの異名を持つ渋沢栄一の生涯。幕末にテロを決行しようとした青年が、パリ万博で幕府の瓦解を知り、激動の明治には日本一愛される経営になるまで。「一万円札の顔」の数奇な運命を歴史小説の第一人者が描いたエネルギーあふれる人生録決定版! 単行本 2021年1月 文藝春秋刊 『むさぼらなかった男 渋沢栄一「士魂洋才」の人生秘録』 文庫版 2024年12月 文春文庫刊 文庫化にあたり増補・改題 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • 皇后雅子さま物語
    4.0
    痛みを知るから勁くなれる――令和の新皇后、雅子さま。その皇太子妃としての道のりは決して平坦ではなかった。ご成婚パレードでの笑顔はなぜ失われたのか? お世継ぎ問題、「適応障害」の真相は何だったのか? 長年にわたり雅子さまの実像を追う唯一のジャーナリストが描く、新皇后の素顔とは。半生を網羅した決定版! 【目次より】 序章 幸せの黄色いワンピース 第1章 帰国子女の憂鬱 第2章 「根無し草にはなりたくない」 第3章 新人外交官の悩み お妃候補への戸惑い 第4章 皇太子妃選定「極秘プロジェクト」 第5章 ご成婚──雅子さんのいちばん長い日 第6章 「新皇太子妃」に差す影 第7章 長官が尋ねた「お身体のこと」 第8章 愛子さまご誕生までの全舞台裏 第9章 涙が止まらない 第10章 「人格否定発言」初めて語られる真相 第11章 ようやく治療がはじまった 第12章 悠仁さまご誕生──急転する皇室の運命 第13章 愛子さまが学校に行けなくなった日 第14章 ご成婚二十年──雅子妃はお幸せだったのか 終章 令和の皇后として ※この電子書籍は、2015年1月に文藝春秋より刊行された単行本『ザ・プリンセス 雅子妃物語』を改題、新章を増補した文庫版を底本としています。
  • 古関裕而の昭和史 国民を背負った作曲家
    4.1
    軍歌から「六甲おろし」「オリンピック・マーチ」まで、日本人の欲望に答え続けたヒットメーカー。 連続テレビ小説「エール」のモデルになった80年の生涯。 軍歌「露営の歌」、早稲田大学の応援歌「紺碧の空」、夏の甲子園のテーマ「栄冠は君に輝く」、「とんがり帽子」「長崎の鐘」 ……。昭和という時代に日本人が求めた曲を作り続けた作曲家・古関裕而。 クラシックの作曲家を目指すも挫折し、 戦時中は軍歌でヒット曲を連発。 軍歌の帝王と称された前半生。 終戦後は一転してドラマや映画音楽から 社歌や自衛隊の歌まで作曲するなど 常に大衆音楽の担い手であった。 NHK朝の連続テレビ小説「エール」のモデルとなった 日本を代表する作曲家の80年の生涯を 新しい資料と丹念な取材で読み解いた一冊。
  • 古代女王ものがたり
    -
    人類文明の故郷である古代オリエントには、輝かしい名を残した女王と王妃が少くない。クレオパトラやハトシェプストなど、おなじみの古代エジプトの女王から、シバの女王ビルキス、ローマに挑戦したパルミラの女王ゼノビア、最高の美女といわれた王妃ネフェルティティ、ツタンカーメン王の最愛の王妃アンケセナーメンなど、紀元前十五世紀から紀元後三世紀に至る古代オリエントの歴史の中で、波乱万丈の生涯を華やかにたどった六人の女性たちの、ロマンにみちた劇的な生涯を描く。
  • 孤独な祝祭 佐々木忠次 バレエとオペラで世界と闘った日本人
    4.0
    「諦めるな、逃げるな、媚びるな」 ──こんな日本人がいた── 16年間にわたる執念の交渉の末、誰もが「不可能」と口を揃えたミラノ・スカラ座の引越し公演を日本で初めて実現。ドミンゴ×クライバー「オテロ」の幕が日本で開いた。 また鬼才モーリス・ベジャールに不朽の名作「ザ・カブキ」をつくらせ、世界各国の名門オペラハウスに自らのバレエ団「東京バレエ団」を率いて乗り込み、20年間外部の団体の公演を許可してこなかった、世界中のダンサーが憧れるバレエの聖地、パリ・オペラ座をも制覇。 誰もが不可能と信じていたことを、執念の交渉で次々現実にしてきたタフネゴシエーターは、2016年4月30日、ひっそりとこの世を去った。 その名は佐々木忠次。 世間一般での知名度はそれほど高くないが、オペラやバレエのファンの間では「ササチュー」の愛称で親しまれていた男である。 敗戦国の島国から来たおかしな東洋人と冷たい視線を浴び、日本の官僚の無理解に苦しみながら、各界の大物と一歩もひかずに徒手空拳で直談判してきた佐々木だが、「美」と「本物」への激しい渇望は、同時に己を焼く業火となった。過剰な情熱が巻き起こす周囲との軋轢、美意識をめぐる衝突、盟友との訣別……。劇場に生きた男の孤独な闘い。その誰も知ることのなかった舞台裏が、徹底取材により、今、明らかになる。
  • この父ありて 娘たちの歳月
    4.5
