教育 - 中央公論新社 - 中公新書の検索結果

  • 継体天皇 六世紀に現れた世襲王権の「始祖王」
    3.7
    5世紀以前、複数の王族集団から適格者が即位していた大王。だが6世紀初頭、北陸からヤマト王権の有力豪族の招聘によって、王権との血縁が不確かな継体天皇が即位する。彼はどのような背景を持ち、なぜ即位できたのか。あるいは新王朝だったのか――。  王位継承後、朝鮮半島の新羅、九州の国造磐井など敵対勢力と向き合い、反乱を収め権威を確立していく。血統重視の世襲による天皇家を創った「始祖王」継体天皇と、6世紀の倭の実態を描く。
  • 謎の平安前期―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年
    3.8
    電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 平安遷都(794年)に始まる200年は激変の時代だった。律令国家は大きな政府から小さな政府へと変わり、豊かになった。その富はどこへ行ったのか? 奈良時代宮廷を支えた女官たちはどこへ行ったのか? 新しく生まれた摂関家とはなにか? 桓武天皇・在原業平・菅原道真・藤原基経らの超個性的メンバー、斎宮女御・中宮定子・紫式部ら綺羅星の女性たちが織り成すドラマとは? 「この国のかたち」を決めた平安前期のすべてが明かされる。
  • 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱
    3.9
    室町後期、諸大名が東西両軍に分かれ、京都市街を主戦場として戦った応仁の乱(一四六七~七七)。細川勝元、山名宗全という時の実力者の対立に、将軍後継問題や管領家畠山・斯波両氏の家督争いが絡んで起きたとされる。戦国乱世の序曲とも評されるが、高い知名度とは対照的に、実態は十分知られていない。いかなる原因で勃発し、どう終結に至ったか。なぜあれほど長期化したのか――。日本史上屈指の大乱を読み解く意欲作。
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで
    4.3
    ユダヤ教を信仰する民族・ユダヤ人。 学問・芸術に長けた知力、富のネットワーク、ホロコーストに至る迫害、アラブ人への弾圧――。 五大陸を流浪した集団は、なぜ世界に影響を与え続けているのか。 古代王国建設から民族離散、ペルシア・ローマ・スペイン・オスマン帝国下の繁栄、東欧での迫害、ナチによる絶滅計画、ソ連・アメリカへの適応、イスラエル建国、中東戦争まで。 三〇〇〇年のユダヤ史を雄大なスケールで描く。 ■目次 序 章 組み合わせから見る歴史 第1章 古代 王国とディアスポラ 1 ユダヤ教以前のユダヤ人?――メソポタミアとエジプトのあいだで 2 ユダヤ教の成立――バビロニアとペルシア帝国 3 ギリシアとローマ――キリスト教の成立まで 第2章 古代末期・中世――異教国家のなかの「法治民族」   1 ラビ・ユダヤ教の成立――西ローマとペルシア 2 イスラーム世界での繁栄 西アジアとイベリア半島 3 キリスト教世界での興亡――ドイツとスペイン 第3章 近世――スファラディームとアシュケナジーム 1 オランダとオスマン帝国――スファラディームの成立 2 ポーランド王国との邂逅――アシュケナジームの黄金時代 3 偽メシア騒動からの敬虔主義誕生――ユダヤ教の神秘主義 第4章 近代――改革・革命・暴力 1 ドイツとユダヤ啓蒙主義――同化主義なのか 2 ロシア帝国とユダヤ政治――自由主義・社会主義・ナショナリズム 3 ポグロムとホロコースト――東欧というもう一つのファクター 第5章 現代――新たな組み合わせを求めて 1 ソ連のなかの/ソ連を超えるユダヤ人――社会主義的近代化 2 パレスチナとイスラエル――「ネーション」への同化 3 アメリカと文化多元主義――エスニシティとは何か むすび あとがき 参考文献 ユダヤ人の歴史 関連年表
  • 帝国陸軍―デモクラシーとの相剋
    4.3
    陰湿、粗暴、狂信的……と語られてきた大日本帝国陸軍。 しかし実際には、建軍当初から、国際的視野を持つ開明的な将校などは多く存在していた。一九四五年の解体までの七十余年で、何が変化したのか――。 本書は、日露戦争勝利の栄光、大正デモクラシーと軍縮、激しい派閥抗争、急速な政治化の果ての破滅まで、軍と社会が影響を与え合った軌跡を描く。 陸軍という組織を通し、日本の政軍関係を照らす、もう一つの近現代史。 目次 はしがき 第1章 栄光からの転落 第2章 第一次世界大戦の衝撃 第3章 ポスト大戦型陸軍への挑戦 第4章 「大正陸軍」の隘路 第5章 「昭和陸軍」への変貌 第6章 陸軍派閥抗争 第7章 政治干渉の時代 第8章 日中戦争から対米開戦へ 終 章 歴史と誤り あとがき 主要参考文献 関連年表
  • 倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア
    3.8
    倭の五王とは、中国史書『宋書』倭国伝に記された讃・珍・済・興・武を言う。邪馬台国による交信が途絶えてから150年を経て、5世紀に中国へ使者を派遣した王たちである。当時、朝鮮半島では高句麗・百済・新羅が争い、倭もその渦中にあった。本書は、中国への〝接近〟の意図や状況、倭国内の不安定な王権や文化レベル、『古事記』『日本書紀』における天皇との関係などを中国史書から解読。5世紀の倭や東アジアの実態を描く。古代歴史文化賞優秀作品賞受賞
  • 加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか
    4.0
    加耶/任那は3~6世紀に存在した朝鮮半島南部の小国群を指す。『日本書紀』は任那と記し、「任那日本府」の記述などから長く倭の拠点と認識されてきた。だが戦後、強く疑義が呈される。歴史教科書の記述は修正が続き、呼称も韓国における加耶へと変わる。他方で近年、半島南部で倭独自の前方後円墳の発掘が相次ぎ、倭人勢力説が台頭する。本書は、古代東アジア史の大きな争点である同地域の実態を実証研究から明らかにする。 <目次> まえがき 序 章 加耶/任那研究の歩み 1日中韓史料のなかの古代東アジア 2通説までの道程――150年に及ぶ研究の軌跡 3広開土王碑と百済三書――史料批判による精緻化 第1章 檀君神話から金官・大加耶へ 1「古朝鮮」の虚実――檀君、箕子・衛氏朝鮮時代 2三韓時代へ――朝鮮四郡と馬韓・辰韓・弁韓 3いにしえの辰国―― 三韓以前の半島南部 4二大国の建国神話と任那の登場 第2章 弁韓からの発展――4世紀の動向 1盟主・金官の台頭と揺らぎ 2神功皇后「加羅七国平定」――『日本書紀』の真偽 3百済と倭の通交はいつからか 4広開土王碑のなかの倭、任那加羅、安羅 第3章 大加耶の成長と倭臣――5世紀~6世紀初頭 1高句麗対百済・倭――5世紀前半の動向 2倭の五王による「任那・加羅」都督諸軍事申請 3大加耶の中国への遣使――「輔国将軍本国王」の冊封 4加耶・馬韓の倭臣たち――ヤマト王権と異なる倭系集団 第4章 百済・新羅による蚕食と抵抗―― 6世紀 1「任那四県の割譲」――減衰する加耶諸国 2新羅の侵攻、㖨己呑・金官・卓淳の併合 3任那復興会議――百済の招集と加耶諸国の思惑 4加耶の消滅 ――「任那日本府」とは何だったか 第5章 滅亡後―― 倭の揺れる「任那」認識 1なぜ倭は百済・新羅に「調」を要求し続けたか 2伝承と面影―― 新羅と日本のなかで 終 章 加耶とは何か―― 国民国家を超えて あとがき 主要参考文献 加耶/任那 関連年表
  • 蒙古襲来と神風 中世の対外戦争の真実
    3.6
    電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 鎌倉中期、日本は対外戦争を経験する。二度にわたる蒙古襲来(元寇)である。台風が吹き、文永の役では敵軍が一日で退散し、弘安の役では集結していた敵船が沈み、全滅したとされる。だが、それは事実なのか。本書では、通説の根拠となった諸史料の解釈を批判的に検証。戦闘に参加した御家人・竹崎季長が描かせた『蒙古襲来絵詞』ほか、良質な同時代史料から真相に迫る。根強い「神風史観」をくつがえす、刺激に満ちた一冊。
  • 日本語の発音はどう変わってきたか 「てふてふ」から「ちょうちょう」へ、音声史の旅
    3.9
    問題「母とは二度会ったが父とは一度も会わないもの、なーんだ?」(答・くちびる)。この室町時代のなぞなぞから、当時「ハハ」は「ファファ」のように発音されていたことがわかる。では日本語の発音はどのように変化してきたのか。奈良時代には母音が8つあった? 「行」を「コウ」と読んだり「ギョウ」と読んだり、なぜ漢字には複数の音読みがあるのか? 和歌の字余りからわかる古代語の真実とは? 千三百年に及ぶ音声の歴史を辿る。
  • イスラームが動かした中国史 唐宋代から鄭和の大航海、現代回族まで
    4.7
