作品一覧

  • 小説吉本興業
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    1巻660円 (税込)
    古くはエンタツ・アチャコから、明石家さんま、桂三枝、笑福亭仁鶴、西川きよし、横山やすし、島田紳助、松本竜介、オール阪神・巨人、今いくよ・くるよなど、人気タレントを擁する<笑いの王国>吉本興業の「笑売繁盛」の秘密。大正から昭和にかけて大阪の寄席を次々と手中に収めていき、さらには関東にも進出、現在にいたる長い歴史をもつ興行師、上方の演芸とともに生き、「吉本ブーム」を支えてきた演芸界のドン、林正之助の夢と野望を描く長篇小説。
  • てんのじ村
    3.3
    1巻447円 (税込)
    大阪は通天閣の下に、漫才師、奇術師、浪曲師といった芸人たちがあつまり住む一郭“てんのじ村”があった。戦前、戦後、そして高度経済成長期と、大阪芸人の活躍の場が、寄席からラジオ、テレビへと移りゆくなか、時代の波にとり残された八十二歳と五十五歳の漫才コンビ。しかし、その二人に、たった一度だけ華やかなテレビのスポット・ライトが当てられる日が来たのだが──。身を寄せあって生きていく善意の人々の哀歓を、しみじみと描いた第91回直木賞受賞作。
  • てんのじ村

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    第91回直木賞。
    戦後の大阪・天王寺(てんのじ)村が舞台。てんのじ村では、二流・三流芸人たちが、スポットライトの当たらない生活を送っている。
    主人公は花田シゲル、夫婦漫才師。どじょうすくいなどのネタで、どさ回りではウケるが、昨今登場したラジオ・テレビにはお呼びがかからず、もんもんとしたギリギリの暮らし。その後、相方であり妻である千代香を亡くし、義弟宅での隠居生活を経て、新しい相方を得て、再度芸道を突き進む。
    後半、念願かなって東京のテレビに出演するシーンは息を呑む展開。
    解説の黒岩重吾も実はてんのじ村を書こうとしていたが、芸人たちが自らを語らないため断念したそうだ。その点でもこの作品は芸人ひと

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    2010年08月19日
  • てんのじ村

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    戦中戦後の動乱期を生きた夫婦漫才師の夫の生涯。通天閣の下、天王寺付近の長屋での人間模様。

    架空の芸人ということで話は進んでいくが、明らかに実在の人物でしか考えられないような話が有り、実際「吉田茂・東みつ子」がモデルになっている。どうやら、作中のネタも全部実在するようだが、作中で漫才の描写はほとんど無いため、「『かぼちゃ』をやる」というような暗黙の了解があるのは少々いただけない。

    話としては大阪に出てきた若者が、結構あっさりと芸人になり、奥さんを亡くし、また再出発するにあたってのいろいろなのだが、思っていた以上に話は淡々と進むので、読みやすいがちょっと拍子抜けだったところがある。通天閣の再建

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    2015年06月15日
  • てんのじ村

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    難波利三著「てんのじ村」運が人生を左右する芸人の世界。
    敗戦から現代までの「てんのじ村」の善意の人々の哀歓通して描く。
                 
     地下鉄「動物園前駅」を降り、地上に出て天王寺方面に歩くとすぐの阪神高速阿倍野料金所わきに「上方芸能発祥地・てんのじ村」の記念碑が建っている。
     このあたりの正式な地名は、西成区山王町。それなのになぜ「てんのじ村」といわれているのか。
     ここは明治の頃まで東成郡天王寺という行政区分になっており、洒落好きの芸人が、これを縮めて「てんのじ村」と呼び始めたのがいわれという。山王地区には昔から色々な芸人が住みついていたが、本格的に住みついたのは戦後のことで

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    2012年04月24日

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