    石牟礼道子、茨木のり子、島尾ミホ、田辺聖子、辺見じゅん……。 不朽の名作を生んだ9人の女性作家たち。 唯一無二の父娘(おやこ)関係が生んだ、彼女たちの強く、しなやかな生涯。 『狂うひと』『原民喜』『サガレン』など、話題作を発表し続けるノンフィクション作家が紡ぐ、豊穣たる父娘の物語(ナイン・ストーリーズ)。 目次 ・渡辺和子  目の前で父を惨殺された娘はなぜ、「あの場にいられてよかった」と語ったのか? ・齋藤 史  二・二六事件で父は投獄された。その死後、天皇と対面した娘が抱いた感慨とは――。 ・島尾ミホ  慈愛に満ちた父を捨て、娘は幸薄い結婚を選んでしまい、それを悔い続けた……。 ・石垣りん  四人目の妻に甘えて暮らす、老いた父。嫌悪の中で、それでも娘は家族を養い続けた。 ・茨木のり子  時代に先駆けて「女の自立」を説いた父の教えを、娘は生涯貫いた。 ・田辺聖子  終戦後の混乱と窮乏のなかで病み衰えた父の弱さを、娘は受け入れられなかった。 ・辺見じゅん  父の望む人生を捨てた娘は、父の時代――戦争の物語を語り継ぐことを仕事とした。 ・萩原葉子  私は、父・朔太郎の犠牲者だった――。書かずには死ねないとの一念が、娘を作家にした。 ・石牟礼道子  貧しく苦しい生活の中でも自前の哲学を生きた父を、娘は生涯の範とした。  ・「書く女」とその父 あとがきにかえて
  • 小林旭回顧録 マイトガイは死なず
    4.0
    昭和100年、そしてデビュー70周年に向けて 石原裕次郎、美空ひばり、高倉健らとの華麗なる交遊、 輝き続ける名曲・名演の舞台裏、芸能界への直言――。 今だから明かせる、破天荒な秘話の数々! 「渡り鳥シリーズ」「マイトガイシリーズ」など、 日活黄金時代の貴重なスチール写真も大量に収録。 「生涯現役なんていう意識はないが、黙って消えるのは柄じゃない」 (本書より) 目次 序章 静かなるカリスマ  第一章 日活黄金時代の輝きのすべて  第二章 世界への飛翔とアクション、そして愛  第三章 日本人を応援し続ける名曲の数々 第四章 昭和後期――円熟の演技の時代 第五章 別れと永遠と 第六章 芸能界への直言 第七章 「いま」を生きる 本人による作品解説 映画と音楽、珠玉の十作
  • 辛夷の花 ――父 小泉信三の思い出――
    -
    日本の知識人の代表だった小泉信三──父であり夫である家庭でのふだん着の姿を、長女の著者が「掌編小説の趣がある」と評された名文でつづった追憶記です。最近、子供の問題で父親の人間像が問われていますが、昭和の骨太紳士はいったいどのような父親像を家族に見せていたのでしょう。戦後日本人の教養を、稀有な指導力でたかめ導いた小泉の意外な側面から、「見事な父親」としてのひとつの具体的な答を、あなたは本書の中に見出すでしょう。
  • 高容姫 「金正恩の母」になった在日コリアン
    4.4
    北朝鮮の歴史から消された大阪・鶴橋育ちの少女の愛と死 圧倒的取材力!親族の新証言、晩年の衝撃写真も収録し、高容姫の激動の人生を追うノンフィクション 北朝鮮の最高指導者、金正恩総書記の母である高容姫は、大阪で生まれ、鶴橋のコリアタウンで育った。北朝鮮に「帰国」したあと、その美貌でトップレディの座を射止め、故金正日総書記との間で金正恩をはじめ2男1女を産み、育てた。 だが、北朝鮮では誰でも彼女のことを知っているのに、口にするのはタブー中のタブーだ。 なぜ、高容姫は北朝鮮の歴史から抹殺されてしまったのか? そんな高容姫について、著者は粘り強い取材で謎を解き明かしてゆく。 日本にいる「金正恩の伯父」に初めてインタビューし、高容姫の複雑な家族関係を直接語ってもらっている。日本で住んでいた家も初めて特定できた。 北朝鮮に「帰国」するために高容姫の乗った船が、新潟港を出発する写真も入手した。容姫がまだ幼い正哲、与正とともに写った貴重なショットもある。 高容姫は晩年、乳がんを患いパリの病院で治療を受けていた。その時の写真も関係者から入手した。晩年の面影は、驚くほど現在の正恩にそっくりだ。これらの写真には、金正恩も無関心ではいられないだろう。 高容姫は日本での生活を懐かしみ、個人的に日本にお忍び旅行にも来ている。子どもたちには日本のことを話し、日本語を教えていた。正恩にとって日本は「千年の宿敵」などではなく「親族が住む隣国」である。その深いつながりは、日朝の今後を考える上で、貴重な接点になる可能性もある。
  • 崑ちゃん ボクの昭和青春譜
    4.5
    昭和三十~四十年代、『番頭はんと丁稚どん』『とんま天狗』などで絶大な 人気を獲得。コメディアン、俳優、司会、コメンテーターとして、テレビの 黎明期から活躍する大村崑の回想記。 劇団「笑いの王国」を結成した芦屋雁之助、小雁兄弟や花登筺、 同時期に活躍して関西の笑いを全国に広げた藤田まこと、藤山寛美、 高倉健、渥美清、美空ひばり、森繁久爾、森光子など昭和のスター・・・。 抱腹絶倒、波瀾万丈のエピソードが満載! ・おもな目次 【第一章 人気者狂想曲】 北野劇場/花登筺の脚本と演出/「とんま天狗」 【第二章 家族の記憶】 神戸・新開地 【第三章 「大村崑」の誕生】 終戦/闇物資商売/キャバレー「新世紀」 【第四章 姓は尾呂内、名は楠公】 ミゼットの生CM/オロナミンC秘話/アドリブから生まれた名コピー 【第五章 僕と家族】 息子たちと銭湯へ/家族対抗歌合戦必勝法 【第六章 「崑ちゃん」秘話】 メロンの恨み──江利チエミと高倉健/遊び仲間・藤田まこと 東京の仲間たち──渥美清、谷幹一、関敬六 キャバレーの流儀──エノケンさん/鼻メガネの継承──三木のり平先生 耳元で聴いた「柔」──美空ひばり/異端児──トニー谷さん すごい顔パスの音曲師──柳家三亀松師匠/桂米朝師匠の「路銀」 『君恋し』──ミヤコ蝶々/藤山寛美さんの楽屋テクニック 森光子ちゃんと森繁久彌先生/とんま天狗ファン──十八代目中村勘三郎 座長・北島三郎さん/八代亜紀さんのサプライズ 【第七章 未完の話】 未だ届かない船――森繁久彌 【第八章 元気ハツラツ!】 崑ちゃんがくれたオロナミンC/崑ちゃんの元気の秘訣
