文春作品一覧

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  • イチロー・インタビューズ 激闘の軌跡 2000-2019
    4.3
    その言葉も一流。イチローの肉声に酔いしれる 引退後の独白まで過去二十年「ナンバー」に掲載されたインタビューを全収録。二〇一〇年刊行「イチロー・インタヴューズ」の増補版。
  • 軍事と政治 日本の選択 歴史と世界の視座から
    4.3
    日本がアメリカに「見捨てられる」? 憲法改正の前になすべきこととは? 新しい「国民安全保障」を緊急提言。キーワードは「軍による安全」「軍からの安全」「政治からの安全」! 中国の軍事的膨張、北朝鮮の脅威、トランプ大統領が言及した日米同盟への不満……。激動の国際秩序のなか、日本の選択とは? 船橋洋一、五百旗頭薫、戸部良一、細谷雄一ら第一線の研究者が徹底討議、政府と軍、国民の三者が築く「国民安全保障国家」のあり方を提言する。 【本書の内容】 ・日本の安全保障のアキレス腱は「政治」にあり ・軍事組織、政府、国民の三者関係を考える ・政党政治と軍部との関係 ・歴史の分岐点 近衛内閣はどこで挫折したのか? ・戦後体制のなかの自衛隊 ・ネガティブ・コントロールからポジティブ・コントロールへ ・東日本大震災、湾岸戦争から学ぶ ・サイバー攻撃、宇宙戦争──新しい危機 ・民主主義の“模範”イギリスが抱える問題 ・海外での軍事貢献、国民はどう捉えるか ・インドネシア 民主化と国軍の関係 ・「ナショナル・セキュリティ」が脅かされるとき
  • 欲望の名画
    値引きあり
    4.3
    フェルメールが「真珠の首飾りの女」で描いたのは虚栄か、快楽か、物欲か、それとも……。月刊「文藝春秋」の人気連載がついに新書化! 絵画に隠されたメッセージを紹介し、画家の意図や時代背景までを鮮やかに読み解いてきた中野京子さんによる最新刊。今回のテーマは「欲望」。激しい愛情、金銭への異常な執着、果てない収集癖、飽くなき野心……。人はあらゆる欲望を絵画に込めてきた。細部に描かれた小さな情報も見逃さず、名画に込められた意図を丁寧に読み解く。 26の絵画を5つのキーワードで徹底解説 第1章 愛欲 ドラクロワ「怒れるメディア」 ミレイ「オフィーリア」 ビアズリー「踊り手の褒美」 ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」 他 第2章 知的欲求 ラ・トゥール「ポンパドゥール夫人」 ラファエロ「サン・シストの聖母子」 ブリューゲル「子供の遊び」 他 第3章 生存本能 ゲラン「モルフェウスとイリス」 レーピン「ヴォルガの船曳き」 他 第4章 物欲 クリムト「ベートーヴェン・フリース」 フェルメール「真珠の首飾りの女」 ボス「守銭奴の死」 第5章 権力欲 ホルバイン(子)「ヘンリー八世像」 メンツェル「フリードリヒ大王のフルートコンサート」他
  • デカルトからベイトソンへ――世界の再魔術化
    4.3
    17世紀、デカルトとニュートンのパラダイム成立によって、世界から魔術が失われた。 貨幣による資本主義と合理的な科学思考によってできあがった近代的な世界。 魔術は科学に置き換えられてしまった。しかし、科学的に再編成される過程で色あせていったパワフルな知を取り戻すために、今こそ「世界の再魔術化」が必要だ! デカルト・パラダイムに反旗を翻し、1960年代のカウンター・カルチャーの空気をひっさげ、「世界の再魔術化」への道筋を探った知的冒険の書、待望の復刊! オカルト学の山々を乗り越え、たどり着いたひとつのヒントはグレゴリー・ベイトソン。 ロボティクス、アンドロイド、VR的な現実世界の出現を前に、今こそ再読されるべき書。
  • 松井石根と南京事件の真実
    4.3
    “大虐殺の首謀者”として裁かれた軍人は中国を深く愛していた。ついに明らかになる南京戦の全貌──。 折り重なる屍体。過酷な戦場の現実。押し寄せる日本軍に中国軍司令官は逃亡する。軍律に厳しい松井と血気にはやる師団長の確執。中国便衣兵の無法と日本兵の混乱……。その時、南京城内で何が起きたのか?  南京事件の罪を問われ東京裁判で処刑された松井石根を、中国人は今も「日本のヒトラー」と呼ぶ。著者はこの悲運の将軍の生涯を追いながら、いまだ昭和史のタブーとされる事件全貌の解明に挑む。 【目次より】 第1章 日中友好論者への道 第2章 大亜細亜協会の台頭 第3章 上海戦 第4章 南京戦 第5章 占領後の南京 第6章 興亜観音 第7章 東京裁判 最終章 歿後
  • 悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞
    4.3
    1巻815円 (税込)
    安倍首相の「腹心の友」がつかみ取った52年ぶりの獣医学部新設。そのレールを誰が敷いたのか? 浮かび上がる米留学以来の“義兄弟”関係、夫人たちのサークル、教育にはびこる政・財・官の利権構造──「政治とカネ」問題で当代一の著者が徹底取材で核心を説き明かした。2018年大宅壮一ノンフィクション賞受賞。 解説・石井妙子 【目次より】 第1章 第二の加計学園 第2章 悪友サークル 第3章 加計の野望 第4章 海外戦略の手助け 第5章 政治とビジネス「商魂」 第6章 国家戦略特区というレール 第7章 下村文科大臣の献金疑惑 第8章 前川の乱「疑惑の核心」 第9章 内閣府VS文科省 第10章 延期された学部の設置認可 終章 政権延命の末 ※この電子書籍は2017年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 天才の思考 高畑勲と宮崎駿
    4.3
    毎日が真剣勝負のジブリ戦記! 公開延期、スタッフの取り合い、我慢比べ、膨れ上がる予算、クーデター計画、引退宣言……。 『ナウシカ』 高畑プロデューサー曰く「間に合わないものは仕方がない」 『ラピュタ』 「もう監督はやらない」からの再出発 『トトロ』 はじめは原作脚本・宮崎、監督・高畑だった 『火垂るの墓』 未完成のままの公開 『紅の豚』『ぽんぽこ』 「俺が豚をやったんだから、高畑さんは狸だ」 『もののけ姫』 「エボシ御前は殺すべきじゃないですか」 『山田君』 「おもしろすぎるエピソードは外しましょう」 『千と千尋』 壁一面のイメージボードを捨てた日 ジブリの名作はこうして作られた! 『風の谷のナウシカ』から『となりの山田くん』、『風立ちぬ』まで。二人の天才を最も間近で支え続けたプロデューサーがついに語ったジブリ19作品の内幕。誰よりも互いを認め合った二人の生々しい激闘、強烈過ぎる個性、創作の秘密が惜しみなく明かされる。 最初で最後 高畑、宮崎、鈴木の特別鼎談収録
  • 洗えば使える 泥名言
    4.3
    いつか何かに効くときが来る! 言葉の劇薬!! 名言の主は無頼の編集者や勝負師、高知のヤンキー&おばちゃん、実母に我が子……。不恰好だけど、煮込めば味が出る、糧になる!
  • 1979年の奇跡 ガンダム、YMO、村上春樹
    4.3
    『機動戦士ガンダム』放映開始、『ルパン三世 カリオストロの城』公開、YMO『テクノポリス』リリース、ソニー「ウォークマン」発売、村上春樹『風の歌を聴け』でデビュー、『地球の歩き方』創刊、日本シリーズ「江夏の21球」……etc. すべて1979年の出来事なんです。ポッブカルチャーを横断的に振り返る超実感的文化史の登場! 東大安田講堂事件から10年後であり、昭和天皇と手塚治虫と美空ひばりが亡くなる10年前。「重厚長大」の70年代と「軽薄短小」の80年代という明確に異なる時代の分水嶺であり、日本のポップカルチャーのカンブリア爆発ともいえるこの奇跡の年を振り返り、その社会的背景を探りつつ、いかに現在につながっているのかを検証・論考する。それが本書の狙いである。(本文より)。 【目次】 第1章 ガンダムと大友克洋 第2章 YMOとウォークマン 第3章 村上春樹と「江夏の21球」 第4章 角川映画と情報誌 第5章 『ジャパン アズ ナンバーワン』と『地球の歩き方』
  • 平成野球 30年の30人
    4.3
    江夏豊さん推薦! 「雄太は今、俺が1番信頼する野球ライターだ。彼はこの30年間、ずっと 野球の現場にあって、選手や監督の心に寄り添い、信頼され、野球人が驚き 信頼する記事を書き続けてきた」 幾多の感動ドラマが生まれた平成の時代、著者が「Sports Graphic Number」を中心に発表してきた傑作ノンフィクション・インタビュー記事を「1年1人」のコンセプトでセレクト。 あなたの大好きな平成の野球が、この一冊に詰まっています。 平成30年間の豪華ラインナップは以下の通りです。 平成元年 中畑清/2年 与田剛/3年 清原和博(vs.野茂英雄)/4年 西本聖/5年 野中徹博 6年 長嶋茂雄/7年 野村克也(イチロー分析)/8年 伊藤智仁/9年 桑田真澄/10年 王貞治 11年 星野仙一/12年 杉浦正則/13年 中村紀洋/14年 松井秀喜/15年 高橋由伸 16年 和田毅/17年 今岡誠/18年 イチロー(WBC秘話)/19年 イチローvs.松坂大輔 20年 山本昌/21年 斎藤佑樹/22年 22年 ダルビッシュ有(日ハムのドラフト戦略) 23年 谷繁元信/24年 栗山英樹/25年 則本昴大/26年 秋山幸二/27年 藤浪晋太郎 28年 川崎宗則/29年 松坂大輔/30年 大谷翔平(メジャーデビュー直後のロングインタビュー) そしてイチローが引退した平成31年は、書き下ろし。 菊池雄星、吉田輝星、丸佳浩、菅野智之らスター選手登場しますが、主人公は「野球の神様」?(詳しくは本書をぜひ御覧ください!)
  • 黄昏旅団
    4.3
    “他人の人生”を歩く青年・グンが見た驚異の風景。 ありえない世界を歩きぬけ! 極限のロードノベル。 人生の大半を路上で過ごしてきた、ろくでなしの青年・グン。 妻・娘ともに施設に入所した檜山優作が、幼い息子だけを置き去りにしたのは何故なのか。 心象風景=〈道〉を歩いたグンは、驚愕の真実に突き当たる……。 古より存在する「歩く者」たちと、世界の壮大な意味。 圧巻のロードノベル登場! 解説・恒川光太郎
  • Xと云う患者 龍之介幻想
    4.3
    あの文豪の生涯と作品を織りまぜて、リシャッフルし、夢見直して、12の妖しい、美しいピースに仕立てた本。それだけで十分すごいが、さらにこの日本語版は、原文の独特のリズムを緻密に再現し、等しく妖美な作品を再創造している。奇跡のような一冊。 ――柴田元幸 本書を読む者は 必ずや二度三度と 芥川の文学的狂気に侵される。 イギリス暗黒文学の旗手が、芥川龍之介の生涯を恐るべきヴィジョンと魔術的な語りを通じて幻想文学として語り直す。 芥川龍之介。東方と西方の物語と伝承と信仰に魅せられた男。そのなかで静かに渦を巻く不安。それがページから少しずつ滲み出す。 半透明の歯車が帝都を襲った震災の瓦礫の彼方にうごめき、頽廃の上海の川面には死んだ犬が浮き沈み、長崎には切支丹の影が落ち、己が生み出した虚構の分身が動き出し、そして漱石がロンドンでの怪異を語る。河童。ポオ。堀川保吉。ドッペルゲンゲル。鴉。マリア像。歯車。羅生門、藪の中、蜘蛛の糸、西方の人――キリスト。私のキリスト。 ジェイ・ルービン訳の芥川作品をピース自身の呪術的な語りとコラージュし/マッシュアップし/リミックスして生み出した幻想と不安のタペストリーを、コーマック・マッカーシーやリチャード・パワーズらを手がけた黒原敏行が芥川自身の文章と精密によりあわせて完成させた日本語版。芥川と幻想ノワールの結合として、原語版以上の衝撃をもって読者を眩惑する。 災厄と文学、狂気と詩情、日本文学と英国文学、現代文学と近代文学、現実と幻覚……すべての境界をおぼろに融かしてゆく文学と翻訳のはなれわざ。
  • 鉱石倶楽部
    4.3
    美しい石から生まれた不思議なファンタジー 放課後の理科室で古びた図鑑を見つけた少年は、不思議な夜間学級に出席する――短篇「ゾロ博士の鉱物図鑑」を収録。紫水晶、白雲母、月長石など数々の鉱石から生まれた物語は、葡萄狩り、天体観測、寝台特急と場面を変えながら美しく煌いている。幻想的な多数の鉱石写真も必見の愛蔵版!
