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1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界はしずかに共振をはじめる……。大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。でも、おそらく、あの震災のずっと前から、ぼくたちは内なる廃墟を抱えていた――。深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。
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「地震のあとで」
2025年4月5日~ NHK総合 出演:岡田将生、鳴海唯、渡辺大知
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Posted by ブクログ
6編の短編からなる短編集。文庫本の最後に、各短篇の「初出」が書いてあるが、その全体が 連作『地震のあとで』その一~その六 と紹介されている。 この「地震」は、阪神淡路大震災であるが、地震が起こったのが、1995年の1月であったのに対して、6編の短編のうちの5編が「新潮」に掲載されたのは、1999...続きを読む年8月号から、12月号までであり、地震から4年が経過している。このタイムラグが何を意味するのかは私には分からない。 「地震のあとで」という連作であるが、6編の短編小説に、阪神淡路大震災はメインのモチーフとして登場しているわけではない。むしろ、たいていの作品の中では、「どこかに出てくる」といった程度の扱いである。そういう扱いになっている理由も私には分からない。あれだけのことがあったけれども、それでも、時間は流れているのだということを示したかったのかもしれない。 この短編集は、これまで読んだ村上春樹の短編集の中で最も好きになった。特に「タイランド」と「蜂蜜パイ」が好きだ。 「蜂蜜パイ」の最後の部分は下記のようなものだ。 【引用】 これまでと違う小説を書こう、と淳平は思う。夜が明けてあたりが明るくなり、その光の中で愛する人々をしっかりと抱きしめることを、誰かが夢見て待ちわびているような、そんな小説を。でも今はとりあえずここにいて、二人の女を護らなくてはならない。相手が誰であろうと、わけのわからない箱に入れさせたりはしない。たとえ空が落ちてきても、大地が音を立てて裂けても。 【引用終わり】 ここに書いてあることの意味は、少し補足しなければ分かりにくいとは思うが、補足をして中身が分かるようになることが大事なことではない。 「大地が音を立てて裂けても」は地震を示すのだろう。たとえ地震が起きて大地が裂けても自分は愛する人を護るし、夜明けの光の中でその愛する人をしっかりと抱きしめることがもうすぐ出来るのだという希望を持ち続けている人がいることを小説で示そう、という決意なのだろうか。 この部分は、とても美しい。
村上春樹の不気味な短編が好き。性にこだわり過ぎてるところは鬱陶しいが。 どれもよかったが、UFOが釧路に降りる、アイロンのある風景がとりわけ印象深い。箱の中身、気になる。
NHKのドラマで村上春樹作品は?なんだろうと調べてみたら『地震のあとに』だった。 阪神淡路大震災後に神戸出身の村上春樹さんが著した短編集『神の子どもたちはみな踊る』をドラマ化するという。 地震をキーワードに紡がれる6つの物語。 地震をきっかけに無意識に潜む不安が夢となって顕れてくる。現実と非現実の中...続きを読むで彷徨う頼りない心。 前回読んだ時は、「かえるくん、東京を救う」と「蜂蜜パイ」が印象的だった。 「蜂蜜パイ」は実話なんじゃないかと思うくらいのリアリティがあり、明るすぎる結末にびっくりするくらいだった。 でも、今回は「アイロンのある風景」の余韻が残っている。焚火と死への誘い。でも、二人とも寒くて起きるだろう。それまで死と生の間をたゆたったとしても。 久しぶりの村上春樹の世界。
「地震のあとで」震災から30年を迎える節目のドラマ化、 手持ちの本書を再読する。 1995年に発生した阪神淡路大震災の後、書かれたうちの4つの短編がドラマ化されるようです。 つまり 1995年2月というのはそのふたつの大事件にはさみこまれた月なのだ。不安定な、そして不吉な月だ。僕はその時期に人々...続きを読むがどこで何を考え、どんなことをしていたのか、そういう物語を書きたかった。..... コメントを見つけ重みが増す。 人の力ではどうしようもないことが世の中にあることを深く感じ、その時どうあればよいのかも考えさせられる。 村上春樹さん数冊読んだなかで一番好きな作品です。 「かえるくん、東京を救う」を読んで、作品の中に出てきた「アンナ・カレーニナ」と「白夜」を必死で読んだ、背伸びした自分を懐かしく思い出します。
かえるくんと、蜂蜜が好きでした。村上春樹さんの本は久しぶりで、短編は初めて読みますが、同じく不思議ワールド、そして実は奥深く考えさせられます…。でも、そこが好きなのですがねσ^_^;
一つ一つの話の背景に流れている、阪神・淡路大震災。抵抗しようにも抵抗しきれない強い力。その力で、人びとが震災以前から抱えていたのかもしれないものが表に出てきて、重くのしかかってくる。でも、重いものの中にあって、光や夢といったものを探ろうとしている。 読み進めていくうちに胸が重苦しくなったのだが、...続きを読む読み終わると、ホッとするような気持ちになっていたのが不思議だった。
阪神淡路大震災への想いがそれぞれの短編に著されている。 あれから、まだまだの災害を経ても私達はまたいろんな感情を抱えて生きてゆかなければならないんだ。 文章がとても洗練されていて文学を味わうということ身も心も満たされる思い。
6作品の中でも特に『蜂蜜パイ』がよかった。 「人生の歯車がかちりという乾いた音を立ててひとつ前に進み、もう元には戻らないことが確認されたのだ」この一文を前向きに捉えるか否か。 きっと気付いていないだけで、人生は歯車だらけなんだろうな。
映画『めくらやなぎと眠る女』が良かったので、『螢・納屋を焼く・その他の短編』と合わせて再読。 これは大分昔に読んでいたが、『かえるくん、東京を救う』以外はほとんど覚えていなかった。 阪神・淡路大震災後に書かれた短編集ということで、すべての短編になんらかのかたちで震災が描かれる。 震災について直截描く...続きを読むわけではない。だが記号的に配置されてるわけでもない。確かに大きな不条理が降り掛かったのだ、という影が作品全体に張りついていた。 その記憶も平成の大きな傷跡として消え去るわけでもない。東北や能登の震災と新たな災禍として再び浮上するような感覚がある。 十数年ぶりに読んでそんな感覚を抱いた。
阪神淡路大震災にまつわる物語。 村上短編集の中では珍しく、相性の悪い作品がなくどれも楽しんで聴けた。 「蜂蜜パイ」は熊のお伽話がとにかく記憶に残った。村上春樹作品の中ではかなり好き。 「タイランド」も静謐な空気が流れていて好み。
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神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)
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