    中国とイスラーム世界が邂逅した7世紀以降、西方や南方から来華したムスリムは、歴代中国の諸勢力が躍進する原動力となり、各地に豊かな文化を根づかせた。 彼らは、中華文明とどう向き合い、中国社会をどう変えたのか。 本書は、唐宋代の交易からモンゴル帝国の統治、鄭和の大航海、清への反乱、辛亥革命と日中戦争、現代新疆の実相までを一望。 時空を超えた1400年の軌跡を、世界史の視座のもと照らし出す。 【目次】 まえがき 序 章 中国ムスリムの概要 民族別の人口と居住地  三つの主要な集団  ①漢語を話すムスリム回族を中心に  「回族らしさ」とは何か  回族の宗教信仰  移動と定住  ②新疆のテュルク系ムスリムウイグル族を中心に  ③サラール族・東郷族・保安族 第1章 外来ムスリムの往来と定住唐代から元代 1 唐とイスラーム世界の邂逅 2 沿海部における交易活動 3 中央アジアのテュルク化とイスラーム化 4 元朝と色目人  第2章 土着化の進行明代 1 社会的地位の変化  2 混血と入信  4 鄭和の大航海  第3章 苦難と変革清代 1 政策と制度  2 思想の深化  3 諸イスラーム集団の形成  4 ムスリム反乱  5 近代的覚醒と国際関係  第4章 民族意識の形成中華民国期 1 新国家への期待と現実  2 馬家軍西北地域の回民軍閥  3 ナショナリズムの喚起  4 民族と宗教  5 ウイグル・アイデンティティの芽生え  第5章 社会主義時代を生き抜く中華人民共和国期 1 宗教の破壊と再生  2 中国共産党と新疆ムスリム社会  3 国際化する新疆問題  4 政治宣伝と文化変容  終 章 中国ムスリム史が伝えるもの あとがき  参考文献 イスラームが動かした中国史 関連年表
  • 世界の英語 5大陸に広がる多様なEnglishes
    4.5
    1巻1,320円 (税込)
    英語はイギリスやアメリカ、カナダといった母語圏だけでなく、アジア、アフリカ、カリブなど世界各地で公用語となっている。その形は一様ではなく、発音や綴り、語彙、文法が地域ごとに異なる。本書では、世界各地で使用されているさまざまな英語や、その多様性の背景にある歴史について詳細に描く。さらに、グローバル化する世界の中で共通語(リンガ・フランカ)として話されている英語のあるべき今後の姿も記す。 【目次】 まえがき 第1章 複数形の英語――世界に広がる多様な英語変種 第2章 ブリテン諸島――英語の形成と浸透  Ⅰイングランド Ⅱウェールズ Ⅲスコットランド Ⅳアイルランド 第3章 北米――新大陸での定着と拡大  Ⅰアメリカ合衆国 Ⅱカナダ 第4章 オセアニア――南半球へと広がるフロンティア  Ⅰオーストラリア Ⅱニュージーランド 第5章 アジア――多文化を結ぶ第二言語  Ⅰ南アジア Ⅱ東南アジア 第6章 カリブ海地域とアフリカ――クレオールと共通語のダイナミズム  Ⅰカリブ海地域 Ⅱアフリカ 第7章 世界の英語の繋がり――変種を超えた共通性  Ⅰ綴りと発音 Ⅱ語彙 Ⅲ文法 終章 英語の未来――分裂か収斂か?  Ⅰリンガ・フランカとしての英語 ⅡEnglishesかEnglishか? Ⅲどのような英語を学習・教育すべきか? あとがき 文献案内/図版出典/世界英語対照年表/用語解説 人名・作品名・事項索引/語句索引
  • 日本史の宝箱 史料をめぐる52の秘話
    3.0
    電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 奈良時代から明治維新期までの古文書や記録などを収集し、史料集を編纂・刊行する東京大学史料編纂所。近年はデジタル技術を駆使した史料の撮影・公開等の新たな試みも続く。 本書は、史料読みのプロたちに加え、史料修理・複製ほかに携わる専門スタッフも寄稿。「名執権・北条泰時の横顔」「織田信長自筆書状の復元影写」「江戸時代の米の先物取引」などなど、多彩な逸話を綴る。奥深い歴史の世界へ読者をいざなう一冊。 ■目次 はじめに Ⅰ あの人物の意外な一面 藤原頼通と古代・中世(黒須友里江) 北条泰時の二日酔い(西田友広) 名執権・北条泰時の横顔(木下竜馬) 嘉吉の乱後の朝廷を支えた公家たち(林遼) 若き北条早雲の改称(岡本真) 寿桂尼の嫁入り(末柄豊) 細川忠興、石田三成の陰謀を語る(林晃弘) 徳川家康の伏見城修築(及川亘) 幕府海軍の藩士と蔵書(水上たかね) Ⅱ おしゃべりなモノたち 黄金の漆をさがして(稲田奈津子) 中世の「おみやげ」(小瀬玄士) 円覚寺の自鳴する鐘(川本慎自) 能登名産ナマコの小桶(藤原重雄) 醍醐の松茸は誰が採る?(高橋慎一朗) 近江妙蓮と柳原紀光の古典籍受容(芝﨑有里子) 江戸時代の米の先物取引(山本一夫) 爆発する江戸(菊地智博) Ⅲ 世情の風景さまざま 奈良時代の付き人(古田一史) 長谷寺と川原寺(村上孟謙) 最後の遣明船(須田牧子) 分国法にみる盗品の取戻し(前川祐一郎) 摂関家当主の一喜一憂(松澤克行) 門跡の相続事情(石津裕之) 老中へ賄賂を贈る(荒木裕行) それぞれの密貿易(大東敬典) 幕末の情報探索にみる「奇兵隊」(小野将) 維新期朝廷の奥と表(箱石大) Ⅳ 文字に秘められた謎 天皇に秘薬をすすめたのは誰?(小塩慶) 記録と説話とのあいだ(海上貴彦) この手紙はいつのもの?(堀川康史) 『兼見卿記』が二つある?(遠藤珠紀) 近代写本の中に隠れた中世史料(畑山周平) 天正少年遣欧使節とエヴォラ版書簡集(岡美穂子) 元和九年の将軍上洛行程と『徳川実紀』(小宮木代良) 絵文字入りの手紙を読む(尾上陽介) 「東大寺開田図」と模写・写真(新井重行) Ⅴ 史料に向き合う 複製史料を見つめ直す(井上聡) 帝銀事件と史料編纂所(金子拓) 金石文調査が拓く地域の歴史(菊地大樹) 「攪乱」された東大寺文書を編む工夫(遠藤基郎) 織田信長自筆書状の復元影写(宮﨑肇) 歴史史料を創る(村岡ゆかり) 下張り文書の魅力(山口悟史) プラチナプリントと複製(桑田恵里) Ⅵ 未来に広がる日本史学 コンピュータが開く史料の扉(中村覚) 日本史からのグローカル化(小風綾乃) 研究データ基盤とベイズ統計学(山田太造) 歴史に伴走する写真(谷昭佳) 史料写真を撮る(高山さやか) 古文書の紙を科学で読み解く(渋谷綾子) 紙の漉き方からわかること(髙島晶彦) 海に出来た山、海を渡った津波(杉森玲子) 編集後記 執筆者一覧
  • アルジェリア戦争 フランスと戦後世界をつくった植民地独立闘争
    4.5
    東西冷戦下、第三勢力台頭の機運を背景に激化した植民地独立闘争、アルジェリア戦争(1954~62年)。 フランスは兵力を増派して鎮圧を図るも成功せず、巨額の戦費による財政難、国内政治の行き詰まりで第四共和制が崩壊した。ドゴール政権は難局を打開すべく、強硬路線を転換し、ついに独立を承認する。 約8年に及んだ戦争はフランスと国際社会に何をもたらしたのか。今日の移民問題にも密接に関わる歴史的事件を見直す。 ■本書の目次 まえがき 序章 戦争前史 オスマン帝国以前/オスマン帝国の支配/フランス占領の開始/アラブ民族主義との結合/カビリーの蜂起/アルジェリアでの同化政策/第一次世界大戦の影響/両大戦間期とENAの登場/第二次世界大戦 第一章 独立戦争の開始 「赤い万聖節」/アッバースの反応とFLNへの接近/独立運動の国際化の始まり/バンドン会議とアジア・アフリカの連帯/ナセルの登場とマグレブの参加/バンドン会議の短期的影響/強硬路線とヨーロッパ統合構想との交錯/アルジェリア強硬路線への回帰/ドゥフェール海外領土相と植民地の将来 第二章 アラブ諸国の参戦とドゴール復帰 スエズ危機・戦争とアルジェリア問題の連関/スエズ危機・戦争のインパクトとその背景/危機から戦争へ/ハンガリー動乱と「二重の危機」/英仏連合・FTA構想の興亡/スンマム会議からアルジェの戦いへ/拷問、検閲、監獄、収容所/モレ政権崩壊とアルジェの戦いの終結/マグレブの国境紛争/サキエト事件と英米の調停/ドゴールの召喚/アルジェでのコロンによるクーデター/ドゴールの首相就任 第三章 戦場の拡大と膠着 戦場の本国への拡張/FLNによる本土でのテロ攻撃/ドゴール外交の始動/GPRAの成立/ドゴールのアフリカ政策の展開/コンスタンティーヌ・プランの発表/「勇者の平和」提案/ドゴールの大統領就任演説/EECの救済とアルジェリアの包摂/シャル計画の開始 第四章 自決の承認から停戦交渉の模索へ ドゴールの「自決演説」/自決演説の意味/ムランでの休戦交渉の「失敗」/知識人たちのアルジェリア/国連での反植民地主義の高まり/OASの台頭 第五章 エヴィアン交渉 外交舞台/主要な争点/軍事面での争点/外交交渉での取引/交渉妥結の構造的要因/アラブの連帯、ヨーロッパの連帯/国連の圧力 第六章 和平協定の締結 エヴィアン協定における「独立」/脱植民地化の波の中で/脱植民地化の流れへの影響/フランス外交への影響/フランス外交戦略の変化/中東政策の変化/停戦からアルジェリア独立へ/ドゴール暗殺未遂事件/憲法採択とベンベッラ政権の発足 終章 アルジェリア戦争は何を遺したのか 休戦交渉以前/休戦交渉以後/独立後のフランス-アルジェリア関係/第三世界の雄との「対決」/ミッテランの登場と「ユダヤ例外主義」/「危機の一〇年」/シラクによる戦争の承認/記憶をめぐる闘いの終焉?/惨劇を繰り返さないために あとがき 参考文献
  • 古代農民忍羽を訪ねて 奈良時代東国人の暮らしと社会
    3.5
    「フーテンの寅さん」で有名な葛飾の柴又は、奈良時代は下総国葛飾郡大嶋郷嶋俣里に属した。 正倉院に残っている養老五年(721)の戸籍によれば、この地は孔王部忍羽(あなほべのおしは)とその一族が住んでいた。 都から遠く離れた東国の地で忍羽を始めとする庶民の大地に根付いた暮らしと社会はいかなるものだったのか。 探求心に後押しされた著者は時間を越えて忍羽の元を訪れる。 そこには自然の中で実直に生きる人びとがいた。 目次 第1章 孔王部忍羽の古里(古代葛飾の世界;大嶋郷戸籍の世界;大嶋郷逍遙) 第2章 子供の頃の記憶—遊びと労働(忍羽生まれる—お産の周辺;遊ぶ少年忍羽;村から国へ) 第3章 忍羽、生きていく(揺れる青春を走る;忍羽、結婚の祝い;日々の暮らし ほか) 終章 忍羽、信仰世界に入る
