菊池寛アンド・カンパニー

菊池寛アンド・カンパニー

3,600円 (税込)

18pt

5.0

ベストセラー作家にして、100年つづく企業を創ったベンチャー起業家、菊池寛。

高名な文人を祖先にもつ家系ながら、維新で没落した士族の家に生まれた菊池寛は、
家計が厳しく、何度も人生の遠回りを余儀なくされた彼が、念願の旧制第一高等学校に入学したとき、すでに23歳になっていた。

その一高の寮で、芥川龍之介、久米正雄、成瀬正一など、文学を愛する仲間たちと出会う。ところが、寮でマントが盗まれた事件に巻き込まれた菊池寛は、一高を自主退学。

ひとり孤独な日々を送る菊池寛に、小説を世に問う場を与えたのは、一高で出会った仲間たちだった。

「恩讐の彼方に」「真珠夫人」などを発表して、一躍、文壇の最前線に躍り出た菊池寛は、大正11(1922)年、「私は頼まれて物を云ふことに飽いた」と宣言。若い仲間たちと新しいメディアの創設に乗り出す。

「厚くて高い雑誌よりも薄くて安い雑誌が売れる」と見抜くマーケティングのセンス。
編集後記を双方向メディアとして使い、読者とのコミットメント(関わり)を強化。
読者に予約購読を呼びかけ、一種のクラウドファンディングとして資金を調達。
大きく広告をうって、部数増→定価引き下げ→さらなる部数増、という好循環を狙いつつ、広告効果の検証も怠らない。
菊池寛は、現在のビジネス戦略にも通じる施策を、次々と展開していった。

渋沢栄一、小林一三など、近代日本の傑出したイノベーターを描いてきた著者が、新たな視点で描き出す、「100年前のネットメディア」を生み出した菊池寛と。それを取り巻く仲間たちの姿。

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菊池寛アンド・カンパニー のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ▼ダレることなく、本当にオモシロい一冊でした。菊池寛(明治生まれ~戦後直後逝去の、小説家であり、文芸春秋を起業した編集者であり経営者)の評伝。鹿島茂さんなので、編集者、本作り、雑誌作りの裏側を同業者として考察しながら。
     それから、「アンド・カンパニー」ですから、「菊池寛と仲間たちの評伝」「菊池寛の

    1
    2025年09月07日

    Posted by ブクログ

    この本、すごいなあと思います。ハード面でもソフト面でも。「文藝春秋」としては、生みの親である菊池寛についての本を出すのですから当然なのかも知れませんが。

    裏表紙にはドーンと菊池寛の顔写真。本を開いてびっくりしました。見返しには文藝春秋に関係する、そうそうたるメンバーの集合写真。中にもふんだんに人物

    0
    2025年10月24日

    Posted by ブクログ

    文学者であり、文藝春秋を創業した菊池寛の、評伝であり伝記。
    彼は激動の時代に、どう行動して生きたのか。
    菊池寛と彼の仲間(カンパニー)たちと文藝春秋を含めての
    企業(カンパニー)の足跡を詳細に解き明かし、綴る力作。
    1~20
    ・あとがき
    参考文献、菊池寛 略年譜、人名索引有り。

    明治・大正・昭和の

    0
    2025年10月07日

    Posted by ブクログ

    タイトルは、あのシルヴィア・ビーチのパリの書店、Shakespeare & Companyからヒントを得たものという。Companyは、「仲間たち」と「会社(文藝春秋)」のダブルミーニング。絶妙。しかも、表と裏の見返しには、菊池寛と「仲間たち」の集合写真を使っている。造本も凝りに凝っている。

    0
    2025年09月05日

    Posted by ブクログ

    2023年に100周年を迎えた文藝春秋の目玉企画。『創刊100周年記念新年特別号』から連載開始、楽しみにしていました。「マント事件」のあたりまでは毎月欠かさず読んでいましたが、例によって一回飛ばすとなんか執着できなくなってそのままになっていました。8月に入ってからの読書で菊池寛がGHQから公職追放さ

    0
    2025年08月19日

    Posted by ブクログ

    激動の時代を、自分の軸を持って生きたメディア人の生き様に圧倒された。時代に求められるものを生み出し続けた、菊池寛の姿からプラスもマイナスも両方の教訓が得られると感じた。

    0
    2025年08月10日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    菊池寛の評伝。
    学生時代の友人たちとの交流の話とかは好き。芥川龍之介や成瀬正一との話が良い。学校を追われる「マント事件」は色々納得できない…。
    文藝春秋社が出来てから芥川龍之介の死までの話も色々興味深い。関係者たちの写真があるのも良い。
    戦争中の様子を読むと、芥川龍之介がもし生きていたらどうなってい

    0
    2025年09月19日

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