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roll one's eyes は「目をクリクリさせる」か? 意訳か逐語訳か、「僕」と「私」はどうちがう? 翻訳が好きで仕方ないふたりが思いきり語り明かした一冊。「翻訳者にとっていちばんだいじなのは偏見のある愛情」と村上春樹。「召使のようにひたすら主人の声に耳を澄ます」と柴田元幸。村上が翻訳と創作の秘密の関係を明かせば、柴田はその「翻訳的自我」をちらりとのぞかせて、作家と研究者の、言葉をめぐる冒険はつづきます。村上がオースターを訳し、柴田がカーヴァーを訳した「競訳」を併録!
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Posted by ブクログ
一冊をひとりで翻訳する、それは孤独な作業。道をひとりぽっちで歩いてゆかねばならない。本書はその旅のおともになる。弱気になった時に読み返すと、少しだけ元気をもらえる。 3つのフォーラム――1996年東大駒場、1999年翻訳学校、2000年若い翻訳家6人と――を収める。若い翻訳者のなかには、25年前の岸...続きを読む本佐知子や都甲幸治もいる。 カーヴァーとオースターの短篇を村上・柴田がそれぞれ訳している、その比較が興味深い。もともと波長が合うためか、ふたりの訳文がそんなに違っていないような印象も受ける。 村上も柴田も勢いがあるのががいい。まだふたりとも、ほぼほぼの40代だもん。
残念ながら柴田先生の講義を受ける機会に恵まれませんでしたが、翻訳者としての意見を本書で知ることができ、嬉しいです。翻訳について村上派か柴田派か、と聞かれれば、私は柴田先生を選びます。 大学にて翻訳理論、英文学翻訳、米文学翻訳の授業を受講していたのですが、各先生と柴田先生は、翻訳者の立ち位置につい...続きを読むて似たことを仰っていました。 改めて「翻訳者とは」を勉強した気持ちです。
翻訳本が苦手に感じるのは、 作品が面白ければ面白いほど、 ひとつずつの言葉の表現に直接触れてみたくなるから。 つまり、原著で読めるのならば原著のままで読みたいのだ。 物語の本質はひとつずつの言葉ではないところにあっても、 翻訳者の中を通ったものは、 すでに純正ではなく(劣化するという意味ではない)...続きを読む、 二重性が大前提になってしまう。 そこに、さらに読者としての私の解釈も入り込むと、 誰の、何に影響されたものなのか難しくなってくる気がするので、 だから翻訳本を苦手だと感じていた。 とはいえ、ポール・オースターが大好きで、 『オーギー・レーンのクリスマス・ストーリー』が読みたくて、 村上春樹と柴田元幸がそれぞれ訳しているだなんて、 興味深すぎると思い本書を手にした。 読み終えてみて、 翻訳という営みは、 精神分析という営みと本質的に大切な事柄を共有しているという大事な発見があったことが最大の収穫であり、 これからは翻訳本は苦手と言わずに済みそうだ。 あと、専門書でもそうなのだが、 どうしても言語的に理解しにくい翻訳があったら、 それは翻訳が下手くそなのだと思おう(笑)。
かなり面白かった。翻訳の持つ妙味が想像できた。 おかしかったのは、小説家でもある村上氏が「自分の小説を英訳された英文を読んだときに、『けっこう上手く書けているじゃないか』と思ってみると、自分の作品だった」というのが多々ある、ということ。 この人の自分の小説に対する距離感はわりに不思議で、「若い...続きを読む人たちのための短編小説」でも、「自分の小説だからといって、自分の解釈が唯一無二で正しい訳ではない」といった風なことを述べていたのと通じるな〜と、感じた。 「キャッチャー・イン・ザ・ライ」はまだ読んでいないので、読んでから、翻訳夜話2を読んでみたい。
ワタシの中で「名訳者」の地位をゆるぎないものにしているお二人が出した本が、面白くないはずがない。あまりにハマってしまって、電車を乗り過ごしてしまいそうになった。 本書が出るきっかけとなった、柴田さんの持つ大学の授業への村上さんの登場がフォーラム1。聴衆を翻訳学校の生徒に換えて行ったのがフォーラム2...続きを読む。そして、お二人によるカーヴァーとオースターの短編競訳をはさんで、それについて若手翻訳者を前に語ったのがフォーラム3。 お二人の口から出てくる言葉や、そこから読み取れる感性がとても心地いいし、気づきも与えてくれる。特に競訳とそれについて語ったフォーラム3は秀逸。12年近く前に出た一冊だけれど、中味は全然古びていない紛れもない良書。 蛇足: 村上さんは翻訳を「言うなれば"遊び"でやっているんだけど、それと同時にやっぱり何かを真剣に学びとろうと思って」やっているんだとか。ワタシと読書の関係もこれだ。
As long as there's one person to believe it, there's no story that can't be true.
