笹山敬輔の一覧
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ユーザーレビュー
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演劇研究者によるドリフターズの本格評伝。各メンバーの生い立ちから、結成過程、『全員集合』を経て、志村けんの死去までが綿密に綴られている。この際に、疎開、進駐軍とその撤退、集団就職、編集の進歩といったメンバーを取り巻く社会や技術が与えた影響に目配りされているのも特徴。そして本書全体を通じて、いかりや長
...続きを読む介と志村がどのような喜劇思想を抱いていたのか、その舞台美術や観客との関係にはどのような特徴があるのか、これらは近代演劇史においてどう位置付けられるのかも、説得的に明らかにされている。
筆者が指摘するように、『全員集合』はあくまでも舞台の生中継であった。テレビ芸ではなく舞台演劇の歴史のなかでドリフターズを捉える本書の視点はとても効果的であり、それゆえにドリフターズのみならず「その時代」が熱気とともに描かれている。
Posted by ブクログ
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ドリフターズの誕生から現在までを、社会の流れと合わせて綴った内容は、壮大なドラマを感じさせて読み応え抜群。特にクレイジーキャッツと比して、ドリフが高度経済成長期の影の部分を背負っていたという指摘は目から鱗。だからこそドリフは今でも愛されるんだな。
Posted by ブクログ
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興行はほぼ博打とイコールなくらい当たるか当たらないかわからないのに、勝てると信じて、いや、その勝ちを確実にするために、あらゆる手腕を発揮するプロデューサー。プロデューサーよりこの本で言う「興行師」の方が山っ気があっていい表現だ。「安定した事業」のふりをするところ、扱ってるのが「不要不急」なものではな
...続きを読むいってところ、良い悪いじゃなくて好きか嫌いかってところ、浮ついたものでちゃんとビジネスやってる感出す感じが、賭博師よりよほどたちが悪い。幕末から昭和後半までに活躍した5人の興行師たちを取り上げるが、彼ら自身が時代順に鎖のように絡み合って、日本の芸能界の栄枯盛衰を辿っていく。
守田勘弥。幕末に早くも、芝居小屋が幕府による免許制がなくなることで自由競争になること、また政府の不平等条約改正には日本が近代化した証拠を諸外国に示すことと察して、一介の芝居小屋の近代化を進めたそのセンス。しかし根っからの興行師(博打打ち)魂の方が強かったか、中小企業のワンマンオヤジレベルだったか、自身が近代化した芝居小屋新富座はやがて人手にわたり、明治の興行の中心は国の支援をバックにした歌舞伎座とそれに関わる田村成義に移っていく。
次の松竹の大谷竹次郎は双子の兄・白井松次郎とともに、関西から東京に進出し、歌舞伎座を手に入れ歌舞伎を守ってきた。さすが関西出身というべきか、複数の劇場経営や、年間通しの興行、幅広いジャンルに手を広げるなど、興行に経営の視点を取り入れた。興行師田村成義から歌舞伎座を手に入れるまでのエピソードが新たに帝国劇場も絡んで手に汗握る面白さ。守田勘弥→田村成義→大谷竹次郎と興行師が順に代替わりしていくのは、やはり勢いやセンスが重要な業界だからなのかな。
吉本せい。ここではやはり山口組とのつながり、人気浪曲師を巡り起きた浅草浪花家での襲撃事件に痺れる。あと、息子と笠置シヅ子との大恋愛の話!「わろてんか」より全然面白いじゃないの。
永田雅一。ちらちら名前は見聞きしたことあったがあまり詳しいことは知らなかった。千本組という京都のヤクザに出入りしてたチンピラが大映を率いる大社長になるが、そこに至るまで、引き抜き、裏切りとエピソード満載でまぁ映画みたいに面白い。ほんと翌日には寝首掻かれるからおっかない世界。長谷川一夫とのやり取りも興味深い。この本に役者はあまり深くは関わらないが、長谷川一夫は表の世界だけじゃなくて裏の世界にもよく顔を出す。興行師らと同類ということではなく、興行師たちを狂わせたり、救ったりもする、ただいるだけで人を狂わせる純粋すぎるほどのスター性がある。
小林一三。中で最も経営者的な観点で興行の世界を変えていったが、宝塚、そして国民劇への愛着は変わらなかった。国民劇に何度もトライしてその度失敗するエピソードが微笑ましい。
あっという間に一気読みの面白さだった。著者の笹山啓輔さん、読ませるのが上手い。
Posted by ブクログ
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よくまとまった本だとは思う。
どうせなら、圓生も加えてほしかったかな。
だら下がりではなく急落だったから、ここでの七人とは色合いが違うかもしれないけど。
Posted by ブクログ
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面白く読んだ。
大衆に夢を売る仕事の裏にはドロドロの世界が存在することがよくわかった。
令和の今も、多分…
Posted by ブクログ
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