  • こんな家に住んできた 17人の越境者たち
    4.3
    自らの「家」について語ることは、「人生」そのものを語ることだ。 あなたはどんな家に住んできましたか――? 作家、詩人、医師、研究者、音楽家、レーシングドライバー…… 彼らはなぜあらゆる境界を乗り越え続けられるのか。 道なき曠野を切り拓いてきた17人が家の来歴を通して語る、生き方の極意。 「彼らは自身を取り巻く境界や、そうあるべきとされる社会の常識を軽やかに乗り越え、ときには徒手空拳で新たな町や国に飛び出していきます。その姿の一つひとつは、どんな時代にもある生きづらさや閉塞感を突破するヒントにもなるはずです。」(まえがきより) ●水俣から 石牟礼道子(作家) 魂のひっとんだ子 ●物語が生まれるとき 角野栄子(児童文学作家) 玄関を飛び出して 東山彰良(作家) いつか祖父のように ●新宿に流れ着いて リービ英雄(作家) 日本語を書く部屋 佐々木美智子(新宿ゴールデン街バーのママ) 屋台を引いた日々 ●アメリカから日本へ マーティ・フリードマン(ミュージシャン) 輝いていたJポップ アーサー・ビナード(詩人、エッセイスト) 日本語に導かれて ●人生の原点 ベニシア・スタンリー・スミス(ハーブ研究家) 京都の古民家 高中正義(ミュージシャン) 雀荘とバハマ 鷺巣詩郎(作編曲家) 父のスタジオで ●ヨーロッパへ 田中未知(作曲家) ここが約束の地 原田哲也(元オートバイレーサー) モナコの海の見える家 井原慶子(レーシングドライバー) セナが住んでいた部屋 ●崩壊する国で 金平茂紀(キャスター) テレビの力を信じたい 中村哲(医師、ペシャワール会現地代表) 蝶を追いかけて ●科学のフロンティア 江崎玲於奈(物理学者) エジソンになりたい 利根川進(生物学者) 研究者の本来の姿
  • 姉・米原万里
    4.3
    アレルギーを起こすほど卵好き、お便所に三回落ちたなど、「トットちゃんより変わっていた」伝説のロシア語会議通訳、米原万里。プラハでの少女時代を共に過ごした三歳年下の妹が、名エッセイの舞台裏やさまざまな武勇伝の真相を明かす。「旅行者の朝食」「ハルヴァ」など食をめぐる美味しい話と秘蔵写真満載! 解説・福岡伸一 【目次】 卵が大好き 米原家の大食い伝説 プラハの黒パン クネードリキ ソビエト学校のキャンプ 赤いエリートの避暑地 父の料理、母の料理 大好きな写真 米原万里が詩人だったころ 職業は「踊り子」 きれいな一重まぶた 飲まない万里のまっ茶な真実 毛深い家族 わたしは料理の道へ いつも本を読んでいた 「旅行者の朝食」 あとがき 文庫版のためのあとがき 解説 福岡伸一 文庫版のための付録、その1、その2
  • R先生のおやつ
    4.3
    ふたりのエプロン男子が贈る、 ときめき満点のレシピ付きコミック! メガネに白髪がトレードマークの初老のお菓子研究家・R先生と、甘いものが大好きで大食漢の助手・Kくん。 撮影のためにお菓子を作ったり、新メニューを試作したり、時にはガーデンパーティにケータリングしたり、保育園へ大量のおやつを届けたりと、ふたりの周りにはおやつの甘いかおりでいっぱい! ふたりのエプロン男子が小腹のすいたときに食べる、おいしくてかわいいおやつの時間を描いたオールカラーコミック&レシピ! コミックはドラマ化で話題の『昭和元禄落語心中』の雲田はるこが、レシピはお菓子研究家の福田里香が担当し、かわいいとおいしいをギュギュッとつめこみました。 雲田はるこの描きおろし番外編まんが「R先生の台湾買い出し紀行」のほか、 描きおろしイラストも満載です! 〈menu〉 ポップオーバーといちごスープ すいかとモッツァレラのサラダ 揚げ白玉餅の甘酒しるこ 卵なしで作るベジパンケーキ 蒸し根菜のカレーディップ チェリーとメロンのフルーツサンド パルミジャーノとレモンの蒸しパン ばらのカップケーキリース ほか
  • 池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳
    4.3
    永遠のヒーロー「鬼平」再来! 人気作家7名が、伝説の男に新たなる命を吹き込みます。 池波正太郎が長谷川平蔵を主人にした短篇小説「浅草・御厨河岸」を書いたのは、昭和42(1967)年のこと。 オール讀物12月号に掲載されたその短篇は大きな反響を呼び、「鬼平犯科帳」としての連載が始まりました。 「鬼平」誕生50周年を迎えた2017年。この記念すべき年に、7人の作家が「鬼平」へ新たな命を吹き込みます。 逢坂剛は「逢坂・平蔵シリーズ」の特別版、上田秀人は武家という官僚社会で生きる平蔵の立場を、諸田玲子は妖盗・葵小僧と鬼平の再対決、風野真知雄は人気シリーズ「耳袋秘帖」鬼平版。 門井慶喜が木村忠吾の食欲の夏を描けば、土橋章宏は平蔵と料理人の味対決、梶よう子は史実の長谷川平蔵に迫ります。これらの短篇に加え、池波正太郎が自らベスト5に選んだ鬼平作品の中から「瓶割り小僧」を特別収録。 各作品に池波正太郎のカット画を使用した、豪華な競作短編集をお楽しみください。
  • 拳の先
    4.3
    1巻1,223円 (税込)
    ボクシング雑誌の休刊を機に、念願の文芸部門に異動した那波田空也。久々に鉄槌ジムを訪れると、ジムの花形選手の立花やいじめられっ子の小学4年生・ノンちゃんに出会う。彼らはそれぞれの恐怖を抱きながら、「拳」をふるって戦っていた。 不安になって、傷ついて、怖がって、逃げたくなっても、きみたちはなぜ戦うのか。前作『空の拳』に続き、ボクシングを通して本気で生きるとは何かを問う青春エンタテインメント! 解説・中村航
  • 光の人
    4.3
    1巻1,629円 (税込)
    1000人の孤児を救うため、ひとりの男が立ち上がった。 戦後。 廃墟と化した東京を中心に、全国で十二万三千人の「戦争孤児」が生まれた。自ら飯を調達して食べることができず、寝泊りする場所すら持たない子供が、唐突に十二万人以上現れたのだ。 国から見捨てられた孤児たちの命と未来を守るため、一人の男が立ち上がる。当時、彼は十七歳の少年先生。 職も我欲もなげうって、半世紀に及ぶ茨の道を歩いた――。 「プロジェクトX」元プロデューサーの著者が、実在の人物をモデルに描く感動の物語。 「この国の歴史には記されなかった 切なく雄々しい愛の物語である」(今井彰)
  • 火星人の殺し方
    4.3
    松本人志の出した3つのお題に吉本若手芸人86人が挑戦した。 爆笑・失笑・珍作・怪作・傑作・・・選りすぐりの123編! 〈後輩の芸人たちに僕からお題を出して、原稿用紙一枚程度、文章を書いてもらいました。言ってみれば、文学的な大喜利です。まずタイトルを決めて、そこに向かって書いていくとどうなるか、縛りがある分、逆に個性がよく出てくるんじゃないか。〉(まえがきより) ダウンタウンの松本人志が、後輩の若手芸人たちにお題を出した。 「火星人の殺し方」 「ゴリラへの詫び状」 「日本人はなぜうんこが好きなのか」 芸人の中には舞台で輝かなくても、トークが下手でも、文章なら意外な才能を発揮する人が埋もれているかもしれない。それを見出すべく自由に発想してもらった、いわば文学的大喜利である。 集まった数百の回答は、わずか数行のものから原稿用紙数枚のものも。一発ギャグがあればショートショートもあり、まさに多彩かつ多才だった。 そこから120篇を精選。さらに各お題につき一人を選び、あらためて長めのものを書き下ろしてまとめたのが本書である。 回答例 火星人の殺し方 〈小学生の時にまずひょんなことから火星人と出会います。そこから一緒の学校に通うことになり、中学、高校、大学と一緒に過ごし互いを親友と呼ぶ間柄になります。大学卒業後は別々の人生を歩むことにします。そして大学卒業の別れの日に「これからも親友で居てくれるよな」と握手を求めて近づいて来たところを、鋭利な武器でズバッといきます。〉(ウエスP) なぜ日本人はうんこが好きなのか 〈日本人にはジャイアント馬場(大きいうんこ)が深く心に刻まれてるから。〉(吉本新喜劇・前園健太)
  • 翻訳夜話
    4.3
    roll one's eyes は「目をクリクリさせる」か? 意訳か逐語訳か、「僕」と「私」はどうちがう? 翻訳が好きで仕方ないふたりが思いきり語り明かした一冊。「翻訳者にとっていちばんだいじなのは偏見のある愛情」と村上春樹。「召使のようにひたすら主人の声に耳を澄ます」と柴田元幸。村上が翻訳と創作の秘密の関係を明かせば、柴田はその「翻訳的自我」をちらりとのぞかせて、作家と研究者の、言葉をめぐる冒険はつづきます。村上がオースターを訳し、柴田がカーヴァーを訳した「競訳」を併録!