  • 親日派-売国と愛国の韓国史
    5.0
    植民地時代の対日協力者で「売国奴」とされた親日派。  独立後の韓国は「反民族行為処罰法」を制定し多数検挙するが、反日闘士だった初代大統領・李承晩は事実上廃案にする。国家機能維持のためには親日派の協力が必要であり実利を取ったのだ。そのため戦後も政治や軍の中枢を親日派は占め続けた。  だが民主化後、親日派への批判が始まる。21世紀以降は、政治がその清算を強く求め、「日帝強占下反民族行為真相糾明に関する特別法」を制定、民間でも『親日人名辞典』アプリが配信されるなど、子孫を含めた糾弾が続く。しかし、その内実は現代政治に強く影響され、「政治カード」として大きく変質している。  一見すると明確な利益が見出せない問題に、なぜ韓国は1945年の「解放」から80年にわたって莫大な労力を割いてきたのだろうか。親日派から描く韓国近現代史。
  • 戦国北条氏 関東の覇者、五代一〇〇年の軌跡
    4.0
    1巻1,276円 (税込)
    電子版は本文中の写真の一部をカラー写真に差し替えて掲載。 小田原城を本拠に雄飛した戦国大名北条氏。今川・武田・上杉ら有力大名とは、激しい攻防を繰り広げる一方、婚姻や養子縁組で同盟関係を結んだ。 一族の結束を誇り、民政重視の巧みな領国統治で名高い。伊豆・相模・武蔵・下総を版図に収め、北関東の一部をも勢力圏とする。 だが、豊臣政権と鋭く対立、小田原合戦で敗れてあえなく滅亡した。 初代宗瑞(早雲)から氏綱・氏康・氏政・氏直まで、宗家五代一〇〇年の歩みをたどる。 ■目次 はじめに 序 章 歴代の身辺・履歴 第一章 将軍近臣からの転身      ――初代当主・宗瑞とその時代 1 京都から駿河へ 2 伊豆・相模の平定 3 「武にして禅にゆく人」 第二章 「相州太守」から関東管領へ      ――二代当主・氏綱とその時代 1 武蔵の併合 2 伝統的権威への対応 3 領域支配制度の整備 第三章 最盛期の現出      ――三代当主・氏康とその時代 1 関東管領職をめぐる戦い 2 公方-管領体制の再編 3 民政の推進 4 「小田原衆所領役帳」の作成 第四章 当主と隠居の二頭制      ――四代当主・氏政とその時代(一) 1 新たな強敵への対応 2 当主としての自立 3 越相同盟 第五章 「関東八州」の領国化      ――四代当主・氏政とその時代(二) 1 甲相同盟下の戦局 2 織田政権への編入 3 新たな公権化への道 第六章 中央政権との交渉      ――五代当主・氏直とその時代(一) 1 織田政権下での動き 2 北条・徳川同盟の成立 3 豊臣政権への対応 第七章 小田原合戦      ――五代当主・氏直とその時代(二) 1 戦闘準備 2 小田原開城 3 豊臣家臣としての再生 終 章 「典型的」と評された戦国大名の実像 あとがき 主要参考文献
  • 常用漢字の歴史 教育、国家、日本語
    3.0
    10万字以上の漢字のなかで、日本語の読み書きに使う目安となる常用漢字は2,136字。これに人名用漢字を加えた約3,000字で過不足はないのか。選択の基準はどこにあり、字体や音訓はどのように決められたのか。本当に常用されているのか。国家が漢字と音訓を制限することの功罪とは。本書は江戸時代の常用漢字を推測する実験から説き起こし、明治以降のさまざまな漢字表を紹介。常用漢字でたどる日本語の150年史。
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    4.3
    オスマン帝国は1299年頃、イスラム世界の辺境であるアナトリア北西部に誕生した。アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸に跨がる広大な版図を築いた帝国は、イスラムの盟主として君臨する。その後、多民族・多宗教の共生を実現させ、1922年まで命脈を保った。王朝の黎明から、玉座を巡る王子達の争い、ヨーロッパへの進撃、近代化の苦闘など、滅亡までの600年の軌跡を描き、空前の大帝国の内幕に迫る。
  • 物語 中東の歴史 オリエント五〇〇〇年の光芒
    3.9
    キリストを生みムハンマドを生んだ中東は、歴史上の転換点となった数々の事件の舞台であり、まさに世界の富と知の中心だった。ソロモン王とシバの女王の知恵くらべ。新興イスラーム勢力のペルシア帝国への挑戦と勝利。ムスリム商人による商業の隆盛と都市文化の繁栄。「蛮族」十字軍や、モンゴル帝国による進攻とその撃退。しかし、やがて地中海世界は衰退し、中東は帝国主義の蹂躙する所となる…。ドラマティックな歴史をたどろう。
  • 日本語の書き言葉はどう変わってきたか せめぎ合う漢字・ひらがな・カタカナ
    3.7
    1巻1,078円 (税込)
    「お値打ちセール20%OFF!」 日本語では漢字・ひらがな・カタカナ、それにローマ字まで同じ文に共存しているが、これほど複雑な文字体系は世界に類を見ない。 漢字からひらがなやカタカナが生まれたが、それらは独自に発展してきた。 やがて藤原定家がひらがな文に漢字を所々に混ぜ、仏教説話で漢字カタカナ交じり文が生まれた。 今ではひらがな文が圧倒的に優勢となった。 文字が生んだ多様で高度な文化社会の変遷を辿る。 ■□■目次■□■ はじめに 第一章 漢文と漢字  第一節 無文字社会からの離脱   五世紀の『宋書』「倭国伝」/五世紀日本の文字資料/倭王武(雄略天皇)/文字による支配権力の誇示/仏教と倭人の読み書き能力の向上  第二節 律令国家と公文書行政   文字依存社会への急激な移行/戸籍と計帳による住民の掌握/はじめての日本語記載/難波宮跡万葉仮名木簡/ウタを記載する 第二章 漢字を使った日本語転記  第一節 和歌と宣命――日本語を記すということ   和歌資料の重要性/国家的要請から生まれた宣命  第二節 祝詞と宣命の先後関係   祝詞の古さについて/律令宣命の新しさ  第三節 万葉仮名の森からの解放   万葉集儀礼歌の行く末/万葉仮名の森を抜ける 第三章 ひらがなのあゆみ  第一節 ひらがな文と文芸   ひらがなの成立/平安時代の古写本の体裁/古今和歌集  第二節 藤原定家の表記改革   読めなくなった王朝文芸/定家による歌文の表記改革/古典文芸の表記の変遷  第三節 平安末期の日本語の歴史的変化   古代語の音変化/古代語の文法変化  第四節 定家本『土佐日記』の漢字使用  『土佐日記』の特異性/定家写本の新たな資料価値  第五節 貫之自筆本と定家本の和歌の漢字使用の違い   定家本に注目しよう/読書習慣の変化  第六節 和漢混淆文に吸収されたひらがな文   和漢混淆文とは何か/文芸ジャンル「和漢混淆文」の成立 第四章 近世ひらがな文の展開  第一節 戦国時代分国法の文体   中世東国の公文書/伊達家「塵芥集」の文体  第二節 江戸時代の出版文化と書き言葉   十七世紀の識字層の拡大/契沖の上代研究と歴史的仮名遣い/仮名遣いを呼び込んだ江戸時代のひらがな文  第三節 明治普通文と言文一致運動の葛藤   近代国家にふさわしい文体とは何か/東京語の成立  第四節 言文一致体の矛盾   近代社会を揺るがせた仮名遣い改定問題/政治問題化した仮名遣い 第五章 カタカナのあゆみ  第一節 漢文訓読とカタカナ   平安時代を拓いたひらがなとカタカナ/カタカナの起源  第二節 カタカナの成立とカタカナ文   漢文訓読の開始/漢字に付着したカタカナ/王朝文語で書かれたカタカナ交じり文/漢字カタカナ交じり文出現の理由/漢字カタカナ交じり文の資源としての漢文訓読語/説話文学のカタカナ交じり文  第三節 室町時代のカタカナ交じり文   口語体の漢字カタカナ交じり文/近世古典注釈のカタカナ口語文 第六章 実用的カタカナ文の展開  第一節 近世の実用的カタカナ文――明治普通文への資源的準備   漢字カタカナ交じり文の性格/知的実用文としての展開/近代公文書書式への準備  第二節 明治政府の公文書書式――明治普通文   五箇条の御誓文/カタカナ交じりの公文書  第三節 カタカナ・ひらがな・漢字・ローマ字の共存――大量消費社会と自然科学   同じ文脈での異種文字の共存/ひらがな文の拡大/ワープロ等の書き言葉への影響 終章 日本語の書き言葉の不思議   日本語の無文字体質/ひらがなの消極性/漢字の補助字体としてのカタカナ/カタカナ文成立の契機/明治普通文の有用性/言文一致運動/仮名遣い改定問題/知的文体におけるひらがな文の優位性/慎ましい文字・ひらがなの勝利
  • 日本の後宮 天皇と女性たちの古代史
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    男性君主のために集められた女性たちと、彼女らが住む空間を指す後宮。天皇家の安定した皇位継承のために創られた。平安時代初期、桓武天皇、嵯峨天皇には各々35人、45人に及ぶ皇子女がおり、そこには彼らを産んだ20人以上の妃・夫人・嬪・女御・更衣という後宮=キサキたちがいた。日本では、男子禁制ではなかったが、中国由来の制度の影響を受け変貌していく。本書は起源から平安末期までの歴史を追い、制度とその実態を描く。
  • 物語 東ドイツの歴史 分断国家の挑戦と挫折
    4.2
    ドイツは第二次世界大戦の敗北後、東西に分裂する。ソ連の影響下、社会主義国として四〇年にわたり存在したのが東ドイツである。東西統一後、東ドイツは、非人道的な独裁政治やシュタージといった秘密警察の監視など、負の側面ばかり強調されてきた。本書は、ベルリンの壁崩壊後に明らかになった史料から、楽観的で無責任な指導部、豊かさを求めて声を上げる民衆など、壁の向こうの実験国家の実態と全貌を描く。
