【感想・ネタバレ】ドリフターズとその時代のレビュー

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Posted by ブクログ

誰もが知るドリフターズの笑いは分かりやすか
ったですね。

当時は眉をひそめる大人もいましたが、今から
考えるとカワイイものでした。

これほど日本中を笑いの渦に巻き込んだドリフ
ですが、その歴史を振り返った本は少ないので
す。

著者はこの本では「ドリフの語りにくさ」を前
書きで語っています。

その理由は、初期の頃からマンネリを言われ、
子供相手に大いに受けた笑いは、わかりやすい
が故に、それ以上の解釈を必要とされなかった
からでは、と考察しています。

しかしドリフは今も連綿と続く「お笑いの歴史」
を作ってきたのです。

あのドタバタギャグの裏には、こんなに苦難に
満ちた歴史があったことに驚かされます。

これほどまでに多くの国民が共有した演劇は、
歴史上に他にはないと言われるドリフターズ。
その全てを知ることができる一冊です。

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2023年10月18日

Posted by ブクログ

僕が生まれる前に活躍したドリフターズというテレビ黄金期のタレントにフォーカスした本。今のYouTuberの行く末にも通ずるところがあり大変勉強になった。喜劇とは笑わせることだけではなく、哀愁も必要だということ。

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2022年12月27日

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昭和を代表する国民的グループ、ザ・ドリフターズ。その結成から終焉まで「全員集合」を中心に描く。

自分にとって昭和のお笑いと言えば何より思い出すグループ。欽ちゃんともひょうきん族とも異なる笑いの世界。

実はもともとはクレイジーキャッツと同様のバンドグループ。確かに思い出してみると高木ブーや仲本工事、加藤茶が嬉々として楽器を演奏していた場面を思い出す。

いかりや長介のリーダーシップ、天才加藤茶。そして荒井注から志村けん。

ドリフのコントの特長は徹底的な稽古主義と生中継。木曜からひたすら稽古、直前まで台本を書き換え、土曜夜の公会堂での生中継に備える。本書は美術等のスタッフの証言も多く記録されている。

お化け番組の「8時だョ!全員集合」が続く中、いかりや長介と志村けんの確執。師匠の元を離れても結局はいかりや長介とそっくりの演出方法になるところがなんとも。メンバーの絶妙のバランスがあったから成り立った奇跡的な笑いの世界。

昭和の後半を過ごした、ドリフのリアルタイム世代の人なら何より楽しく読める内容だろう。

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2022年10月18日

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芸能史・演劇史から見たドリフターズ。
そもそもこの様な著作自体が無かったし、小学生の頃に「全員集合」を見て育った世代なので、その成り立ちからの記述は興味深く面白かったし、新鮮に感じた。
ドリフはクレージーキャッツの流れを汲むのだろうけど、自分はクレージーの世代ではないし、ドリフ後に後を継ぐ者も居ないし、ドリフは唯一無二の存在。
もう長さんだけでなく志村さんもいないのだな。。。
あぁ、昭和は遠くなりにけり。

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2022年09月21日

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ネタバレ

多くのバンドがめまぐるしくメンバーや名前を変えて活動していた時代。
ドリフターズという名を付けたバンドが日本にできたのは1956年。
坂本九や小野ヤスシもドリフのメンバーだったことがある。

いかりやが参加するのは1962年(31歳)。同じころに加藤も加入(19歳)。
1963年は、小野ヤスシ、いかりや、加藤、その他5名の8人構成で、木の実ナナも参加していた。
当時はクレイジーキャッツのようなコミックバンドが数多くあり、ドリフもその路線を継承することになる。

1964年に小野ヤスシら主力メンバー4人がドンキー・カルテットを結成して離脱する。
ドリフはバンド存続のためにメンバー探しに奔走し、64年に高木(31歳)、荒井(36歳)が加入する。
何人かメンバの入れ替えがあり、65年に仲本(23歳)が加入。
間もなく、いかりやをリーダーとするお馴染みの5人組で新生「ザ・ドリフターズ」が始動する。