  • 西郷隆盛の首を発見した男
    5.0
    明治10年9月24日、鹿児島。西南戦争において薩軍の総指揮を執っていた西郷隆盛は進退極まり、城山にて自らの腹に刃を立てた。腹心により介錯された西郷の首級は、官軍歩兵第7連隊の千田登文中尉が発見、山県有朋によって首実検された――。 本書の主人公は、西郷の首を発見した千田登文その人です。現在、金沢市長町の千田家には、表紙に「履歴書」と大書された和紙100ページほどの文書が保管されています。これこそ登文が生前自らしたためた、いわば自叙伝。産経新聞編集委員で歴史にまつわる著作も多い大野敏明さんが、癖のある墨文字で書かれたこの履歴書を丹念に読み解きます。戊辰戦争の生々しい戦いの様子、西南戦争における薩軍の最期、そして日清・日露戦争。この第一級の史料をもとにして西郷の最期に迫り、また軍人として生きた千田登文の生涯を描きます。千田の竹馬の友が後に西郷の盟友・大久保利通を暗殺するという運命の皮肉にも驚かされます。
  • 再発! それでもわたしは山に登る
    4.8
    がんに冒されながらも明るく前向きに人生を楽しんだ、世界初の女性エベレスト登頂者・田部井淳子。 山を愛し、夫を愛し、人々との出会いを大切にしたかけがえのない日々……。 2016年10月20日、亡くなる5日前の病室で「みなさん本当にありがとう!!ありがとう!!百万遍もありがとう!!」と書き残した。 がんの再発から、ガンマナイフ治療、あらたな抗がん剤の使用、海外登山に、講演会と精力的に過ごし、2016年7月の東北の高校生の富士登山プロジェクトが最後の登山となった。病室で、打つ手はないとわかりつつも来月、来年の予定まで考え続けていた著者の姿勢に心打たれる感動の闘病記。 山の同志であり人生のパートナーであった夫・田部井政伸氏の手記も収録。
  • 真田幸村
    5.0
    2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』の主人公、真田幸村。その唯一の決定的な評伝。 もっとも知られた武将でありながら、名前さえ確実な史料に残っていない真田幸村。その謎に満ちた生涯を、信濃を拠点とする郷土史家が、真田家の歴史をふまえて、丁寧に追った唯一の決定的評伝。家康をあわやのところまで追い詰めた英雄の実像が明かされる。
  • サムライ 評伝 三船敏郎
    3.5
    映画化! MIFUNE:THE LAST SAMURAI 「七人の侍」「用心棒」「赤ひげ」などで今もなお世界の映画人から尊敬される「世界のミフネ」。その栄光の一方で、酒を飲んでの狼藉や、三船プロの内紛劇、離婚裁判、愛人問題など数々のスキャンダルを抱えていた。 日本が生んだ世界的映画スターのスケールの大きな生涯を、不仲が噂された黒澤明監督との関係や、晩年の認知症を患った姿も含め、徹底した取材で浮き彫りにする。
  • さらば、愛しき藝人たち
    -
    アダチ竜光、牧野周一、広沢虎造、大辻伺郎、吾妻ひな子、石田一松、シミキン、可楽、馬風……比類なき芸ゆえにいかなる奇矯も許された古き良き時代。ずらりと並んだ15人は誰を見ても二度と現れそうもないキャラクターばかりである。筆者は、すでに鬼籍に入って見ることも聞くこともかなわぬ芸をいとおしみ、愛すべき素顔を懐しむ。その優しい目と、巧緻な筆で描いた「しがない」芸術家への鎮魂歌は、同時にもうひとつの昭和史になっている。
  • 沢村栄治 裏切られたエース
    4.3
    ――私は野球を憎んでいます。 その年最高の投手に与えられる特別賞「沢村賞」に名を遺す沢村栄治。 職業野球選手一期生として活躍し、太平洋戦争中に兵士として27歳で命を散らした男は、死の直前そう書き残しました。 六大学野球が全盛の時代に、職業野球(プロ野球)は、スタート直後世間の蔑視に晒されていました。 中学の野球部で指導を受けた監督の縁があった慶応大学への進学を夢見た沢村栄治は、家庭の経済状況から果たせず、中学を中退して出来てまもないプロ野球の世界に。 その後は親族が無軌道に膨らませていく借金に拘束されて、学業に戻ることも叶わず、その結果、戦争の状況が悪化すると、沢村には徴兵猶予の特典もなく、戦死するまで繰り返し兵役へ駆り出されました。 日米戦ではベーブルースと対峙し、アメリカにも二度渡ってその名を轟かせた沢村栄治の軌跡と、波乱にみちた職業野球の誕生の物語を自身も東大で六大学野球をプレイした作家が描きます。
  • 指揮官
    4.0
    山本五十六は真に名将であったのか? マッカーサー元帥の統率力の根源は何であったか? 第一部は太平洋戦争史に名を残す日本帝国の将官たち十四人を、第二部では、第二次世界大戦に活躍した外国の指揮官、指導者十三人をとりあげた。これら指揮官の参加した様々な局面に即して、とくにその重要事態時の姿に、著者は注目する。求められた判断の機会にいかなる決定がなされたか。そこには戦争という歴史の形成と個人との関りが明瞭に示されている。
