【感想・ネタバレ】AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?のレビュー

あらすじ

学校で急速に広がる生成AIの使用。なぜ“ChatGPTにおまかせ”ではダメなのか? カギは、人間がことばの学習で身につける「推論の力」が失われることにあった。すべての教育関係者・保護者必読の一冊。

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Posted by ブクログ

内容は著者の新書等で書かれていること。表現を平易にして、ポイントを絞って文量も少なめ。中学校1年生の次男がサクッと読める文量。彼の中に何かしら得るものがあったことを期待したい。

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2025年09月07日

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語彙の獲得の上で、「推論」が大切である。
中学生でも理解できるよう、これ以上なくわかりやすく記述されている。

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2025年09月22日

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外国語を学ぶのがそもそも好きな私にとってはスッと入ってきやすい内容だった。けれども抽象的なことばを語彙として増やしていくことで「思考力」も伸びていくというところが、子ども向けの本ながらも大人にも響く部分だった。

ことばを理解するときに点じゃなくて面で理解していくこと、似た言葉をセットで調べる、覚えることでさらに理解が深まるというのは外国語学習なら当たり前にできるのに、日本語だと途端にやっていないのはなぜだ?

アブダクション推論:仮説を立てたり違う分野の知識を組み合わせたりして目には見えない現象を推論すること(仮説だからもちろん答えは一つではなく、間違うことだってある)
ex)・AではないからBだ(相互排他の推論)
・関係の同じを見つけ出す(アナロジーの推論)
××数ある事例を参考にして考える(帰納推論)

ChatGPTの利用が台頭する中で、経験に基づく直観、推論、記号接地(ここでは身体感覚や経験とことばを接地させる。抽象的な概念を自分に接地させ、身体の一部にする→生きた知識を身体や経験を通じて学ぶことで自ら作ることができる人に。)は人間ならではのものとして意識していきたい。
※生きた知識:ただ抽象的なことばを覚えるのではなく、今持っている知識と結びつけ知識とする

あと、知らない分野についてChatGPTに聞くのはダメだ、気をつけよう。

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2025年06月04日

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ネタバレ

はじめに
学校の勉強はムダではありません
「考える力」つまり「思考力」を身につけること
「すべての科目で使うもの」はそれは「国語力」です
「ことばの力」と「思考力」で、問題を解決する

第1章あなたはことばを、どう覚えてきたか
・「自分で発見して考えて学ぶ」

第2章問題解決に必要な「推論の力」
「ことばの力」は「考える力=思考力」と関わり合う
・知識を素早く取り出す力ー「情報処理能力」
・思考をコントロールする能力ー実行機能
・詰め込んだ知識も、取り出さなければ意味がない
・「考える力」というのは「知識を使って、推論し、問題を解決する力」

第3章学校で必要になる「ことばの力」

第4章AI時代の「考える力」
・AIの特徴は、「意味を理解しないこと」。「直感を持たないこと」
・本当の意味で新しい知識を創造することはできないのが、人間とAIの違い
・人間は学びの過程で、考え、間違え、それを自ら修正することで、技を身につけると同時に、直感を磨きます。

おわりに
・ぜひ次の本へと手を差し伸ばしていただきたいと思います。なぜなら本は、ことばを増やし、生きた知識をつくるための一番手軽なツールだからです。

次に読んでほしい本
・今井むつみ「ことばの発達の謎を解く」
・大津由紀雄編「ことばの宇宙への旅立ち〈3〉
・池上嘉彦「ふしぎなことば ことばのふしぎーことばってナァニ?」
・川添愛「世にもあいまいなことばの秘密」

ほんとうにことばの力は基本的にいちばん大切な力だと思います。
ことばの力と考える力思考力で、問題を解決する
勉強していくうえでも、距離を取っていくうえでも、人や、社会とコミュニケーションをしていくうえでも、仕事をしていくうえでも