  • マンモスを再生せよ ハーバード大学遺伝子研究チームの挑戦
    4.3
    ◎生命の常識を覆す衝撃のノンフィクション◎ ヒトゲノム計画の発案や「次世代シーケンサー」の開発など、 遺伝子革命を牽引し続けてきた天才、ジョージ・チャーチ教授。 ハーバード大学にある彼の研究室には世界中から若き知性が集まり、 日夜、生物学を一変させるような研究を進めている。 そんなチャーチ教授のもとにかかってきた一本の電話と、 「氷河期パーク」を夢見る孤高のロシア人研究者との出会いによって、 マンモス復興プロジェクトが始動。そして四人の若者が集められた。 サンプル採取、DNA分析、遺伝子操作……。 ペイパル創業者ピーター・ティールも巻き込みながら、 研究チームは最先端の科学を総動員し、 「頭脳ゲーム」のような難題に次々と挑んでいく。 すべては三〇〇〇年前に絶滅した“命”をよみがえらせるために――。
  • プロ野球死亡遊戯
    4.3
    糸井重里さんも絶賛。「おもしろいから読め。評論家よりOBより俺たちの声。」 今最もホットなモンスターブロガーによる痛快野球エッセイ! 誰が言ったか、プロ野球人気の凋落。 たしかに、地上波のテレビ局もバックレた。 時の流れは残酷だ。 俺たちのプロ野球、終わっちゃったのかなあ……。 バカヤローまだ始まっちゃいねえよ。 プロ野球は永久に終わらない連続ドラマだ。 ブログを始めた当初は化粧品会社デザイナーで野球界に何のコネもない素人。 それが人気ブロガーとなり、野球コラム企画で日本一に。 糸井重里×入江眞子×中溝康隆の座談会と、えのきどいちろうの解説も収録。 <目次から> 【読売ゴジラ遊戯】限りなく透明に近い「巨人軍・松井監督プラン」 【読売監督遊戯】高橋由伸「困った時のヨシノブさん」 【読売劇画遊戯】江川卓vs西本聖「いつも、お前が憎かった」 【読売移籍遊戯】今、山口俊にこれだけは伝えたいこと 【神宮狂乱遊戯】バレンティン新記録!「王貞治の55本塁打が過去になった日」 【天才渡米遊戯】大谷翔平「僕らが二刀流を支持する理由」 【読売絶対遊戯】古すぎて新しい男・菅野智之は過去の大エースを超えていく 【最優秀死亡遊戯】村田修一「超芸術的ゲッツーを打つ男」 【広島天才遊戯】巨人ファンが広島ファンに嫉妬した夜 【プロ野球未来遊戯】あの夜、横浜スタジアムで筒香嘉智のホームランを見た少年へ
  • 福井モデル 未来は地方から始まる
    4.3
    地方再生の知恵は、「逆境続き」の北陸にあった 共働き率と出生率で全国平均を上回る北陸三県。幸福度も世帯収入も高い。北陸ならではの協働システムや教育を取材した画期的ルポ。 世界が注目!富山市のコンパクトシティ ・道路整備率1位がアダに ・孫とおでかけ支援事業の狙い ・おでかけ定期券で健康になる ・世界中から行政視察が ・「三十年後の市民の声を聴け」 福井の幸福度はなぜ高い? ・「日本一」「世界一」の企業多数 ・「一向一揆で負けたから」 ・若者が作る「鯖江モデル」 ・女性も羽ばたく協働精神 ・教育は投資 ・教師を変えることから始める 他 解説・佐々木俊尚
  • 弱法師
    4.3
    叶わぬ恋こそ、うつくしい――能の演目に材をとり、繊細なまでに張りつめた愛の悲しみをとらえる作品集。 雨の気配を滲ませた母子に宿命的に惹かれ、人生設計を投げ捨てたエリート医師(「弱法師」)。 編集者の愛を得るために小説を捧げ続けた若き作家(「卒塔婆小町」)。 父と母、伯母の不可思議な関係に胸ふるわせる少女(「浮舟」)。 能のモチーフをちりばめ、身を滅ぼすほどの激しい恋情が燃えたつ珠玉の3篇。
  • 全部やれ。 日本テレビ えげつない勝ち方
    4.3
    ◎なぜ日本テレビは勝ち続けるのか?◎ 「1994年‐2003年、2011年‐2017年、視聴率トップ。 すべてはフジテレビを逆転した94年に始まった。」 1994年、日本テレビがフジテレビを逆転した――。 フジはそれまで12年間に渡り、年間視聴率三冠王者に君臨し続けてきた絶対王者だ。 対する日本テレビは1980年代に入り、在京キー局の中で三位が定位置になり、 ひどい時は最下位がすぐ背中に迫ることも。 テレビ草創期に黄金時代を築いた日テレは苦汁をなめ続けていた。 そんななか、30代を中心とした新世代の作り手たちが原動力となり「逆襲」が始まる。 “失敗”を重ねてきたテレビ屋たちは、いかにして絶対王者を破ったのか。 『投稿!特ホウ王国』『電波少年』『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』『THE夜もヒッパレ』『マジカル頭脳パワー!』『恋のから騒ぎ』など伝説的なバラエティ番組はいかに作り上げられたのか。 当時のクリエイターたちの証言からその奮闘の軌跡を追い、 今やテレビ界を支える日本テレビ「最強バラエティのDNA」に迫る。
  • イエス・キリストは実在したのか?
    4.3
    米国で一大センセーションを呼んだ衝撃の書 イエスは平和と愛を唱えた救世主ではなく、剣をとることも辞さない革命家だった――。〈ナザレのイエス〉の弟子たちが遺した文献、史料から、聖書には何が創作され、何が史実から落とされていったかを細密に分析。キリスト教がいかにして世界宗教へと飛躍したかを明らかにし、全米を震撼させた衝撃のベストセラー。解説・若松英輔
  • イチロー・インタヴューズ
    4.3
    シアトル・マリナーズでのデビュー試合。初めての首位打者のタイトルの獲得、リーグMVP、メジャー記録のシーズン262安打、WBCでの連覇、不調にあえぐ苦悩、弓子夫人の献身、日の丸への強い想いまで――。日本球界からメジャーへの挑戦が決まった2000年秋から2010年シーズン直前までの100時間を超えるインタビューを収録。イチローのすべてがこの一冊に!
  • モリカズさんと私
    4.3
    伝説の画家・熊谷守一に魅せられた四人が、それぞれの流儀で迫る。 映画『モリのいる場所』関連カラー写真多数収録。 没後40年を迎えた画家・熊谷守一。2017年12月から国立近代美術館で回顧展が開かれているほか、2018年5月には熊谷をモデルにした映画『モリのいる場所』(監督:沖田修一 出演:山崎努、樹木希林ほか)が公開される。写真家・俳優・映画監督・新聞記者がそれぞれの流儀でモリカズ・ワールドに迫った軌跡を綴った。 モリとの出会い 藤森武(写真家。1942年、東京都世田谷区生まれ。昭和37年、写真家土門拳に師事) 1974年から76年にかけて熊谷邸に通って写真を撮影した当時の思い出と秘話。 「モリ」日誌 山崎努(俳優。1936年、千葉県生まれ。数々の映画・テレビ・舞台で活躍する) 『モリのいる場所』の撮影日誌。エッセイの名手としても知られる著者が、「どう演じるか」について綴った。名著『俳優のノート』に連なる演技論としても読み応えがある。 撮影まで 沖田修一(映画監督。1977年、埼玉県出身。ほかに『南極料理人』『横道世之介』など) 映画『モリのいる場所』のクランクインまでの苦闘の日々をユーモラスに描く。 仙人に聞いた話 田村祥蔵(元新聞記者。1937年、新潟県生まれ。「私の履歴書」で熊谷守一を取材) 『へたも絵のうち』取材で聞いた珠玉の言葉を紹介しつつ辿る、モリカズさんの生涯と作品。
  • 羊と鋼の森
    4.3
    第13回本屋大賞、第4回ブランチブックアワード大賞2015、第13回キノベス!2016 第1位……伝説の三冠を達成! 日本中の読者の心を震わせた小説、いよいよ文庫化! ゆるされている。世界と調和している。 それがどんなに素晴らしいことか。 言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。 高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律の世界に魅せられた外村。 ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、成長していく青年の姿を、温かく静謐な筆致で綴った物語。 解説は『一瞬の風になれ』で本屋大賞を受賞した佐藤多佳子さん。 豪華出演陣で映画完成! 外村青年を山崎賢人、憧れの調律師・板鳥を三浦友和、先輩調律師・柳を鈴木亮平、ピアニストの姉妹を上白石萌音、萌歌が演じています。2018年6月8日公開。 「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」
  • 雑談藝
    4.3
    仏像を訪ねる『見仏記』シリーズ、武道館公演や映画化もされた大人気トークイベント『ザ・スライドショー』、展覧会の「仏像大使」活動などでおなじみのいとうせいこう&みうらじゅん。 旅に出るときの新幹線の車中でもずーっとしゃべりっぱなしの仲良し名コンビが、2016年1月から2017年5月まで放送していたラジオ番組「いとうせいこう×みうらじゅん ザツダン!」(文化放送)の中から、とくに面白かった雑談を選り抜いて書籍化。 乾電池の「単」とは何なのか? ♂♀マークの意味するものは? 新幹線で時刻通りに通過されてしまう三河安城駅って? お風呂でメガネは外すのか? 手にメモを取るのにふさわしい内容とは? 新婚さんにふさわしい間取りは? みうらじゅんの美髪の秘密とは? 三途の川は何級河川なのか? 理想の葬式とは? 死ぬときに言いたい最期の言葉は?……などなど、くだらなくて笑ってしまう雑談から「なるほど!」と感心する雑談まで、怒涛の74本を収録。 笑いの中に真理あり! 読めば身につく雑談力! 雑談上手になれる「雑談藝の極意十箇条」や、新幹線車内で隠しどりした「本気雑談」も収録。転がり続けるおしゃべりは誰にも止められない! ザッツ・トーキング・ロール!