  • 指揮官の決断 満州とアッツの将軍 樋口季一郎
    4.4
    ユダヤ人「命のビザ」救出劇はもう一つ存在した! リトアニアの外交官、杉原千畝(ちうね)が逃げてきた約六千人ものユダヤ人難民に対して特別ビザを発給し、その命を救った救出劇は多くの人に知られている。 しかし、その二年半前、満州のハルビン特務機関長だった樋口季一郎が、ナチスの迫害からソ満国境の地まで逃げてきたユダヤ人難民に対し特別ビザの発給を実現させた「オトポール事件」は歴史の中に埋没してしまった。 そのユダヤ人救出劇から5年、北方軍司令官となっていた樋口は札幌・月寒の軍司令部にいた。 彼の指揮下にあるアッツ島には無数の米軍上陸部隊が押し寄せていた。樋口は現地軍に対して一度は「増援部隊」を送ることを伝えた。しかし大本営の決定により、増援部隊の派遣は中止となる。樋口は涙を流しながら、その命令を現地に伝えたという。 アッツ島は玉砕。かつて満州の地において多くのユダヤ人を救った男は部下の命を助けることができなかった。オトポール事件の立役者は「日本初の玉砕戦の指揮官」という汚名をかぶることとなってしまう。 本書は運命に翻弄された元陸軍中将、樋口季一郎の生涯を追ったノンフィクションである。
  • 私説ドナルド・キーン
    4.5
    なぜキーンさんは英語で書き、私に翻訳させたのか ドナルド・キーンは生前、日本の新聞社・出版社の求めに応じて自伝を3冊刊行したが、まとまった評伝はこれまで書かれてこなかった。『日本文学史』をはじめ、長年のキーンの日本文学研究についての本格的な批評・研究もあまり見られないのではないか。数々の文学賞や文化勲章を受け、晩年に帰化してからは多くのメディアに登場したが、「学者ドナルド・キーンは、こうした受賞も含めて世間で持て囃されるか、あるいは無視されるか、そのどちらかの扱いしか受けてこなかったような気がする」と、40年来の友人で、『明治天皇』『日本人の戦争』などを翻訳した著者は指摘する。 ドナルド・キーン生誕101年、ユーモアと本物の知性を兼ね備えた文人の生涯をたどり、その豊かな仕事に光をあてる1冊。
  • 渋沢栄一 上 算盤篇
    3.9
    新1万円札の肖像画に選ばれた、「日本資本主義の育ての親」渋沢栄一。幕末から明治、大正、昭和へと至る91年の激動の生涯を、博覧強記の才人・鹿島茂が描いた傑作評伝、ついに電子書籍化! 近代日本の「資本主義」をつくりだした渋沢栄一。彼がその経済思想を学んだのは、「産業皇帝」ことナポレオン3世の統べる19世紀フランスからだった。豪農の家に生まれ、尊皇攘夷に燃えた彼は、一転、武士として徳川慶喜に仕えることになり、パリ万博へと派遣される。かの地で渋沢に影響を与えたのが、産業を拡大することで労働者の福利厚生を充実させるという「サン=シモン主義」の思想だった。帰国後、維新政府に迎えられるが、日本に資本主義を興すため、民間人として生きることを選ぶ……波瀾万丈の評伝、その上巻・算盤篇。 「近代日本は、世界に類を見ないほどの幸運に恵まれていたといえる。なんのことかというと、日本の資本主義は、この「損して得取れ」という思想をバトル・ロワイヤルが行われる以前にすでに体得し、血肉化していた渋沢栄一という例外的な人物によって領導され、実に効率よく高度資本主義の段階に入ることができたからである」 (本文より)
  • 渋沢家三代
    4.2
    新1万円札の肖像に決定した渋沢栄一とは一体、何者だったのか? 日本銀行、第一国立銀行(みずほ銀行)、日本郵船、東京電燈(東京電力)、東京瓦斯(東京ガス)、大日本麦酒(サッポロビール、アサヒビール)、商法講習所(一橋大学)、東京ホテル(帝国ホテル)など、日本を代表する約650の企業や団体をつくった「日本資本主義の育ての親」。それにも関わらず、三井、三菱、住友のような財閥となることを拒み、静かに没落していった──。人物ノンフィクションの第一人者が、栄一・篤二・敬三と続いた渋沢一族三代の真実の姿を描く。 わが国に資本主義を産み落とし根づかせた栄一、それを継承し育んだ嫡孫・敬三。その狭間にあって、廃嫡の憂き目にあった篤二。勤勉と遊蕩の血が織りなす渋沢家の人間模様をたどることは、拝金思想に冒されるはるか以前の「忘れられた日本人」の生き生きとした息吹を伝えることにも重なる。この一族は、なにゆえに「財なき財閥」と呼ばれたのか? なぜ実業家を輩出しなかったのか? いま新たな資料を得て、大宅賞受賞作家が渋沢家三代の謎を解き明かす。 「私はこの本で“偉人伝”を書いたつもりはない。それより意図したのは、栄一という人物の偉大さに押しつぶされた渋沢家の人々の悲劇を、明治、大正、昭和の時代相に重ねて描くことだった。これはまったく類書がない着眼点だといまも自負している」 (本書より) 電子書籍化にあたり、新稿「渋沢家の真相」を収録した。
  • 習近平 なぜ暴走するのか
    4.3
    習近平は2012年秋、中国の最高指導者に就任した。軍の台頭、少数民族との対立、汚職問題、民主化への対応……。いまや世界2位の経済大国になりながら、共産党の独裁を続ける矛盾が吹き荒れるこの国を、彼は御してゆくことができるのか。それとも、覇権国家「最後の皇帝」となるのか。一流ジャーナリストが詳細をレポートする。
  • 宿命 安倍晋三、安倍晋太郎、岸信介を語る
