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学校で急速に広がる生成AIの使用。なぜ“ChatGPTにおまかせ”ではダメなのか? カギは、人間がことばの学習で身につける「推論の力」が失われることにあった。すべての教育関係者・保護者必読の一冊。
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Posted by ブクログ
内容は著者の新書等で書かれていること。表現を平易にして、ポイントを絞って文量も少なめ。中学校1年生の次男がサクッと読める文量。彼の中に何かしら得るものがあったことを期待したい。
語彙の獲得の上で、「推論」が大切である。 中学生でも理解できるよう、これ以上なくわかりやすく記述されている。
外国語を学ぶのがそもそも好きな私にとってはスッと入ってきやすい内容だった。けれども抽象的なことばを語彙として増やしていくことで「思考力」も伸びていくというところが、子ども向けの本ながらも大人にも響く部分だった。 ことばを理解するときに点じゃなくて面で理解していくこと、似た言葉をセットで調べる、覚え...続きを読むることでさらに理解が深まるというのは外国語学習なら当たり前にできるのに、日本語だと途端にやっていないのはなぜだ? アブダクション推論:仮説を立てたり違う分野の知識を組み合わせたりして目には見えない現象を推論すること(仮説だからもちろん答えは一つではなく、間違うことだってある) ex)・AではないからBだ(相互排他の推論) ・関係の同じを見つけ出す(アナロジーの推論) ××数ある事例を参考にして考える(帰納推論) ChatGPTの利用が台頭する中で、経験に基づく直観、推論、記号接地(ここでは身体感覚や経験とことばを接地させる。抽象的な概念を自分に接地させ、身体の一部にする→生きた知識を身体や経験を通じて学ぶことで自ら作ることができる人に。)は人間ならではのものとして意識していきたい。 ※生きた知識:ただ抽象的なことばを覚えるのではなく、今持っている知識と結びつけ知識とする あと、知らない分野についてChatGPTに聞くのはダメだ、気をつけよう。
「言語の本質」、「学力喪失」などの著者が中高生向けにリライトしたもの。 大変わかりやすく、アブダクション推論(仮説を組み立てる)や記号接地について書かれている。 また、「情報処理能力」などは上記の本ではあまり触れられていなかったと思うので、「情報」と「知識」の違いも曖昧な自分にとって、ちょうど良く整...続きを読む理してくれたと思う。 言葉の力、抽象的な言葉を知ることが学校の勉強には不可欠である。 また、情報処理能力や実行能力といった言葉を使う中で育てられる力も大切だ。 この本を高校生みんなが読んで理解できたら…学力低下の問題など雲散霧消してしまうだろうに。
思考するとは何か? 人工知能が発達してきている今、改めて人間の思考力の大切さを説いた本。幼児が言葉を習得する過程を例に、知識を得るための思考とは何かを解説している。 考えるためには言葉が必要、という部分にとても納得した。
10代向けですが、わかりやすく大人でも参考になりました。 (小中の保護者の方におすすめかもしれませんが、同著者の他の著書を読んでいる場合は重複する部分があるかもしれません。) 身体的感覚を伴う記号接地から生まれる直感力、を磨くことが大切と感じました。
やっぱりまだAIは人間とは遠いんだなと思った。もちろん、とっても便利。 だけど人間の身体や脳や勘を通すってすごいことなんだなぁ。
・相互排他の推論 「Aではないから、Bだ」と考える。→アブダクション推論 ・アナロジーの推論 「関係の同じ」を見つけ出す。→アブダクション推論 ・帰納推論 数ある事例を参考にして考える。 ◆思考をコントロールする能力実行機能 もうひとつ、「考える力」に含まれる大事な能力に、「思考をコントロールする...続きを読む力」があります。これは「実行機能」と呼ばれるものです。「思考のコントロール」には次のようなステップが必要です。 1 | 必要な情報に注意を向け、情報を取り入れる。 2 | 複数の情報を一時的な記憶の貯蔵庫にためておき、取り出せるようにする。 3 | 不必要な情報に注意が向かないようにする。 詰め込んだ知識も、取り出さなければ意味がない 「考える力」というのは、「知識を使って、推論し、問題を解決する力」であるといえます。問題の解決には、推論が必要です。推論をするためには、脳に記憶されている必要な知識に素早くアクセスして取り出す「情報処理能力」と、必要な知識や情報に注目し、不必要な情報へ注目しないように思考をコントロールする「実行機能」が欠かせません。この2つの力に支えられてはじめて、推論が可能になり問題解決ができるのです。 …大事なのは、抽象的な意味のことばを「死んだ知識」としてたくさん持つことではありません。今持っている知識と結びつけることができることばをたくさん持ち、「生きた知識」にすることです。 AIの特徴は、「意味を理解しないこと」。そしてこのような「直観を持たないこと」です。そしてそれはそのまま、人間の考える力との違いになります。 人間は学びの過程で、考え、間違え、それを自ら修正することで、技を身につけると同時に、直観を磨きます。 