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Posted by ブクログ
イチロー選手がメジャー移籍を決めた2000年から、第2回WBC優勝を決めた2009年までの10年間に著者が行った単独インタビューの記事のオムニバス。
メジャー移籍1年目から首位打者、2004年にはシーズン最多安打記録、オールスターは常連とものすごい活躍を飾る一方、移籍先のマリナーズの成績低迷期にはイチロー選手の意識と緩んだチームの意識のギャップに悩んだり、自身のスランプに突き当たったり、そして王監督の下で優勝した第1回WBCでの活躍など、様々な局面でのイチロー氏の言葉が丁寧に描かれています。
「自分のできることをとことんやった打率2割5分の選手なら、適当にやって3割5分だった選手よりプライドを持っていい」、「自分に与えられた最大の武器は4打席ノーヒットでも5打席目が回ってきてほしいと思える気持ちの強さ」、「試合前の”準備”というのは言い訳の材料となり得るものを排除するために考え得る全てのことをこなしてゆくこと」、「試合中に笑うというのはその時点で満足感を味わっているからであって、必ずスキができてしまう。試合中の笑顔が消えたのはそのスキに対する恐怖を知ったから」、「プレッシャーで動きがおかしくなって結果が出なくなる。ご飯を食べていても呼吸のリズムが合わなくなり、呼吸の仕方が分からなくなるほど追い込まれてしまう」、「弱いチームはチームのためにという言葉でごまかして個人の能力が発揮されていないことの言い訳にしている。個人が持っている力を発揮して、役割を果たした結果としてチームがある」、「結果を残してきた人ほど不安と戦ってきたはずで、恐怖心を持っていない人は本物じゃない。その怖さを打ち消したいがために練習をする」
等々、選び出したらきりがないぐらい、示唆に富んだ言葉が満載です。普通の人にはまねできないほど自分に厳しい思考がある一方、ものすごいプレッシャーに晒されて苦しんでいた一面も描かれ、イチロー氏の人間味が良く出ている印象です。
自己啓発本みたいに、これらの言葉だけを選び出してまとめてあるのではなく、様々な前後の文脈の中にこれらの発言が収められているので、より説得力が感じられます。
Posted by ブクログ
イチロー・インタヴューズ
P.43 例え4打席ノーヒットでも、5打席目が回ってきて欲しいと思える気持ちかな
「自分に与えられた最大の才能はなんだと思うか」という問いへの回答
P.63 どんな状況でも普通の精神状態で目の前の状況をこなすことが出来るという自信はあります
「これまでも常にプレッシャーを自分にかけてきましたし、そういう状況はたくさんありました。それをくぐり抜けてきた、乗り越えてきたという自信がありますから、どんな状況が目の前に現れても同揺したりすることはないし、普通の精神状態で目の前の状況をこなすことが出来るという自信はあります」
「絶対に負けられないチャンピオンシリーズ目前の連戦」で好成績を残したイチローのコメント
P.102 捉えられる、という感覚を持てるポイントがすごく多くなってきてることが裏目に出ている
「捉えられる、という感覚を持てるポイントがものすごく多くなってきていることが、裏目に出ているということかな。今の僕には、ヒットに出来ると思えるポイントがものすごくたくさんあるんですね。それによって、打つつもりのない球に対しても、打てるという自分が出てきてしまったんです。体が打てると勝手に判断するんですよ。だから、そういう球に手を出して、それが凡打になる。そういうケースがものすごく多いですね。だから、これは”例の試み”の副作用みたいなものだと思うんです」
3年目のシーズン開始後一ヶ月スランプに陥ったことを聞かれたときのコメント
P.109 「ヒットが出ているからいい状態、ヒットがでていないから悪い状態」というわけでもない
彼は常々、「ヒットが出ているからといって状態がいいというわけでもないし、ヒットが出ていないから悪いというわけでもない」と、口にする。ヒットになるかどうかは、相手の守備位置やランナーの有無などに左右され、同じ打球でもその結果は変わってくる。だからこそイチローは結果ではなく、打球の質にこだわるのだ。
「僕の中では、今日は”6の6”ですよ」ヤンキース戦で6打席3ヒット3打点をマーク。残りの3凡打もヒットと紙一重だったという認識でイチローがしたコメント
P.121 もう行ったれ、という気持ちが出てしまうんですかね
「それにしても不思議ですよ。ああいう時に限って牽制が来るんだから。あのピッチャー、今まで一度も僕に牽制球を投げたことがなかったんですよ。それなのに・・・もう行ったれ、という気持ちがでてしまうんですかね」
