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日本人と温泉の関わりは古く、三古湯と称される道後・有馬・白浜温泉は『日本書紀』にも出てくる。中世には箱根・熱海・草津・別府などの名湯が歴史の表舞台に現れた。武田信玄ら戦国大名が直轄した領国内の温泉地は「隠し湯」として知られる。江戸時代に入ると大名や藩士、幕臣らはこぞって湯治旅を楽しむようになり、旅行案内書や温泉番付が登場。初の秘湯ブームも到来した――。多彩なエピソードでつづる通史。
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Posted by ブクログ
日本における温泉を巡る通史。とにかく固有名詞が頻出し、話もすぐに飛ぶ。教科書的というか、羅列感は否めない。以下、自分なりにへえーと思った部分。 文献に登場する最古の温泉は道後温泉。「古事記」に出てくる。軽太子という皇太子が近親相姦が世に知られ人心が離反、流刑先になったのが伊予湯だという。「日本書紀...続きを読む」にも飛鳥時代の舒明天皇が「伊予湯宮」に行幸したとのくだりがある。 明治時代になると自然湧出から掘削開発へ大転換する。こうして温泉が増える一方、共同浴場から宿の内湯化で、お湯の需要が増大。掘りすぎた結果、湧出量が低下、昔からの源泉が枯れるという事態も出る。 高度成長期に盛んだった団体/慰安旅行型の温泉地は人気が低下、鬼怒川や白浜は客足が落ちる。一方、近年は温泉そのものの良さがある地方の名湯、秘湯が評価が上がり、草津、箱根、下呂、道後、別府、乳頭温泉郷などが満足度の上位に来ている。
<目次> はじめに 第1章 「日本三古湯」の登場~飛鳥・奈良時代まで 第2章 王朝と温泉の縁~平安時代 第3章 箱根・熱海・草津・別府が表舞台に~鎌倉・室町時代 第4章 惣湯と戦国大名の「隠し湯」~戦国・安土桃山時代 第5章 「徳川の平和」が広めた湯治旅と御殿湯~江戸時代 第6章 自然湧...続きを読む出から掘削開発の時代へ~明治・大正時代 第7章 温泉観光の発展と変容~昭和・平成時代 終章 日本の温泉はこれからどうなるのか <内容> 駆け足ながら、温泉にまつわる日本の歴史は網羅されている。古い時代は如何せん史料がないので、これがベストのような。江戸時代以降はもうちょっと書ける気がするが、やや東日本(それも関東)に比重がある。有馬や道後、別府はもっとかけたのではないか?あとは近現代の温泉と鉄道ももっと書けただろう。ただ類書がないので、面白かった。
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石川理夫
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