ことばの乱れが指摘されて久しい。
この本でも言葉についての危機感を露わにする言論が多く、気が滅入りそうになる。
これまで読んだ本では話し言葉の乱れが多かったが、この本では新聞記事の文章について指摘している点が興味深い。
「ザックリ」「心が折れる」「降臨」などのよく見る表現…私も気づきませんでした。
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読みつつ自身のことばもかなりいい加減になっていると思い、反省するしかなかった。
近頃の言葉は、「気持ち」をどれほど面白おかしく、印象的に述べられるかが重視されているのだろうか。
言葉は思考を表面化していること、
書き言葉、話し言葉、打ち言葉の繋がり、
話し言葉の「ブレーキ」となりうる「書き言葉」の重要性…。
多少は年配の方が文句を垂れているような文もあり、ちょっと説教されているようにも感じられることはあるものの、改めて言葉をたんなるコミュニケーションのための道具にせず、文化として継承していくものにするためのヒントがたくさん書かれた本であった。