【感想・ネタバレ】Genesis 一万年の午後のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年12月21日

日本人作家によるSF短編アンソロジー。様々な味わいのある作品を楽しめる。読者ごとに好みがあるので、すべての作品を面白いと思う人はそう多くないと思うが、これから好きになる作家出会う良い機会になるだろう。私の好みは、「イヴの末裔たちの明日」(松崎有理)と「生首」(倉田タカシ)の2作品。前者はAIが仕事を...続きを読む奪った結果、治験のアルバイトにたどり着く、どこかユーモラスな作品。後者は生首が現れる現象がホラーチックであるが、なぜか笑いたくなる作品。なんだ、私は笑える作品が好きなのだろうか。今気づいた。

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Posted by ブクログ 2022年03月20日

東京創元社が、社名の「創元=GENESIS」を冠して二〇一八年に刊行したSF書き下ろしアンソロジー第一集。各作品の前に編者による洒脱な紹介コメントも寄せられていて、「日本の現代SF小説界、作家も出版社も一丸となってこんなメンツで盛り立てていきますぜ」という顔見世興行的な気合いの入りようが感じられる。...続きを読む今のところ二〇二一年の第四集まで毎年刊行が続いているようだ。
SFに限らず同時代の作家の好きと思える小説に出会えることには、古典名作を楽しむのとはまた違う喜びがある。創元さんの四年前のお薦め、彩り豊かで「ぜんぶ好き」とはいかないが、これだけいろいろ並べて出してくれたことにありがとうという気持ち。

以下、備忘メモ。
■久永実木彦『一万年の午後』
聖典(ドキュメント)に従い「特別」を作らないことにこだわるマ・フたち。マ・フとは、人類が遺した人類そっくりなロボット。
■高山羽根子『ビースト・ストランディング』
ちょっとよくわからなかったけど、木綿が人類を救った?(違)
■宮内悠介『ホテル・アースポート』
やっと読みやすいのがきた。SFなのにミステリー。弦楽器や香水もいい味出してる。
■秋永真琴『ブラッド・ナイト・ノワール』
王族とかヴァンパイアとか、ラノベっぽい。でも嫌いじゃない。好みが似てたのか(眼鏡とか)。片仮名タイトルが続くなあ。
■松崎有理『イヴの末裔たちの明日』
ここまででいちばん好き、王道の、すぐそこの近未来らしさ。AIに次々と仕事が奪われる時代、「人間にできる仕事」というキーワードで求人検索する主人公の姿が、なかなか笑えない。
■倉田タカシ『生首』
不条理もの。夢みたいな目まぐるしい混沌。意味はわからないけど不思議に好き。
■宮澤伊織『草原のサンタ・ムエルテ』
(未読)「本格的近未来アクションSF」とのことだが、私の頭にはぜんぜん入ってこなくてギブアップ。みんな大好きらしいガンダムが私にはぜんぜん見られない感覚と似ているが、この作品がガンダムと似てるかどうかは知らない。
■堀晃『10月2日を過ぎても』
トリは大御所らしい。しかも大阪SFというジャンル?らしい。高齢者ばかりになったマンションの理事をしてる設定もリアル。でもちょっと受け止めきれなかった。

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Posted by ブクログ 2021年05月08日

2018年末に刊行された新しめの日本SFアンソロジー。短編8編+エッセイ2編が収録されています。

アンソロジーを読むこと自体、ちょっと良い(と見込んだ)食事処にぷらっと入って「おまかせコース」を頼むようなもので、満足したい気持ちと、意外なものを味わいたい気持ちが同居していると思います。
個人的には...続きを読む両ポイントともにちょうど良い感じの1冊でした。編集者の匙加減の素晴らしさもあるんでしょうが、SFというジャンルの中での振れ幅もなかなか心地良かったと感じました。
(正統派SFもありつつ、一見ファンタジーでは?日記では?となる作品や、突き抜けたシュールさの作品があって、色彩豊かでした)

1編挙げるとすると、個人的には「イヴの末裔たちの明日」が面白かったです。AIに仕事を奪われ、ベーシックインカムで養ってもらう世界を舞台に、「これから人間にできるのは新薬治験くらい」というネットの書き込みを見て治験ボランティアを始めた主人公は…という話。
結末を読んで、こういう世界は本当にあり得るよなぁ…と思いました。でもそれはユートピアなのかディストピアなのか、正直悩んでしまいます。