終盤戦で失速中のイチローが、ヒットで出塁後牽制で誘い出されてしまったことを振り返ってコメント
P.150 自分の数字を目指すというのは、常に限界への挑戦ですから
「人と比較をするという価値観は僕の中からはもう消えています。僕は僕の能力を知っていますから、いくらでも先はあるんですよ。人の数字を目標にしている時というのは、自分の限界より遥か手前を目指している可能性がありますけど、自分の数字を目指すというのは、常に限界への挑戦ですから。メジャーで感じる孤独感なんて、最高じゃないですか(笑)」
数々の偉業を成し遂げたイチローに投げかけられる「どこを目指してるんですか?」という問いに対する回答
P.151 野球が生活の手段になってしまったら、もっと前に進みたいという気持ちは消えてしまいますからね
「一つだけ言えるとしたら、メシのタネに野球をやっている選手では、絶対にここまでは来られないと思います。野球が生活の手段になってしまったら、もっと前に進みたいという気持ちは消えてしまいますからね。」
数々の偉業を成し遂げたイチローに投げかけられる「どこを目指してるんですか?」という問いに対する回答 その2
P.176 笑顔が消えたのは、次のプレーに対する恐怖を知ったからなんです
「94年の僕というのは、目の前に現れることが新しいことばかりで、楽しくてしょうがなかった。苦しみなんて、微塵もない。それがだんだん変わってくる。野球をする姿勢、表情が変わってきているはずです。(中略)次に起こるかもしれない怖さを知ったら、いちいち満足感に浸ってなどいられなくなる。笑っているということは、その時点でものすごく満足感を得ているということなんです。でも、相手はその直後から、常に僕の中に芽生えるスキを探している。笑っているということは、必ずスキが生まれているはずです。笑顔が消えたのは、次のプレーに対する恐怖を知ったからなんです」
P.177 でも、楽しいのとおもしろいのとは、ちょっと違うと思います。
「メジャーでの相手との差なんて、ほんの僅かな範囲のものですよ。圧倒的な差があったら、今でも笑いながら野球ができるでしょうね。僕にとっては、高校を出てすぐの92年にプレーしていたオリックスの2軍、あのチームの雰囲気は最高でしたから、すごくおもしろかった。でも、楽しいのとおもしろいのとはちょっと違うと思います。今だって、草野球の中に入って野球をやれば楽しいし、きっと笑いっぱなしですよ。でも、おもしろさというのはそういう次元では味わうことはできない」
P.253 だって、ご飯を食べていても呼吸の仕方が分からなくなってくるんですから。
「200本を打つ直前、180本から190本目を打つあたりが一番、苦しかったですね。体が自由に動かないんですよ。プレッシャーで動きがおかしくなって、結果が出なくなる。だって、ご飯を食べていても呼吸の仕方が分からなくなってくるんですから。呼吸のリズムが合わなくなって苦しくなる・・・それくらい追い込まれてしまうんですよ」
自らに課す最も過酷なプレッシャーである200本のヒットを打ち続けること。メジャーで6年連続のそれを達成したあとのコメント
P.258 プレッシャーと向き合っている間、何が難しいかって、力を抜くことなんです。
「プレッシャーと向き合っている間、何が難しいかって、力を抜くことなんです。自分でも余分な力が入ってるのは分かるんですよ。でも、なかなか抜けないんですよね。それがあの日のゲームでできたんです。何でかなぁ。やっぱり、扇監督の笑顔を見たからじゃないですか(笑)。本当に何がきっかけになるか分からない」
自らに課す最も過酷なプレッシャーである200本のヒットを打ち続けること。メジャーで6年連続のそれを達成したあとのコメント
P.284 何々のためにとか言う人は、うまくいかないときの言い訳が生まれる
「俺は自分のためだよ。だって、自分のためにやるからこそ、それがチームのためになるんであって、チームのために、なんていうヤツは言い訳するからね。オレは監督としても、自分のためにやってる人が結果的にはチームのためになると思うね。自分のためにやる人がね、一番、自分に厳しいですよ。何々のためにとか言う人は、うまくいかないときの言い訳が生まれてきちゃうものだからな」
王監督とイチローが食事をした際、イチローの「現役時代、選手の時に、自分のためにプレーしていましたか、それともチームのためにプレーしていましたか」という問いに対する王監督の返答
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