  • 大日本史
    4.3
    博学無双の黄金タッグが幕末から太平洋戦争までの「日本の最も熱い時代」を縦横無尽に徹底討論。「日本とは何か」「日本人とは何か」が見える! この『大日本史』は、日本史を軸に世界史を考え、日本史との関連で世界史を理解する人びとの参考になることを願っている書物である。(「まえがき」より)
  • 「南京事件」を調査せよ
    4.3
    なぜ、この事件は強く否定され続けるのか? 戦後七十周年に下された指令は七十七年前の「事件」取材? 「知ろうとしないことは罪」と呟き、西へ東へ南京へ。 いつしか「戦中の日本」と、言論の自由が揺らぐ「現在」がリンクし始める……。 伝説の事件記者が挑む新境地。 解説・池上彰
  • 内田樹による内田樹
    4.3
    多数の著作から選ばれたベストワークス 内田樹の思想を知り、辿る上で欠かせない著作十一作を著者自らが解説する。 現在の日本と世界の問題を解くために重要となる一冊。 100冊を超える著書・翻訳書を刊行してきた著者。 自作自註の講義でとりあげられた『ためらいの倫理学』『先生はえらい』 『レヴィナスと愛の現象学』『街場の中国論』『日本辺境論』『「おじさん」的思考』 『昭和のエートス』『下流志向』などを論じる中で生まれた新たな思考が飛翔する一冊。 巻末に著者・翻訳者リストを収録。
  • 煩悩ウォーク
    4.3
    神戸のベッドタウンに生まれ、ボーイスカウト、チェッカーズ、おニャン子クラブ、ゾンビ映画やオカルトものにハマって育ち、17歳で高校中退。服飾専門学校に通いながら自分を探していた1995年1月17日、阪神・淡路大震災に遭遇(その時〇〇してた!)。それを機に上京し、ヒップホップな先輩たちのあとをついて歩いているうちに、『天才・たけしの元気がでるテレビ!!』のADという職を得て……。 学歴もコネもないけれど、青春にこだわった熱い番組作りに取り組みながら、業界の端っこを20年以上歩き続けてきたフリーのテレビディレクターが、キテレツな体験談の中から“鉄板エピソード”を選り抜いて一冊に。 地方ロケで地獄を見た話、女の子の部屋で警察を呼んだ話、ボーイスカウトで出会った恐怖のオカルト少年の話ほか、笑い話に噂話、猥談、怪談、失敗談……くだらないけど愛おしい「煩悩」丸出し青春特盛エッセイ。全部実話です! バナナマン、バカリズム推薦の1冊! 【目次】 第1章 煩悩ウォーク 新快速最終電車 パーフェクト ワールド ゲロ温泉 モラトリアムビート オールマン・ジジババ・バンド 7人のメーテル 僕とANIくん 僕とANIくんでバチェラー・パーティー Q2怪奇譚 フール・オン・ザ・ルーフ ベンジー セクシーパスポート 朱雀 ゾンビ・フォーエバー エンタメショック 第2章 僕の阪神・淡路大震災体験記 「えっ? 何? 何? 何?」 「阪神高速あれへんって!」 「うちに避難せーへん?」 「位牌だけでも取って帰ろうか……」 第3章 テレビマン・イン・ トーキョー 上京 天才・たけしの元気が出るテレビ!! ドサクサディレクター 全日本コール選手権 とにかく金がないTVとYOU BAZOOKA!!! 先輩と僕
  • 戦国 番狂わせ七番勝負
    4.3
    この結末、すべて想定外にして予測不能! 戦国時代に起きた、島津義弘、織田信長、真田昌幸など想定外、七つのストーリーを歴史小説界気鋭の作家たちが描く傑作短編集。 歴史に残るような戦国武将は、戦いに勝つべくして勝つのみにあらず。 時として味方は寡勢、敵は数倍という絶体絶命の場面を潜り抜けて来て、世に名を残したのだ。 織田信長、伊達政宗、浅井長政、島津義弘など七人の武将たちの驚愕の逆転の打開策を、当代きっての名手七人が描く、珠玉の短編アンソロジー。
  • 仲代達矢が語る日本映画黄金時代 完全版
    4.3
    これがプロフェッショナルの凄味! 名監督との出会い、伝説の俳優との撮影秘話から現在の映画界や芸談、役者論まで! 80歳を超えてなお活躍する役者 仲代達矢。映画史の生き証人ともいえる氏に、 岡本喜八、黒澤明、成瀬巳喜男、小林正樹ら名監督との出会いから 高峰秀子、原節子、夏目雅子、勝新太郎ら伝説の俳優との仕事、 そして現在の映画界に至るまで、 稀代の時代劇・映画史研究家 春日太一がインタビューし尽くした濃密な一冊! 文庫化にあたり新章「仲代達矢の現在地」を追加し、大幅加筆。 主演時代劇『果し合い』の現場ルポも収録。 【目次】 はじめに/文庫化にあたって 序 役者・仲代達矢の誕生 第一章俳優デビューと『人間の条件』 第二章黒澤明との仕事――『用心棒』『椿三十郎』『天国と地獄』 第三章京都の撮影所と時代劇――『炎上』『鍵』『股旅 三人やくざ』『切腹』 第四章仏の喜八――『大菩薩峠』『殺人狂時代』『激動の昭和史 沖縄決戦』 第五章成瀬巳喜男と木下恵介と女優たち 第六章海外進出、前衛、左翼、俳優座 第七章五社英雄と名優たちの情念――『御用金』『人斬り』『闇の狩人』『鬼龍院花子の生涯』 第八章黒澤明と勝新太郎――『影武者』『乱』 第九章小林正樹と日本映画の落日――『上意討ち』『怪談』、幻の『敦煌』 文庫版特典(1)仲代達矢の現在地 第一部 映画出演と舞台出演/第二部 役者論・芸談 文庫版特典(2)現場ルポ 時代劇『果し合い』での激闘 おわりに――仲代達矢(書き下ろし) 仲代達矢出演映画一覧
  • えほんのせかい こどものせかい
    4.3
    ミッフィーとパディントンの訳者が贈る絵本入門 長年、児童文学の翻訳や研究をし、アメリカと日本の図書館で数多の子供たちと接してきた著者が、「子供が読書の楽しさを発見する為に大人は何を手助けできるか」という事を解説したロングセラー。 読み聞かせのコツや優れた絵本を選ぶポイントを示し、子供が喜んだベスト三十四冊も紹介。 子供の成長における絵本の役割を楽しく教えてくれる絵本ガイド。 【紹介されている絵本】 「ぐりとぐら」 「ぐるんぱのようちえん」 「三びきのやぎのがらがらどん」 「ちいさなうさこちゃん」 「てぶくろ」 「あおい目のこねこ」 「かいじゅうたちのいるところ」 「スーホの白い馬」 「ちいさいおうち」 他多数
  • まほろ駅前狂騒曲
    4.3
    まほろ市は東京都南西部最大の町。 駅前で便利屋「多田便利軒」を営む多田啓介と、 居候になって丸二年がたつ行天春彦。 二人のもとに、かつてない依頼が…… それは、夏の間、四歳の女の子「はる」を預かること。 慣れないことに悪戦苦闘する二人に、忍び寄る「魔の手」! まほろ市内で無農薬野菜を生産販売する「家庭と健康食品協会」の幹部・沢村。 まほろの裏社会を仕切る、若きボス・星。 地元のバス会社・横浜中央交通(横中)に目を光らす岡老人。 彼らのおかげで、二人は前代未聞の大騒動に巻き込まれる! 文庫特典 短篇「サンタとトナカイはいい相棒」収録。 解説・岸本佐知子(翻訳家)。 太っ腹の全528ページ。見た目は「最厚」、中身は最高! 『まほろ駅前多田便利軒』『まほろ駅前番外地』に続く、 三浦しをんが心血をそそいだ「まほろシリーズ」 堂々の完・結・篇!
  • オレがマリオ
    4.3
    新しい光に満ちた第五歌集。 「電信柱抜けそうなほど揺れていた」震度7とはそういうことか 空腹を訴える子と手をつなぐ百円あれどおにぎりあらず 子を連れて西へ西へと逃げてゆく愚かな母と言うならば言え 東日本大震災発生当時、東京にいた著者が仙台の家に帰れたのは、4日後だった。余震と原発事故が落ち着くまでと思い、翌朝息子の手をひいて、西へ向かう。 醤油さし買おうと思うこの部屋にもう少し長く住む予感して 第三者的には「軟禁」とも言える車を持たぬ離島の暮らし 「オレが今マリオなんだよ」島に来て子はゲーム機に触れなくなりぬ 紆余曲折ののち、沖縄の石垣島に住むことになった親子。豊かな自然、地域の人々との密な触れ合いは、様々な変化をもたらした。 愛、発見、出会い――。かけがえのない石垣島の日々から生まれた第五歌集。 解説・松村由利子(歌人)
  • いのち愛しむ、人生キッチン 92歳の現役料理家・タミ先生のみつけた幸福術
    4.3
    「竈で煮炊きした大正の生家でも、子育てと仕事に奮闘した昭和の町屋でも、ひとり暮らしの平成のこのマンションでも、台所がいつも生活の中心にあります」(序章「人生のまんなかにキッチンを」より)。 九州で活躍する92歳の現役料理家桧山タミ先生。日本の料理研究家の草分けとして知られる江上トミ先生の愛弟子として戦前・前後と師事してきたタミ先生、初の著書。 台所に立つ女性の心の拠りどころになるお話が一冊にまとまりました。52歳で「桧山タミ料理塾」を開設し、現在まで50年の教えが詰まった人生の教科書的一冊です。 迷いや悩みがあるとき、この本を開いてみてください。ふと心に触れるタミ先生の「ほんとう」の言葉が生きる力につながるお守りになるはずです--。タミ塾の「いのちが喜ぶ愛情レシピ」も収録。
  • ストラディヴァリとグァルネリ ヴァイオリン千年の夢
    4.3
    音楽に疎い人でも、ストラディヴァリウスとグァルネリの名前は聞いたことがあるはずです。ともに、17~18世紀に活躍したヴァイオリン製作者です。 その銘器は、1挺数億円で取引され、スター・ヴァイオリニストは、必ずどちらかを使っているといっても過言ではありません。 しかし、この銘器たち、どこが他のヴァイオリンと違うのでしょうか? よくテレビで、1挺ウン千万円の銘器と、数十万円の普及品とを同じ奏者に弾かせて、どちらが本物の銘器かを当てさせる番組を放送していますが、かなり著名な音楽専門家でも、ものの見事に外しています。じつは海外でも、同じような試みは何度も行われています。しかも、本物のストラディヴァリを使い、聴き比べに参加した人たちも、世界一の楽器商であったり、スター・ヴァイオリニストであったりするのですが、これも見事に外しまくっています。そして、結論は、「ストラディヴァリと現代のものとの間に音色の違いはない」! 驚くべきは、その先です。そんな残念な結果が出たにもかかわらず、ストラディヴァリの相場は下がるどころか上がる一方だったのです。 こんなことが、なぜ起きるのでしょうか? 音楽プロデューサーである筆者は、世界に広がるヴァイオリン製作者、ヴァイオリニスト、弦楽器商の人脈を駆使して、この謎に挑みます。とくに、筆者自身がかかわった銘器の取引の実態、または、これまでほとんど知られていなかった贋作の歴史と「作り方」は、驚くべき内容です。 ストラディヴァリとグァルネリの人生、2つの銘器を使った名人たち、ヴァイオリン成立の歴史とその構造、奇人としか言いようのないコレクターたちの人生など、基本事項もしっかり押さえられていますし、貴重な「本物の鑑定書」も図版で紹介しています。 音楽ファンも、そうでない人も、最後まで一気に読みきってしまうこと請け合いです。
  • 月山・鳥海山
    4.3
    1巻896円 (税込)
    いまも読み継がれる、芥川賞史上最高作と名高い小説 出羽の霊山・月山の山ふところにある破れ寺に、ひとりの男がたどりつく。炉ばたでひたすら割り箸を作り続ける寺の男、女たちによる念仏のあつまり、庭を見せようと豪雪にもかかわらず雪かきにはげむ老人……。雪に閉ざされた山間のむらで、不思議な村人たちと暮しをともにするこの男が知った此の世ならぬ幽明の世界。芥川賞受賞作「月山」と、その姉妹篇ともいうべき「天沼」、著者の〈月山への道〉が浮き彫りにされる短篇集「鳥海山」を収録。 【目次】 月山  月山  天沼 鳥海山  初真桑  鴎  光陰  かての花  天上の眺め 解説 小島信夫
  • 指揮官の決断 満州とアッツの将軍 樋口季一郎
    4.3
    ユダヤ人「命のビザ」救出劇はもう一つ存在した! リトアニアの外交官、杉原千畝(ちうね)が逃げてきた約六千人ものユダヤ人難民に対して特別ビザを発給し、その命を救った救出劇は多くの人に知られている。 しかし、その二年半前、満州のハルビン特務機関長だった樋口季一郎が、ナチスの迫害からソ満国境の地まで逃げてきたユダヤ人難民に対し特別ビザの発給を実現させた「オトポール事件」は歴史の中に埋没してしまった。 そのユダヤ人救出劇から5年、北方軍司令官となっていた樋口は札幌・月寒の軍司令部にいた。 彼の指揮下にあるアッツ島には無数の米軍上陸部隊が押し寄せていた。樋口は現地軍に対して一度は「増援部隊」を送ることを伝えた。しかし大本営の決定により、増援部隊の派遣は中止となる。樋口は涙を流しながら、その命令を現地に伝えたという。 アッツ島は玉砕。かつて満州の地において多くのユダヤ人を救った男は部下の命を助けることができなかった。オトポール事件の立役者は「日本初の玉砕戦の指揮官」という汚名をかぶることとなってしまう。 本書は運命に翻弄された元陸軍中将、樋口季一郎の生涯を追ったノンフィクションである。
  • 「公益」資本主義
    4.3