あと、個人的に短編を読むときに気にしているのが、どれだけ早くその短編の世界を理解できるか、です。
別に早い方が良い訳ではなく(遅すぎると短編だと終わってしまいますが…)、書き出しに個性が出ると言うか。割り切って説明調で書くケースもあれば、最初に象徴的なパーツを掘り下げて書くケースも。
本著を読んで感じたのは、前者のような親切かつクイックな、ある意味ラノベ的な書き出しもアリだなぁというコト。時代に合わせた変化なのでしょうか。

各短編それぞれの個性が組み合わさった、面白いコース料理でした。
次巻も読んでいきたい、出版元の矜持を感じる作品集です。

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Posted by ブクログ 2019年11月17日

SF。短編集。エッセイもあり。
これは良い企画。5年、10年と続いてほしい。

久永実木彦「一万年の午後」
人類絶滅後のロボットたち。綺麗な文章が印象的。

高山羽根子「ビースト・ストランディング」
怪獣を持ち上げるスポーツ。相変わらず奇妙な設定が持ち味。好き。

宮内悠介「ホテル・アースポート」
...続きを読むSF設定でのミステリ。ミステリとしては小粒だと思うが、上手くまとまってる。舞台設定が良い。

秋永真琴「ブラッド・ナイト・ノワール」
吸血鬼&マフィアもの。ラノベやマンガぽさが強い。成田良悟『バッカーノ!』風な印象。好き。

松崎有理「イヴの末裔たちの明日」
近未来の技術的失業。リアルなテーマを、静かな文章でコミカルに描く。作者らしい。好き。

倉田タカシ「生首」
かなりの異色作。自分はついて行けなかった。

宮澤伊織「草原のサンタ・ムエルテ」
SFアクション。『裏世界ピクニック』のイメージが強いが、こんなのも書くのか…。

堀晃さんは、日記風ということでスルー。

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Posted by ブクログ 2019年02月16日

新しいSFのアンソロジーシリーズ
堀晃が読める!ってのを期待しちゃった分だけ、日記の様な小品にガッカリ…

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Posted by ブクログ 2023年06月11日

■個人的なメモ

[△]久永実木彦「一万年の午後」/ヒト絶滅後、一律なマ・フたち、聖典、宇宙の地図づくり、変化しないこと。
[▽]高山羽根子「ビースト・ストランディング」/ビースト挙げ競技、旧野球場。
[○]宮内悠介「ホテル・アースポート」/宇宙エレベーター、ホテル、殺人事件。
[△]加藤直之「SF...続きを読むと絵」/ゲーム「ディガンの魔石」以来ファンです。
[○]秋永真琴「ブラッド・ナイト・ノワール」/旧吸血鬼の「夜種」、人間は王族、ローマの休日、好みのキャラ、好みの設定、好みの会話。
[△]松崎有理「イヴの末裔たちの明日」/技術的失業、AI、ロボット、ベーシックインカム、治験、星新一さんっぽいオチ。
[△]吉田隆一「SFと音楽」/音楽SF案内。
[▽]倉田タカシ「生首」/生首落とし、半世紀ほど前の前衛的小説のようなレトロ感。
[△]宮澤伊織「草原のサンタ・ムエルテ」/異星人憑依型スーパーガール、戦闘サイボーグ部隊、死の概念。
[▽]堀晃「10月2日を過ぎても」/大阪市内中を自転車で走っているので馴染みの地名や風景ばかりですが・・・

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Posted by ブクログ 2022年04月02日

おもしろいシリーズだから愉しみ

 最初に大好きな堀晃作品を読んだ。土地勘あるからスラスラ読める。堀さんの近況報告みたいなものかな。

 最も楽しみにしていた久永作品を最後におき、順番に読む。高山羽根子作品は最初から乗り切れずパス。宮内悠介作品はミステリー感覚て肩透かし。秋永麻琴作品がとても楽しかっ...続きを読むたぞ。これ別作品も読みたいってことで発見のワクワク感で持ち直す。松崎有理さくひんは少しトーンダウンて、次の生首って作品はさっぱり乗り切れずに少しコーヒータイム。

 リフレッシュ後の宮澤伊織作品は、これまた秋永作品同様にアクションつぽくてとても良かった。これも発見だ。アンソロジーはこれが醍醐味。

 満を持して久永実木彦作品を!と思ったら既読だったよ。ちゃんちゃん。

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Posted by ブクログ 2019年04月27日

魅力あふれる6つの異世界。没入した頃に物語が終わるので現実世界に取り残された気持ちになる。
年1,2回ペースで続刊予定ということで楽しみ。

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