最近の自分的外文ブームにうってつけの本新書。しかも春樹・柴田共著となると、もう読むしかないってことで。期待に違わぬ内容で、翻訳のイロハの部分とか、ちょっと垣間見れた気になっちゃいました。他の著作でも触れられていたと思うけど、”翻訳には耐用年数あり”っていうのには全面的に賛成。新しい訳で読めば良かった...続きを読む!って思ったことも結構あり、最近では専ら一番新しい訳にこだわってたりもする。そう考える中でふと思ったのが、外文は100年経ったものでも新しい訳で生まれ変われるんだから、日本の古典的文学作品も、50年とか経ってるものは誰かが書き直せば良いのに、ってこと。夏目、森、芥川など諸々。新しい言葉に置き換えられたら楽しめたって人、多分結構いると思うけど。ってか、そう思うなら自分でやれば良いのか。
しぐさの英語表現辞典 研究社 出てすぐに読めば良かった!高校生にすごくオススメ。最後の文を自分で訳してから2人のを読んだりしたらさらに面白いかと。
特に翻訳に興味があるわけではない、と言うか、むしろ翻訳の文章は頭に入ってこないので苦手な世界だが、その舞台裏はとても面白い。興味がないけどそのマニアックぶりが面白いという点では「小澤征爾さんと、音楽について話をする」を連想する。やはり村上春樹が面白いのだ。 翻訳のあれこれを語ると読者や作家活動にも関...続きを読む係してきてその広がりも面白いところ。 ここでは2つの短編を二人が翻訳して掲載し、比べるという面白い試みもしている。例えば登場人物の職業について書かれていない場合、翻訳者が肉体労働者と思うか知的労働者と思うかで訳文がかわってくる。淡々としたものにするか熱いものにするか、主人公は「僕」なのか「私」なのか、過去形か現代形か、受け身にするかどうか、段落をかえるのは原文と同じにするかしないか(日本の小説は外国の小説よりは段落を替えるケースが多いので、原文どおりにすると日本人は読みにくく感じる。)などいろんな選択があるんですね。 それに翻訳者の物語への思入れもあって、タッチがかわってくる。海外ドラマの吹き替えで、声の調子でキャラクターが出てしまうのに似てますね。 アンダーラインを引きたくなるところが満載すぎて例示に困るので30ページごとに開いてみる。 『リズムがない文章というのは読めないんです。~だから翻訳するときには、何はともあれ原文のリズムをうまく日本語に移し換えるということを意識します。』 筆者が文章スタイルを意図的にぶち壊そうとしている『日本語にするともう収集不可能になってしまう。だから適当に止めちゃったんですよ。』『作者の意図がどうであれ、日本語にしたら読む人は違和感を感じると思ったら、翻訳者は自分の判断で変えていいんじゃないかと、僕は考えています。』 『とにかくもう何でもいいから、寝食を忘れて一生懸命いろんなものを翻訳して、何度も何度も読み直して、何度も何度も書き直して、人に読んでもらってまた書き直すということを続けていれば、スタイルというのは自然に出てきます。』 『「僕」のほうが「私」より色がありますよね。で、なるべく色なし、人間性なしでいきたかったので、本当は、だから何も書かないのがいちばんいいのだけど、さすがにそうもいかないので仕方なく「私」にした』 『僕は絶対言葉に出さない。というのは、音声的なリアリティーと文章的な、活字的なリアリティーってまったく違うものだから、音はあまり意味ないんですよね。』
翻訳物を多く読む訳でなく、著者に思い入れがある訳でもなく、なのに何故か気になり手にとり気になり読み始めてみると面白い。グイグイ引き込まれながら読みました。 翻訳とはどういうことかを、まずは大学のワークショップの学生の前で、次に翻訳家を目指す若者の前で、そして同じ短編小説をそれぞれが翻訳した作品を挟ん...続きを読むで若き翻訳家の前で質問に答える形で示していく。 それぞれの立場も違えば取り組み方も変わる。しかし翻訳という行為そのものを楽しんでいる様子はふたりから溢れています。そこに強く大きく引き込まれたのでしょう。
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