1966年、ハナ肇が酔った勢いで芸名をつけた。
ベース 35歳 碇矢長一 → いかりや長介
ドラム&ボーカル 23歳 加藤英文 → 加藤茶
リードギター 33歳 高木友之助 → 高木ブー
キーボード 38歳 荒井安雄 → 荒井注
ギター&ボーカル 25歳 仲本興喜 → 仲本工事
当時は知らなかったが、メンバの年齢差が15もあるグループだった。
後に加入する志村は、いかりやと19もの年齢差がある。

そして、1969年10月に「8時だよ!全員集合」が始まる。
裏番組が、巨人戦の中継と人気絶頂のコント55号であり、視聴率を稼ぐには厳しい時間帯であった。
ちなみに、前後の番組は「お笑い頭の体操」と「キイハンター」。

1974年の荒井注の脱退に伴い、見習いだった志村けん(24歳)が正式メンバに昇格する。
キーボード奏者がいなくなり、コミックバンドとしての役割が終わった。
1985年に「全員集合」が終了し、その後は月に一度の「ドリフ大爆笑」がドリフの代表番組になる。

ドリフ大爆笑では、「威勢のいい風呂屋」とか「長介・工事 バカ兄弟」「長介・工事・ブー おなじみ雷様」が印象に残っている。
沢田研二と志村けんの「鏡」のコントも面白かった。

今でも「ドリフ大爆笑」スペシャルや、過去の再放送をやっているので時々観る。
いろんな笑いが生まれ、漫才ブームなどで言葉の笑いが中心になっているためか、ドタバタしたナンセンスコントには希少価値がある。

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2022年09月09日

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前書きの通り、日本芸能、お笑い、TV史に燦然と輝くドリフターズなのに語られる本がほとんどなかった。
再現ドラマ等もいくつか出てきているので知っている話もあったけれど著者のドリフターズ愛が伝わってくる好著

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2022年08月20日

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演劇史のなかに位置づけたドリフターズの評伝。リアルタイムで記憶にあるのが東村山音頭以降だったから、ドリフターズ結成前史や『全員集合』以前の物語は知らなかったことばかり。
志村けんについていかりや長介と比較して論じているところは読み応えありです。

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2022年08月18日

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演劇研究者によるドリフターズの本格評伝。各メンバーの生い立ちから、結成過程、『全員集合』を経て、志村けんの死去までが綿密に綴られている。この際に、疎開、進駐軍とその撤退、集団就職、編集の進歩といったメンバーを取り巻く社会や技術が与えた影響に目配りされているのも特徴。そして本書全体を通じて、いかりや長介と志村がどのような喜劇思想を抱いていたのか、その舞台美術や観客との関係にはどのような特徴があるのか、これらは近代演劇史においてどう位置付けられるのかも、説得的に明らかにされている。

筆者が指摘するように、『全員集合』はあくまでも舞台の生中継であった。テレビ芸ではなく舞台演劇の歴史のなかでドリフターズを捉える本書の視点はとても効果的であり、それゆえにドリフターズのみならず「その時代」が熱気とともに描かれている。

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2022年06月19日

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本書も、手にとっては戻し手を何度か繰り返し、その間に複数回の書評採択を目にするにつけ、最終的に読んでみたくなったものの一。結果、これは読んで良かった。破天荒を好まない家庭に育ったこともあり、幼少時にTVで見たのは、もっぱらドリフ系の番組。本書を読んで改めて感じたのは、ドリフの目線が全世代に向けられていたという事実。思春期以降の学生時代、コアな方向に気が向いて、ドリフからも興味が薄れていった訳だけど、たまたまか、ちょうどそれがドリフの凋落と軌を一にする。あくまでコミック・バンド、というのもなるほどって感じで、そういえば確かに、先だって読んだ”1989年~”でも、ドリフのことはあまり取り上げられていなかった。志村けんの訃報に触れた際、思いのほかうろたえている自分に驚いたんだけど、沁みついた記憶に基づく部分が大きかったんだな、きっと。そして、本書最終章に涙しそうになる。