    3.5
    「五十五年の歳月を経て、父と同じように国家のために命を懸けようとする晋三の姿を見ていると、宿命のようなものを感じずにはおれませんでした」(本文より) A級戦犯容疑から総理大臣に上りつめた父親は、「安保」に殉じた。 新聞記者から政界に転じた夫は、総理を目前に病に斃れた。 父親の遺志を継いだ息子は、二度、総理の座に就いた。 三代にわたる政治家について、娘、妻、母の立場から語る――。 ※本書は、1992年に刊行された『わたしの安倍晋太郎~岸信介の娘として』に、月刊文藝春秋2016年6月号に掲載されたインタビュー「晋三は『宿命の子』です」を加えたものです。
  • 出世の法則 財界・官界のトップから日銀総裁まで
    4.0
    著者は読売新聞経済部記者、フリージャーナリストとして、40年以上にわたって財界、 官界のトップに取材してきました。その膨大な取材メモから大物たちの秘められた エピソードを一挙公開。 たとえば―― その一挙手一投足に注目が集まっている黒田東彦日銀総裁に、著者は大蔵省入省4年目の頃から着目してきました。理由は仕事ぶりもさることながら、人並み外れた読書量。東京教育大(現・筑波大)付属駒場中・高時代、図書室の蔵書を すべて読破したという伝説の持ち主で、取材にいくといつも、デスクに倫理学、哲学、 数学、物理学など幅広いジャンルの本が積まれており、そのほとんどが原語であったことに驚嘆させられます。 かの本田宗一郎に最後にインタビューしたのも著者でした。軽のオープン・カー「ビート」の 発表会に杖をついて現れたカリスマ経営者は、新車の周りを何度も回って「いいなあ」を連発。 著者に遺した言葉からも、晩年までいかに車が好きであったかが伝わってきます。 財務省事務次官、日銀副総裁、大和総研理事長を歴任し、現在は2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の事務総長を務める武藤敏郎氏は、 エリート中のエリートですが、夫人がいかに内助の功を発揮していたか、著者の 夜討朝駆け取材から明らかになります。 「おまえ、散歩はしてるか」 「人間、最後は明るさだから」 「出世の陰に女房あり」 「寿司は好物から食べるか」 「接客中、上司に呼ばれたら」 処世や人物鑑定にまつわる名言も多数、収録。現場一筋の著者の、集大成といえる作品。
  • 少女漫画家 「家」の履歴書
    4.0
    あの傑作は、こんな「家」から生まれた! 少女漫画家12人が明かす、家族・仲間との忘れえぬ日々 水野英子 赤塚不二夫、石ノ森章太郎と過ごしたトキワ荘と、『ファイヤー!』が私の青春 青池保子  「結婚せず仕事を」。『エロイカより愛をこめて』で覚悟を決めて購入したマンション 一条ゆかり  まるで『砂の城』のヒロイン。自ら設計した吹き抜けと煉瓦の台所のある家 美内すずえ  『ガラスの仮面』のような「劇団」体験をした、女ばかりのカンヅメ旅館 庄司陽子  デッサンの基礎を養ってくれた母のために作った『生徒諸君!』御殿 山岸凉子  鬼門に玄関が……“奇妙なこと”が続く国分寺の家で描いた『日出処の天子』 木原敏江  『摩利と新吾』から命名。蓼科の「縞りんご荘」の自然が生んだ数々の名作 有吉京子  『SWAN―白鳥―』を四十年以上描き続ける体力を培った築二百年の古民家と金峰山 くらもちふさこ 描けば描くほど元気に。母の故郷を描いた『天然コケッコー』で克服した病 魔夜峰央  『翔んで埼玉』の所沢、パタリロ的諧謔とバンコラン的美意識を宿した家 池野恋  幼い頃から多世代同居。「見守られている安心感」が生んだ『ときめきトゥナイト』 いくえみ綾  『潔く柔く』執筆中の父の死。気分転換で作ったイングリッシュガーデン
  • 小説吉本興業
    -
    古くはエンタツ・アチャコから、明石家さんま、桂三枝、笑福亭仁鶴、西川きよし、横山やすし、島田紳助、松本竜介、オール阪神・巨人、今いくよ・くるよなど、人気タレントを擁する<笑いの王国>吉本興業の「笑売繁盛」の秘密。大正から昭和にかけて大阪の寄席を次々と手中に収めていき、さらには関東にも進出、現在にいたる長い歴史をもつ興行師、上方の演芸とともに生き、「吉本ブーム」を支えてきた演芸界のドン、林正之助の夢と野望を描く長篇小説。
  • 昭和が明るかった頃
    3.5
    昭和三十年代、人々は映画の中に「明日」を夢見ていた。日活とそこに集ったスター達を通じ経済成長前夜の時代精神を描いた長篇評伝
  • 昭和芸人 七人の最期
    4.0
    絶頂に登りつめた後は、下っていくしかない・・・。笑わせることができなくなった芸人には逃げ道がないのである。 エノケン、ロッパ、エンタツ、石田一松、シミキン、金語楼、トニー谷。頂点をきわめた七人のお笑い芸人たちは、どのような晩年を生きたのか。「最後の喜劇人」伊東四朗の特別インタビューを収録。 「喜劇人は同情されたらおしまい」(エノケン)
  • 昭和天皇 第一部 日露戦争と乃木希典の死
    4.0
    ときに悲しいほどに小さく、ときに仰ぐように巨きい。さびしき「彼(か)の人」と、彼の人と同時代を生きた人々の相貌を通して激動の歴史全体を高密度で描く傑作評伝。これぞ福田和也のライフワーク! 明治34年4月29日、迪宮(みちのみや)裕仁親王は誕生した。チャーチル、スターリン、ルーズベルトら後の敵手よりも20も若く。日露戦争、第一次大戦を背景に少年は乃木希典による厳格な教育を受けて成長。しかし、その結婚をめぐって「宮中某重大事件」が起きる――。