    四半期決算を廃止せよ! 長期保有株主を優遇せよ! 日本が新しい経済ルールをつくる! 日本が率先して「21世紀の新しい資本主義=公益資本主義」を世界に示すべきだ――確信をもってこう断言するのは、「理論や理想ばかりを説く経済学者」でも、「資本主義に反対する社会主義者」でも、「海外を知らない国粋主義者」でもありません。最も競争の激しいビジネスの本場、米国シリコンバレーで、数々の成功を収めてきた「最強のベンチャー事業投資家」です。 著者の原丈人さんは、考古学研究の資金稼ぎのため米国のビジネススクールに通い、さらに先端工学も学んで起業。大成を収めました。その資金をもとに新技術を創出する数々の企業の起業・経営に参画し、シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタリストとして活躍しました。 そんな経験から、米国流ビジネスの限界と問題点を身をもって知っているのです。 株主優先、四半期決算、時価会計、社外取締役制度など、「会社は株主のもの」とみなす「米国流の株主資本主義」の導入が「改革」と称されていますが、むしろ弊害を生んでいます。「会社は株主のもの」という考えでは、投資や経営が、短期利益重視となり、新技術開発にまわすべき中長期資金や、真にリスクをとる投資が不足してしまいます。 税制や金融のルールを改めることで、マネーゲームに回っている資金を中長期投資へと導くことこそ、「公益資本主義」が目指す「成長戦略」です。中長期経営を重視する日本型経営こそ、「公益資本主義」の雛形。米国を反面教師にし、今こそ日本が新しい資本主義のルールを示すべきなのです。
  • ルポ 絶望の韓国
    4.3
    朝鮮人は三人集まれば、四つの政党をつくる(スターリン) 利己主義――ひと言で言えばそうなるかもしれません。冒頭に紹介されるスターリンのエピソードは秀逸です。朴槿恵大統領の弾劾・罷免・逮捕に見られた政治的、社会的なうねりは、まさにそうしたメンタリティーが表出したものです。 また、500年続いた李氏朝鮮時代にはぐくまれた「両班になりたい」という感情も、あらゆるところで顔を出します。「現代の科挙」とも呼ばれる度を越した受験戦争や、誰しもが一度は国会議員になりたいと考える社会風土など、ひとつひとつが社会を歪ませているのです。 これは「嫌韓本」ではありません。韓国を愛し、理解しようとつとめてきた筆者が見た、ありのままの韓国のルポルタージュです。 筆者は朝日新聞の外信記者として長年、韓国とかかわり、現在はソウル支局長として日々の取材にあたっています。 その筆者にして、今の韓国は、「病理」とも呼べる状況に陥っているとしか見えないところに、本書のテーマの深刻さがあります。 風雲急を告げる北東アジア情勢において、韓国を理解するための絶好の1冊。 【目次】 第1章 政治 スターリンは言った。「朝鮮人は三人集まれば、四つの政党をつくる」 第2章 歴史 背後にちらつく北朝鮮の影と日ごとに細る日韓のパイプ 第3章 経済 韓国全土に広がる不況と埋まらぬ格差 第4章 教育 壮絶なまでの学歴競争社会 第5章 社会 地縁・血縁・人脈が支配する世界 第6章 軍事 韓国の「三戦術」は、北朝鮮の「三つの切り札」に対抗できない 第7章 外交 米国と中国という二大国に挟まれ、身動きが取れない韓国外交
  • 美味礼讃
    4.3
    彼以前は西洋料理だった。彼がほんもののフランス料理をもたらした。 昭和35年、辻調理師学校の若き副校長・辻静雄はフランス料理の事典『ラルース・ガストロノミック』に出会い、フランス料理に魅了され、それがどういうものなのかどうしても実際に知りたいと熱望するようになった。 当時日本では材料や技術の問題から本格的なフランス料理を出す店はなく、ついに辻静雄は9週間のフランス旅行に出る。実に100軒のレストランに足を運び、その舌にほんもののフランス料理の味を記憶させ、帰国後はその味、その技術を辻調理師学校の教員、生徒たちに情熱をもって教えてゆく。 その料理への飽くなき探究心と情熱は、日本人のみならず、ミシュランの星をもつ名店の主人やシェフたちをも動かし、日本のフランス料理を格段に飛躍させた。 ポール・ボキューズをもって「シズオはフランス人よりフランス料理のことをよく知っている」と言わしめた、辻調理師専門学校の経営者、世界的な料理研究家であった辻静雄の伝記小説。
  • 政治の眼力 永田町「快人・怪物」列伝
    4.3
    政治を動かしているのは「イデオロギー」でも「政策」でもない。「人」だ。 政治は、ルールがあるようでいてルールのない世界、組織立っているようでいて組織立っていない世界、 理屈だけでは通用せず、運と実力がすべてを支配する世界。 だからこそ、政治に緊張が生まれ、政治家の個性がますます引き立つ。 本書に登場するのは、安倍晋三から菅義偉・二階俊博まで、いずれも今日の日本を動かす政治家25名。 著者は、これまで政治家や官僚たちの貴重な証言を記録に残してきた「オーラル・ヒストリー」の第一人者。 TBS「時事放談」の司会も務め、生の政治家にこれほど会ってきた政治学者は他にいない。 その著者が、それぞれの政治家に「一対一」の真剣勝負で直接会い、その人物の核心にズバッと迫る。 これを読めば日本の政治が断然面白くなる! (目次) ■安倍政権とは何か――麻生太郎、山口那津男、谷内正太郎、菅義偉、甘利明、安倍晋三 ■自民党の力の秘密――古賀誠、野中広務、脇雅史、細田博之、高村正彦、二階俊博 ■チャレンジャーの資格――石破茂、細野豪志、岡田克也、岸田文雄、谷垣禎一、小渕優子、舛添要一 ■失敗の研究――仙谷由人、与謝野馨、小沢一郎 ■清和会とは何か――森喜朗、小泉純一郎、福田康夫
  • 夢をまことに(上)
    4.3
    江戸時代に空を飛ぼうとした男がいた! 近江国友の鉄砲鍛冶の一貫斎は旺盛な好奇心から、失敗を重ねながらも反射望遠鏡を日本で最初に作り上げる。 「日本のダ・ヴィンチ」と呼ばれた男、稀代の発明家の生涯。 直木賞作家、山本兼一さんの遺作が文庫で登場。 近江国友村の鉄砲鍛冶である一貫斎は村の訴訟に巻き込まれ江戸に出ることになった。 太平の世に鉄砲の注文は減り、村は景気が悪く寂れた状況にあった。 江戸に出た一貫斎は持ち前の好奇心で交友を広げ、オランダ渡りの新式鉄砲の修繕を依頼される。 見事に鉄砲を直した一貫斎は独自の工夫によって改良型まで作ってしまう。
  • 火山で読み解く古事記の謎
    4.3
    なぜ古事記は火山地帯をおもな舞台としているのか? 古事記における大きな謎のひとつは、九州南部と出雲の二か所が神話の舞台として繰り返し登場することです。 その謎をとく鍵は、その二か所が日本列島で有数の火山エリアであるというシンプルな事実から見出されるのではないでしょうか。 縄文時代の半ばごろの今から7300年前、鹿児島県の南端の沖合いで「鬼界カルデラ大噴火」という、噴煙の高さが海抜43キメートルにもおよんだと推定される、すさまじい規模の噴火がありました。日本史上、いや、この一万年間では地球上で最大の噴火ともいわれる規模でした。 その巨大な火山噴火に遭遇した縄文時代の人々の、驚きや畏怖の感情が、古事記神話の「種」になったのではないか? そう思い描いてみると、神々の物語はまったく違った相貌を見せてくれます。 地質学データ、文献、足で集めた情報をもとに古事記神話の謎に挑戦する意欲作! 火山と古事記を結びつける本や論文を紹介するガイドブックであり、九州、出雲、熊野という古事記神話の舞台への旅にいざなうガイドブックです。 <目次> 第一章 アマテラスと縄文時代の巨大噴火 第二章 出雲――八雲立つ火山の王国 第三章 縄文時代に出現した天孫降臨の山 第四章 女神イザナミ――黄泉の国は火山の国か 第五章 熊野――謎の巨大カルデラの記憶 第六章 大地を鎮める王――永遠に遍歴するヤマトタケル 終章 日本列島における火山の記憶
  • 漱石の印税帖 娘婿がみた素顔の文豪
    4.3
    漱石をめぐる「謎」の数々を書いた名著が、没後百年のいま、よみがえる。 日本近代文学の巨匠でベストセラー作家、夏目漱石。 その没後、夏目家にのこされた印税覚書をもとに、一連の作品の部数を調べてみると……? 漱石愛用の万年筆をめぐる、不思議なエピソードとは? 漱石最晩年の門下生にして、漱石の長女、筆子と結婚した著者だから描くことのできた漱石の思い出、漱石山房での木曜会の様子、、そして芥川龍之介、久米正雄、鈴木三重吉、菊池寛など漱石をとりまく作家たちの素顔。 漱石関連の八篇と、「新思潮」時代の回想二篇を納めた随筆集。
  • 漢和辞典的に申しますと。
    4.3
    「ピラフ」を漢字で表すと? 「木枯らし1号」というのに、なぜ「春一番」? 猫好きが高じて“肉球”を1文字で表す漢字を探してみたら……。そして何やらエロチックな妄想をかき立てる「嬲(なぶ)る」という漢字をたびたび使ったあの文豪とは!? 漢和辞典編集者が漢字に関する様々な“面白いこと”を詰め込んだ、おもちゃ箱のようなコラム集。読んで楽しくためになる百六十話。※この作品では、ご覧になるビューワーによって、一部の表示や動作に差が出ることがあります。
  • 花柳界の記憶 芸者論
    4.3
    花柳界、芸者、三業地……文字としては馴染みがあっても、実態は殆ど知られていない世界。長年新橋演舞場に身を置き、数々の名妓たちと親交のあった著者が、芸者の成り立ちから戦前、戦後の東京の花柳界全盛の時代までの歴史と変貌を細やかに描写。処女作にして和辻哲郎文化賞を受賞した、画期的日本文化論。
  • 直面(ヒタメン)三島由紀夫若き日の恋
    4.3
    多くの假面を纏い、読者の前で華麗に舞い、駆け抜けた三島由紀夫。その若き日には、一人の女性との知られざる恋愛の季節があった。『金閣寺』執筆前後の作家の全盛期を共に生き、しかし思い出を固く封印した女性が、半世紀を経て始めて恋の顛末を著者だけに語った。従来の三島像を一新する歴史的証言を文庫化。解説・中江有里
  • 戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実
    4.3
    教科書が教えない「二つの世界大戦の真実」! 「歴史修正主義」とは戦前の日独を全面肯定する歴史観のことではありません。米英の外交に過ちはなかったのか、あったとすれば何が問題だったのか。それを真摯に探る歴史観のことです。 「公式の歴史」ではベルサイユ体制と国際連盟体制を破壊した枢軸国(日独伊)の他国への侵略が第二次大戦の原因と説明されますが、実は英米参戦の「必要」や「理由」は後からでっち上げられました。 ヒトラーによるユダヤ人抹殺は絶対に許されませんが、ナチスのユダヤ人差別が戦争の原因ではありません。 ベルサイユ体制の不条理、チェンバレンの愚策(ポーランドの独立保障)、ポーランドの頑なな対独外交こそ、大戦の真の原因でした。 「ヒトラーはどん底のドイツ経済を立て直した」 「オーストリア国民はドイツへの併合を熱烈に歓迎した」 「借金に追われていたチャーチルにとって、ナチス台頭は絶好のチャンスとなった」 などと、本当のことを言ってしまうと、連合国が作り上げた戦後体制の正当性が崩れてしまうのです。 二つの世界大戦は必要のない戦争だった。とくに第二次大戦はチャーチルとルーズベルトがいなければ起らなかった――。 本書は二つの世界大戦の真実に迫ります。 ●目次● 第一章 第一次世界大戦の真実 第二章 第一次世界大戦後の歴史解釈に勝利した歴史修正主義 第三章 ドイツ再建とアメリカ国際法務事務所の台頭 第四章 ルーズベルト政権の誕生と対ソ宥和外交の始まり 第五章 イギリスの思惑とヒトラー 第六章 ヒトラーの攻勢と、ルーズベルト、チェンバレン、そしてチャーチル 第七章 ヒトラーのギャンブル
  • 口腔医療革命 食べる力
    4.3
    健康長寿のカギは「食べる力」にあり! 医療は日々進歩し、日本人の平均寿命はどんどん延びている。ところが医療の現場で犠牲になっているものがある。 それは「食べること」だ。 多くの専門医は自分の分野を優先するので、「食べること」は時として治療の邪魔になる。そのため専門分野の治療を優先する医師が、患者に「食べさせない」選択をしてしまうのだ。食べることが少しでも危険だと判断されると、食事はほとんどが流動食、点滴。ひどい場合は、経鼻経管栄養や胃ろうにされてしまう。なぜ、こんなことが起こるのだろうか? 実はいまの医師は教育課程において「食べること」を勉強する機会がない。 そもそも食支援に重要な役割を果たす「口腔機能」の専門家がいない。「口腔」とは口の中から喉までの器官。人間の体の中で、口と歯だけは医科でなく、歯科が担当する。口腔内のがんやできものは歯科の口腔外科が担う。ところが口腔の外科医はいても、機能の低下や障がいを治療・改善する内科の専門家が全くの不在なのだ。 医療から見放されている「口腔機能」だが、人間が生活していく上で、このうえなく重要な器官なのだ。「食べる」「喋る」「笑う」という、人間の健康にとって最も重要な行為を支えているからである。 本書では「食べる力」の重要性を、実例を交えて紹介するとともに、健康に老後を過ごすために必要な対処法や、自宅で簡単にできる「口の力」リハビリ法もイラスト入りで紹介します!