  • 贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ
    4.0
    贈与は人間の営む社会・文化で常に見られるものだが、とりわけ日本は先進諸国の中でも贈答儀礼をよく保存している社会として研究者から注目を集めてきた。その歴史は中世までさかのぼり、同時に、この時代の贈与慣行は世界的にも類を見ない極端に功利的な性質を帯びる。損得の釣り合いを重視し、一年中贈り物が飛び交う中世人の精神を探り、義理や虚礼、賄賂といった負のイメージを纏い続ける贈与の源泉を繙く。
  • 百年戦争 中世ヨーロッパ最後の戦い
    4.1
    1巻1,012円 (税込)
    フランスを主戦場として英仏王家が攻防を繰り広げた百年戦争(一三三七~一四五三)。イングランドの大陸領をめぐる積年の対立に、フランス王位継承権争いが絡んで勃発した。当初イングランドが優勢だったが、ジャンヌ・ダルクによるオルレアン解放後、フランスが巻き返して勝利する。戦乱を経て、英仏双方で国民意識はどのように生まれたか。ヨーロッパ中世に終止符を打った戦争の全貌を描き、その歴史的意義を解明する。
  • 古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで
    4.2
    始皇帝、項羽と劉邦、曹操ら英雄が活躍した古代の中国。二千年前の人々はどんな日常生活を送っていたのか。気鋭の中国史家が文献史料と出土資料をフル活用し、服装・食卓・住居から宴会・性愛・育児まで、古代中国の一日24時間を再現する。口臭にうるさく、女性たちはイケメンに熱狂、酒に溺れ、貪欲に性を愉しみ……。驚きに満ちながら、現代の我々ともどこか通じる古代人の姿を知れば、歴史がもっと愉しくなる。
  • 近現代日本を史料で読む 「大久保利通日記」から「富田メモ」まで
    3.7
    歴史は史料に基づき描かれる-。「昭和天皇独白録」や「富田メモ」をはじめ、新たな史料の発掘は、歴史的事実の変更や確定をもたらす。なかでも「原敬日記」「高松宮日記」「真崎甚三郎日記」「佐藤榮作日記」など政治家、皇族、軍人が残した日記は貴重な史料であり、ここから歴史が創られてきた。本書は、明治維新期から現代に至る第一級の史料四十数点を取り上げ、紹介・解説し、その意義を説く。日本近現代史の入門書。
  • 近代日本の対中国感情 なぜ民衆は嫌悪していったか
    4.2
    明治維新後、欧米をモデルに近代化した日本。他方で中国はその停滞から一転し蔑視の対象となった。  日清・日露戦争、満洲事変、日中戦争と経るなか、それは敵愾心から侮蔑、嘲笑へと変わっていく。  本書は、明治から昭和戦前まで民衆の対中感情を追う。  世論調査がない時代、民衆が愛読した少年雑誌に着目。赤裸々な図版から、古代中国への変わらぬ思慕とは対照的に、同時代中国への露骨な差別意識、感情を描く。図版百点収載。
  • 戦艦武蔵 忘れられた巨艦の航跡
    4.4
    二〇一五年、戦艦武蔵がフィリピン沖海底で発見され、世界の注目を集めた。だが、太平洋戦争中の一九四二年に完成し、四四年のレイテ沖海戦で撃沈された武蔵は、敗戦後、長きにわたり半ば忘れられた存在だった。姉妹艦の大和が一貫して脚光を浴び、戦記や映画、アニメなどで繰り返し描かれたのとは対照的である。両者の差はどこから生まれたのか。建造から沈没までの軌跡を追い、さらには戦後日本の戦争観の変遷をたどる。
  • 蘇我氏-古代豪族の興亡
    3.7
    蝦夷・入鹿父子は六四五年の乙巳の変で討たれたが、蘇我氏は滅亡せず、以後も国家権力の中枢に位置した――。稲目を始祖とした馬子、蝦夷、入鹿の四代はいかに頭角を現し、大臣として国制改革を推し進めたのか。大化改新後、氏上となった倉麻呂系は壬申の乱へとつづく激変の時代をどう生き延びたのか。六世紀初頭の成立から天皇家を凌駕する権勢を誇った時代、さらに平安末期までを描き、旧来の蘇我氏イメージを一新する。
  • 漂流民とロシア 北の黒船に揺れた幕末日本
    -
    女帝エカテリーナの命により特使ラクスマンに伴われて大黒屋光太夫が帰還した。ロシア漂流・抑留民として初めての生還であった。これよりロシアによる通商交渉は頻繁になり、北の黒船の出没に対する幕府の北方警護と、これに因む蝦夷地の領土化が急速に推し進められた。本書は、多くの漂流・抑留民の事蹟と、その送還を契機に、日本との通商関係樹立を画策するロシアの行動をとおして、江戸時代における日露交渉の実態をさぐる。
  • 歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ
    4.1
    忍者の子孫を訪ね歩き、東海道新幹線の車窓から関ヶ原合戦を追体験する方法を編み出し、龍馬暗殺の黒幕を探る――。著者は全国をめぐって埋もれた古文書を次々発掘。そこから「本物の歴史像」を描き出し、その魅力を伝えてくれる。同時に、歴史は厳しいものでもある。地震史研究にも取り組む著者は、公家の日記などから、現代社会への警鐘を鳴らす。歴史を存分に愉しみ、現代に活かせる「歴史通」になりたいあなたへ。
  • 台湾 四百年の歴史と展望
    4.2
    一六二四年、大航海時代のオランダ支配に始まり、今日までの四百年に近い台湾の歴史は、「外来政権」による抑圧と住民の抵抗の記録である。外来政権はオランダ(スペイン)、鄭氏政権、清国、日本そして国民党政権である。では近年の目覚ましい経済発展の要因はどこにあったか。また急速な民主化の進捗は、対中国との関係で台湾をどのように変貌させるだろうか。一九九三年の「シンガポール会談」も踏まえ、歴史を描き、将来を展望する。
  • 鳥居耀蔵
    5.0
    水野忠邦の権力を背に負って天保改革を苛烈に実行し、蛮社の獄によって渡辺崋山らを死に追いやった鳥居耀蔵は、目的のためには手段を選ばぬ執拗な隠謀家であった。儒者の司・林家出身の耀蔵にとって、洋学は夷狄の宗教・思想にほかならず、この侵入を防ぐためには詐術もスパイ工作も厭うべきものではなかった。前半生、「妖怪」と恐れられ、後半生、二十三年間の幽囚にも屈しなかった「悪党」の、残忍酷薄にして豪邁な生涯を活写する。
  • エルサレムの歴史と文化 3つの宗教の聖地をめぐる
    5.0
    ユダヤ教やキリスト教、イスラム教の聖典に描かれ、史跡が数多く残る古都エルサレム。今も世界中から巡礼が訪れる。その文化は、古代イスラエル王国が興った紀元前一〇〇〇年ごろから現在まで、諸民族の激しい攻防をくぐり抜け、受け継がれてきた。本書は、貴重な現地写真など一五〇点以上の図版と共に、「聖なる都市」の唯一無二の魅力を紹介。聖地の起源を物語るエピソードを随所に交え、美術館を巡るように街を探訪する。
  • 物語 チベットの歴史 天空の仏教国の1400年
    4.2
    古代に軍事国家だったチベットはインド仏教を受容、12世紀には仏教界が世俗に君臨する社会となった。17世紀に成立したダライ・ラマ政権はモンゴル人や満洲人の帰依を受け、チベットは聖地として繁栄する。だが1950年、人民解放軍のラサ侵攻により独立を失い、ダライ・ラマ14世はインドに亡命した。チベットはこれからどうなるのか? 1400年の歴史を辿り、世界で尊敬の念を集めるチベット仏教と文化の未来を考える。
  • アイルランド現代史 独立と紛争、そしてリベラルな富裕国へ
    4.6
    多彩なビールやウィスキー、作家ジェイムズ・ジョイスの祖国、ラグビー強豪国としても知られるアイルランド。約七五〇年のイングランド/英国支配の後、一九二二年に独立を勝ち取った。貧困や人口流出、北アイルランド紛争などの困難に直面するも、一九九〇年代半ばからの高度経済成長を経て一人当たりGDP世界二位の富裕国へ、同性婚も容認するリベラルな国へと変身する。独立後を中心に、苦心と奮闘の歴史を辿る。
  • 悪名の論理 田沼意次の生涯
    4.0
    ナポレオンはメッテルニヒを「世紀最大の嘘つき」と呼んだ。 一度はその愛人だったこともあるリーフェン公爵夫人さえも、「世にも稀れな偽善者」とののしった。 田沼意次の場合も嫌われかたがよく似ている。 徳川の為政者中、彼ほど世間から口汚く罵倒され、あげくは汚辱の淵に蹴落されて深く沈淪しているものはない。 東西をとわず悪名高い為政者には共通の政治的性格の特徴があるが、不評の条件とは何か。 意次の生涯をたどって追究する。
  • 明智光秀 織田政権の司令塔
    4.7
    織田信長は版図拡大に伴い、柴田勝家、羽柴秀吉ら有力部将に大幅な権限を与え、前線に送り出した。だが明智光秀の地位はそれらとは一線を画す。一貫して京都とその周辺を任されて安土城の信長から近く、政権の司令塔ともいえる役割を果たした。検地による領国掌握、軍法の制定などの先進的な施策は、後年の秀吉が発展的に継承している。織田家随一と称されながら、本能寺の変で主君を討ち、山崎合戦で敗れ去った名将の軌跡。
  • アケメネス朝ペルシア― 史上初の世界帝国
    4.7
    2500年前、アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸にまたがる「史上初の世界帝国」として君臨したアケメネス朝ペルシア。エジプト侵攻やペルシア戦争など征服と領土拡大をくり返し、王はアフラマズダ神の代行者として地上世界の統治に努めた。古代オリエントで栄華を極めるも、アレクサンドロス大王によって滅ぼされ、220年の歴史は儚く幕を閉じた。ダレイオス1世ら9人の王を軸に、大帝国の全貌と内幕を描き出す。
