倉田タカシの作品一覧
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
ほんタメで紹介されていたので、読んでみた(もちろんあかりん帯のものを購入)。
最初は「なんだこれ?」という感想だったが、五通目の手紙を読んでこの小説の面白さに気づいた。まさかあの蟹頭がこの物語の主要メンバーに入るとは……。でも、ある物があるところでは人気者になっていて、あるところでは忌むべき存在とされていて、さらにあるところでは言ってはいけない言葉として扱われているなんて、結構あることなのかもしれない。
「旅をして地図上のまったく同じ地点に立っても、見える景色はまったくちがったもので、それぞれの眺めは厳密なところ、まったく同じ景色として共有することは不可能なんです。(…)ただ逆を言えば、私が見た景色は当然間違いではないし、だれに何も文句を言われることはない、とも考えられるんですよね。これは不安なことでもあり、また同時に心強いことでもあります。」(262〜263ページ)
景色を見た時に「すごーい」「感動した」という感想が出がちだけど、その感情になる背景は一人一人違うんだな、と。だからこそ表面的な感想だけじゃなく、景色を通して自分の深いところに問いかけをして出てきた言葉に耳を傾けたい(自分探しの旅ってこういうこと?)。
多分この小説を読んで思い描いた風景だって一人一人違うんだろうな。