  • 昭和天皇伝
    4.1
    第15回(2011年)司馬遼太郎賞受賞作。 日本の命運を若くして背負わざるをえなかった君主はいかに歩んだのか。昭和天皇の苦悩と試行錯誤、そして円熟の日々――。我々は後年の円熟味を増した姿で昭和天皇についてイメージし語ってしまいがちだが、昭和天皇が即位したのは25歳。世間では天皇の神聖さが説かれていても、右翼や保守派の重臣たちは天皇をかなり手厳しく見ていた。本書は側近や実力者たちが残した膨大な日記など、一級の史料を丁寧に掘り起こし、生真面目で気負いのある若かりし頃から晩年にいたるまでの多面的な昭和天皇の姿を描く。「昭和」という時代を理解するために必読の評伝!
  • 志ん生のいる風景
    -
    没後何年たっても志ん生のレコード、テープの売れ行きは、他の追随を許さない。「去る者日々に疎し」の古諺は、この人には当てはまらない。戦争も、売れない芸人の悲哀も、すべてを芸のこやしにして、見事に開花させた闊達さ。名前を覚えてもらうのがなにより大事な仕事で十六回も高座名を変え、師匠まで何度も取り替えた自由奔放さ。極貧時代の思い出を自伝『びんぼう自慢』にしてしまう諧謔精神。思うままに生きた八十三年の人生を、生前の面影ありありと活写した評伝文学の傑作。
  • 新選組 粛清の組織論
    3.9
    殺した敵は26人、殺した「味方」は40人!  近藤勇、土方歳三、沖田総司らが、京都で剣を振るい、最期は武士らしく散っていった――そうした新選組のストーリーは「勝者」による一面的なものにすぎない。 新選組約520人の隊士のうち、40人が内部粛清や・暗殺で命を落としたとされる。そのなかには創設者の芹沢鴨や、新見錦、副長の山南敬助、参謀の伊東甲子太郎、隊長・藤堂平助といった幹部クラスも含まれる。 主導権争い、路線対立、裏切り・・・粛清された“敗者”の視点から、組織が抱える暗部をえぐり出す、全く新しい新選組論!
  • 辞書になった男 ケンボー先生と山田先生
    4.6
    「三省堂国語辞典」略して「三国(サンコク)」。 そして 「新明解国語辞典」略して「新明解」(赤瀬川原平著『新解さんの謎』でブームとなった辞書である)。 二冊ともに戦後、三省堂から刊行された辞書で、あわせて累計4000万部の知られざる国民的ベストセラーだ。 しかし、この辞書を作った(書いた)二人の人物のことは、ほとんど知られていない。 「三国」を書いたのが、ケンボー先生こと見坊豪紀(けんぼう・ひでとし)。 「新明解」を書いたのは、山田先生こと山田忠雄(やまだ・ただお)。 二人とも国語学者だが、「三国」と「新明解」の性格はまったく異なる。 「三国」が簡潔にして、「現代的」であるとすれば、「新明解」は独断とも思える語釈に満ち、 「規範的」。そこには二人の言語観・辞書が反映されている。 本書は、二人の国語学者がいかにして日本辞書史に屹立する二つの辞書を作り上げたかを 二人の生涯をたどりながら、追いかけたノンフィクション。 著者は同じテーマで「ケンボー先生と山田先生」(NHKBS)という番組を制作したディレクター。 同番組はATP賞最優秀賞、放送文化基金賞最優秀賞を受賞。番組には盛り込めなかった新事実や こぼれおちた興味深いエピソード、取材秘話なども含めて一冊の本にまとめた。 本書で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞している。
  • 実力者の条件 この人たちのエッセンス
    -
    「実力者」と呼ばれる人間に共通する条件はなにか。昭和四十四年から四十七年にかけて、田中角栄、鹿内信隆、川上哲治、小林秀雄、今西錦司、糸川英夫、丹下健三、黒沢明、東山魁夷、武満徹など、一時代を画した実力者たちの周辺を徹底的に取材し、その人間的条件、および彼らをとりまく社会的条件を分析して、実力者たりうるためには何が必要か、すぐれた日本的実力者とはいかなる人間か、を追求した日本人論。「時代の質を語り続ける人物論」として、不朽の書といえる。
  • ジハーディ・ジョンの生涯
    4.4
    著者はかつて、当局にイスラム過激派と疑われたために職も婚約者も失ったと訴える、ムスリムの青年を取材したことがあった。クウェート難民としてロンドンで育ち、大学でITを学んだ礼儀正しい青年、ムハメド・エムワジは数年後、イスラム国の黒覆面の処刑人「ジハーディ・ジョン」となり、湯川遥菜さんや後藤健二さんらを斬首することになる。エムワジはなぜ、凶悪なテロリストになったのか。「ジョン」と会った唯一のジャーナリストによる決定的評伝。 彼の足跡を辿ると、欧米社会で育ったムスリムの若者たちが偏見や差別にさらされ、将来に絶望する日々のなかで過激思想に染まっていく状況が見えてくる。テロ対策の名のもとにイスラム社会に行っている、抑圧や監視が若者たちの先鋭化につながり、ジハード戦士を生み出す土壌になっている、と著者は指摘する。ジハーディ・ジョンの替えは、いくらでもいるのだ。「クローズアップ現代」でキャスターを務めた、国谷裕子氏の渾身の解説も必読! 【目次】 序章 わたしは「ジョン」と会っていた 第一章 クウェートから来た少年 第二章 イスラム過激派のネットワーク 第三章 MI5とアフリカの角 第四章 素顔のエムワジ 第五章 監視対象 第六章 シリアへの道 第七章 世界を震撼させた斬首 第八章 テロリストの逆流 最終章 「ゼロ・トレランス」の罠 解説 『ジハーディ・ジョンの生涯』を読み、後藤健二さんを想う (国谷裕子)
