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Posted by ブクログ 2021年06月25日
日本中世において猖獗を極めた贈与経済についての本。モース『贈与論』とゴドリエ『贈与の謎』の議論によれば、贈与には提供の義務、受容の義務、返礼の義務、神に対する贈与の義務の4つの類型がある。日本古代において租と調は元々、神に対する贈与の義務が税に転化したものだったが、平安時代中期においてそれらは官物と...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年09月02日
[送り送られの心うち]世界の中でも独特の位置づけがなされる日本の贈与文化。その中でも特に特異な発展を示した中世の贈与の在り方を眺めながら、贈与が果たしていた社会的役割や、その裏に隠されていた贈与への人々の思いを明らかにしていく作品です。著者は、日本中世史や経済流通史を専攻としている桜井英治。
中世...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年05月25日
Lv【初心者】~
桜井先生の魅力的な室町描写が光る一冊!
当然、室町だけでなくもっと広い時代、日本を超えた枠組みで贈与を面白く扱っておられる。
だけど、やっぱり先生の室町描写、特に当時の経済のお話は物凄く魅力的で引き込まれる。
貞成親王と六代将軍・足利義教の間で交わされる「折紙銭」の摩訶不思議な遣...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年09月26日
日本中世における贈答儀礼の功利的性質にスポットをあて、贈与行為から発展して政治・社会・経済に及ぼす動向と影響、その変遷を明快に解き明かした意欲作で、新書ながら歴史学の醍醐味を堪能できる作品。前提にある経済史や社会史研究の蓄積だけでなく、歴史学のみならず主に人類学や経済学といった近隣諸科学での知見も取...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年04月19日
日本の中世、とくに室町時代の贈与に関する考え方をあらわしたものです。「数寄」や「名物」が評価される歴史的な背景がうかがわれます。贈与とは好意ではなく義務であり、その義務に対する返礼もまた義務であるなど、著者の別の本や論文などにも拠りながら、論がすすめられていきます。参考文献も充実しており、新書でこの...続きを読む
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