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織田信忠は、父信長から才覚を認められ、十九歳の若さで家督を継承した。大軍の指揮を任され、紀伊雑賀攻めに続き、謀叛した松永久秀の討伐に成功。さらには先鋒の大将として信濃・甲斐に攻め入り、宿敵武田氏を滅ぼして信長から称賛される。だが凱旋からほどなく、京都で本能寺の変に遭遇。明智光秀の軍勢に包囲され、衆寡敵せず自害した。実績を積み重ね、将来を嘱望されながらも、悲運に斃れた二十六年の生涯をたどる。
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Posted by ブクログ
★★★2020年4月★★★ 織田信忠に興味を持ち始めてからもう26年。 ちょうど信忠の生涯と同じ年数だ。『信長公記』を読んでも、信長軍団に詳しい谷口克広氏の著作を読んでも、なぜこんなにも長く「信忠凡庸説」が世に広まっていたのかが不思議で仕方ない。 この本『織田信忠』は、真正面から信忠を取り上げた...続きを読む著作として画期的だと思う。近衛龍春氏の小説で取り上げられたのは知っているが、新書は初めてなので、本屋で見た瞬間に即買いだった。 僕が今回、目を引いたのは信貴山城攻め。 あの戦いは、あっけなく片付いたから大したことのないものと思われがちだが、少しでも時間をかければ織田政権が揺らぐ可能性もあったこと。松永久秀のような老獪な敵がこもる城を短時間で片づけたのは武将としての実力がある証拠だという事。この戦いを信忠の実力を示すものとして取り上げた意義は大きい。 次に神吉城攻め。 秀吉の三木城攻めのついでのように扱われるこの戦いも重要なものとしてとらえている。播磨全体を敵にかわしてしまった秀吉の大失態(←これも画期的な考え)を挽回したのは信忠だという。 次々を列挙ばかりだが、岩村城をはじめとする東美濃の攻防はもっと研究されていい分野だと思う。明智光秀もあのあたりの出自だというし。武田氏との攻防においても非常に重要な地域だと思う。 あの司馬遼太郎ですら「信忠は凡庸」と決めてかかっていたのは本当に不思議だ。 この本をきっかけにどんどん信忠研究が進むことを期待したい。
天下人の二代目。織田家の長男である信忠。歴史シミュレーションでは知っていますが、彼の実像となるとなかなか知る機会はありませんでした。織田家の跡取りや信長の後継者としての立場もあったかもしれませんが、武田勝頼への猛攻や本能寺の変での最後などを知ると有能な人物であったのかもと言うことが分かります。 但し...続きを読む、信忠ならば一癖も二癖もある秀吉などの家臣たちを纏めあげることができたのかは怪しいかなと感じます。それでも信忠に限らず歴史のifは好きです。
織田信長の後継者である信忠を扱った作品。 資料や逸話が少ないようですが丁寧に信忠を追っていて楽しく読めた。 信長影響下から脱する前に亡くなったため実績に対して過小評価されてるようですが想像力を掻き立てる人物でした。
織田信忠というと影が薄く凡庸だったかのような印象を持ちがちだが、実は有能な武将であった。活躍したのが僅か10年ほどではあるが、信貴山城攻めや武田攻めでの武勲は大きい。そんな信忠の人物像を、一門衆、軍事、権門との関係、家臣、人物像、本能寺の変などの視点から記述する。
織田信長の嫡男信忠の26年の生涯をたどる一冊。父信長の影であまり目立たない印象だけれども、武田攻めなど実績もしっかり残している武将だということが分かった。意外と史料が少ないのは、やはり織田家が没落してしまったからか。
偉大な父を持つNO.2で、父とともに早く亡くなり、間も無く一族も衰退したので、「よくわからないけどすごかったかも」ということはわかった。
いろいろ文献を読んで調べているのはわかるが、この本のまとめ方は一体何なんだろ。 時系列になっていなくてわかりにくい、わかりにくい。 信忠といえば、 例の部下に上げる報奨品のエピソードと、 信貴山城攻めで松永久秀を滅ばしたのと、 武田攻めで武田家を滅ぼした。 これくらいしか記録がないらしい。 あとは、...続きを読む信長の跡取りとして、別格扱いされていたこと。 本能寺の変のとき、信長は真っ先に信忠の謀反を疑ったこと。本能寺の変で、ひたすら逃げることをせず、多勢に無勢で明智光秀に討ち取られたこと。これが信長なら、一騎でも逃げて逃げて逃げ延びただろ。 というわけで本書はあまり知的好奇心を刺激されることなくフラストレーションだけが残った。
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和田裕弘
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