児島襄のレビュー一覧
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太平洋戦争はかくして三年八ヶ月で250万人の日本人犠牲者を出して, 原爆投下後八月十五日に日本の全面降伏によって幕を閉じた.
日本が二度と植民地政策などを足がかりに軍事的な脅威とならないことが戦勝国の合意となった.
全面降伏を避けるため, ロシアを通しての外交を通しての条件降伏が打診されていたものの, 結局, 戦争終結のふんぎりがつかなかった....らしい.
これは, もちろん, 当時の政治的状況もあるんだろうが( 戦争後半には東条首相から二人も首相が変わっている), 根本的には, 日本の戦争観が" 戦地あるところに一勝
を求める" ものであるため, 冷静な状況分析 -
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夏休み課題本....やっと半分までいったけど, 感想書いてたら手元が狂ってぜんぶ消えちゃった.....
福島原発以降, 頭から消えない疑問は, なんでこんなことになっちゃったんだろうということである. 日本の戦後体制のせいか, それとも日本人気質なのか.....
ポスト戦後社会とはどんなものだったかを考える時に,どう考えても外せない視点が, 戦後の政治経済体制を形作ることになったアメリカとの関係, つまり日本が大負けに負けた戦争とはどんなものだったかということである. 戦後と終戦が続いて
いるなら, とうぜん終戦に至る道も理解しないといけないわけで, この手の知識は明らかに欠如してい -
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・下巻。誰も予想しなかった文官広田弘毅の死刑判決。
・死刑判決を受けた7名は11人の判事の多数決で決められた。オーストラリア、ソ連には死刑が存在せず、フランス、インドの判事は死刑に意義を唱えていた。そのため残りの7人の判事の意見がどう割れるかによって死刑が決まったという事実に驚く。中国はやはり強行に全員死刑と票を入れたのだろう。
・名高いインドのパル判事の判決(?)だが、これは少数意見として意見書はまとめられたが法廷での朗読はウェッブ判事の判断により許されなかったということを知って驚いた。本書が書かれた1971年当時にはパル判事のこの少数意見については今ほど注目されていなかったのではないかとの -
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・まず、東京裁判名は戦勝国が戦敗国を裁くという史上例を見ない、かつ法的根拠のない裁判とはとても言えない物である、という自分の認識を明らかにしておく。また、100歩譲ったとしても、ベルリンまで占領され無条件降伏したドイツに対するニュールンベルク裁判とは、ポツダム宣言を受諾して条件付降伏をした日本に対する東京裁判の性質は異なるはずであることを明記しておく。
・本書は読み物として大変面白い。綿密な取材に裏付けられたであろう内容。不謹慎かもしれないが、後世になって内情も含め知ってみると法廷ドラマとしてもウェッブとキーナンの確執、田中少将の証言、溥儀の出廷などなど、非常に興味深い。
・当時マッカーサーや -
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目次
昭和21年
2月
憲法改正諸問題
東京巡幸
3月
憲法草案要綱
米陸海空軍合同会議
天皇が語る「戦争秘話」
巡幸再開
4月
対日理事会
戦後初総選挙
政局不明、行幸中止
天皇退位提言
5月
極東国際軍事裁判
混迷する政界
これを読むと、日本国憲法が米国からの押しつけであったことが伺える。しかし、その後日本人はこの憲法を自らの思想として受け入れつつある。これをどうとらえるか。私としては複雑な心境だ。
当時の日本の政界は(これは今もと言えるのか)、国をどうするのかという気概が感じられない。この巻では、幣原内閣から吉田内閣へと移り変わるのだが、政治家達の動きについては、何とも言えぬ頼りなさを -
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国家の行為に関して、国家の機関であったがゆえに個人が個人責任をおうという法理は、古今東西に例をみないという弁護団の主張。
検事側が侵略思想とみなす「八紘一宇」は、太平洋戦争前の日米諒解案で「ユニバーサル・ブラザーフッド」(世界同胞主義)と訳され、同じく「皇道」は「治者と被治者が一心になること」、つまりは「皇道とデモクラシーと、二つの思想の間に本質的な差」はない。
清瀬弁護人の論が真っ当に思えるが。
東京裁判は結局は政治的戦争責任の追及を目的とする。そして、政治的責任は共同謀議、戦争の遂行、戦争法規違反の三つを犯罪カテゴリーにすれば、十分であり、他の細かい訴因も包含され得る、と判決はいう -
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日本の過去15年を裁く世紀の大裁判、極東国際軍事裁判。またの名を東京裁判。
戦勝国が敗戦国を裁く。開廷以来2年半余り、370回に及ぶ公判。
戦史については読み聞きはしてきたものの、東京裁判そのものについて取り上げられたものを読むのは初めてだったが、その実情は何とも形容しがたい。時代というか...
毎年、首相の靖国参拝がメディアに取り沙汰されるが、この裁判が素地にあると思うと。
歴史上前例のない戦争犯罪人を裁く裁判だったとは言え、あまりにもしっちゃかめっちゃかというか、検事判事の愛国心ダダ漏れ主張とか、言語問題で通訳翻訳が驚くほど適当で。
戦争は国家行為であり、個人行為ではない。が、指 -
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日本人気質には辛い裁判。報復裁判であることは当たり前だが、被告の日本人気質を巧みに利用された裁判。南京大虐殺1つとっても、日本人は局所で起こった罪の意識により全体を語らない文間を理解させる文化では、欧米文化には太刀打ちできない。彼らには、侘びもサビもない。しかし、実際には、史記ほどのことは絶対にない。史実は闇に葬られようとしている。しかし、判事及び検事は本当に日本人気質を理解していただろうか。猿の惑星を映画で作るくらいだろうから、当初は理解しておらず、この東京裁判をもって、只々その恐ろしさに気がついたのでは。。特攻は、今を見てではなく、将来を見据えて行った戦術だということは、欧米人は逆さになっ