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2025年04月20日

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「言語の本質」、「学力喪失」などの著者が中高生向けにリライトしたもの。
大変わかりやすく、アブダクション推論(仮説を組み立てる)や記号接地について書かれている。
また、「情報処理能力」などは上記の本ではあまり触れられていなかったと思うので、「情報」と「知識」の違いも曖昧な自分にとって、ちょうど良く整理してくれたと思う。
言葉の力、抽象的な言葉を知ることが学校の勉強には不可欠である。
また、情報処理能力や実行能力といった言葉を使う中で育てられる力も大切だ。
この本を高校生みんなが読んで理解できたら…学力低下の問題など雲散霧消してしまうだろうに。

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2025年02月19日

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思考するとは何か? 人工知能が発達してきている今、改めて人間の思考力の大切さを説いた本。幼児が言葉を習得する過程を例に、知識を得るための思考とは何かを解説している。
考えるためには言葉が必要、という部分にとても納得した。

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2025年02月13日

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10代向けですが、わかりやすく大人でも参考になりました。
(小中の保護者の方におすすめかもしれませんが、同著者の他の著書を読んでいる場合は重複する部分があるかもしれません。)

身体的感覚を伴う記号接地から生まれる直感力、を磨くことが大切と感じました。

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2024年11月16日

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やっぱりまだAIは人間とは遠いんだなと思った。もちろん、とっても便利。
だけど人間の身体や脳や勘を通すってすごいことなんだなぁ。

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2025年11月23日

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・相互排他の推論 「Aではないから、Bだ」と考える。→アブダクション推論
・アナロジーの推論 「関係の同じ」を見つけ出す。→アブダクション推論
・帰納推論 数ある事例を参考にして考える。

◆思考をコントロールする能力実行機能
もうひとつ、「考える力」に含まれる大事な能力に、「思考をコントロールする力」があります。これは「実行機能」と呼ばれるものです。「思考のコントロール」には次のようなステップが必要です。
1 | 必要な情報に注意を向け、情報を取り入れる。
2 | 複数の情報を一時的な記憶の貯蔵庫にためておき、取り出せるようにする。
3 | 不必要な情報に注意が向かないようにする。


詰め込んだ知識も、取り出さなければ意味がない
「考える力」というのは、「知識を使って、推論し、問題を解決する力」であるといえます。問題の解決には、推論が必要です。推論をするためには、脳に記憶されている必要な知識に素早くアクセスして取り出す「情報処理能力」と、必要な知識や情報に注目し、不必要な情報へ注目しないように思考をコントロールする「実行機能」が欠かせません。この2つの力に支えられてはじめて、推論が可能になり問題解決ができるのです。


 …大事なのは、抽象的な意味のことばを「死んだ知識」としてたくさん持つことではありません。今持っている知識と結びつけることができることばをたくさん持ち、「生きた知識」にすることです。


 AIの特徴は、「意味を理解しないこと」。そしてこのような「直観を持たないこと」です。そしてそれはそのまま、人間の考える力との違いになります。

 人間は学びの過程で、考え、間違え、それを自ら修正することで、技を身につけると同時に、直観を磨きます。

 人間は学びの過程で、考え、間違え、それを自ら修正することで、技を身につけると同時に、直観を磨きます。この直観こそが、この先みなさんが学ぶうえで非常に大切なものです。
 もし無自覚なまま、考えることを放棄して生成AIを活用すれば、みなさんの知性に大きなダメージを及ぼしかねません。なぜなら私たちの学びにとって必要不可欠な「意味」 を見つけ、「直観」を育む機会がその分だけ減ってしまうからです。うどんの達人が、うどんをこねる機械を使いだしたら、自ら微調整をしながらうどんをこねることはできなくなってしまうでしょう。
 小さいころから生成AIに頼り、生成AIに「答えを教えてもらう」ことに慣れてしまうと、本来人間が持っていた「意味の理解」が失われ、「直観」を働かせて新しい知識を創造していくことができなくなる。私はそのことを懸念しています。


