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Posted by ブクログ
「三国志」と「三国志演義」の違いについて分かりやすく書かれており、凄く勉強になった。また、曹操の文学奨励は儒教価値観に対抗する新たな価値観形成のため、孫子の注釈を行ったのは自分が不在の戦場でも部下と戦術を共有するため、天下三分の計は諸葛孔明ではなく魯粛の発案であった事等々、目から鱗。劉備が臨終の際に孔明に劉禅を託すと同時に暗愚であれば簒奪しても良いと言ったのは孔明に対する牽制というのも、豊臣秀吉が臨終の際に豊臣家の守護を徳川家康に託した後に滅亡させられた事を考えると納得できる考察である。また、九品中正法等の制度についても中身を理解できた。渡邉義浩さんの本は(専門書は当然難しいんだろうが)分かりやすく面白い。
Posted by ブクログ
吉川英治の三国志、横山光輝の漫画、KOEIの三国志ゲーム、2008年に公開されたレッドクリフはいずれも「虚構」に満ちた「三国志演技」をベースにしている。
本書は、「演技」を入り口に「正史」の記述を検討して「史実」へと言及している。
「正史」といえども、魏を滅ぼして建国された西晋の史官によって作成されているため、西晋の正統を示すために書かれている。
「正史」とは、「正しい歴史」を記録したものではなく、史書を編集した国家にとって「正統な歴史」を描いたものである。
全体を通して印象に残ったのは、人材登用
唯才主義を掲げた曹操、名士への礼遇で有名な劉備、そして曹操・劉備にひけをとらず名士の抜擢に務めていた董卓
三国時代に、お家柄にこだわらず各地に存在した名士を登用していった者が名を残しているのは興味深い。
メインは、「肝絶」曹操、「義絶」関羽、「智絶」諸葛亮の三人にスポットを当てて、演技で虚構とされている内容はなんなのか、そこから史実に近い人物像を描いている。
「智絶」諸葛亮編が圧巻の内容。
劉備が「三顧の礼」で迎え、劉備が没するときに、「劉禅が君主として才能がなければ、君が自ら成都の主となってほしい」と言われた諸葛亮(史実)
これは全幅の信頼ではなく、劉備と諸葛亮孔明とのせめぎあいの一つである。
諸葛亮が荊州名士を次々と抜擢し政治基盤を確固たるものとする過程で、人事で劉備とのせめぎあいが起こっていた。
「馬謖を泣いて切る」背景が分かり、三国志をさらに深く理解できる一冊でした★
かなり満足な一冊
今も日本で一番人気がある中国の時代といえば三国志の時代でしょう。ただ我々が需要している三国志は何なのかというのはあまり顧みられず、実はそこには本家中国とは違う日本的な偏りがあるようです。
Posted by ブクログ
初めて三国志を読んだのは中学生の頃だった。桃園の誓い、三顧の礼、赤壁の戦いに心躍らせ一気に最後まで読んだのを記憶してる。当時KOEIのゲームが流行ったこともあり、50万円もするシャープのx68000というパソコンを父に買ってもらったことを覚えてる。毎晩毎晩友人を家に招いて夜通し三国志をやっていた懐かしい記憶だ。
歴史は書かれた時期や筆者の背景、当時の世間の評判などが反映されるものだ。描く人間の心情が現れるのは致し方ない。三国志も色々な系譜を経て真実とはかけ離れた点も多くあることだろう。我々がよく触れる「演技」などは事実にフィクションを効果的に加える事で中国の四大奇書として今なお世界中で読まれている。
本書は史実と演技を対比させ、多くの関連性のある文学書なども取り入れ、描かれた時代背景などからどこまでを事実とするか推考していくような流れだ。これまでの自分の考えを覆すような記述もあり大変興味深く読み進められる。
本書は曹操、諸葛亮、関羽を「絶」として中心的に描かれるが、キラ星の如く魅力的な人物で溢れているのが三国志だ。個人的に感情移入できる人物に必ず巡り逢えるし是非多くの人に三国志に触れて頂きたい。そこで予備知識がある事がこの本を5倍、10倍にも面白いものにしてる事は言うまでもない。
歴史は勝者が作ると言うが、中国の歴史は固定された国家というものが長く存立せず(4000年の歴史とは統一国家でも民族でもなく単なる地域としての存在)、支配者が変わる都度、過去の否定と今の正当化が図られてきた。日本の近代史を占領軍が作るのと同じだ。現代に生きる我々は、今から1800年近く前に起きた出来事について、その後の研究や発見から色々な角度で見ることができる。今に生きる我々の特権として歴史に触れて考えてみてはどうだろうか。
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