人間は学びの過程で、考え、間違え、それを自ら修正することで、技を身につけると同時に、直観を磨きます。この直観こそが、この先みなさんが学ぶうえで非常に大切なものです。 もし無自覚なまま、考えることを放棄して生成AIを活用すれば、みなさんの知性に大きなダメージを及ぼしかねません。なぜなら私たちの学びにとって必要不可欠な「意味」 を見つけ、「直観」を育む機会がその分だけ減ってしまうからです。うどんの達人が、うどんをこねる機械を使いだしたら、自ら微調整をしながらうどんをこねることはできなくなってしまうでしょう。 小さいころから生成AIに頼り、生成AIに「答えを教えてもらう」ことに慣れてしまうと、本来人間が持っていた「意味の理解」が失われ、「直観」を働かせて新しい知識を創造していくことができなくなる。私はそのことを懸念しています。 赤ちゃんはことばを学ぶとき、未知の音を外界の対象に結びつけて意味を探し、身体に落とし込みます。そこから推論をして、自分の力で知識の体系をつくり上げていきます。 その過程で、たくさんの間違いを繰り返しながら、ことばの枠や知識を修正していきます。 このような試行錯誤を繰り返すことで、ことばや知識が、いつどのように使えるのかが感覚的にわかってくるのです。そしてそれは「生きた知識」となります。このことは1、2 章でくわしく述べてきた通りです。 一方AIは、「すでに存在している知識を再生産する」ことしかできません。それどころか、AIを使った要約的文章が大量に生成され、それが学習データに使われていくことを考えると、ChatGPTがつくる文章は出回っている文章の縮小再生産になっていく可能性があります。もし、人間がそれを「正しい」と信じ規範とするようになったら、創造的な発展はなくなっていくでしょう。 もちろん「AIを使うな」と言っているわけではありません。むしろ、うまく使う練習をすることが大事です。ChatGPTが間違った答えを返すことを経験し、うのみにしてはいけないと納得すること。その上で、どのように使ったら便利で、どのように使ったら良くない結果をもたらすかを考え続け、試行錯誤することです。 そしてそれ以上に求められることは、学校で学ぶ抽象的な概念を、どれだけ生活の経験に結びつけられるかどうかです。ランナーが抽象的な「速さ」という概念を身体で感じ取りその意味を把握しているように、日々の体験を抽象的な概念に結びつけていくことです。 これが、「記号接地」するということです。この記号接地の学びを通じて、ことばの意味を獲得し、学びの直観を得ることができるようになるからです。 このように考えていくと、私たち人間に残された道は、熟練のうどん職人のように身体や経験を通じて学び、直観力を磨いていくしかないように思えるのです。 そのためには、「間違う」ことも大事です。 アブダクション推論のことをお話ししましたね (60ページ)。アブダクション推論は、 知識を拡張させ、発展させる推論です。しかし、誤った推論も生みます。人間は多くの誤った推論をするのに、なぜ、文明を進化させ、芸術や科学を進化させてくることができたのでしょうか? それは、誤りを修正する能力があるからです。 そして誤りの修正をするのもまた、アブダクション推論です。人間は失敗から多くを学ぶことができる生き物です。実際、「学習科学」の研究では、まだ習っていない問題を、 自分の持っている知識でなんとか考え間違ったときのほうが、難なく解答したときよりも、 学びが深まり定着するということがわかっています。 生成AIを使い、簡単に答えを出してしまうことを「あたりまえ」と思ってしまうと、 「直観」が育たないだけでなく、自分で難しい問題を考え、チャレンジして失敗をすることを避けるようになるでしょう。「早く答えを出して宿題を終わらせられたらラッキー」と思うようになるかもしれません。そのような勉強法では、知識を「記号接地」することはできません。結局、どうしてそういう答えになるのか、その意味がわからないからです。 手早く答えを出すことばかりがうまくなっても、学びは深まりません。 みなさんが将来扱う問題は、答えが簡単に決まる問題だけということはまずありません。 世の中の仕組みも、技術も、ますます複雑になっていき、答えが単純には決まらない問題が多くなるはずです。そういう状況で活躍できる人は、抽象的な概念を自分に接地させ、 身体の一部にすることができる人です。つまり「生きた知識」を、身体や経験を通じて学ぶことで自ら作ることができる人なのです。
この本を読んで、Chat-GPを使う時に、これも教えましょうか?と言うような展開になる事が多いけれど、何の抵抗も無く、お願いしますと、利用していた事に気がついた。 おっと、危ない。 これは思考が奪われていることを発見したよ。自分で考えること、直感力が大切だ。頼りきらないこと。読書が一番だね。
3章まではこれまでの著作で読んだ記憶があって、スムーズに読めた。『第4章AI時代の「考える力」』が初めて触れる知見だった。 特に、『記号接地問題』は初耳だった。ChatGPTを使ったときに感じるグルグル感…あれは確かにメリーゴーラウンドだ‼︎ AIをどのように使っていくのか、AIの時代にひ...続きを読むとはなにをするのか、考えていくひとつの大きなヒントを得た。
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