 赤ちゃんはことばを学ぶとき、未知の音を外界の対象に結びつけて意味を探し、身体に落とし込みます。そこから推論をして、自分の力で知識の体系をつくり上げていきます。
 その過程で、たくさんの間違いを繰り返しながら、ことばの枠や知識を修正していきます。 このような試行錯誤を繰り返すことで、ことばや知識が、いつどのように使えるのかが感覚的にわかってくるのです。そしてそれは「生きた知識」となります。このことは1、2 章でくわしく述べてきた通りです。
 一方AIは、「すでに存在している知識を再生産する」ことしかできません。それどころか、AIを使った要約的文章が大量に生成され、それが学習データに使われていくことを考えると、ChatGPTがつくる文章は出回っている文章の縮小再生産になっていく可能性があります。もし、人間がそれを「正しい」と信じ規範とするようになったら、創造的な発展はなくなっていくでしょう。
 もちろん「AIを使うな」と言っているわけではありません。むしろ、うまく使う練習をすることが大事です。ChatGPTが間違った答えを返すことを経験し、うのみにしてはいけないと納得すること。その上で、どのように使ったら便利で、どのように使ったら良くない結果をもたらすかを考え続け、試行錯誤することです。
 そしてそれ以上に求められることは、学校で学ぶ抽象的な概念を、どれだけ生活の経験に結びつけられるかどうかです。ランナーが抽象的な「速さ」という概念を身体で感じ取りその意味を把握しているように、日々の体験を抽象的な概念に結びつけていくことです。 これが、「記号接地」するということです。この記号接地の学びを通じて、ことばの意味を獲得し、学びの直観を得ることができるようになるからです。
 このように考えていくと、私たち人間に残された道は、熟練のうどん職人のように身体や経験を通じて学び、直観力を磨いていくしかないように思えるのです。
 そのためには、「間違う」ことも大事です。
 アブダクション推論のことをお話ししましたね (60ページ)。アブダクション推論は、 知識を拡張させ、発展させる推論です。しかし、誤った推論も生みます。人間は多くの誤った推論をするのに、なぜ、文明を進化させ、芸術や科学を進化させてくることができたのでしょうか? それは、誤りを修正する能力があるからです。
 そして誤りの修正をするのもまた、アブダクション推論です。人間は失敗から多くを学ぶことができる生き物です。実際、「学習科学」の研究では、まだ習っていない問題を、 自分の持っている知識でなんとか考え間違ったときのほうが、難なく解答したときよりも、 学びが深まり定着するということがわかっています。
 生成AIを使い、簡単に答えを出してしまうことを「あたりまえ」と思ってしまうと、 「直観」が育たないだけでなく、自分で難しい問題を考え、チャレンジして失敗をすることを避けるようになるでしょう。「早く答えを出して宿題を終わらせられたらラッキー」と思うようになるかもしれません。そのような勉強法では、知識を「記号接地」することはできません。結局、どうしてそういう答えになるのか、その意味がわからないからです。 手早く答えを出すことばかりがうまくなっても、学びは深まりません。
 みなさんが将来扱う問題は、答えが簡単に決まる問題だけということはまずありません。
 世の中の仕組みも、技術も、ますます複雑になっていき、答えが単純には決まらない問題が多くなるはずです。そういう状況で活躍できる人は、抽象的な概念を自分に接地させ、 身体の一部にすることができる人です。つまり「生きた知識」を、身体や経験を通じて学ぶことで自ら作ることができる人なのです。

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2025年11月01日

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ネタバレ

中高生向けなのでサクサク読める。AIの時代において「考える力」の大切さ。そもそも人は、幼いころから「推論する」ことによってことばを獲得してきている。ところが生成AIなどの外部装置に頼ることで、その「考える力」が失われるのではないかということ。「直観」を磨くことが大切。生成AIは教育の場にもどんどん取り入れられているけれど、その付き合い方については一度整理しておきたいなぁ。

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2025年10月09日

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この本を読んで、Chat-GPを使う時に、これも教えましょうか?と言うような展開になる事が多いけれど、何の抵抗も無く、お願いしますと、利用していた事に気がついた。

おっと、危ない。
これは思考が奪われていることを発見したよ。自分で考えること、直感力が大切だ。頼りきらないこと。読書が一番だね。

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2025年10月06日

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 3章まではこれまでの著作で読んだ記憶があって、スムーズに読めた。『第4章AI時代の「考える力」』が初めて触れる知見だった。

