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江戸川乱歩賞を受賞したこの作品は、薬丸岳さんのデビュー作となります。ミステリー作家の登竜門として有名な賞なのですが、毎回、受賞作のレベルの高さは折り紙つきです。その中でもこの作品は、東野圭吾さん、高野和明さんらの受賞作を凌駕する圧倒的な完成度で興奮と感動を与えてくれます。
少年犯罪の被害者家族が主人公という、非常につらい設定にもかかわらず、犯人を憎みながらも強く生きようとする心の揺れに共感し、感情移入していくことになります。
どう考えてもハッピーエンドになり得ない展開なのに、さわやかな読後感を与える終幕は、この作家の今後に大きな期待を持たせる力強さがありました。そして、現在の薬丸岳さんの活躍がそれを証明してくれています。
Posted by ブクログ
少年法の抱える葛藤をまざまざと描いた作品。自分の罪の重さとその責任を受け止めることができた人と、それらを軽んじて寧ろ被害者かのように生きる人。どんなに悔いても改めることはできない。けどその罪を負い続け、被害者とその家族のために、行為によって傷つけてしまった自分の大切な人のために、自分が生きる社会のために、何ができるのか考え続け動いていくしかない。どんなに恨んでも、罪を犯した人が死んでしまったらその人に罪の意識を持たせ贖罪させることができない。
子供には可塑性があるけど、罪の自覚をもたせる必要がないはずはない。更生保護教育による社会復帰と同時に自分の行いの理解をすることは忘れてはならない。
(無理に反省させても厳罰させてもダメだからやっぱり難しい。大切な人ができて分かるというけど、それだと可能性にかけるしかなくなる、沢村はその成功例)
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