【感想・ネタバレ】東京裁判〈下〉のレビュー

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Posted by ブクログ

・下巻。誰も予想しなかった文官広田弘毅の死刑判決。
・死刑判決を受けた7名は11人の判事の多数決で決められた。オーストラリア、ソ連には死刑が存在せず、フランス、インドの判事は死刑に意義を唱えていた。そのため残りの7人の判事の意見がどう割れるかによって死刑が決まったという事実に驚く。中国はやはり強行に全員死刑と票を入れたのだろう。
・名高いインドのパル判事の判決(?)だが、これは少数意見として意見書はまとめられたが法廷での朗読はウェッブ判事の判断により許されなかったということを知って驚いた。本書が書かれた1971年当時にはパル判事のこの少数意見については今ほど注目されていなかったのではないかとの感想を持った。まるでパル判事が全員無罪の判決を読み上げたかの様に思い込んでいた。現代の保守派はこの部分に殊更注目しすぎのきらいがあるかもしれない。しかし朗読も許されなかったとは。
・そのウェッブ自身も少数意見で死刑に反対していたというのだから驚き。法廷を支配し続けたウェッブだったが、判決については11カ国の多数決が決定したということ。7人に対しては11カ国のうち過半数が死を望んだという事はとてもつらい。強行に死刑を唱えたであろう国の中に、個人的に関係の深いフィリピンが含まれているのがなおつらい。たしかに、現地で死の行進について責められた経験もあるが。。。
・遺骨収集についての三文字弁護士の執念はすさまじい。線香さえ要しなければ完全な形で分骨できていたかもしれないということを知って驚くとともに、残念な思い。
・南京事件についても当時は現在ほどの反証を用意することができずに、数字に誇張はあれどおおむね真実として法廷が進んでいて、当事者の松井石根自身も認めているという点を読んで、また考えさせられた。何が真実なのか。。。

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2011年01月05日

Posted by ブクログ

「米政府およびマッカーサー元帥は、天皇の起訴は望んでいない。米国は、天皇は占領政策の成功、日本の赤化防止、日本の団結のために必要な存在だと考えている。」ここから戦後処理の口火が切られたと言えそうだ。
それはさておき、この極東国際軍事裁判の流れを知るにつれ、果たしてこの世に客観性や公平性なるものが今だかって存在したためしがあったのだろうかと思えてくる。

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2011年08月28日

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[ 参考となる書評 ]

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2011年04月04日

Posted by ブクログ



国家の行為に関して、国家の機関であったがゆえに個人が個人責任をおうという法理は、古今東西に例をみないという弁護団の主張。

検事側が侵略思想とみなす「八紘一宇」は、太平洋戦争前の日米諒解案で「ユニバーサル・ブラザーフッド」(世界同胞主義)と訳され、同じく「皇道」は「治者と被治者が一心になること」、つまりは「皇道とデモクラシーと、二つの思想の間に本質的な差」はない。
清瀬弁護人の論が真っ当に思えるが。

東京裁判は結局は政治的戦争責任の追及を目的とする。そして、政治的責任は共同謀議、戦争の遂行、戦争法規違反の三つを犯罪カテゴリーにすれば、十分であり、他の細かい訴因も包含され得る、と判決はいう。

起訴状伝達が天皇誕生日の天長節、判決朗読開始が日本の建国を祝う紀元節、A級戦犯処刑が皇太子誕生日。何かの意図があったのだろうか。

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2021年08月30日

Posted by ブクログ

人種闘争の終焉がこのような形とは、、なんとも言えない虚脱感。有色人種の歴史の針を戻してしまったのが、、残念。日本の大東亜共栄圏、八紘一宇は、白人にとっては脅威そのものだったんだなぁ。綿密な計算の元破れた大東亜戦争。7人の御霊で人種差別を撤廃したと
考えると凄いことだと改めて感じる。日本は世界の指針を指し示すポテンシャルがある。蘇らせたい。改憲が1つの手段だな。。しかし、最後のdeath by hanging。悔しいなぁ。

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2017年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

非常に大勢の人物が登場し、わかりにくくなるところ、何人かに焦点を当て、非常に読みやすい。本書を手掛かりに類書で理解を深めたい。
結局、判決の大筋は最初から決まっていたようなものか。

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2017年01月30日

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