  • 生き返るマンション、死ぬマンション
    4.3
    憧れのマンション・ライフを楽しみながら、いざというときは売却して利益を手にしよう――そんな心積もりでマンションを購入した人も多いでしょう。しかし、現実はそうなりませんでした。 国の推し進めた無茶な住宅政策のおかげで、最初こそローンは楽でしたが、金利はどんどん高くなり、ローンはきつくなるばかり。さらに、不動産市況の低迷で、資産価値は落ちる一方で、築年数によっては大規模修繕や建替えをしなければ資産価値はなくなるというのですが、そんなお金はどこにもありません……。 住宅ローン破産が増え続けるなか、今、マンションを売ってもローンは残り、住むところがなくなるだけです。「下流老人」という言葉に胸をしめつけられる人も増えています。 もはや我々庶民は、苦しみ続けるしか手がないのでしょうか。 そんなことはありません! 「庶民の味方」荻原博子さんが日本各地のマンションを徹底取材して、あなたのマンションを「お宝」に変える手立てを探してきました。たとえば京都の外れの、築41年という中古物件でありながら、何と買った時より2割から5割も価値が上がったマンションがあるのです。 詳しくは本書をお読みいただくとして、ここに紹介されている手法は、どれもあなたのマンションで実現可能なものばかりです。 マンション大崩壊の時代に、一筋の光明が見える。それが本書です。
  • 量子物理学の発見 ヒッグス粒子の先までの物語
    4.3
    ギリシャ以来、物質の最小の構成単位への人類の探求は、 原子核とそれをまわる電子というモデルまでいきつく。 しかし、1912年のある日、 物理学者のニールス・ボーアは気がつく。 なぜ、電子は原子核に墜落しないのか? まったく新しい物理学が誕生した瞬間だった。 人類の極小を探る旅は、加速器というものさしを得て進歩する。 それは宇宙の始まりを解き明かす旅になった。 アメリカのフェルミ研究所で加速器を使い、 極小の世界を追い求めたノーベル賞物理学者が、 この新しい物理学の誕生から現在そして未来を綴る 【目次】 第一章 宇宙の始まりを探る旅 第二章 その時、ニュートン物理学は崩れた 第三章 世界は右巻きか左巻きか 第四章 相対性理論の 合法的な抜け道 第五章 初めに質量あれ 第六章 何もないところになぜ何かが生まれたのか? 第七章 星が生まれた痕跡 第八章 加速器は語る 第九章 ヒッグス粒子を超えて
  • 選ばれし壊れ屋たち
    4.3
    壊れても生き続けろ 新人作家の三崎小夜は、次回作が書けずに悩んでいた。 担当編集者からの宿題は、なぜかBL小説を読むことだった。 自称クリエイターの元彼。自意識過少な恋に熱き先輩。自我崩壊気味な人気漫画家。 ちょと壊れた周囲の人たちに翻弄されながら、戦う快楽に目覚めるまでの成長物語。
  • 「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄
    4.3
    10万人を動かした中国最大の民主化勢力幹部 逃亡2万キロの全記録。まさに現代の『水滸伝』だ。 巨額の贈収賄や不正ビジネスが横行する中国共産党、資産隠匿に手を染める高級幹部たち……。腐り切った現体制に業を煮やした共産党若手エリートは、社会問題を考える人々の食事会に参加したのをきっかけに、次第に体制改革運動に身を投じてゆく。 著者らを待ち受けていたのは、国内安全保安局(いわゆる秘密警察)による監視、尾行、盗聴だった。そして逮捕、監禁、拷問すれすれの非人道的な取り調べ……エスカレートする弾圧から逃れるため、彼らは家族も捨てて逃亡を開始する。 中国国内には当局の厳重な監視をかいくぐって民主化シンパたちの地下ネットワークが張り巡らされている。か細い糸をたどって潜伏先を探すが、すぐに当局の包囲網が彼らを追い込む。 逮捕された後、当局の取り調べは熾烈を極める。自白しない著者の前に、妻まで連れてこられ、強烈なプレッシャーをかけられた。運良く獄から出られても、監視の目はつきまとう。 息詰まるようなサスペンスが次から次へとやってくる中、それでも彼らは逃げ続ける。チベット、香港、ミャンマー、タイ……。拠点を移しながら活動を続け、ときおり北京にもこっそり戻り、体制改革へのアピールを続けてゆく。再び捕まったら一巻の終わり。ボロ雑巾のようになるまで人間性を破壊され、闇に葬られる。 祖国の民主化のため、凄まじい人権侵害と闘い続ける英雄豪傑たちの群像。
  • 世界を変えた10人の女性 お茶の水女子大学特別講義
    4.3
    近現代において大きな足跡を残した10人の女性たち。その生涯と業績について、著者が名門女子大で講義した上で、学生たちと徹底討論! 取り上げられたのは以下の女性たち。 ミャンマーの民主活動家アウンサンスーチー 「ザ・ボディショップ」を起業したアニータ・ロディック インドで救済活動に身をささげたマザー・テレサ アメリカの女性解放運動リーダー、ベティ・フリーダン イギリスの元首相マーガレット・サッチャー 近代的な看護の概念を生み出したフローレンス・ナイチンゲール 物理学者・化学者マリー・キュリー 国連難民高等弁務官、緒方貞子 環境保護活動家ワンガリ・マータイ 元GHQ職員ベアテ・シロタ・ゴードン ※このコンテンツは文庫版に使用されている写真の一部が掲載されていません。
  • 21世紀の戦争論 昭和史から考える
    4.3
    いまこそ歴史を武器に変えるとき! 「歴史が人間によってつくられる限り、われわれはまた、同じような判断ミスを犯すだろうし、似たような組織をつくる」(半藤一利) 「戦後70年が経って、戦争が遠くなったのではなく、新たな戦争が近づいていると感じています」(佐藤優) 昭和史研究とインテリジェンスの第一人者が、731部隊、ノモンハン事件、終戦工作、昭和陸海軍と日本の官僚機構・・・昭和史の中に組み込まれている悪の構造を顕在化させることに挑んだ。 目次 第一章  よみがえる七三一部隊の亡霊 第二章  「ノモンハン」の歴史的意味を問い直せ 第三章  戦争の終わり方は難しい 第四章  八月十五日は終戦ではない 第五章  昭和陸海軍と日本の官僚組織 第六章  第三次世界大戦はどこで始まるか 第七章  昭和史を武器に変える十四冊
  • がん 生と死の謎に挑む
    4.3
    そもそも、がんとはいかなる病気なのか。 がん本質論に真っ向から取り組んだNHKスペシャルなど4本の番組の情報量が詰まった一冊。がんについて知っておくべき基本的事実と、がんについて考えるときにおさえておくべきポイントが、すべて織りこまれていると自負する著者の自信作。 また、自身の膀胱がん体験記「僕はがんを手術した」も収録。当事者ならではの視点で、がんという「人類最大の敵」に対峙する。
  • アイドル受験戦記 SKE48をやめた私が数学0点から偏差値69の国立大学に入るまで
    無料あり
    4.3
    東進ハイスクール講師・安河内哲也氏推薦! 「人間なんていつだって変われる。ゼロからでもやればできる!」 ――その日私は髪を切り、スマホをガラケーに替えた。 アイドルグループSKE48の五期生に合格したのは中学三年生の秋だった。 小学生時代から習ったダンスの実力が功を奏し、同期で最初に選抜メンバーいり。 紅白出場も果たして充実した毎日だった。 しかし……忙しくて学校にはほとんどいけない。 悩んだ末に大学進学を決意し、高2の冬にSKEを卒業した。 だが、進級さえ危ぶまれた成績は壊滅的。 髪をバッサリ切り、スマホをガラケーに変え、一日十数時間の怒涛の受験勉強が始まった! だが、高3の6月、模試の数学は0点だった……。 そして迎えたセンター試験。 受験は、青春だ! カバー・扉などに撮り下ろしフォトを収録。 アイドル時代の自撮り写真など貴重なプライベートショットや、テスト成績表も掲載!
