真田幸村の実像は謎が多い。まず、「幸村」という名前すら確実な史料には記録されていないほどだ。独立した大名にもなっておらず、その生涯を追うことは至難とされてきたが、研究者の間で信頼されている研究書がある。それが小林計十郎の「真田幸村」だ。英雄の実像に迫る、唯一の決定的評伝。(親本は1979年刊、201
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・真田三代
・関ガ原の戦いと上田城死守
・九度山村
・大坂冬の陣
・夏の陣と幸村の戦死
・英雄真田幸村
・真田幸村年譜
親本の刊行から36年を過ぎた今日では、さすがに、古びてしまっている部分はあるものの、今でも読む価値が十分にある古典である。読んでいると、著者の確実な史料を中心に記述するという姿勢が感じられる。解説で高橋圭一教授が「御存命で今改訂版を出されるとすれば、タイトルは真田信繁とされたのではなかろうか」と書かれているが、小林氏による改訂版を読んでみたかった気がする。