  • 足利将軍たちの戦国乱世 応仁の乱後、七代の奮闘
    4.1
    足利将軍家を支える重臣たちの争いに端を発した応仁の乱。その終結後、将軍家は弱体化し、群雄割拠の戦国時代に突入する。だが、幕府はすぐに滅亡したわけではない。九代義尚から十五代義昭まで、将軍は百年にわたり権威を保持し、影響力を行使したが、その理由は何か――。歴代将軍の生涯と事績を丹念にたどり、各地の戦国大名との関係を解明。「無力」「傀儡」というイメージを裏切る、将軍たちの生き残りをかけた戦いを描く。
  • 足利義満 公武に君臨した室町将軍
    4.0
    電子版は本文中の写真の一部をカラー写真に差し替えて掲載。 公家社会と深く交わるなかで王朝文化に精通し、明国の皇帝には日本国王の称号を授与され、死後、朝廷から太上天皇の尊号を宣下される――。三代将軍足利義満の治世はしばしば「皇位簒奪」「屈辱外交」という悪評とともに語られる。だが、強大な権力、多様な事績に彩られた生涯の全貌は、いまだ明らかにはなっていない。本書では、新史料にも光を当て、公武に君臨した唯一無二の将軍の足跡をたどる。
  • 足軽目付犯科帳 近世酒田湊の事件簿
    3.7
    庄内藩酒井家の所領である酒田は、蝦夷地や京・大坂を結ぶ海運の要地。大小様々な船の出入りで賑わい、豪商たちの蔵が建ち並ぶこの町の平穏は、本書の主人公、足軽目付たちによって守られていた。彼らが書き残した厖大な記録『御用帳』から、その活躍ぶりをうかがい知ることができる。本書は、盗難や殺人、詐欺、汚職から見世物興行まで、興味深い記事を選りすぐって紹介。近世湊町の雰囲気をいきいきと今に蘇らせる。
  • アジア近現代史 「世界史の誕生」以後の800年
    3.3
    世界人口の約6割を抱え、広大な面積を占めるアジア。本書はそのアジアの歴史を、各国史ではなく一体のものとしてとらえる。各地の土着国家の盛衰と13世紀のモンゴル帝国の誕生から説き起こし、欧米による植民地化、日本の占領統治の影響、第2次世界大戦後の独立と経済発展、そして「アジア共同体」の模索まで。アジア域内の交流と、欧米など外部勢力との相互作用の双方に着目しながら、「アジアとは何か」を探る。
  • アジアの国民感情 データが明かす人々の対外認識
    3.5
    政治体制や文化が異なるアジア各国は、歴史問題や経済競争も絡み近隣諸国への思いは複雑だ。本書は、10年以上にわたる日中韓・台湾・香港・東南アジア諸国などへの初の継続調査から、各国民の他国・地域への感情・心理を明らかにする。台頭する中国への意識、日本への感情、米中関係への思い、ASEAN内での稀薄な気持ち、日韓に限らず隣国への敵対意識など様々な事実を提示。データと新しい視点から国際関係を描き出す。
  • アジア冷戦史
    4.0
    アジアの近代は、国民国家の成立を待たずに帝国主義の支配に従い、次いでただちに社会主義の洗礼を受けた。このため、ヨーロッパでの東西対立のような国家関係が存在しなかった。こうした、この地域独得の多極的な力関係や歴史的背景を抜きにしてアジアの冷戦は語れない。本書は、ソ連崩壊前後に公開された機密文書、重い口を開いた証言などを綜合して、アジアでの冷戦の誕生から終焉までをたどるものである。
  • 飛鳥の木簡―古代史の新たな解明
    4.0
    かつて日本古代史は、『日本書紀』『古事記』や中国の史書に頼らざるを得なかった。だが一九九〇年代後半以降、三万点以上に及ぶ飛鳥時代の木簡の出土が相次ぎ、新たな解明が進み始める。本書は、大化改新、中国・朝鮮半島との関係、藤原京造営、そして律令制の成立時期など、日本最古の木簡から新たに浮かび上がった史実、「郡評論争」など文献史料をめぐる議論の決着など、木簡解読によって書き替えられた歴史を描く。第2回古代歴史文化賞大賞受賞作。
  • 飛鳥 水の王朝
    4.0
    かつて日本の中心であった飛鳥の地は、いまだ多くの謎に包まれており、発掘調査には多くの関心が寄せられる。しかし新しい発見にばかり目が奪われ、飛鳥自体の意味がなおざりにされてはいないだろうか。著者は飛鳥を古代史の舞台としてだけでなく、「日本」が誕生した地と位置づける。本書を手に、独特の石敷や湧水施設など様々な解釈が入り乱れる遺構をたどるとき、今までとは異なる飛鳥の姿があなたの前に現れるはずだ。
  • 吾妻鏡―鎌倉幕府「正史」の虚実
    3.9
    電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 鎌倉幕府草創から中期までの事績を記した『吾妻鏡』。源頼朝挙兵に至る経緯、二代将軍頼家の暗愚、三代執権北条泰時の武勇と仁徳ほか、小説やドラマが描く挿話の多くはこの史料に基づく。幕府の公式記録とも言われるが、史実の錯誤や改変も少なくない。本書では平家追討、奥州合戦、実朝暗殺、承久の乱など主要な合戦や争乱の叙述を、近年の研究も踏まえて検証。「正史」に潜む虚構を洗い出し、隠された意図を明らかにする。
  • アッシリア全史 都市国家から世界帝国までの1400年
    4.3
    電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 アッシリアは、イスラエルの民を虜囚にし、敵対民族を残酷に処刑したとして、『旧約聖書』では悪役に描かれる。 だがその実像はバビロニアの先進文明に学び、長きにわたって栄えた個性的な国だ。 紀元前2000年に誕生した小さな都市国家が他国に隷従しつつも、シャルマネセル3世、サルゴン2世らの治世に勢力を拡大、世界帝国となるが、急速に衰微し、前609年に瓦解する。 その盛衰を軍事・宗教・交易など多角的に描く。
  • アメリカ黒人の歴史 増補版 奴隷貿易からオバマ大統領、BLM運動まで
    4.0
    1巻1,078円 (税込)
    黒人たちはアメリカ社会の底辺にいるとされてきた。だが二〇世紀後半、徐々に社会的地位を高め、中産階級の仲間入りをする者も現れる。文化や芸能、スポーツなどの分野での活躍は目覚ましく、政財界に進出した例も少なくない。本書は、アメリカ独立以前から南北戦争、公民権運動を経て現代まで、差別に直面しながらも境遇改善の努力を積み重ねた彼らの歩みを辿る。二〇一〇年代に勃興したBLM運動を概観する新章を収録。
  • アメリカの大学院で成功する方法 留学準備から就職まで
    3.9
    これからアメリカの大学院に留学を考えている方々に、具体的なヒントを与えることが本書の目的である。アメリカの大学院はどんなところで、学生には何が期待されているのか。体系化・専門化が進んでいるアメリカの大学の仕組みをふまえ、「プロ養成機関」としての大学院を最大限に活用するための手段と心構えを説く。ブラウン大学に学び、ハワイ大学に職を得た著者による、実践的・現実的な留学成功のためのガイダンス。
  • ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書
    4.5
    明治維新に際し、朝敵の汚名を着せられた会津藩。降伏後、藩士は下北半島の辺地に移封され、寒さと飢えの生活を強いられた。明治三十三年の義和団事件で、その沈着な行動により世界の賞讃を得た柴五郎は、会津藩士の子であり、会津落城に自刃した祖母、母、姉妹を偲びながら、維新の裏面史ともいうべき苦難の少年時代の思い出を遺した。『城下の人』で知られる編著者が、その記録を整理編集し、人とその時代を概観する。
  • 暗殺の幕末維新史 桜田門外の変から大久保利通暗殺まで
    4.1
    近代日本が生まれた幕末維新期。日本史上これほど暗殺が頻発した時期はない。尊皇攘夷論の洗礼を受けた者をはじめ、彼らはなぜ暗殺に走ったのか。本書は大老井伊直弼から内務卿大久保利通に至る国家の中枢、外国人、坂本龍馬らの“志士”、市井の人々までが次々に標的となった事件の凄惨な実相と世間の反応を描く。さらに後世、一方で暗殺者を顕彰し、他方で忌避した明治国家の対応も詳述する。闇から見つめる幕末維新史。
  • 硫黄島 国策に翻弄された130年
    4.0
    小笠原群島の南方に位置する硫黄島。日本帝国が膨張するなか、無人島だったこの地も一九世紀末に領有され、入植・開発が進み、三〇年ほどで千人規模の人口を有するようになった。だが、一九四五年に日米両軍の凄惨な戦いの場となり、その後は米軍、続いて海上自衛隊の管理下に置かれた。冷戦終結後の今なお島民たちは、帰島できずにいる。時の国策のしわ寄せを受けた島をアジア太平洋の近現代史に位置づけ、描きだす。
  • 医学の歴史
    3.5
    医学は人類の歴史とともに古い。呪術にたよっていた古代人の薬草発見を医学のあけぼのとすれば、ヨーロッパにおける大学の誕生と人体解剖こそ近代医学の第一歩である。東洋医学の伝統をうけついできた日本の医学はまた、蘭学の伝来によって急速に近代医学へと発展した。本書は、日本の医学の歩みを東洋と西洋との接点としてとらえながら、異なる人命観によって独自の道を進んだ東洋医学と西洋医学の歴史を説く。毎日出版文化賞受賞。
  • イギリス1960年代 ビートルズからサッチャーへ
    4.6