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2023年04月18日

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今は伝説となったコメディアン、ドリフターズの源流を辿る。
コミックバンドからの流れ、クレイジー、コント55号との切磋琢磨、その後の世代との対峙など漠然としか知らない日本のコメディ史を学び直すことができた。
各メンバーの生い立ち、出会いから描かれており、音楽的な要素、歌舞伎的な要素などドリフターズが何に影響を受けてきたのかという点がとても興味深かった。
これからのエンタメを見ていく中でも立ち返るべき示唆に富んでいる。

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2023年01月15日

Posted by ブクログ

なんで!この本読み終わった日に仲本工事が死んじゃうなんて!

と二日前に書いてから、感想書けなくなっていますが、本書を読んでビックリしたことをメモしておきます。ドリフターズの生みの親は桜井輝夫というバンドマンであり、いかりや長介はコミックの出来るバンドマンとして呼ばれたこと。桜井が狙っていたのはクレイジーのロカビリー版。しかし、コミックバンドとしての実績が出来るうちに、オーナー桜井、リーダーいやりや、という体制にシフトしていったこと。オーナーに対する責任感がいかりやを独裁的にしていったこと。ドリフのメンバーの芸名は渡辺プロの宴席で酔っぱらったハナ肇がノリで付けたこと。メンバーは不満だったこと。渡辺プロの戦略で「8時だョ!全員集合」がいったん終了しクレイジーの「8時だョ!出発進行」に変わったこと。これは子供心に覚えていて面白くなくなった感じを体感しています。ダメだ、もっとメモしたいこといっぱい。でもここまで書いてみて、クレージーキャッツは高度経済成長の太陽みたいな存在だとしたら、ドリフターズはポスト高度経済成長期の月みたいな存在だったのだろうな…と。
もうひとつだけ本書を読んで納得したこと。高木、仲本、加藤はずっとプレイヤーだったけど、志村は最後まで演奏出来なかったこと。志村のファンクに対する愛情がヒゲダンスや早口言葉を生んだのは知っていましたが、プレイするという職人体質じゃなくて、音をギャグの道具に出来たのは楽器を弾けなかったから、なのでは…と妄想しました。いやー語れる本です。ズンドコ節の仲本工事パートってめちゃセクシーだったものな…ギャグ成分無しでカッコよかった。合掌。

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2022年10月21日

Posted by ブクログ

ドリフターズの誕生から現在までを、社会の流れと合わせて綴った内容は、壮大なドラマを感じさせて読み応え抜群。特にクレイジーキャッツと比して、ドリフが高度経済成長期の影の部分を背負っていたという指摘は目から鱗。だからこそドリフは今でも愛されるんだな。

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2022年06月26日

Posted by ブクログ

面白い。確かにドリフの歴史を追っていけば、
そのまま日本の喜劇の歴史になります。
私はやっぱり
「いっちょめ、いっちょめ、わおー!」
が最高ですね笑

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2023年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
第1章  遅れてきた青年いかりや長介
第2章  天才・加藤茶誕生
第3章  『全員集合』スタートと志村けん
第4章  高木ブーと仲本工事の「居場所」
第5章  主役交代『全員集合』の栄枯盛衰
第6章  志村けん「喜劇王」への道

<内容>
ドリフターズの評伝。ある意味淡々とした筆致で事実が積み重なっていく感じ。まあ、ドリフはいかりやと加藤茶が前半、後半は志村といかりやの確執なのだろうから、こんな感じでいいのかもしれない。もう少し詳しく知りたい人(例えば作り込んだ大道具とか荒井注のこと)は、巻末の資料から探せばいいのだろう。

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2022年07月08日

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