  • 中国4.0 暴発する中華帝国
    4.3
    2000年以降、中国は三度、その戦略を転換してきた。 「チャイナ1.0」 =平和的台頭 「チャイナ2.0」 =対外強硬路線 「チャイナ3.0」 =選択的攻撃 来たる「チャイナ4.0」とは、どのような戦略なのか? そして日本がとるべき道とは。 戦略論の分野で世界的な名声を確立した本物のストラテジストが語る。 戦略家ルトワックのセオリー ・大国は小国に勝てない ・中国は戦略が下手である ・中国は外国を理解できない ・「米中G2論」は中国の妄想 ・習近平は正しい情報を手にしていない ・習近平暗殺の可能性 ・日本は中国軍の尖閣占拠に備えるべし
  • 小泉純一郎独白
    4.3
    小泉純一郎はいま、どんなことを考えているのか? 政界引退後もなお、その記憶が語り継がれ、人気の衰えも知らぬ元総理。 総理官邸を後にして10年、初めてロングインタビューに応じ、 ノンフィクションライターと向かい合った4時間半。 安倍政権、野党再編、原発ゼロ、闘争の作法、盟友との決別、息子・孝太郎と進次郎、我が「余生」……。 「小泉純一郎にオフレコなし」 一年生議員の頃から永田町界隈の記者たちの間でそう謳われただけあって、ロマンスグレーの男はざっくばらんに語った。 小泉純一郎は過去をどう総括し、どんなニッポンの未来を構想しているのだろうか──。 ●「原発は安全、安い、クリーン。これ全部ウソだ」 ●「選挙に弱い政治家は圧力に弱いんだよ」 ●「酒と女は二ゴウまでって(笑)」 ●「小沢一郎は橋本龍太郎より面白かったな」 ●「俺なら原発ゼロを総選挙の争点にする」 ●「安倍さんは全部強引、先急いでいるね」 ●「議員やめてから靖国に一度も行ってないよ」 ●「自民党は総理に何言おうが自由だった」 ●「進次郎の結婚は四十過ぎでいいよ」 ●「政界っていうのは敵味方がすぐ変わるんだよ」 ●「『女性遍歴を書いてください』って言われる(笑)」
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち
    4.3
    2016年3月公開 映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』原作 世界中が、アメリカ発の住宅好況に酔っていた2000年代半ば、そのまやかしを見抜き、世界経済が破綻する方に賭けた男達がいた。投資銀行、格付機関、米政府の裏をかき、彼らはいかに世紀の空売りと呼ばれる大相場をはったのか。『マネー・ボール』の著者マイケル・ルイスが世界同時金融危機の実相を描く痛快ノンフィクション。解説・藤沢数希 電子書籍では、マイケル・ルイス氏が映画化の経緯や、その見所について述べた「映画化記念 著者特別エッセイ」を収録。
  • 安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生
    4.3
    驚異の「26期連続増収増益」ドンキホーテはいかにして生まれたか? 今年6月期には売上高約6500億円となり、ついに三越伊勢丹を抜いたドンキホーテ。同社を率いてきた安田隆夫CEOは、普通の企業人とは大きく異なるユニークな経営哲学の持ち主だ。若い頃、安田氏は麻雀やパチンコで食いつなぎ、29歳の時、東京・荻窪でディスカウント店「泥棒市場」を始める。 しかし商品は売れず、仕入先には騙され、たった1人で思い悩む日々……。ある晩、遅くまで商品を荷解きしていると、飲み会帰りのサラリーマンが「それ、買える?」と声をかけてきた。都市部では夜型生活の客が多くおり、深夜にこそ売るチャンスが転がっていることに気づいた。それがドンキの始まりだった。 だが、すこし油断すると売り上げはたちまち落ちてしまう。社内管理を強化し、厳しい営業目標を課したが、それでも衰退は止まらない。そこで安田氏は思いきった策に出る。 1)現場にすべて権限を委譲。仕入れから値付けまで現場にやらせ、上は口を出せない。 2)営業目標は各個人に立てさせる。徹底的な成果主義。 このように安田氏は難題に直面するたび、常道とは「逆張り」の視点をもち、それをとことん突き詰める。本人の言葉でいえば「はらわたで考えなければ、真のブレークスルーは生まれない」。 波乱万丈の人生物語で一般読者を引きずり込み、独自の経営哲学でビジネスマンも唸らせるユニークな半生記。
  • バーニング・ワイヤー(上)
    4.3
    人質はニューヨーク! リンカーン・ライム・シリーズ 電力を操作して殺人を繰り返す凶悪犯を追うリンカーン・ライム。だが天才犯罪者ウォッチメイカーの影が…人気シリーズ第9弾。
  • てんきち母ちゃんの 朝10分、あるものだけでほめられ弁当
    4.3
    冷蔵庫にあるモノだけ、10分で完成! 三人の子どもたちに毎日お弁当を作り続けてきた超人気ブロガーてんきち母ちゃんこと井上かなえさんの弁当術!レシピ数約200掲載! 豚の薄切り肉、鶏肉、キャベツ、ジャガイモ、にんじん、玉ねぎ・・・など、いくつかの、冷蔵庫などによくある素材だけで、いかに豊富な弁当バリエーションを作り分けるかにこだわった弁当レシピ本。電子レンジ、魚焼きグリル、フライパンなどの同時活用で、朝10分でラクラク作れるのに、 味にも見た目にもシビアな、中高生女子にも「おいしい、かわいい~」と、喜ばれるお弁当ばかり。
  • エイズ治療薬を発見した男 満屋裕明
    4.3
    「死の病」と恐れられたエイズ。その治療薬を世界で初めて開発したのは日本人だった!  熊本大学医学部を卒業し、アメリカの国立衛生研究所に勤務していたときの快挙である。リスクの高い研究に生命を賭して取り組んだ日々、巻き込まれた特許紛争など、いまやノーベル賞候補ともいわれる研究者の半生を描いたノンフィクション。
  • おいで、一緒に行こう
    4.3
    東北大震災、福島原発20キロ圏内のペットレスキュー 取り残された犬や猫たちを救出すべく、女性ボランティアが無人地帯に潜入する。なぜ…? 人間とペットの、いのちの意味を問う名著。
  • 孤愁〈サウダーデ〉
    4.3
    「父が精魂を傾けながら絶筆となってしまったこの作品を、必ずや私の手で完成し父の無念を晴らすつもりだ」――その公約を果たすためには、30余年の歳月が必要であった。本書は、「孤愁(サウダーデ)」を毎日新聞連載中に新田次郎氏が急逝、未完に終わった作品を息子である藤原正彦が書き継いで完成させた。ポルトガル人ヴェンセスラオ・デ・モラエスの評伝である。 「孤愁(サウダーデ)」とは、「愛するものの不在により引き起こされる、胸のうずくような思いや懐かしさ」のこと。軍人で、外交官で、商人で、詩人でもあったモラエスは、在日ポルトガル領事もつとめた。日本人のおよねと結婚、およね亡き後は妻の故郷である徳島に住み、その生涯を終えた。あまり知られていないが、モラエスの遺した詳細な日記や日本を題材にした作品が、日本の素晴らしさ、日本人の美徳を世界に知らしめ、「もう一人の小泉八雲」といわれている。 精緻で美しくも厳しい自然描写の新田次郎ファン、日本人の誇りと品格を重んじる藤原正彦ファン、双方の期待に応える一冊。
  • 蚤と爆弾
    4.3
    1巻600円 (税込)
    戦争の本質を直視し、曇りなき冷徹さで描かれた傑作! 大戦末期、関東軍による細菌兵器開発の陰に匿された、戦慄すべき事実とその開発者の人間像を描き、戦争の本質に迫った異色長篇小説。
  • 理系クン イクメンできるかな?
    完結
    4.3
    理系男子と文系女子の間にある暗くて深い河を越え、夫婦となったN島クンと漫画家のえり子。長女が誕生し、「仕事と家事と育児……ちゃんとできるかな?」と不安がるえり子に、N島クンは「大丈夫! えり子が仕事とか病気のときはボクが育児をする」と、堂々のイクメン宣言! ネット(主に2ちゃん?)で育児情報を勉強しまくって、“ママと互換性のあるパパ”を目指して大奮闘するN島クンにえり子はタジタジ……。 そして第二子の男の子がお腹にやってきた! それを知った翌日、N島クンはソッコーで会社の上司に育児休業のお願いをして、なんと6カ月もの育休をゲット! 理系クンのイクメン生活、果たしてどうなる!? パパの理系脳を受け継ぐ長女ハルカ、笑いの沸点が低いニコニコ長男カオル。かわいい家族が増えてますます盛り上がる爆笑&感動のコミックエッセイ「理系クン」シリーズ第4弾、ついに登場!
  • 崖っぷち侍
    4.3
    本屋が選ぶ時代小説大賞2014「異国合戦」より面白い! 理不尽な形で主家を滅ぼされた下級武士・金丸強右衛門。戦国から江戸に世の中が変わっても逞しく生きる道を探す新しい武士像を描く!
  • 誰をも少し好きになる日 眼めくり忘備録
    4.3
    晴れの日はカメラを持って40年通い続けている浅草の街へ。雨の日は家で作業をしながら、記憶をさかのぼり、生まれ故郷や、異国の人々との出会いと別れに思いを馳せる……。市井の人々を撮ったポートレイトで世界的な評価を受ける写真家である著者が、その透徹した感性と文章で綴る珠玉のエッセイ集。
  • 韓国「反日」の真相
    4.3
    過激化する韓国の反日活動はとどまるところを知らない。 しかし、その一方で、村上春樹や東野圭吾は人気小説ベスト5にランクインし、推理・ホラー部門の販売数量の実に44%を日本の書籍が占めている。 ユニクロも、日本産ビール・日本酒も、日本風居酒屋も「メイド・イン・ジャパン」は大人気だ。 こうした二面性はなぜ生まれたのか? なぜ韓国人の心理や行動は理解しがたいのか? それは韓国人独特の意識構造に深く根ざすものだった──。 反日ロビー活動から中国コンプレックスまで、新聞コラムで「韓国で取材していて『うんざりだ』と思うことが多くなった」と書いたソウル支局長が「真実のコリア」に迫る。 気鋭のジャーナリストによる全く新しい韓国論の登場。 【目次】 はじめに 第一章 自覚なき反日 見えない「反日」/不買運動とユニクロ/慰安婦問題の「国際化」 第二章 「正しさ」とは何か 国際約束より「正しさ」/毎月出る違憲判決/慰安婦と鉤十字 第三章 反日の暴走 強者への甘えと反発/半分だけの「世界」/ 趣味の世界だけになった日本留学 第四章 大国にはさまれた悲哀 認めてもらえないことへの不安/世界の中心に立ちたい /ハングル普及の夢 第五章 中韓接近の心理 逆転した対中意識/新たなキーワード「人文」/韓国取り込みに走る中国 終章 韓国に幻想を抱いてはならない あとがき
  • 無人暗殺機 ドローンの誕生
    4.3
    卑劣な殺人マシンか、素晴らしき兵器か? 無人偵察機からテロリストを殺害するまで進化した無人攻撃機。誰が何のためにここまで開発したのかを追及したノンフィクション大作。
  • 吾輩は看板猫である
    4.3
    猫は気まぐれでいつも寝てばかり、なんて思っている人いませんか。いえいえ実は猫って働き者なんです。青果店やたばこ屋さんで、まったり店番をしている看板娘ならぬ看板猫たちを愛くるしい表情溢れる写真とともに一挙に紹介!昭和レトロな店構えの店頭で、のんびり、ゆったり、でもしっかりと店番しておる子たちを見ていると、思わずほっこりすること間違いないです。猫好きなら絶対満足する写真集です。
  • 時をかけるゆとり
    4.3
    就職活動生の群像『何者』で戦後最年少の直木賞受賞者となった著者。初のエッセイ集では天与の観察眼を縦横無尽に駆使し、上京の日々、バイト、夏休み、就活そして社会人生活について綴る。「ゆとり世代」が「ゆとり世代」を見た、切なさとおかしみが炸裂する23編。『学生時代にやらなくてもいい20のこと』に社会人篇を追加・加筆し改題。
  • 英会話不要論
    4.3
    拒食症、おかしな日本語、帰国子女の悲劇、サッカー本田圭佑はなぜ英語が上手いのか……。元東京大学の名物教授が「英語の常識」を一刀両断! 「読み書きはできるが話せない」から脱却すべく、文部科学省は英語教育の方針を転換している。しかし、これがいかに逆効果であるか、英語教育の第一人者が具体的な事例をもとに指摘する好著!
  • 太公望(上)
    4.3
    古代中国史の中で、この男ほど謎と伝説に彩られた武人はいない……。羌(きょう)という遊牧の民の幼い集団が殺戮をのがれて生きのびた。年かさの少年は炎の中で、父と一族の復讐をちかう。商王を殺す――。それはこの時代、だれひとり思念にさえうかばぬ企てであった。少年の名は「望(ぼう)」、のちに商王朝を廃滅にみちびいた男である。中国古代にあって不滅の光芒をはなつこの人物を描きだす歴史叙事詩の傑作!
