愛の顛末 恋と死と文学と

愛の顛末 恋と死と文学と

784円 (税込)

3pt

4.5

悲恋、秘められた恋、ストーカー的熱情など、文学者たちの知られざる愛のかたちを追った珠玉のノンフィクション。

●小林多喜二――沈黙を貫いて亡くなった小林多喜二の恋人、田口タキ。多喜二に深く愛されながらも、自分は彼にふさわしくないと身を引き、それゆえ伝説的な存在になった。
●近松秋江――女性に対する尋常でない恋着を描いて明治・大正の文学史に特異な足跡を残した近松秋江。いまでいうストーカーのごとき執着と妄執は、「非常識」「破廉恥」と評された。
●三浦綾子――旭川の小学校教師であった三浦綾子は、敗戦による価値観の転倒に打ちのめされ退職、自死を図る。光を与えたのはクリスチャンである一人の青年だったが、彼は結核で逝き――。
●中島敦――母の愛、家庭のぬくもりを知らずに育った中島敦が選んだ女性は、ふくよかで母性的な人だった。だが彼女には親同士が決めた婚約者がいた。そこから中島の大奮闘が始まる。
●原民喜――最愛の妻を失ったときから、原民喜はその半身を死の側に置いていた。だが広島で被爆しその惨状を目の当たりにしたことで、彼は自らの死を延期したのだった。
●梶井基次郎――宇野千代をめぐって、その夫、尾崎士郎と決闘-そんな噂が流れるほど話題になった梶井基次郎の恋。では、千代はどう思っていたのか。二人の出会いから別れを丹念にたどると、恋多き女の心情が浮かび上がる。

他に取り上げたのは、鈴木しづ子、中城ふみ子、寺田寅彦、八木重吉、宮柊二、吉野せい。

解説・永田和宏

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愛の顛末 恋と死と文学と のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2019年01月13日

    超有名どころから、知る人ぞ知るという人まで、
    様々だが、どの文学者も強烈な生き様で
    圧倒される。

    それぞれの作品への興味もかき立てられた。

    吉野せい、宮柊二など、ぜひ読もうと
    思った。

    0

    Posted by ブクログ 2022年12月17日

    作品を読んだことのある人、作品を読んではいないが名前や代表作は知っている人の中、唯一知らなかったのが近松秋江。ちょっと前の日本の私小説作家というと葛西善蔵とか貧困を赤裸々に描く人が多い印象だったが、この人は妻や恋人に対し、ストーカー行為を繰り返し、それを小説として書いたというんだからたまげた。
    現代...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年11月26日

    書かれたものにも、書かれなかったものにも、言葉にしなかったことにも、想いは詰まっているのだなあ、と思う。
    中井英夫と八木重吉と、吉野せいに俄然興味が湧いた。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2020年01月06日

    目次より
    小林多喜二 恋と闘争/近松秋江 「情痴」の人/三浦綾子 「氷点」と夫婦のきずな/中島敦 ぬくもりを求めて/原民喜 「死と愛と孤独」の自画像/鈴木しづ子 性と生のうたびと/梶井基次郎 夭折作家の恋/中城ふみ子 恋と死のうた/寺田寅彦 三人の妻/八木重吉 素朴なこころ/宮修二 戦場からの手紙/...続きを読む

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