無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
帰納法推論、アブダクション推論ができることが言語獲得には重要な要素である。
アブダクション推論とは「道が濡れている。雨が降ったのだろう」と仮説を立てる推論のことである。
この仮説を立てる能力なしには帰納法は成立しない。
なぜなら、仮説なしにどういったデータを抽出すればよいのかが成立しないからだ。
そして、これは正しい論理とはいえない。
(道が濡れているからといって、必ず雨が降ったとはいえない)
そのためなのか、この推論手法を用いるのはヒトだけである。
そして、この帰納法、アブダクション推論が言語を獲得するために必要なこととなる。
未知の語彙「チモっている」に出合ったとき、それが動きを表す動詞だと仮説をたてることで、語彙を習得していくからだ。
そして、本書は、「言語は最初、自然を写し取ったオノマトペ(擬態語)から始まったのではないか」という仮説のもと論説が進められていく。
これも、まさしくアブダクションなしには成し得ない考察! アブダクションってすごい!
そしてこのアブダクション(対称性バイアス)は、先天的にヒトに備わっているという。
であれば、この能力をどのようにしてヒトが獲得するに至ったのか?
ある日突然変異的に? いや、もしかしてやっぱり宇宙人? それとも・・・?
あくまでも数多の言語起源論の一つにすぎないという本書の内容であるが、しかし、これはかなり良い仮説なのではないかと思える。
以下は、私の考察。
おそらく言葉とは、ヒトが情報を共有するときに必要となったものだ。
だけど情報を共有するだけなら、動物の鳴き声だけでも事足りただろうと思う。
その鳴き声、みたいな状態がヒトではオノマトペだったのかもと考える。
Posted by ブクログ
【内容】
本書は、発達心理学者と言語学者がそれぞれの専門的視点から、人間はいかにして言語を獲得するのかを考察した共著である。
著者らは、オノマトペ(擬音語・擬態語)を、身体性の高いジェスチャーと、恣意的で体系化された言語との橋渡しを担う存在として位置づける。子どもはオノマトペを足掛かりに、身体的な経験と抽象的な言語を結び付けながら言語を習得していく。
その過程では、人間特有のアブダクション(仮説形成)によって既存の知識から新たな知識を生み出し、それを足場として知識体系を自己拡張していく「ブーストラッピング」が重要な役割を果たす。こうした学習を通じて、身体性への依存が比較的低く、高い拡張性を備えた言語体系が形成される。また、恣意的な記号であるはずの言語が、身体的な感覚を伴って理解・使用されるのも、この過程によるものではないかと著者らは考察している。
このような観点から本書は、言語を単なる情報伝達の手段ではなく、身体性と記号性という二つの性質を併せ持ち、それらの相互作用の中で発達・運用されるシステムとして捉えている。
【感想】
「人間はどのようにして言語を習得するのか」という根源的な問いに対し、発達心理学と言語学の知見を統合して一つの説明を提示した良書だった。
専門的な内容でありながら、議論は具体例を交えつつ丁寧に積み上げられており、論理の飛躍を感じることなく読み進められる。また、本書は言語獲得の議論を現代のAIにも接続し、「AIは言葉の意味を本当に理解しているのか」という記号接地問題へと視野を広げている点も興味深い。
オノマトペを単なる言語表現ではなく、身体経験と抽象的な言語をつなぐ重要な役割として捉え直す視点や、言語を受動的に覚えるのではなく、ブーストラッピングを通じて主体的に構築していくという考え方は特に印象に残った。言語習得や子どもの発達への理解を深められるだけでなく、生成AIの可能性や限界を考える上でも多くの示唆を与えてくれる一冊のように思われた。
Posted by ブクログ
最高に面白い 今井むつみさんはゆる言語学ラジオの赤ちゃん言語習得シリーズで間接的に知ってるだけだったけどいくら褒めちぎっても足りないくらい文章が面白い そして実験デザインも上手い キーワードと実験結果とで大きな問い 言語の本質について果敢に切り込んでいく様 最後に言語の本質が読み上げられるところで涙が滲んでしまった 新書なのに大河ドラマ見終わったみたいな読後感
オノマトペ、記号接地問題(記号から記号へのメリーゴーランドになってしまうAI)、アブダクション推論、ブートストラッピング
言語を獲得していない乳児とチンパンジーに対して同様の実験を行なってアブダクション推論をするのは乳児とごく一部のチンパンジー(霊長類研究所でわたしも会ったことあるチンパンジーだった)のみとわかるくだり、格好よすぎる ゆる言語学ラジオの赤ちゃんミステイクアワードが繰り返し引用されるのもじんわりとアツい
自分の子が周りの赤ちゃんと比べて探索行動が激しめで、それをとても好ましく頼もしく思っているのだけど、締めくくりで記号接地問題を再度引っ張ってきて「赤ちゃんはその身体をもって世界を探索し、記号と自身を接地させていく」みたいに記述してるのがもう美しくて切なくて尊くて心臓鷲掴みにされた ああ素晴らしき乳児が繋ぎ見つける世界よ!
Posted by ブクログ
オノマトペを入り口に言語とは何かという壮大なテーマに挑んだ野心作。幼児がオノマトペを好むことをきっかけに、対象物のアイコン性が強いオノマトペは幼児の言語学習への足がかりになっていることが示される。しかしながら、言葉のほとんどは音声から対象物を容易に想像できない恣意的な性質を持つのはなぜなのか。その疑問から考察を進め、オノマトペを入り口に恣意性の高い一般語を幼児が習得していくシステム、つまり他の動物と違い言語を使えるようになる人間の言語学習過程のシステムを仮説化することで言語の本質に迫ろうとする。認知科学、言語心理学・発達心理学の専門家と言語学の専門家がタッグを組むことで、この問題に迫る仮説の構築に成功した。
Posted by ブクログ
想像していたよりも読みやすかった。高校生でも読めるんじゃないか。
オノマトペの特徴といわゆる普通の言葉との違いから入って、そもそも言語とはなんだろうかについて考察を与えてくれる。記号接地問題は、今まで考えたこと良い角度で面白かった。人間がここまで言語を発達させられたのはアブダクション推論ができたから。確かに今自分が使う言葉全てが体験したもの、ことではないけれど連想ゲーム的に辿ればどこかでは接地している。それができるからメモリ不足にならないというのは面白かった。
チンパンジーの実験では、言語からものへの認証は作れても、多くの個体は逆向きは認識できない、ただし一部ではできる、というのは言語を作ってきた過程を示唆しているようで面白かった。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
試し読み
ビジネス・実用
ビジネス・実用