  • ジョン・フォード論
    4.5
    「古典的な西部劇の巨匠」というレッテルからジョン・フォードを解き放ち、画面そのものを見つめる快楽へとひたすら誘う――『監督 小津安二郎』と双璧をなす著者集大成。主要監督作の詳細なフィルモグラフィや貴重なスチール写真を多数収録。
  • 菅と安倍 官邸一強支配はなぜ崩壊したのか
    4.0
    本作は単行本『孤独の宰相 菅義偉とは何者だったのか』(2021年12月 文藝春秋刊)に加筆・修正し、文庫化にあたって改題したものです。 歓喜、苦悩、無念……。担当記者が聞いた「総理の肉声」 菅義偉はなぜ総理の座を追われたのか。岸田、安倍、麻生との確執、河野、小泉との関係など、著者しか知らない極秘エピソードで綴る。 【目次】 第1章 “令和おじさん”の誕生 第2章 辞任ドミノの衝撃 第3章 安倍総理との亀裂 第4章 第99代総理大臣 第5章 コロナとの苦闘 第6章 なぜ総理の言葉は届かなかったのか 第7章 苛烈な“菅おろし” 第8章 最後の10日間 単行本 『孤独の宰相 菅義偉とは何者だったのか』2021年12月 文藝春秋刊 文庫版 2025年4月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • SUMOOOO!!  流れ流れてハリウッド
    4.0
    お相撲さんの摩訶不思議な人生双六 VOGUEでモデルデビュー、インドでスーパースターとCM共演、終いにはハリウッド映画出演。お相撲さんの不可思議人生漂流記。 だから人生は面白い! 冴えない元お相撲さんが、ひょんなことからファッションモデルになって、さらにインド映画の主役級に抜擢されて、ついにはハリウッド映画に出演してしまった嘘のような本当の話! もくじ プロローグ ようこそ、ハリウッドへ 第1章 府中の怪童 第2章 巨漢瓶底ネガティブ 第3章 大相撲力士 東桜山勝徳 第4章 日本一デカい、スーパーの店長 第5章 ひょんなことからお相撲さん、再び 第6章 まわし姿のファッションモデル 第7章 俺はパンツが欲しい! 第8章 インドに漂着したお相撲さん!? 第9章 激レアさんになっちゃった 第10章 SUMO#1 YOSHINORI TASHIRO 第11章 凸凹コンビと親子相撲 第12章 心臓が止まりそう エピローグ そしてお相撲さんは続く
  • ずばり池波正太郎
    4.0
    日本最強の池波ファンによる評伝と文芸評論の融合! 現役河合塾英語講師が、30余年に亘り心の支えとしてきた池波エッセイ、池波小説のすべてを語る。生誕100年を寿ぐ名作誕生!
  • 清張地獄八景
    4.3
    みうらじゅんの清張愛炸裂! 人間の業や深い闇を暴き出す清張は、ホラー作家だ! 押したら最後、底無しの「生き地獄」へ転落してしまう「清張ボタン」とは? 松本清張の大ファンであるみうらじゅんが様々な媒体で書いてきた清張論や対談などの記事、イラスト、なりきり小説を中心に、 「文藝春秋」や「週刊文春」、「オール讀物」に掲載された清張に関する記事を厳選して一冊に。 数多くの清張原作作品に出演している岩下志麻、船越英一郎のインタビューや対談をはじめ、 佐藤愛子、京極夏彦、大沢在昌、宮部みゆき、北村薫、有栖川有栖、岩井志麻子、佐野洋、山村正夫、泉麻人、春日太一……ほか、著名な作家の再録記事も多数掲載。 清張原作のNHK土曜ドラマの演出家だった和田勉の随筆、『砂の器』など清張原作映画の脚本家である橋本忍のインタビュー、 清張が井上ひさしや女性ファンに書いた手紙、清張による江戸川乱歩への弔辞、直子夫人へのインタビュー、 朝日新聞勤務時代の同僚による清張の思い出、清張が描いたエッセイ漫画や絵など、貴重な原稿や写真も収録。 松本清張の小説世界、人柄、映像作品の魅力がよくわかるので、清張ファンはもちろん、未読の人の入門書としてもおすすめ。 「清張地獄」に堕ちたくない人はぜひ! *巻末に文庫特典としてみうらじゅんのインタビューを収録。 ※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行されたムック『みうらじゅんの松本清張ファンブック 清張地獄八景』を文庫化したものを底本としています。
  • 世界禁断愛大全 「官能」と「耽美」と「倒錯」の愛
    3.8
    金髪美少年を愛したせいで破滅した作家オスカー・ワイルド、意外なロリコン遍歴をもつ独裁者ヒトラー、拷問フルコースで街ごと死の沈黙に包んだ暴君イヴァン雷帝、「特に上腕二頭筋が美味」と尋問官にうそぶいた主食=人肉のジェフリー・ダーマー……。タブーを犯す悦楽とはどんなものか? 人類の歴史とともに古くからある、近親相姦、ロリコン、カニバリズムなど<禁断の愛>に身を捧げた彼らの凄まじい生き方。シリーズ史上、最もグロいエピソード満載の傑作人物伝!
