無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
石牟礼道子、茨木のり子、島尾ミホ、田辺聖子、辺見じゅん……。
不朽の名作を生んだ9人の女性作家たち。
唯一無二の父娘(おやこ)関係が生んだ、彼女たちの強く、しなやかな生涯。
『狂うひと』『原民喜』『サガレン』など、話題作を発表し続けるノンフィクション作家が紡ぐ、豊穣たる父娘の物語(ナイン・ストーリーズ)。
目次
・渡辺和子
目の前で父を惨殺された娘はなぜ、「あの場にいられてよかった」と語ったのか?
・齋藤 史
二・二六事件で父は投獄された。その死後、天皇と対面した娘が抱いた感慨とは――。
・島尾ミホ
慈愛に満ちた父を捨て、娘は幸薄い結婚を選んでしまい、それを悔い続けた……。
・石垣りん
四人目の妻に甘えて暮らす、老いた父。嫌悪の中で、それでも娘は家族を養い続けた。
・茨木のり子
時代に先駆けて「女の自立」を説いた父の教えを、娘は生涯貫いた。
・田辺聖子
終戦後の混乱と窮乏のなかで病み衰えた父の弱さを、娘は受け入れられなかった。
・辺見じゅん
父の望む人生を捨てた娘は、父の時代――戦争の物語を語り継ぐことを仕事とした。
・萩原葉子
私は、父・朔太郎の犠牲者だった――。書かずには死ねないとの一念が、娘を作家にした。
・石牟礼道子
貧しく苦しい生活の中でも自前の哲学を生きた父を、娘は生涯の範とした。
・「書く女」とその父 あとがきにかえて
Posted by ブクログ 2023年11月17日
島尾ミホさんの章だけでも読みたいな、と思って手に取って、結局夢中になって全部読んだ。
梯さんの文章は読者を引き込む力が強いと思う。
石垣りんさん、茨木のり子さんの詩は読んだことがないけれど、ぜひ読んでみたいと思った。
特に茨木のり子さんの、フィリピンで日本兵の遺骨が発見されたことに関する詩が胸に刺...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月23日
「人はたまたま遭遇した時代に人生を左右されるのだ」
当たり前だけれど、人は誰も親はもちろんのこといつ生まれるか、自分のはじまりを選ぶことはできない。けれど、どんな環境においても、その父の娘として生まれてきたからには「そのように生きるしかなかった人間」がいたのだと、九人九様それぞれが悩み苦しみながらも...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月06日
最初何の気なしに読み始めましたが、娘から見た父や、それぞれに濃い父娘関係に引き込まれて、一気に読んでしまいました。あとがきにもありましたが、書くことができるまでに長い歳月が必要で、書くことで徐々に父娘関係を俯瞰で見られ、書くことに苦しみつつも、真摯に家族と向き合い、一種のセラピーのようでもありまし...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月15日
日経新聞土曜版に連載されていたときから注目して読んできましたが、改めて一冊となり、じっくりと時間をかけて読みました。梯久美子の文章には、なんとも言えない説得力があり、時間をかけての咀嚼にふさわしい。
「この父ありて」この娘あり、なのでしょうが、渡辺和子、齋藤史、島尾ミホ、石垣りん、茨木のり子、田辺聖...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月15日
いい本を読んだ。
梯久美子さんが選んだ9人がまず、いい。
著者が、この人たち、と選んだ9人は、父との距離が程よく遠く、家父長的でなく、それでいて愛情がある。
距離が程よく、関係性がウエットにならずにすんだのは、おそらく彼女たちが「書く人」になったからだろう。
作られたと感じる泣かせる話は何一つない...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月25日
日経の連載の頃から毎週楽しみにしてました。
事前にある程度知っていないと週間連載でここまで書けませんよね。
あとがきにも書いてありましたが、元々好きな作家達とのこと。そりゃそーだろうよ。
どの父親もスゴいけど萩原朔太郎のグズっぷりには光るものがありますね。戦前のブンガクシャはこうじゃなくっちゃ!!...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月01日
家庭環境によって人生が左右されることを意味する「親ガチャ」本といっても言い過ぎではないほど登場する人物は死ぬまでその影響を感じされる内容。
梯久美子さんの足で取材したからこそ書かれた内容だからこそよりリアルな人物像が浮かんでくる。そして、一文字でも読み飛ばしさせてくれず、じっくり本と向き合うことにな...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。