 特に、『記号接地問題』は初耳だった。ChatGPTを使ったときに感じるグルグル感…あれは確かにメリーゴーラウンドだ‼︎

 AIをどのように使っていくのか、AIの時代にひとはなにをするのか、考えていくひとつの大きなヒントを得た。

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2025年09月22日

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AIの時代に何を学ぶべきか、それは「思考力」である。
思考力を鍛えるためにどの科目を学ぶべきか、それは「国語」である。
なぜなら、国語はすべての科目を学ぶのに必要となるからであり、ことばを知っていると、思考が楽になるからである。

そのことを、私たちがどのようにして母国語を学んできたか、子どもたちの「アブダクション」を見てゆくことで明らかにしてくれる。

いわゆる『ヤングアダルト』と呼ばれるジャンルであり、新書に比べるとかなり易しく書かれており、正直物足りない。
しかし、このような本を読むと、今井先生ほどの知性が、中高生に対してどのように語るか、言い換えれば、中高生の知性をどのレベルに設定しているかを学ぶことができる。そして、自分が子どもや部下に語るときのヒントを得ることができる。

小学校高学年から中学生に読んでほしい本。
あと、小さい子をもつお母さんにも。

以下、少しだけ抜粋。

【はじめに】
では、思考力を使って問題解決ができる「名探偵」になるために、私たちは何を学べばいあのでしょうか。(略)正解は、国語です。
「なぜ国語?」
確かにそう思う気持ちもわかります。
数学や英語のほうがなんとなく、問題解決の役に立ちそうですよね。でも、私たちは何を学ぶにも「ことば」を使います。「ことばの力」がなくては、数学の問題もうまく解くことはできません。ちなみに、みなさんが数学の文章問題が苦手なのは、「数学の理解ではなく、問題文の理解が不十分だから」ということが調査で明らかになっています。
「すべての科目で使うもの」。それが国語で身につける「ことばの力」なのです。

p88
グローバルな社会になり、世界的に問題になっているのが「母語でも第二言語でも思考できない子ども」の増加です。(略)
日常会話が何か国語でできても、それだけで深い思考はできません。一つの言語で構わないので、抽象的なことばを操ることができるようにすることが大切です。
もしみなさんが、日本で育ち日本語を母語としているのであれば、日本語で抽象的な概念を扱い、思考を深めることができるまでしっかりと国語の勉強をすることです。外国語は、国語の能力の伸びに寄りそうように伸びていきます。小さい頃から英語を習っていなくても、まったく心配ありません。

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2025年09月01日

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中高生向けのシリーズながらのおかげで分かりやすい、かつとても示唆に富む良書だ。
基本は言語の意味と、人間が言語を獲得する過程を説明してくれるものだが、言語を獲得するのと併せて思考力も獲得しているのだと分かる。
AIの仕組みも説明し、だからこそ思考し類推していくことが大切だと説く。おっしゃる通りだ。

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2025年08月16日

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人間が言葉を駆使していろいろな推論をする能力は、AIにはないことを強調しており非常に頼もしい提言だと感じた.
小生をAIを活用しているが、自分の得意分野での彼らの回答はまずますではあるが、合格点ぎりぎりのレベルだと思っている.未知の分野では彼らの答えが妥当かどうか判断するのは難しいだろう.その観点から「記号接地問題」が紹介されていたのは非常に適切だと感じた.‘’記号から記号へ漂流し、一度も地面に降りることができずに回り続けなければならないメリーゴーランドのようだ‘’はよく吟味された文言だと思った.

