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2500年前、アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸にまたがる「史上初の世界帝国」として君臨したアケメネス朝ペルシア。エジプト侵攻やペルシア戦争など征服と領土拡大をくり返し、王はアフラマズダ神の代行者として地上世界の統治に努めた。古代オリエントで栄華を極めるも、アレクサンドロス大王によって滅ぼされ、220年の歴史は儚く幕を閉じた。ダレイオス1世ら9人の王を軸に、大帝国の全貌と内幕を描き出す。
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Posted by ブクログ
久しぶりにこういう本、こういうジャンルを読んだ。 おもしろかったー。 アッシリア、バビロニア、エジプト、ギリシアとのペルシア戦争…懐かしい。昔習ったなぁ。 アケメネス朝の9人の王が1章ずつ取り上げられていて、それぞれの王の治世に周囲とどのような関係にあったかがおなじみヘロドトスやクテシアス、クセ...続きを読むノポンなどのギリシア語史家たちが書き残した史料や王たち自身が残した円筒形碑文などの史料を示しながら記述されていて分かりやすかった。 こういう本を読むと浮世を忘れることができる。 同時に、この時代からずっと今まで続いているんだなとも思う。
ペルシア戦争をより多面的に理解したいという動機で読みました。 アケメネス朝ペルシアの歴代王の軌跡、歴史的前後関係・諸国との外交関係がよくわかる良著でした。
アケメネス朝に関する新書は色々あるが、この本は日本史に関する本を読んでいる時と同じように、登場人物たちが、生き生きと動いている。また、ペルシア史について記述しているギリシャ人の歴史家たちについても親しみを覚える。
前著「ペルシア帝国と小アジア」を読んだ感想として、アケメネス朝ペルシアのところを掘り下げて欲しいな、と思っていました。 史上初の大帝国であるアケメネス朝ペルシアの建国から滅亡まで、丁寧に異説があるものは注釈や解説を入れて触れており、とても分かりやすかったです。裏の帯の「王たちの華麗なる統治と滅びへ...続きを読むの晩鐘」もかっこいいではないですか。 ま、人によって何が面白いんだ、と思うでしょうけど、とにかく自分はこの時代が好きなので、いつもより時間をかけてじっくり読み、至福の時でした。はい。 特に、一般的な世界史の授業で習うのはギリシャ史観ベースのものですが、ペルシアの文脈に沿ってペルシア史を解釈するという論調もGood。 本書は2020年の後半にコロナ禍の中、籠って作業し、書いているうちに現地調査に行きたくなった、とのことですので、是非、現地調査の新しい知見を入れ、次回作をお願いしたいなと、期待を込めて閉じました。
アケメネス朝を史上初の世界帝国とする著者の見解は説得力がある。その画期的な王朝の通史として、入門編としてとても読みやすい。世界史上にも大きな影響を残したアケメネス朝だが、驚くほどにわからないことは多い。どんな史料があって、どんなことが言えるのか――著者の姿勢は誠実で、歴史学というもののあり方を知るの...続きを読むにも役立つ一冊であると思う。
2500年前、アジア・アフリカ・ヨーロッパの3大陸に跨る史上初の世界帝国があった。その名はアケメスネ朝ペルシア。世界史でお馴染みの名前だ。 この帝国は、紀元前330年にマケドニアのアレクサンドロス大王によって滅ぼされ、220年の歴史に儚くも幕を閉じる。僅かに220年の歴史だが、オリエントの地に栄華...続きを読むを極めた。 アケメネス朝ペルシアは、初代の王であるキュロス2世が一代の手によって紀元前550年に築かれた。キュロス2世は、紀元前538年、バビロニアに捕囚されていたユダヤ人をパレスチナに開放し、ユダヤ人にとって歴史的なことをした。ただし、このキュロス2世、彼の経歴、出自、誕生、帝国の創建、死と人生の重要な局面で多くのことがわかっていないという。この謎がまた想像の翼を広げる。 第3代王ダレイオス1世の治世で起こったペルシア戦争。勝者となったギリシアから見れば大国ペルシアを負かしたということで華々しく饒舌に語られることが多いが、ペルシア側は些細なできごとだったのか、資料は沈黙している。勝者に有利に語られる歴史の必然を感じる。我々の知識は、事実というより勝者が残した歴史に負うことが多い。 古代オリエントで栄えた巨大帝国、アッシリアとアケメネス朝ペルシア。どちらの帝国の歴史も知的興奮を覚え興味深くていい。そういえば最近、木村凌二先生の「沈黙する神々の帝国 アッシリアとペルシア」を読んだがこれも最高に良かった。 何がいいかって、現代社会に生きる我々が、現地に赴くことなく2500年前の古代の世界を堪能するには、良質の本を読み、その空気を感じるしかない。空気を感じることができる本が僕にとっていい本だ。 ペルセポリスの宮殿はさぞ壮大なものであっただろうと想像逞しくしつつ、大国の興亡に時を忘れ至福の時を過ごす。貴重な読書体験ができたことに感謝する。
古代オリエントにて栄華を極め、アレクサンドロス大王に滅ぼされるまでの歴史を、王を軸として描き出す内容。旧来の理解を見直すべき点や論点について、研究史も踏まえての叙述が分かりやすい。史料の性格についての解説も助かる。
アジア・アフリカ・ヨーロッパ3大陸にまたがる「史上初の世界帝国」アケメネス朝ペルシアの220年の歴史を9人の王の治績を軸にたどる。どういう史料に基づいてどういう史実が復元され、どういう限界があるのかが丁寧に描かれている。 キュロス2世やダレイオス1世、ペルセポリス、ペルシア戦争、ゾロアスター教など高...続きを読む校世界史の冒頭部分の記憶が甦るとともに、それらの背景や詳細を深く知ることができた。 著者が「あとがき」で、(数少ない史料を、)スルメか酢昆布のごとく、味がしなくなるまで噛みつくすのが、アケメネス朝ペルシア史研究の醍醐味と書いていたが、西洋古代史を、特に日本で研究することの難しさと面白さも感じた。
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アケメネス朝ペルシア― 史上初の世界帝国
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阿部拓児
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