作品一覧

ユーザーレビュー

  • 誰をも少し好きになる日 眼めくり忘備録

    Posted by ブクログ

    もらいものだが、「エッセイ+写真かー、あんまり合わないな―、気が向いたら読むか」と思っていたのだがちょっと読み始めると止まらなくなってしまった。
    それほど、写真家がついでに文章書いてみた、というレベルではないほどの読み応えがある文章。
    写真自体も文章中では「写真なんて誰でも撮れる」的なことを書いているのだが、どうやったらこんなん撮れんのというものばかり。モノクロってやっぱり特別な力持ってるなぁ。
    この人の他の本や写真集も買ってみたい。

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    2017年04月09日
  • 誰をも少し好きになる日 眼めくり忘備録

    Posted by ブクログ

    魚を突くモリのことを「ヤス」と呼び、家の陰辺りから突然出現してちょろちょろっとすぐ隠れてしまうトカゲやヤモリのことを「カナチョロ」と言う。
    著者の、数十年前の日本や現代のインド、昭和から今に至る下町や自宅の茶の間までという極めて広範囲な時間と空間に跨る回想と写真作品は、見過ごされがちな者たちや、愛されるべき者たちや、場合によっては蔑まれ虐げられている者たちへの慈愛に満ちた視線を感じさせるものばかりだ。
    『誰をも少し好きになる日』というタイトルは、本書を貫くテイストを絶妙に表していて実にいい。

    それに加えて、冒頭の「ヤス」と「カナチョロ」は、この本の書き手であり、写真の写し手である鬼海さ

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    2015年05月02日
  • 誰をも少し好きになる日 眼めくり忘備録

    Posted by ブクログ

    一番印象に残ったのは、たくさん衣装を持ったお姐さんこと「浅草のジェルソミーナ」、そして番外編として再び登場する「一番多く写真を撮らせてもらったひと」のさくらさんだ。
    浅草寺の境内にある歌碑の近くに一人佇む年老いた娼婦を、なんと20年以上も同じ構図、同じ場所、同じ光で撮りつづけ、短いセンテンスを繋げて淡々と書かれた文章には、侮蔑やいやらしさや好奇の目線が全く感じられず、むしろやさしさを感じる。
    最後に言葉を交わした(熱い缶コーヒーをカイロ代わりに2本差し入れした)冬の寒い日から、路上に誂えた小さな祭壇に手を合わせる数日までの動揺ぶりが、単に被写体としての存在以上の想いが滲み出ていて、鬼海さんが抱

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    2023年03月25日
  • ことばを写す 鬼海弘雄対話集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    きかい ひろおと読むのね。
    好きだわ、この人の写真。
    モノクロームで外国が多いけど子ども、風景、
    他の写真も観たくなった。
    対談相手の山田太一目当てで読んだけど、思わぬ拾いもの。

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    2020年03月15日
  • ことばを写す 鬼海弘雄対話集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     タイトルを見て即買い。
     内容も実に示唆に富んで面白い一冊だった。 対談相手もトップバッターが山田太一、締めが池澤夏樹。それだけでも読みたいと思えた本だった。

     鬼海氏の作品は「PERSONA」が雑誌などで取り上げられ、その一部を目にしている程度。写真集を通してじっくり眺めたことはなかった。近々拝見しようと思う。
     その「PERSOAN」も印象的なキャプションが付いているのが面白いなと思っていたが(写真そのものは、あまり好きたタイプじゃないけど)、その妙味がどのように培われて来たか、氏の思考、指向を知るには絶好の対談集。
     タイトルにもあるように、鬼海氏が本書で写し取っているのは「ことば」

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    2019年10月15日

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