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2025年08月01日

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☑問題解決に必要な「推論の力」
1.アダプション推論:仮設を立てる
2.自分で使ってみる
3.修正する
☑知識を素早く取り出す力→情報処理能力
☑思考をコントロールする力→実行機能

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2025年07月26日

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ネタバレ

著者の他の書籍と、伝えるメッセージは変わらない。

ただ本書は子ども向けに書かれており、復習にちょうど良かったです。

p95 にある「ことばのセンス」を上げるためのコツが、個人的には収穫でした。

- ことばは、そのことばと関連することばと一緒に覚える。
- ことばの意味は、「点」ではなく、広がりがある「面」として捉える。
- 抽象的なことばの意味をしっかり本質まで理解する。

心に刻みたい。

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2025年06月17日

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ベストセラーになった新書も面白かったけど、それをさらに噛み砕いたかの内容の本書も、やはり興味深い。AIがトライした試験結果を見ると、まず国語の読解力ありき、ってのが可視化されてますわな。

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2025年05月16日

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ネタバレ

タイトルから内容を想像して借りたら全然違う内容だった。なんと、認知心理学からの考察だった。薄い本だし、せっかくなので読んだ。

以前AIがらみで私も経験したことがある内容に触れられていた。それは、AIが生成した文章に「AだからBだ」という文が含まれていたが、「AだからBだ」とはならない内容だったという話だ。どうしてこういうことが起きるのか。本書ではAIの仕組みにほんのちょっと触れた後、「AIは意味を理解していない」、「人間の直感のようなものがない」などという表現を使って話をすすめている。

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2025年03月05日

Posted by ブクログ

とても読みやすくかつ理論的に、思考力とはどういう要素でできているか、なぜAIに頼ることが危険なのかを順番に教えてくれる本。
中学生に読んでほしいが、保護者としても出会えて良かった。
スマホで情報の波に飲まれる人たち、AIに頼る子どもたちを前に、ただ「見過ぎちゃだめ」とか「AIは間違ってることもあるよ」と漠然とした批判では次世代をつくる子どもたちに説明不足。言語学からみて、情報を選び取る力のこと、AIの答えの作り方と人の思考による答えの違い、育むべき直観の大切さを系統立てて知ると、漠然とした思いが整理される。
この本では、抽象的な概念を自分のものにするには日々の経験と結びつけること「記号接地」についても説明される。ここで知った考え方を日常と結びつけて自分のものにしていきたい。

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2025年02月11日

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12歳から15歳を対象とした「ちくまQブックス」シリーズの一冊。これまでの著者の本の中では1番簡単で、丁寧で、読みやすい。しかし、書いてある内容は認知心理学から見た言葉の獲得の話で、決して内容的に簡単なものではない。他の本と比べて、抽象的で複雑なところを端折ってあるので、そこは注意が必要だが、初学者にはちょうど良い本。
アブダクションや接地問題に触れつつ、生成AIに思考を委ねないようにと言うメッセージは大学生にこそ伝わってほしい。

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2024年12月30日

Posted by ブクログ

言葉をおぼえるという題材に、人間の考える能力について説明があります。面白い。
そのうえで、AIとの対比もあります。AIについては、現状のできることについて語られている印象で、普遍的なことは書かれていない?(でもAIの普遍的な部分なんて今わかるわけもない)
教養本として大人も読む価値あります。今井さんと「なぜ人間は直感的にAIが人間に置き換わる、人間を超えると感じているのか?」などお話してみたいです

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2024年12月08日

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ネタバレ

物事を学習していく基本スタンスが書いてある。
現時点での知識・考え方との違いを楽しむ。

計算とかは特に、「計算機でやった方が確実じゃん。」と思って考えることを放棄してた。。。
いくら便利な装置があるからといって、100%それに頼ったら自分の力が衰えるんだろうなと思った。

便利な世の中だからこそ、「自分の頭でしっかり考えて判断していく」意思が必要だなと思った。
便利な世の中だからこそ、とんでもない間違えを起こさないようにするには簡単だけど、間違えを恐れるより自分で考えて決断して、経験値を積みながら物事を学習していくことを最優先していきたいなと思った。

メモ
・名詞を使えるようになりには、それに隣接する物事を理解する必要がある。(緑・紺・水色を理解すると青という言葉が理解できる)
・新しい言葉を自分の中の言葉と結び付けると「理解」ができる(記号接地)
・外国語を覚えるためには、暗記するのではなく似た単語と一緒に覚える。
 日本語との違いを探求して楽しむ。