    第2次世界大戦後のベビーブームを背景に、若者文化が花開いた1960年代。中心にはビートルズが存在し、彼らの音楽・言動は世界に大きな衝撃を与えた。他方、サッチャー流の新自由主義も実はこの時代に胚胎した。今なお影響を与え続ける若者文化と新自由主義の象徴は、なぜイギリスで生まれたか――。本書は、ファッション、アートなどの百花繚乱、激動の社会とその反動を紹介し、1960s Britainの全貌を描く。
  • イギリス帝国の歴史 アジアから考える
    4.1
    1巻1,100円 (税込)
    かつて世界の陸地の約四分の一を領土として支配したイギリス帝国。その圧倒的な影響力は公式の植民地だけにとどまらなかった。本書は近年のグローバルヒストリーの研究成果をふまえ、アジアとの相互関係に注目しつつ、一八世紀から二〇世紀末までの帝国の形成・発展・解体の過程を考察する。今や世界経済の中心はアジア太平洋経済圏にシフトしつつある。そのシステムの基盤を作り上げた帝国の意義を明らかにする。読売・吉野作造賞受賞作。
  • イギリスのいい子日本のいい子 自己主張とがまんの教育学
    3.8
    優しい子に育ってほしいけれど、自分の意見を言えないようでは困る。自分の意志を持ってほしいけれど、わがままなのはだめ。子どもが育つとき、自己主張と自己抑制が共にできることが大切なのはわかっていても、そのバランスは難しい。両者を等しく重視するイギリスと、自己抑制を尊重しがちな日本を比較教育学を用いて比べながら、子どもたちはどうやってこれらを身につけていくのか、親はそのためにどうすべきかを探る。
  • いじめとは何か 教室の問題、社会の問題
    3.7
    一九八〇年代にいじめが「発見」されて以来、三度にわたる「いじめの波」が日本社会を襲った。なぜ自殺者が出るような悲劇が、繰り返されるのか。いじめをその定義から考察し、国際比較を行うことで、日本の特徴をあぶり出す。たしかに、いじめを根絶することはできない。だが、歯止めのかかる社会を築くことはできるはずだ。「いじめを止められる社会」に変わるため、日本の社会が、教育が、進むべき道を示す。
  • イスタンブールの大聖堂 モザイク画が語るビザンティン帝国
    3.7
    西洋と東洋が交錯する町、イスタンブール。ブルーモスクとともに市中に聳える聖ソフィア大聖堂は、六世紀、ビザンティン帝国のもっとも格の高い聖堂として建てられ、皇帝の戴冠式をはじめとする数々の儀式が行われた場所である。大聖堂の建築様式と堂内に飾られた壮麗なモザイク画を豊富な写真で紹介しながら、千年の栄華を誇った大帝国がオスマン・トルコの征服によって滅亡するまでの運命を読み解く。
  • イスラエルとパレスチナ 和平への接点をさぐる
    3.7
    イスラエル占領地ヨルダン川西岸とガザ地区で始まった大衆蜂起(インティファーダ)は、PLOに画期的な方針変更を打ち出させる状況をつくり、イスラエルには一部ながら、PLOとの対話を求める公然たる声を生み出した。 さらに、ユダヤ対アラブの構図から、当事者間の問題解決へと変わりつつある。イスラエルとパレスチナ双方で現地調査にあたった著者は、両民族の長い受難の歴史の終わりを願い、和平への接点の可能性をさぐる。
  • 板垣退助 自由民権指導者の実像
    -
    「板垣死すとも自由は死せず」の言で名高い板垣退助(1837~1919)。戊辰戦争で官軍の指揮官として名声を得た彼は、維新後、政権に参画するも西郷隆盛らと下野。民選議会設立を求め自由民権運動に邁進し、日本初の全国政党・自由党を結成する。議会開設後は第一党のトップとして藩閥政府と対峙。のちには大隈重信と初の政党内閣を組織した。多くの大衆から愛され、近代日本に大きな足跡を残した志士の真実。
  • イタリア現代史 第二次世界大戦からベルルスコーニ後まで
    4.0
    19世紀半ばに建国したイタリア王国は、ファシズムの台頭と第2次世界大戦の敗戦を経て、1946年に共和国へと生まれ変わる。デ・ガスペリらが主導する戦後復興を経て、50年代に高度経済成長を実現したものの、その後の歩みは平坦ではなかった。モーロ元首相の誘拐・暗殺事件に代表される左右のテロや横行する汚職、そして繰り返される改革の試みと挫折……。70年の戦後の歴史をたどり、この国の相貌を描き出す。
  • 伊藤博文 知の政治家
    4.1
    幕末維新期、若くして英国に留学、西洋文明の洗礼を受けた伊藤博文。明治維新後は、憲法を制定し、議会を開設、初代総理大臣として近代日本の骨格を創り上げた。だがその評価は、哲学なき政略家、思想なき現実主義者、また韓国併合の推進者とされ、極めて低い。しかし事実は違う。本書は、「文明」「立憲国家」「国民政治」の三つの視角から、丹念に生涯を辿り、伊藤の隠された思想・国家構想を明らかにする。
  • 院政 増補版 もうひとつの天皇制
    4.0
    院政とはすでに譲位した上皇(院)による執政をいう。平安後期に白河・鳥羽・後白河の三上皇が百年余りにわたって専権を振るい、鎌倉初期には後鳥羽上皇が幕府と対峙した。承久の乱で敗れて朝廷の地位は低下したが、院政自体は変質しながらも江戸末期まで存続する。上皇が権力を行使できたのはなぜか。その権力構造はいかなるものだったか。ロングセラーに終章「院政とは何だったのか」を収録し、人名索引を付した決定版。
  • 殷 ―中国史最古の王朝
    4.1
    殷王朝は中国史最古の王朝である。紀元前一七世紀頃から紀元前一〇四六年まで、約六〇〇年続いたとされる。酒池肉林に耽る紂王の伝説が知られているが、この王朝にまつわる多くの逸話は、史記のような後世に編まれた史書の創作である。殷王朝の実像を知るには、同時代資料である甲骨文字を読み解かねばならない。本書は、膨大な数の甲骨文字から、殷王朝の軍事から祭祀、王の系譜、支配体制を再現する。
  • インドネシア 多民族国家という宿命
    4.1
    インドネシアでは、三〇〇の民族集団から構成される二億の国民が、四〇〇の母語を使用して生活している。一見平和な風景からは、穏健で寛容な秩序が保たれているように見えるが、多様な混沌を統御するために暴力と暴力がぶつかり合ってきたという厳しい現実もある。本書は、第二次大戦後の独立時に起因する問題が、六人の大統領の時代を経過しながら、どう変質して今に至っているかを、丁寧にリポートするものである。
  • インドネシア大虐殺 二つのクーデターと史上最大級の惨劇
    4.2
    一九六○年代後半、インドネシアで二度のクーデターが起こった。事件発生の日付から、前者は九・三○事件、後者は三・一一政変と呼ばれる。この一連の事件が原因となって、独立の英雄スカルノは失脚し、反共の軍人スハルトが全権を掌握する。権力闘争の裏で、二○○万人とも言われる市民が巻き添えとなり、残酷な手口で殺戮された。本書は、いまだ多くの謎が残る虐殺の真相に、長年に及ぶ現地調査と最新資料から迫る。
  • 歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ
    3.8
    日本人の心の原風景として語られることの多い唱歌だが、納税や郵便貯金、梅雨時の衛生などの唱歌がさかんに作られた時期がある。これらは、ただひたすらに近代化をめざす政府から押しつけられた音楽でもあった。だが、それさえも換骨奪胎してしまう日本人から、歌が聞こえなくなることはなかったのである。唱歌の時代から「うたごえ」そして現代までをたどる、推理小説を読むような興奮あふれる、もう一つの近代史。
  • エジプト革命 軍とムスリム同胞団、そして若者たち
    4.3
    ムバーラクの三〇年にわたる独裁は、二〇一一年、民衆による「一月二五日革命」で幕を閉じた。しかし、その後の民主化プロセスの中で、軍とムスリム同胞団が熾烈な権力闘争を展開し、革命の立役者である若者たちは疎外されていく――。エジプトの民主主義は、どこで道を誤ったのか。アラブの盟主エジプトが迷走した、二年半におよぶ歴史上の劃期を、軍・宗教勢力・革命を起こした青年たちの三者の視点から追う。
  • 江戸城―本丸御殿と幕府政治
    4.3
    松之廊下にはどのような役割があったのか? 老中の登城から退出までを追ってみると?「奥」の側用人が「表」の老中より権力をふるえたしくみとは? 大名統制において殿中儀礼が持った意味とは? 大奥女中にはどのような仕事があったのか? 江戸城における政務は、本丸御殿の構造と密接に関係している。部屋の配置とその役割を詳しく紹介し、「表」「奥」「大奥」それぞれで展開した幕府政治のしくみを読み解く
  • 江戸城御庭番 徳川将軍の耳と目
    3.0
    徳川吉宗が八代将軍の座につくと、紀州藩士二〇五名を幕臣に編入、側近とした。その中に将軍の耳や目となり活動する隠密の一団があった。御庭番である。彼らは表向き、将軍やその家族の身辺警備・取次などを務めたが、いったん命が下ると姿を変えて各地で情報収集に当たった。のちにその家筋から幕政に重用される人材を生む。本書は、厳格な統制と秘密保持をもって将軍に情報をもたらし、徳川権力を支えた御庭番を精密に考証する。
  • 江戸の災害史 徳川日本の経験に学ぶ
    5.0
    電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 江戸時代は大災害が集中した、日本史上でも稀な時期である。 江戸を焼き尽くした明暦の大火、富士山の大噴火、日本史上最大級の宝永地震、度重なる飢饉などの記憶は今も語り継がれている。 一方、幕府や藩、地域社会、家の各レベルで人々が防災に取り組んだのも江戸時代に入ってからだった。 いのちを守るシステムはいかに形成され、いかに機能しなくなったのか。 災害と防災から見えてくる新たな江戸三百年史の試み。
