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千三百年以上の歴史をもつ「お伊勢さん」には、今なお全国から参詣客がやってくる。一般庶民の参詣が根付いた江戸時代、路銀いらずのおもてなし文化から、およそ六十年周期で発生した数百万規模の「おかげまいり」まで、日本中の庶民がいかにお伊勢参りに熱狂したかを、様々な史料が浮かび上がらせる。著者自身が、二十五年間にわたって実践したお伊勢参りの記録も収載した。街道の文化を再現する一冊。
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Posted by ブクログ
伊勢つながりで読んでみました。伊勢参りの歴史と風俗を様々な史料によって紹介し、奈良大学から25年に亘って 実践したお伊勢参りの様子を活写するもの。面白い。
実験歴史学を提唱された鎌田先生の著者だけあって、近世における旅(道中)の具体的な様相が伺えます。 お伊勢参りについては、宝永のおかげ参り・明和のおかげ参り・文政のおかげ参りという60年間隔の3つのおかげ参りを画期に考察されており、明和の頃から「信仰」の旅から物見遊山の旅へと変化していったとされてい...続きを読むます。 また、奈良大学で行われていた「宝来講」での経験や出来事は、我々現代人が忘れてしまった多くのもの(旅人へ施行する心遣いetc)が詰まっているように感じました。
いやぁ。。。想定外に面白かったです。伊勢本街道を歩いてみたかったんです。暗峠を越えて榛原までは歩いたんですよ。何日かに分けて。もう一度チャレンジしようかなぁ。
現代私達が思い描く「旅」のイメージはどうやら江戸時代ごろに固まってきたものらしく、それ以前の旅は放浪ってイメージに近いらしい。 江戸時代に盛んになったお伊勢参りを中心に当時の旅や信心について考察する内容です。 当時の人のお伊勢参り感や約60年に一度起きた数百万人単位のおかげまいりなどは日本の歴史や...続きを読む文化を考えるにも面白いと思える。 そして、最後の章では現代に二十五年にも渡って実際に歩いてお伊勢参りを行ってきた経験等を書き綴っているのも面白い。 現代にも残る「おもてなしの文化」を語る一節は特筆に価する。 こちらがお願いする以上のおもてなし、そして提供をする側が考えるおもてなしが出来ないときは、たとえ要望する側が望むことは可能であっても断る。契約通り、言われたことだけするといった現代普遍的になりつつある考え方ではない文化が日本の近代化の中でどのような影響を与えたのかと考えさせられる。
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お伊勢参り 江戸庶民の旅と信心
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鎌田道隆
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