  • 世界最強の女帝 メルケルの謎
    3.9
    東ドイツ出身の地味な物理学者は、 いかにしてドイツ初の女性宰相という地位を得たのか。 東ドイツの秘密警察との関係は? 外遊先で、また閣議中に流した涙のわけ。 恩人コール首相を追い落とした権力闘争、 オバマ、プーチン、サルコジとの駆け引き…… ヨーロッパの頂点に位置する「ドイツ帝国」最高権力者の 知られざる実像に、熟練ジャーナリストが挑む。
  • 世襲と経営 サントリー・佐治信忠の信念
    4.3
    世界で3兆円に迫る売上高を誇る巨大企業、サントリーは、同時に日本最大の非上場企業、ファミリー企業でもある。2014年、米ビーム社を買収し、文字通りグローバル企業となったサントリーにとって、経営の世襲はプラスか、マイナスか。2001年からグループを率いる総帥、佐治信忠はマスコミにほとんど登場しないことから、日本一ミステリアスな経営者と呼ばれてきた。その佐治が、今回初めて、その信念とプライベートのすべてを語った。 佐治の言葉は明快だ。 ・社長は運の強い人間であることが必要。 ・大きな夢を掲げないと、社員だってついてこない。 ・自分だけが得をすればよいという考えの人がオーナーや社長であったら困る。 ・(トップは)苦しいな、しんどいなと思った時も明るく努めないといけない。 現社長の新浪剛史、次期社長最有力候補の鳥井信宏、2人のロングインタビューも所収。
  • 零戦 7人のサムライ
    -
    世界に冠たる傑作機「零戦」。真珠湾攻撃、比島制圧、ラバウル進攻、豪州ダーウィン攻撃、山本五十六長官撃墜、ミッドウェー海戦、神風特別攻撃隊など、ひとつの戦闘機がたどった戦史を、七人の搭乗員たちの歩みと重ね合わせて描く。それぞれの兵士の肉声を通じて浮かび上がる、あの戦争の実相とは。
  • 総理の誕生
    3.8
    産経新聞政治部の名物記者が描く、知られざる安倍晋三の肉声秘話。 第一次政権の失敗とは何だったのか。あのときと現在では何が違うのか。築き上げてきた政治的資産のみならず、政治生命すら失いかけた失意のどん底から、再びここまで上り詰められたのはどうしてか。 人によって好き嫌いも評価もくっきりと二分される安倍とは一体、何者であり、どんな政治家なのか。慰安婦問題、拉致問題、教科書問題、靖国神社参拝問題、日米同盟と対中関係、対メディア、消費税増税といった諸問題について、どう考え、何を語ってきたのか。 98年、まだ若手だった安倍晋三に密着取材して以来、記者として18年以上もウォッチし続けきた著者が、直接、安倍と話をし、また見聞し、現場で体験し、考えてきたことをそのまま記した。 【目次】 序章   その時、安倍の言葉を聞いた 第一章 実は出世は遅かった 第二章 小泉純一郎という両面教師 第三章 小泉さんは、拉致を分かっていない 第四章 なぜ、一次政権は崩壊したのか 第五章 政治的な死者と言われて 第六章 盟友、中川昭一のこと 第七章 橋下徹コネクション 第八章 経済という切り札 第九章 オバマとの関係はこう詰めた 第十章 安倍の後継者は誰か? あとがき 少数派が中枢に位置する時 略年表
  • ゾルゲ事件80年目の真実
    4.3
    処刑から80周年――機密解除資料が明かす「史上最高のスパイ」の闇 戦前の東京で暗躍した旧ソ連の大物スパイ、リヒャルト・ゾルゲ(1895~1944)の処刑から2024年11月で80年となる。近年、ロシアではゾルゲの再評価が進み、未公開資料も続々と表に出てきている。 本書は近代ロシア研究の第一人者である名越健郎氏がそうした機密解除資料をもとに、ゾルゲのスパイとしての活躍を臨場感たっぷりに描き出した作品である。 オートバイを駆って上海や東京の街を疾走し、夜の社交界で巧みな話術で権力者たちに食い込み、ドイツ大使夫人、シーメンス社支店長夫人、ルフトハンザ航空幹部の夫人、VIPの女性秘書、アグネス・スメドレーほか手当たり次第に女性と不倫関係になり(なおかつ女性たちを情報源とし)、本国で進むスターリン粛清に脅える――そうしたゾルゲの日常が生々しく甦り、まるでスパイ映画のようである。

最近チェックした作品からのおすすめ