  • 江戸幕府と儒学者 林羅山・鵞峰・鳳岡三代の闘い
    3.0
    林家は、朱子学者・林羅山を始祖とする江戸幕府に仕えた儒官の家柄である。大坂冬の陣の発端となった方広寺鐘銘事件から、史書『本朝通鑑』の編纂、湯島聖堂の創建、大学頭叙任、赤穂浪士討ち入り事件への対応、そして新井白石との対立まで――。初代羅山・二代鵞峰・三代鳳岡は、歴代将軍の寵用と冷遇に翻弄されながらも、江戸期朱子学の確立に奔走した。その林家三代一五〇年の闘いと事績を描く。
  • 江戸文化評判記 雅俗融和の世界
    3.0
    江戸には江戸の文化を成熟させた先人がいた。その果実は、現代と全く異なる味わいがあるからこそおもしろい。著者は、江戸の文物を部品に一人乗りのタイム・マシーンを組み立てて江戸観光を企てる。着いた時代は伝統の「雅」と新興の「俗」の両文化が見事に融和した壮年期の江戸。中央はもとより地方にも足を延ばし、一癖も二癖もある多彩な人々を訪れ、出版事情を探り、文人大名の蔵書も拝見。まずはこれを評判記に刻んで御報告の仕儀。
  • 江戸―平安時代から家康の建設へ
    4.0
    徳川家康が入城し、将軍の本拠地として大都市へ変貌した江戸。その始まりは平安時代末、秩父平氏一族の江戸氏が拠点を置く低湿地だった。太田道灌の江戸城築城、戦国大名北条氏の支配を経て、入府した家康の大工事によって、城と町は発展を遂げる。江戸の繁栄はいかにして築かれたのか。本書では新知見をふまえ、中世から近世への変遷過程を解明。平安時代の寒村から、豪華絢爛な都市が成立するまでの500年を描き出す。
  • エリザベス女王 増補版 史上最長・最強のイギリス君主
    4.5
    1952年に25歳で英国の王位に即いたエリザベス女王。カナダ、オーストラリアなど15ヵ国の元首でもあった。70年間という史上最長の在位期間中、政治に関与し続け、また数多くの事件に遭遇する。W・チャーチルら15人の首相が仕え、「政治的な経験を長く保てる唯一の政治家」と評された。本書はイギリス現代史を辿りながら、幾多の試練を乗り越え、96年に及んだ生涯を描く。コロナ禍や新国王の戴冠式を増補した決定版。 【目次】 第Ⅰ章 リリベットの世界大戦――王位継承への道 第Ⅱ章 老大国の若き女王――二五歳での即位 第Ⅲ章 コモンウェルスの女王陛下――一九七〇~八〇年代 第Ⅳ章 王室の危機を乗り越えて――ダイアナの死と在位五〇周年 第Ⅴ章 連合王国の象徴として――二一世紀の新しい王室 補 章 「大王」の死――コロナ、在位七〇周年、そして崩御 おわりに あとがき/増補版へのあとがき 主要参考文献 主要図版出典一覧 エリザベス女王関連年譜
  • お伊勢参り 江戸庶民の旅と信心
    3.8
    千三百年以上の歴史をもつ「お伊勢さん」には、今なお全国から参詣客がやってくる。一般庶民の参詣が根付いた江戸時代、路銀いらずのおもてなし文化から、およそ六十年周期で発生した数百万規模の「おかげまいり」まで、日本中の庶民がいかにお伊勢参りに熱狂したかを、様々な史料が浮かび上がらせる。著者自身が、二十五年間にわたって実践したお伊勢参りの記録も収載した。街道の文化を再現する一冊。
  • 奥羽越列藩同盟 東日本政府樹立の夢
    3.9
    鳥羽伏見の戦いに敗れた会津藩救済を当初の目的とした列藩同盟は、いつしか明治天皇を奉戴する薩長閥政権に対抗して、輪王寺宮公現法親王を擁立する東日本政府樹立に向かって結束を固めていく。なかでも仙台藩の玉虫左太夫は、渡米体験をもつ国際派参謀として精力的に活動する。凄まじく厳しい権力抗争の渦中に身命を投じて敗者となった仙台、米沢、会津、庄内、秋田、長岡諸藩の志士の動向に、秘められた戊辰戦争の諸相をみる。
  • 奥州藤原氏 平泉の栄華百年
    3.3
    奥州藤原氏は平泉を拠点として平安末期の東北地方に君臨した。産金をもとに財をなし、京風の絢爛たる仏教文化を花開かせた。初代清衡から三代秀衡へ、支配権はどのように伸長したのか。秀衡の死後わずか二年で源頼朝に攻め滅ぼされたのはなぜか。京都との関わりを軸に、百年の歴史を多角的に検証。併せて、中尊寺金色堂に眠る歴代のミイラの学術調査結果も紹介する。『蝦夷』『蝦夷の末裔』に続く東北古代史三部作完結編。
  • 王政復古 慶応三年十二月九日の政変
    3.7
    徳川幕府の政権奉還ののちも、岩倉具視や西郷隆盛らによる真の朝廷政権樹立の画策が進められた。慶応三年十二月八日、薩摩・土佐藩など五藩士は岩倉邸に集合、翌日のクーデター断行が告げられた。その後、席を朝議の場に移して、激論は九日朝におよぶ。この朝議がはねて間もなく、王政復古の大号令が渙発された。これより戊辰戦争の戦火が立ち昇る。それぞれの思惑を秘めて時代の大転換期に臨んだ人々の動きと、歴史的意義を検証。
  • 大隈重信(上下合本)
    -
    政治家、言論人、早稲田大学初代総長など多面的な活動で知られる大隈重信。一八三八年に佐賀で生まれ、一九二二年に没するまでの軌跡は、日本近代の激動に伴走したかのようだ。本書は、周囲の群像や時代の変化などを含めて、彼の全貌を描き出す試み。
  • 大隈重信(上) 「巨人」が夢見たもの
    4.8
    1~2巻1,100~1,210円 (税込)
    政治家、言論人、早稲田大学初代総長など多面的な活動で知られる大隈重信。一八三八年、佐賀に生まれ、幕末に志士として活躍。明治維新後は、官僚として頭角を現し、木戸孝允、大久保利通、三条実美らの右腕として、参議兼大蔵卿などを務める。明治十四年の政変で失脚するも、立憲改進党を率い、藩閥政府と対峙。時流を機敏にとらえ、一八九八年には総理大臣に就任する。上巻では、若き日から念願の組閣までを描く。
  • 大御所 徳川家康 幕藩体制はいかに確立したか
    3.3
    関ヶ原の決戦を制した徳川家康は征夷大将軍となり、江戸幕府を開いた。その職をわずか二年で秀忠に譲るが、駿府城に移ったのちも実権を掌握。多彩なブレーンを活用して、御三家の創設、諸大名や朝廷の統制、対外関係の再構築など、政権基盤の強化に努めた。他方では最大の脅威である豊臣家を滅亡へと追い込んでいく。大坂の陣終結の翌年に没するまで十一年にわたった大御所政治を辿り、幕藩体制成立の過程を明らかにする。
  • 大塩平八郎の乱 幕府を震撼させた武装蜂起の真相
    3.5
    江戸後期、天保の大飢饉が起こり、深刻な米不足から大坂でも餓死者が続出した。大坂町奉行所の元与力で陽明学者の大塩平八郎は、窮状を見かねて奉行所に救済を嘆願したが容れられず、私塾の門弟らと「救民」を掲げて決起。乱は一日で鎮圧された。自決まで一カ月余り大坂市中で潜伏を続けた大塩の真意は何か。密かに江戸へ送った「建議書」で何を訴えようとしたのか。近年発見の史料もふまえ、幕府を震撼させた事件の全容に迫る。
  • 大伴家持 波乱にみちた万葉歌人の生涯
    3.5
    大伴家持(七一八頃~七八五)は、天平文化を代表する歌人であり、『万葉集』の編纂にも関わったとされる。橘奈良麻呂の変など、無数の政争が渦巻く時代を官人として生き、さまざまな美しい景色や多くの親しい人々との思い出を歌に込めた。その歩みを追うと、時代に翻弄されながら、名門一族を背負った素顔が浮かび上がる。本書は、残された資料と各所で詠んだ歌から、謎の多い彼の全生涯を描き出す。
  • 大鳥圭介 幕府歩兵奉行、連戦連敗の勝者
    3.5
    大鳥圭介は稀有な幕臣である。播磨に生まれ、蘭学を学び、幕府歩兵奉行として陸軍の指揮を任されるに至る。戊辰戦争では連戦連敗するが、「またも負けたか」と笑い飛ばし、五稜郭まで戦い抜いた。二年にわたって牢に繋がれたのちは工部大学校校長、清国公使などを歴任、富国強兵策を実行した。「最初からよい地位に恵まれることなどない」「屈するは後に大いに伸びる基」と言い、不撓の精神で逆境を乗り越えた人物の生涯。
  • 沖縄現代史 米国統治、本土復帰から「オール沖縄」まで
    4.0
    1巻1,012円 (税込)
    太平洋戦争中、地上戦で20万人強の犠牲者を出した沖縄。敗戦後、27年ものあいだ米国統治下に置かれ、1972年に本土復帰を果たすが、広大な基地は残された。復帰後の沖縄は保守と革新が争いながら政治を担い、「基地依存経済」の脱却を図る。  だが1995年の米兵少女暴行事件を契機に「島ぐるみ」による、2010年代には普天間基地移転・歴史認識をめぐり、保革を超えた「オール沖縄」による要求が国に行われるようになる。本書は、政治・経済・文化と、多面的に戦後沖縄の軌跡を描く。さらには中国の台頭による複雑化する沖縄の人々の基地感情も記す。
  • 沖縄の殿様 最後の米沢藩主・上杉茂憲の県令奮闘記
    4.0
    謙信の流れをくみ、鷹山を中興の祖と仰ぐ名門、米沢藩上杉家。最後の藩主・茂憲は明治十四年、琉球処分から日が浅い沖縄に県令として赴く。本島をくまなく巡り、宮古・石垣両島まで及んだ視察で目撃したのは、困窮にあえぐ庶民の姿であった。再三の改革意見は政府から黙殺され、志半ばで解任される茂憲。だが、情熱を傾けた人材育成は後年になって実を結ぶ。今日もなお沖縄で敬愛される上杉茂憲の二年にわたる奮闘の記録。
  • 沖縄の歴史と文化
    4.2
