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東条内閣を生み、「聖断」を演出した昭和史のキーパーソン、初の本格的評伝!
なぜ日本政治は軍部に引きずられたのか?
昭和史最大の謎を解く鍵を握る人物が木戸幸一だ。
昭和日本の運命を決する重大な岐路には、必ず彼の姿があった。
開戦時から終戦時まで内大臣をつとめ、東条内閣の生みの親。
木戸孝允の子孫、昭和天皇最側近のひとりにして、
昭和史の基本文献として知られる『木戸日記』を書いた木戸だが、
彼がいかなる政治認識を持ち、重要な局面で何を行ったか、
正面から論じた著作は少ない。
満州事変、二・二六事件から終戦まで、昭和の岐路に立ち続けた木戸を通して、
昭和前期、日本が直面した難局が浮かび上がる。
ロングセラー『昭和陸軍全史』をはじめ、永田鉄山、石原莞爾、浜口雄幸などの評伝で
定評がある著者が描く昭和史のキーパーソン初の本格的評伝。
【内容】
満州事変 内大臣秘書官としていち早く陸軍情報を入手
陸軍最高の戦略家・永田鉄山との交流
二・二六事件 反乱軍鎮圧を上申
日中戦争 トラウトマン工作に反対
「軍部と右翼に厳しすぎる」昭和天皇に抱いた不満
三国同盟と日米諒解案は両立できると考えていた
独ソ開戦という大誤算
日米戦回避のためにあえて東条英機を首相に
「聖断」の演出者として ほか
Posted by ブクログ 2020年11月30日
2020/11/30木戸幸一 川田稔 ☆☆☆
太平洋戦争の傑作本 これまでの歴史書にはない明晰さ
「昭和天皇の日本国敗戦記」というほうが適切と思う
日本はなぜ日米戦争に突き進んだのか
「失敗の本質」が本書でかなりクリアーになった
これまでの歴史書を凌駕する
380116近衛「爾後国民政府を相手に...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月22日
著者川田稔氏は、昭和陸軍研究で有名な方。特に統制派に詳しく、これまでの著作は非常に参考になった。しかしながら、この木戸についてはやや不完全燃焼の感がある。これは木戸に関する資料が少ないという要因が大きいだろう。このためなのか、陸軍側資料を多用している。致し方ないとはいえ、やや残念ではある。とはいえ、...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年07月22日
天皇を「常侍輔弼」する内大臣を太平洋戦争期に務めた木戸幸一の要を得た評伝。重要なキーパーソンであった木戸を通して、太平洋戦争の開戦から敗戦に至る昭和戦前政治史についての理解が深まった。
なんとなくのイメージで木戸も西園寺公望などと同じく根はリベラルと思い込んでいたが、実際の木戸は元来政党政治に反感を...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年05月12日
副題に「内大臣の太平洋戦争」とあるように、本書は木戸幸一を通して見た満州事変から太平洋戦争開戦に至る過程を詳細に分析したものである。同著者の『昭和陸軍全史』(全三巻、講談社現代新書)も併せて読むことをお勧めしたい。
読者の問題関心は日本はどうしてあのような無謀な戦争に突入してしまったのかという点に...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月15日
内大臣・木戸幸一を通して昭和史を考察する本書。
読み終わって改めて思ったのが、当時の日本が思い上がり、のぼせ上っていたのだという点。特に指導者層やエリート、軍部、上流階級といった上層部の思い上がりは甚だしい。
こういう時に出る、国民もという論法ではとても希釈できない体たらくである。
明治...続きを読む
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