  • イェンセン家のマンションDIY 北欧、手づくりの暮らし
    4.3
    この本の筆者が生まれ育ったデンマークでは、街中に古い建物が多く残り、人々はそこに住み続けている。そこでは住人の多くは、古い物件でも住みやすいように、DIY(Do It Yourself) している。日本ではまだ、特別な趣味と思われがちな、DIYだがやってみると実はそれほど難しくないもの。壁のペイントや床の張り替え、収納場所の設置などなど、DIYと住まいにまつわる工夫を多数紹介。図説や写真を多数使っているので見ているだけでも楽しい一冊です。
  • 富士に死す
    4.3
    いま、改めて富士山を知る――。著者の「富士山もの」の掉尾を飾る傑作。 霊峰富士に対する民間信仰は昔からあるが、急速に大衆化したのは「富士講」の始まった天正年間である。しかし、大衆化は同時に信仰の俗化、形骸化を招いていった。富士講の荒廃に反発する行者・月行に見出され、のちに富士講中興の祖と称されるまでになった身禄の、感動的な波乱の一代を描いた長篇歴史小説。
  • 長嶋茂雄 最後の日。1974.10.14
    4.3
    昭和49年10月14日、「我が巨人軍は永久に不滅です」の名セリフとともに現役引退したミスタープロ野球・長嶋茂雄。伝説となったあのフレーズはどのように生まれたのか、長嶋本人は何を考えていたのか。本人を含め、当時の関係者に徹底的に取材、「長嶋茂雄引退の日」の真実がいま明かされる。
  • 習近平 なぜ暴走するのか
    4.3
    習近平は2012年秋、中国の最高指導者に就任した。軍の台頭、少数民族との対立、汚職問題、民主化への対応……。いまや世界2位の経済大国になりながら、共産党の独裁を続ける矛盾が吹き荒れるこの国を、彼は御してゆくことができるのか。それとも、覇権国家「最後の皇帝」となるのか。一流ジャーナリストが詳細をレポートする。
  • 牡蠣礼讃
    4.3
    世界は牡蠣でつながっている! 美味しい話が満載。 気仙沼で牡蠣養殖業を営み、「森は海の恋人」をスローガンに植林運動を進める畠山さんは、エッセイの名手としても知られています。その氏が地元・宮城産の牡蠣を求めて世界オイスターロードを旅します。アメリカで辿った「日本の牡蠣養殖の父」の足跡、「森は海の恋人」のきっかけとなったフランスの旅路……。世界の牡蠣はこんなに日本とつながっていたのか、という驚きに満ちたエピソードが次々に飛び出します。また、牡蠣はなぜ日本でこんなに食べられているのか? おいしい牡蠣の食べ方って? などなど、牡蠣を食べるとき、ぐっとおいしくなるウンチクもたっぷり!
  • 漱石「こころ」の言葉
    4.3
    辛くなったら漱石先生に聞こう! 代表作「こころ」が朝日新聞に連載されたのは1914年。それからちょうど百年にあたる2014年、またまた夏目漱石はブームの様相を呈しています。漱石は小説家であると同時に、人生を探究する哲学者であり、文明批評家であり、さらには頑固で短気で癇癪持ちといったイメージとは裏腹に、若い門弟や友人の相談にのって的確なアドバイスや励ましを与える慈父のような存在でした。彼の遺した小説、随筆、評論、書簡、俳句、漢詩などにも、百年後を生きる私たちの指針となる言葉があふれています。 「人を観よ。金時計を観るなかれ。洋服を観るなかれ。泥棒は我々より立派に出で立つものなり」「余計なことをいわずに歩行いていれば自然と山の上へ出るさ」「本を読むばかりで何にもできないのは、皿に盛った牡丹餅を画にかいた牡丹餅と間違えて大人しく眺めているのと同様だ」「あなたの生涯は過去にあるんですか、未来にあるんですか。君はこれから花が咲く身ですよ」「夫婦は親しきを以て原則とし、親しからざるを以て常態とす。君の夫婦が親しければ原則に叶う。親しからざれば常態に合す。いずれにしても外聞はわるいことにあらず」……。 本書は、ユーモアと真理に満ちた234のメッセージを厳選した名言集です。ご一読いただけば、文豪が「あなたの心の師」と感じられることでしょう。
  • アンネの日記 増補新訂版
    4.3
    「アンネは、死んでも私たちの心の中に生き続けているのです。そして、世界の歴史を変える存在になりました」(池上彰『世界を変えた10冊の本』より) ユダヤ系ドイツ人の少女アンネが、ナチスの「ユダヤ人狩り」から逃れるため家族と共に二年間潜んだアムステルダムの“隠れ家”。彼女はそこで、架空の友人キティーに宛てて日記を綴りました。戦後、残された父オットー・フランクにより編集・公表されたこの「アンネの日記」は各言語に翻訳され、2009年にはユネスコ世界記憶遺産にも登録されました。わが国も同様で、1952年に「光ほのかに」のタイトルで文藝春秋より刊行されて以来、綿々と読み継がれています。 実は、アンネの綴った日記は二種類あります。アンネが自分のためだけに書いたものと、後の公開を期して清書したもの。そのふたつを編集し直した〈完全版〉をもとに、さらに1998年に発見された5ページ分を加えたのが本書〈増補新訂版〉です。尋常ではない環境の中で、13歳から15歳という思春期を過ごした少女の夢と悩みが、より瑞々しく蘇り、私たちの胸を打ちます。平和を愛し、誰かを愛するすべての人に改めて贈る、永遠不滅の一冊です。
  • 教育をぶっとばせ 反学校文化の輩たち
    4.3
    「己がしたことぐらい、己で始末せんかい」。「日直は黒板を消して」と岩本さんが言ったとき、生徒から返ってきた言葉です。全日制から定時制高校の教師になった岩本さんが、「ゲリラ的コミュニケーション」でモンスター(関西では「輩=やから」と呼ぶ)たちと格闘する日々を活写します。しかし輩たちは、実は「学校の常識」の方こそ特殊なのだと教えてくれたのでした。これは教育崩壊を最前線で死守する一教師の、リアルでクールな戦況報告書といえましょう。
  • ブルーインパルス 大空を駆けるサムライたち
    4.3
    昭和39年、東京オリンピックで大空に五輪マークを描いてデビューした航空自衛隊のアクロバット飛行チーム、ブルーインパルス。26年ごしの取材に基づき、彼らの栄光と苦悩の歴史を余さず描く。命名にまつわる原爆との因縁、7万人が目撃した浜松基地航空祭墜落事故の秘められた核心――。限界を超えるアクロバットに命をかけた男たちの全軌跡!
  • 河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙
    4.3
    あの日――2011年3月11日、仙台に本社を置く東北地方のブロック紙・河北新報は壊滅的な被害を受けました。沿岸の支局は津波にのまれ、安否不明の記者や販売店関係者が続出。本社のコンピューターが倒れて紙面制作の機能を失い、休刊の危機に瀕します。しかし現場は、「それでも新聞をつくる!」という気概を失いませんでした。極限の状況下で、彼らは何を考え、どう行動したのか? 新聞人たちの凄絶な闘いの記録が本書です。被災者に寄り添った紙面づくりが胸に迫ります。あの日を忘れないためにも、長く読み継がれるべき書です。
  • [真珠湾]の日
    4.3
    運命の日、すべてはこう動いた! 1941年11月26日、米国は日本に「ハル・ノート」を通告、日米の外交交渉は熾烈を究め、ついに運命の日、12月8日に辿りつく。その時々刻刻の変化を東京、ワシントン、ホノルル、マレー半島に追いながら日本人にとって日米開戦とは何であったのかを冷静に解き明かす。名著『ノモンハンの夏』に続く著者の開戦シリーズ。
  • 真田幸村 真田十勇士
    4.3
    柴錬先生の奔放自在な筆がほとばしる、伝奇ロマンの傑作! 家康がもっとも怖れた男、真田幸村。彼のもとには忍者・猿飛佐助や霧隠才蔵、石川五右衛門の一子・三好清海入道らをはじめとする十勇士がいた。忍術、知略を駆使した奇想天外の戦いで徳川方を苦しめるが、やがて最後の決戦、大阪夏の陣が迫る――。幸村たちの超人的な活躍に刮目せよ!
  • ねこの肉球 完全版
    4.3
    ぷにぷに、ふにふに……猫好きにとって、ニクキュウの感触はたまらない。本書は109匹の可愛い“猫の手”の写真を掲載。人の指紋同様、猫の肉球はすべて違う。色もピンク、黒、小豆色などさまざま。約1000匹の猫から得たデータによると、性格にも影響しているのだ。これをもとにできたのが、本書の目玉「肉球占い」。猫に肉球をそっと見せてもらい、今日の運勢を占ってみよう。もちろん猫の性格、運勢もわかる。他になんだか可笑しい肉球話30篇収録。肉球が福を呼ぶ本!(写真=猫専門のキャトグラファー・板東寛司 文=猫エッセイスト・荒川千尋) ●【直球】肉球これでもか/猫100匹の可愛い肉球写真 ●【探し球】世界初、約1000匹の猫データによる肉球占い ●【変化球】肉球あれもこれも/「肉球で遊ぼ!」「ふみふみ・もみもみ」「肉球少女愛ちゃん」ほか、ほのぼの肉球コラム ●【隠し球】超有名なあの猫の肉球裏事情!! ドラえもん、キティちゃん、ヒデヨシ、マイケル、ニャロメなどおなじみ猫たちを考察する楽しいコラム ●【剛速球】肉球は地球を救うか!?/「新興宗教・肉球教」「肉球開運術」など、平和の使者なごみ猫たちの福をよぶコラム
  • 学生時代にやらなくてもいい20のこと
    4.3
    現役大学生作家として『桐島、部活やめるってよ』でデビューした著者初のエッセイ集。ただ単純に笑いたい貴方に! 社会の荒波におびえつつ振り返るのは、学生時代の数々の思い出。カットモデルをすれば失意を味わい、熱い青春を求めて出かけた自転車の旅では尻の痛みを得る。そうして万事無為、やらなくてもいいことばかり為した日々の総決算、就職活動をついに迎え……。華々しい「大学生作家」の看板の陰で繰り広げられる意外と残念な日々を綴った、爆笑エッセイ20篇!
  • ワシントン封印工作
    4.3
    昭和16年、ワシントンの日本大使館に臨時雇用された医学生の大竹幹夫は、同僚の若い日系人タイピスト、ミミ・シンプソンに一目惚れする。しかし、ミミは国務省高官のホルブルックが潜入させた女スパイだった――。和平交渉の裏側で進展する諜報活動と、3人の恋愛模様。第二次大戦三部作(『ベルリン飛行指令』『エトロフ発緊急電』『ストックホルムの密使』)に連なる長編小説。
  • 越前宰相秀康
    4.3
    家康が恐れたただ一人の息子――父・家康に疎まれ、秀吉の養子に出された秀康。関ヶ原の戦いの後に越前、福井藩の藩祖となり徳川幕府を支えた男の波乱に満ちた生涯。 家康を父に持つ於義丸は双子で生まれたため、忌避される。兄信康のとりなしで家康に息子として数年後に認知させた。しかし、秀吉の養子として徳川家を出され、豊臣秀康と名乗らされた。それも束の間、関東の名族結城家に養子に出され、父・家康の監視役とされる。家康が恐れた息子の短くも波乱の生涯を描く歴史巨編。
  • 坐ればわかる 大安心の禅入門
    4.3
    永平寺での3年間の修行を経て、現在はベルリンを拠点に禅の教えを発信している若き僧侶・星覚さんが、ストレスフルな現代社会で軽やかに生きる智慧について考えます。禅はまず身体への気づきから。身体が変われば所作が変わり、所作が変われば姿勢が変わり、姿勢が変われば習慣が変わり、習慣が変われば生活が変わり、そして人生が変わる。巻末のお勧め坐禅道場も参考に、ぜひ760年続いてきた「型」に身を委ねてみてください。

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