    沖縄は地理的に遠く、日本本土と趣きの異なる歴史と文化をもっているため、歴史を区切る概念も、文化を貫く美意識も、それらを表現する言語も、すべて本土的な尺度では計れない。本書は、単に日本列島の一島嶼群として捉えるのではなく、広く太平洋文化圏の中に位置づけ、日本人および日本文化のルーツの一つともいうべき沖縄の歴史と文化を、諸分野の研究成果を取り入れながら紹介する。沖縄の実相を識るための入門書である。
  • 織田信忠―天下人の嫡男
    3.9
    織田信忠は、父信長から才覚を認められ、十九歳の若さで家督を継承した。大軍の指揮を任され、紀伊雑賀攻めに続き、謀叛した松永久秀の討伐に成功。さらには先鋒の大将として信濃・甲斐に攻め入り、宿敵武田氏を滅ぼして信長から称賛される。だが凱旋からほどなく、京都で本能寺の変に遭遇。明智光秀の軍勢に包囲され、衆寡敵せず自害した。実績を積み重ね、将来を嘱望されながらも、悲運に斃れた二十六年の生涯をたどる。
  • 織田信長合戦全録 桶狭間から本能寺まで
    3.5
    家督を継いだ十九の年より本能寺に没するまで、織田信長は四方の敵と戦い続けた。初期には、劣勢を覆した桶狭間の戦いのように少数精鋭の部隊を自ら率いて戦い、後には、浅井・朝倉氏攻めや対本願寺戦のように、羽柴秀吉らの部将を配して多方面にわたる戦線を同時に指揮した。際だった戦巧者ぶりを示す戦略や戦術への考察も併せ行い、天下統一の基礎を作った信長のすべての戦いをたどる。
  • 織田信長の家臣団―派閥と人間関係
    3.3
    織田家中で最古参の重鎮・佐久間信盛は、本願寺攻めでの無為無策を理由に信長から突如追放された。一見理不尽な「リストラ」だが、婚姻や養子縁組による盤石の人脈を築けなかった結果とも言える。本書では、一万を超す大軍勢を任された柴田勝家・羽柴秀吉・滝川一益・明智光秀ら軍団長と、配下の武将たちの関係を、地縁・血縁などから詳細に検証。これまで知られなかった「派閥」の構造に迫り、各軍団の特性を明らかにする。
  • オットー大帝―辺境の戦士から「神聖ローマ帝国」樹立者へ
    3.5
    カール大帝の死後、フランク帝国は3分割される。そのひとつ、東フランク王国の貴族の子として912年に生まれたオットーは、父による東フランク王位獲得の後、936年、国王に即位する。東方異民族による度重なる侵攻、兄弟や息子たちの叛乱、3度のイタリア遠征と、その生涯は戦役の連続だった。カール大帝の伝統を引く皇帝戴冠を受け、のちに神聖ローマ帝国と称される大国の基盤を築いた王者の不屈の生涯を描く。
  • 親孝行の日本史 道徳と政治の1400年
    3.0
    孝とは、親を大切にすることで、儒教の基本的徳目だ。律令で孝行者の表彰が定められ、七一四年に最古の例が見られる。以来、孝子は為政者から顕彰され、人々の尊敬を集めた。特に江戸時代は表彰が盛んに行われ、多くの孝子伝が編まれた。明治に入り教育の中心に据えられるが、戦後、軍国主義に結びついたとして否定された。それは常に支配者の押しつけだったか。豊富な資料で「孝」を辿り、日本人の家族観や道徳観に迫る。
  • オランダ風説書 「鎖国」日本に語られた「世界」
    4.1
    日本人の海外渡航を禁じた江戸幕府にとって、オランダ風説書は最新の世界情勢を知るほぼ唯一の情報源だった。幕府はキリスト教禁令徹底のため、後には迫り来る「西洋近代」に立ち向かうために情報を求め、オランダ人は貿易上の競争相手を蹴落すためにそれに応えた。激動の世界の中で、双方の思惑が交錯し、商館長と通詞が苦闘する。長崎出島を舞台に、「鎖国」の200年間、毎年続けられた世界情報の提供の実態に迫る。
  • 温泉の日本史 記紀の古湯、武将の隠し湯、温泉番付
    3.0
    日本人と温泉の関わりは古く、三古湯と称される道後・有馬・白浜温泉は『日本書紀』にも出てくる。中世には箱根・熱海・草津・別府などの名湯が歴史の表舞台に現れた。武田信玄ら戦国大名が直轄した領国内の温泉地は「隠し湯」として知られる。江戸時代に入ると大名や藩士、幕臣らはこぞって湯治旅を楽しむようになり、旅行案内書や温泉番付が登場。初の秘湯ブームも到来した――。多彩なエピソードでつづる通史。
  • 女たちの幕末京都
    3.0
    開国か攘夷かをめぐり、幕末の政治の中心は江戸から朝廷のひざもと、京都へ移った。歴史は男たちの活躍する格好の大舞台を提供し、のちに多くの書物に取り扱われた。本書は、ともすれば歴史の片隅で取り上げられてきた女性たち、たとえば安政の大獄で逮捕された老女村岡、皇女和宮と協力して徳川家を救った庭田嗣子と土御門藤子、岩倉具視に「手のつけられぬ女」といわれた若江薫子らに光を当て、歴史の面白さを掘りおこす。
  • 女たちの平安後期―紫式部から源平までの200年
    4.0
    平安後期、天皇を超える絶対権力者として上皇が院政をしき、それを支える中級貴族や源氏・平家などの軍事貴族、乳母が権力を持つようになる。そのなかで巨大な権力を得た女院たちが登場、莫大な財産は源平合戦のきっかけを作り、武士の世へと移って行く。紫式部が『源氏物語』で予言し、中宮彰子が行き着いた女院権力とは? 「女人入眼の日本国(政治の決定権は女にある)」とまで言われた平安後期の実像がいま明かされる。 ■目次■ はじめに 平安時代後期二〇〇年の年表 序章 平安後期二〇〇年の女人たちとは   武人貴族と日本中を走り回る人々、そしてその妻たち   乱立する権門――政治・権力の多チャンネル化、忖度とロビー外交の時代   「女人入眼の日本国」――平安後期を生きる女性権力者の新しい道   『百人一首』の女流歌人たちのスポンサーが女院たちだった   紫式部の描いた「女院」の予言――『源氏物語』のもう一つの〈サクセスストーリー〉 第一章 寛仁三年に起こった大事件――〈刀伊の入寇〉   刀伊の襲来   〈刀伊入寇〉と「暴れん坊」藤原隆家   〈刀伊の入寇〉についての太政官会議   刀伊の攻撃を防いだ者は   〈刀伊の入寇〉と『源氏物語』と現地の女性たち 第二章 彰子が宮廷のトップに立つまで   『源氏物語』のころの彰子   一条天皇亡き後の彰子   彰子、道長を任命する   望月の歌と三人の后   そして彰子がトップに立つ   上東門院をめぐるある事件    第三章 道長の孫、禎子内親王が摂関政治を終わらせた   三条天皇皇女、禎子内親王   姉たちとの格差   道長の野望と新たな計画   禎子内親王の結婚と摂関家   藤原頼通とその妻、隆姫女王の動向――具平親王の子供たち   藤原嫄子、入内する   具平親王家を継いだ人   禎子内親王の自立と藤原能信   藤原頼通と斎王と伊勢神宮   斎王良子をいじめたのは誰だ   我慢する禎子の切り札とは   禎子、勝利の時    第四章 貴族と武者と女房と――〈斎王密通事件〉と武士   斎王を襲った武者   平致光と平致頼   九州の海の武者と平致光   武人貴族が社会のスキマを埋めていく   「朝家の守護」、源頼光と渡辺綱の関係   清原致信殺害事件とその立ち位置   歌人としての武者と女房たち――相模の立ち位置   そして、斎王を襲った男ふたたび    第五章 躍動する『新猿楽記』の女たち   『新猿楽記』に見える芸人たち   「あるある下級貴族」の日常コント   どんどん個性的になる女性たち   たくましい女性たちが語るもの    第六章 院政期の中心には女院がいた   「行き当たりばったり」白河天皇と母と妃と皇子たち   未婚女院第一号、郁芳門院――白河天皇の暴走①   未婚の高位内親王――白河院の暴走②   閑院流の姫、待賢門院と白河院――白河院の暴走③   藤原親子と六条藤家――「天皇の乳母」の力①   藤原光子と「夜の関白」――「天皇の乳母」の力②   鳥羽院と「九尾の狐」にされた傍流藤原氏の美福門院   女院の熊野詣    第七章 源平の合戦前夜を仕切った女性たち   奥州合戦と安倍氏と藤原経清の妻   〈保元・平治の乱〉と女性たち   源義家から平忠盛へ   祇園女御という謎   平滋子と平時子――「平氏」から「平家」を生み出した女性たち   フィクサー藤原成親と女性たち    第八章 多様化する女院と皇后、そして斎王たち   女院が歴史に埋もれたのはなぜか   二条天皇と育ての親、美福門院   二代の后になった若き太皇太后多子   六条天皇准母藤原育子、外戚のいない天皇の母として   悲劇の女院、建礼門院徳子、そして斎宮・斎院をめぐる変化    第九章 究極のお嬢様――八条院暲子内親王と源平合戦   いきなり女院の八条院   八条院の財産と武力   八条院と源平合戦   女院と結びつく清和源氏   「女人入眼の日本国」の裏で   もう一度八条院に戻って見えてくること   八条院たちが残した華麗な文化   八条院領の終わり 第十章 それから――鎌倉時代以後の女性の力   『百人一首』の語る平安時代の折り返し点   消された定子皇后   女性は家長になれない時代   しかし女性家長はいた   それでも女院には力があった   斎宮は物語の中へ おわりに あとがき 主要参考文献 付録 歴史を描いた女たち(『栄花物語』一口紹介)
  • 女の旅―幕末維新から明治期の11人
    3.4
    江戸期以前、女性が一人で旅することは難しかった。身の危険、歩きという制約、何より、男に付き従う姿こそ美徳とされたからだろう。だが、明治維新による文明開化以降、女性たちの旅は少しずつ広まっていく。本書は、日記、手記、聞き書きなどの記録から、全国漂泊、京都への出奔、遊説、米国留学、富士山越冬、蒙古行などの足取りを再現。男尊女卑の風潮が強いなか、時代に立ち向かった女性たちの人生を描く。

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