児島襄の一覧
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ユーザーレビュー
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太平洋戦争はかくして三年八ヶ月で250万人の日本人犠牲者を出して, 原爆投下後八月十五日に日本の全面降伏によって幕を閉じた.
日本が二度と植民地政策などを足がかりに軍事的な脅威とならないことが戦勝国の合意となった.
全面降伏を避けるため, ロシアを通しての外交を通しての条件降伏が打診されていたも
...続きを読むのの, 結局, 戦争終結のふんぎりがつかなかった....らしい.
これは, もちろん, 当時の政治的状況もあるんだろうが( 戦争後半には東条首相から二人も首相が変わっている), 根本的には, 日本の戦争観が" 戦地あるところに一勝
を求める" ものであるため, 冷静な状況分析が十分にできなかったからである.
以下, 本文からの抜粋である.
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日本を支えてきたのは, 戦争側戦闘, 戦争即兵士の戦い, という戦争観だった. 開戦そのものも, 単純に戦闘の勝利を見込んで決定された. 真珠湾攻撃から, ミッドウェー, 比島沖海戦, そして沖縄特攻攻撃まで, 海軍がつねに輸送船や施設攻撃をにの
つぎにし, "艦隊決戦" を求めつづけたのも, この"戦術的戦争観" にもとづいている. 陸軍もまた, 戦闘に一勝をあげることをもって戦争をと考えてきた. その結果は, 決戦を呼号しながらも, いつもその後の一勝を期待して後退をつづけ, いまや文字どおり" 絶対" 国防圏たる本土を残すのみとなった.
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抜粋終わり
サイパン島の決戦から沖縄本島決戦まで, 市民を巻き込んでの激しい戦闘になって
も, 参謀本部が条件降伏の道を早急に求めなかったのはこのような戦争観が支配していたからである.
個々の戦闘を見ていくと, 中将や少将などの司令官の個性が戦いに表れることもあるが, 勝敗を分けるのは個人の素質ではなくて, 組織的な指導力である.
日本は組織として, 合理的な判断に基づいて戦争の有意性を測ることができなかった. 精神力だけでは戦争はできないってことである.
勝ち目がないなら途中でやめればいいものを, それも決戦精神があるから出来なか
った.....結局は国民にも自決を強いたわけで, その象徴的なものが神風特攻隊である. でも, 全体的にみれば特攻隊も特に目新しいわけではなかったのだ. 各地の戦闘では同じような精神で兵士や一般市民が自決してたわけだから....
米英の兵士は, 飢えても兵器がなくても立ち向かってくる日本兵士に恐怖したそうだが, 私は日本人の気概を誇る気分にはとてもなれません. むしろ哀れな姿だなと思う. そうやって戦ったのが私の爺ちゃんだったら悲しい.
本書は冷静な視点から, 抑揚を抑えて書いてはいるものの, サイパン島の決戦などは思わず涙が出た. 兵士数万人, 島民( 日本軍のために働いていた民間人, おそらく日本人以外もたくさんいたはず)一万人が犠牲になったのだが, 普通のお母さんが子供と一緒に崖から身を投げるところなど, とても泣かずにはいられない.
読みながら思ったのは, 戦争などの国家がかりの大事業は, 財政, 人員,技術が成功の決め手になるものの, 事業の目的達成のための思想も同じくらい重要であると思った.
太平洋戦争では, 組織として目的(植民地拡大による日本のアジアでの覇権確率)が
戦争をを続けることで達成困難になったにもかかわらず, 形骸化した目的のために無意味に突っ走ったのではないか. 日本文化には, そういう動きを止める力が弱いのではないか.
これは, 現在進行している原発産業の先行きなどを考える上でとても重要だと思う. 過去の歴史から学ぶというのは, 同じ失敗を繰り返さないためだ. 歴史に対して自虐的なのも尊大なのも意味がないと思った.
この本で終戦までいったので, 次は東京裁判である. 同じ筆者が東京裁判についても書いているので, ぜひ読んでみようと思う.
Posted by ブクログ
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夏休み課題本....やっと半分までいったけど, 感想書いてたら手元が狂ってぜんぶ消えちゃった.....
福島原発以降, 頭から消えない疑問は, なんでこんなことになっちゃったんだろうということである. 日本の戦後体制のせいか, それとも日本人気質なのか.....
ポスト戦後社会とはどんなもの
...続きを読むだったかを考える時に,どう考えても外せない視点が, 戦後の政治経済体制を形作ることになったアメリカとの関係, つまり日本が大負けに負けた戦争とはどんなものだったかということである. 戦後と終戦が続いて
いるなら, とうぜん終戦に至る道も理解しないといけないわけで, この手の知識は明らかに欠如している私も( ほんとは国際関係学科卒業なんだが......) 思い腰をあげて? 新書をで勉強することにしました.
まず, 太平洋戦争とは何かというと, 41年暮れの真珠湾攻撃から始まって45年の沖縄地上戦, 原爆投下, 日本完全降伏に至る, 対 連合国戦争である. 目的は日本の植民地拡大で, とくに太平洋南方はエネルギー資源が豊富な地域として重要視されていた.当時は日本も軍事力をつけてきていて, ゼロ戦などの性能のよい飛行機なども
開発されて, 海軍の装備なども太平洋に限ってはアメリカにも劣らないくらいのレベルは一応あったらしい.
しかし...勝算の見込みがあったかといえば, 冷徹な情報分析の結果というより, 希望的観測で戦争に突入したような感じである. 陸軍が全面的にイケイケの状態で突き進んでる様子.....真珠湾攻撃は大成功に終わったものの, その後, 上巻のガダルカナル島までは戦力も落ちてこりゃ勝ち目はないだろうと絶望的な気分になる. シンガポールは陥落したが中華系の対日感情は悪化したし バタールは捕虜待遇が劣悪だった死の行進で有名だし, ミッドウェー海戦はボロ負け, ガダルカナル島では飢えと病気で大変な数の日本兵が亡くなった. この時点でまだ開戦から一年たってない.これからさらに3年で,計200万以上もの日本人が亡くなり, 一部は骨さえも見つからず, いまも南方の島々に埋まってるはずだ. いまの日本は, 結局この戦争の負け方で決まってしまったわけで,なんというか.....負け戦さを無理に戦うとロクなことがないなと思った.
Posted by ブクログ
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東京裁判についての第一歩で読んだのがこの本でした。
検事側、弁護側、被告側、証人側 など、さまざまな角度から見た内容によって、時系列に書かれており、さながら一編のドラマをみるような流れになっているので、初めての方には読みやすいと思います。
東京裁判については、今もなお議論がかさねられるところがあ
...続きを読むり、決してこの本がすべてではありませんが、全体を見る意味で、非常にオススメです。
Posted by ブクログ
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客観的に淡々と書いてあるので、読んでいてもそう悲痛な気持ちにならずにすんだ。
思っていた以上に日本の軍部がいろいろと戦略を考えていた印象。学校で詳しく学ばなかったから、もっとめちゃくちゃな戦争観で戦っていたものと思っていた。。。
Posted by ブクログ
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戦争開始直前の内閣、陸軍、海軍の動きがわりと詳しく書いてあって良かった。
その後はざっくり。
中国戦線は述べられるべきだと思うけど…
Posted by ブクログ
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