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小笠原群島の南方に位置する硫黄島。日本帝国が膨張するなか、無人島だったこの地も一九世紀末に領有され、入植・開発が進み、三〇年ほどで千人規模の人口を有するようになった。だが、一九四五年に日米両軍の凄惨な戦いの場となり、その後は米軍、続いて海上自衛隊の管理下に置かれた。冷戦終結後の今なお島民たちは、帰島できずにいる。時の国策のしわ寄せを受けた島をアジア太平洋の近現代史に位置づけ、描きだす。
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Posted by ブクログ
映画を見て私も、わざわざ兵隊さんたちのために硫黄島に来てくれてたのか〜とか、日本先戻しといたの本当に正解だったよ!って思っていた。 島で取れる食べ物もあったし元々住んでた住民もいた。神社もあったし学校もあった。 その上激しい地上線の場として知られてはいない。 住民が元からいなかったことにされて...続きを読むいる。これはいけない。歴史を学ぶ価値があるなと思うし、戦争は住んでいた住み続けたかった土地を奪った上、あとは勝手に生きろと責任取らないしいいことがひとつもない。 住んでた住民がそのまま硫黄島で兵隊となってしまうの本当に悲しい。 というか、硫黄島の兵隊さんがほぼ家族がいだという事実も悲しい。自分たちの家族を守れると必死だっただろうな… アメリカに島を囲まれ、一度も救援もなかったと知り生き残ったって死んでしまうじゃないかと。 硫黄島についての事実を知れば知るほど、 当時戦った人たちの気持ちを想像すると(しきれないけど)本当に悲しくなる。すごいなとも思う。 もう少し硫黄島についても学校で学ばせるべきだと思う。
硫黄・小笠原諸島や、ミクロネシアなどの南洋諸島の観点から見たら、戦後のサンフランシスコ講和条約や冷戦の米ソのレジームがクリアに理解できるようになった。 日本本土の戦後復興と、軍事的最前線におかれた朝鮮半島や台湾、軍事利用下に置かれ住民が基地被害や強制移住または核実験による被曝を強いられたミクロネシ...続きを読むア、軍事占領下に置かれ住民が基地被害や強制移住を強いられた沖縄・小笠原・硫黄列島が相互に連関しつつ展開していた。
硫黄島の地上戦についての書籍かと思ったが、それだけではなく硫黄島に先住していた人々を主たるテーマとしている。 戦前から硫黄島にプランテーション経営がされており、会社(東京本社だが)まで存在していたこと。小作人含め1000人以上居住していた。島民たち地上戦前に本土へ強制疎開させられ、非常に苦しい生活...続きを読むを強いられており、帰島を望むも未だ叶っていない。 このような事実を本書で初めて知った。硫黄島といえばどうしても地上戦に目がいきがちだが、その裏でこのように苦難にあえぐ人々がいることは忘れてならないと感じた。
硫黄島にかつて住民がおり生活が営まれていた事を初めて知った。また西表島の炭鉱でもそうであるが島嶼という閉鎖空間の中で酷使され搾取され続けた人達が日本の近代化の中にあったことも教育の中で教えていくべきものであろう。
硫黄島がいまだに住民が帰れない島でいることがわかった。前著、群島の社会学の硫黄島に特化した本という感じか。映画についても論究がありバランス感覚のある良著である。
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