友達の家に行ったら「面白いから読んでみて!」と、貸してくれた本。
三人の作家さんが新人時代にウェブ上で、21 回にわたり連載したものを加筆修正したという本。
架空の国をそれぞれ一人旅してまわり、行く先々から他の二人に手紙を送り合う内容。幻想リレー書簡集。
手紙だけでなく手書きのスケッチや、お土
...続きを読む産的な造形物等の写真も時おり添えて送りあったものが綴られている。三人の作家さん達は皆、イラストや造形物作りがお得意らしくそれっぽくて上手。手紙の他の、それらの物が一役買っていて旅の思い出を盛り上げているので妙なリアル感を持たせている。三人の作家さんがそれぞれ違う場所で旅をして手紙を送り合う体で進むお話なのだが、読んでいてなんだか錯覚しそうにもなる。
海外旅行の醍醐味といえば変わった様々なことにふれられて非日常感を味わえるところにあると思う。
知らない現地の人々、見たことのない動物、通じにくい言語、変わった食材や料理、気候の違い、変わった祭り等の風習、風土等々も興味深く旅をとても楽しくさせるもの。
ただ、この三人が旅したところは想像を越えたようなところばかりで大変だった。でも三人はそれぞれ皆、
郷に入っては郷に従えとばかりに成り行きに身を任せる感じで、過酷であってすら旅を楽しみながら過ごすので読んでいてこちらには辛さや怖さや大変さがあまり伝わらないから楽に読めた。
私としては時々、ウワーッって驚くようなこと、不気味だよね…や、それは危険でしょ!!な 事などが
起こってる内容の手紙を読んでいても、当の本人達が書いてるのは淡々として旅を楽しむ手紙文。それが何とも不思議過ぎる。
はっきりしない感じを受けるからか…そこが幻想的な旅のように感じられる所以なのかな?などとそんな気もしたりして…。
だからこそ単純に面白がれて読める感じもする。
読んでいて…さすがにあり得ない話だなぁと思いながらの部分でも、作家さん達の文章力でもって読めてしまう感じは凄い。
それからやっぱり作家さん達の想像力、発想力って凄いものだなとも…感じた。
この小説で、奇妙だったり大変だったり気持ち悪かったり恐い思いをしたり、変な可笑しさもあったりと、盛りだくさんな三人分の旅気分を味わえた。
でもやっぱり実際には、私が行ってみたい海外旅行としては、普通に安心して行けるところが 良いなぁ…
それは、絶対に!
怖がりだから一人でも行けないし…
今はコロナ禍でまだまだ当分 行けそうもない…。
となると、
風変わりな旅の本だったけれども…
読んで良かった。
楽しめた。