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2025年01月07日

Posted by ブクログ

同じ著者の他の本の内容と被る部分もあるが、平易でわかりやすく読みやすい本だった。
個人的に、今の大人は思考力や使う分野に関する知識や知見がある上でAIを使うから問題はなくとも、子どもが教育の過程でAIを多用しすぎることで思考力などが育たないままになってしまったらどうするんだろうと疑問と不安を感じていたが、書かれている内容はすごく共感する部分が多いものだった。
子育てをする親の世代にも読んでほしい、中高生などにも読んでほしい内容だと思った。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

中高生に向けて書かれた本 「母語でも第二言語でも思考できない子どもの増加」が気になった 「抽象的な言葉」を「生きた知識」にすること 勉強になった

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

発見したことをすぐに別のシーンで応用する。
例えば「食べ物にかけておいしくするモノ→しょうゆ」からコンデンスミルクのことを「苺のしょうゆ」と言う。

子供は時に大人でも気付かない「モノとモノの間の『抽象的な関係性』に気付くことができる。例えば言い間違い「歯で唇を踏んだ」噛むも踏むも「上からものに力を加える」ところが共通している。分析力!

子供は2歳にして語彙がどのような関係からできているか分析し、新しいことばがどこに収まるのかを考えている。新しいことばを覚える時、その見分けかたも一緒に探り出している。例えば「羊」を覚えると「ワンワン」の範囲が狭まる。

前後左右で伝える「自己中心枠」と「モノ中心枠」同じパーキングの「前向き駐車で」という指示でも人によって「前向きの枠」が違うのである人は「通路が前」ある人は「自分の進行方向が前」と考えて逆の現象になっている。

「ことばの力」は「考える力=思考力」に関わっている。
「考える力」は言葉の学習を通して成長していきます。言葉の力と考える力は皆さんの右足と左足のような関係です。歩く時右足が前に出れば自然と左足も前に出ます。言葉の力が伸びれば、考える力も同時に伸びていきます。そして、考える力が伸びれば、言葉の力もおのずと伸びていくのです。
思考力とは問題を解決しようとする力。推論力。暗記しただけの知識は「死んだ知識」。必要な時にすぐ取り出せて、他の知識と組み合わせて新たな知識を生むことができる知識を「生きた知識」とする。

推論の中には、①相互排他の推論、②アナロジー「類推」の推論、③帰納推論があり、それぞれを組み合わせながら目の前にある言葉を推測していく。
相互排他の推論も、アナロジーの推論も「アブダクション推論」に含まれる。「仮説形成推論」の事。目に見えないメカニズム(構造)を発見すること。

情報処理能力
自己をコントロールする能力(実行機能)
も合わせて重要。

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2025年06月26日

Posted by ブクログ

自分のなかで大事に思っていた考える力、何となく抽象的で言語化しづらかった部分について、すごくわかりやすく表現されている本だった!
4章のうち3章は、人間が言語を習得する流れについて整理しているようだったので本題は4章目なのだなと思ったのだけれど、
今の時代、たまに現れる、AIを使いこなしていることにアドバンテージを見出す人に読ませたい。

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2025年04月25日

Posted by ブクログ

今井むつみ先生のご著書では、「学力喪失」が大好きだったので、この本も読んでみました。
正直、「学力喪失」を先に読んでいたわたしとしては、少し物足りなく感じました。
そもそもこちらは10代の読者に向けて書かれたそうなので、AIとのお付き合いを避けては通れないこれからの時代に向けて、10代の読者にはすてきなエールになりそうだなと感じました。

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2025年02月16日

Posted by ブクログ

地に足のついた推論をする力こそ、AI全盛となるであろうこれからに役立つ力となる。考える力とは推論をする力である。

そのためには単語はグループで覚えて、意味を面で捉える、そして身体に結びつく記号接地した、ことばこそが生きた知識(直観)となる。

答えがない問題に取り組むこれからの世代には、直観を磨くことが求められる。

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2025年01月07日

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