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のたうちまわって超えていけ、愛。
『流』の直木賞作家・東山彰良が新たに挑む、自由でボーダレスな短編集!
九州の温泉街、小さな街の団地、ニューヨーク、台北、東京――。
残酷さとやさしさが隣り合わせるパッとしない世界
それでも生きていくむきだしの人間たち。
「猿を焼く」
さえない温泉街に引っ越してきた中三のぼく。無軌道な不良とよそ者の少年は、なぜ猿に火をつけたのか?
「イッツ・プリティ・ニューヨーク」
クレイジーな同級生カメと、そのアバズレな姉。欲求に翻弄されるぼくと彼らの団地の日常。
「恋は鳩のように」
同性婚が合法化された日、歓声に沸く群衆の中、アンディは詩人の恋人・地下室に電話をかける。
「無垢と無情」
人間じゃなくなった「やつら」から身を潜めるように、おれは画面の中のミーティングルームを訪れた。
Posted by ブクログ 2024年04月21日
愛や恋をテーマにした「自由でボーダレス」な4編からなる短編集。
どの短編も陰鬱な展開ではあるが、人間の醜さや地方社会の閉塞感などを克明に描き出していて、著者の筆力を感じた。ただ、自分にはちょっと合わなかったかも。名門男子校である駒場東邦中学校の国語の授業で性差別等を考える素材として取り上げられたこと...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年06月13日
四篇からなる短編集。ジャケットがとても素敵で買ってしまった。
「猿を焼く」がこの中では圧倒的に好きだった。脱サラして都会から田舎へ移住しオシャレ農業を始めた一家の息子がその地元の不良たちと出会い、いわゆる"アバズレ"に恋をする話なのだけど、この田舎の閉塞感に身に覚えがありす...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月28日
やっぱり東山さんの作品は最高だ。日本文学で、こんなテイストかけるのはなかなかいないと思う。ここ最近、女性作家さんの作品ばかり読んでいたこともあって、より強くそう思うのかもしれないけれど笑
個人的には、「猿を焼く」が一番好き。(この作品に限らずの話だが)思いのほか作品自体のスコアが低いが、アクが強...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年04月24日
のたうち回るような愛。もしくは愛のようなもの。
4つの短編集はテーマも世界観も全く違うストーリーだけれど、誰しも泥臭く必死で愛を模索しながら生きている。圧倒的ちから。そして刹那さ。
人間の人間たる愚かさとそれ故の魅力を存分に味わえる作品だった。「猿を焼く」と「無垢と無情」がすき。
タイトルもいいし、...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年11月13日
「猿を焼く」
猿への暴力がエスカレートしていく場面、「流」の定規で膝を刺すシーンを思い出した。
「イッツ・プリティ・ニューヨーク」
亀山家メンバーのイカれ具合。笑
「恋は鳩のように」
台湾では同性婚が合法だって初めて知った。
地下室はなんでこんなにモテるんだろう。
「無垢と無情」
愛とななにか...続きを読む
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