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サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の新訳を果たした村上春樹が翻訳仲間の柴田元幸と、その魅力・謎・真実の全てを語り尽くす。ホールデン少年が語りかける「君」とはいったい誰なのか? 村上が小説の魔術(マジック)を明かせば、柴田はホールデン語で、アメリカ文学の流れのなかの『キャッチャー』を語ってのける。永遠の青春文学の怖さ、ほんとうの面白さがわかる決定版です。「幻のキャッチャー・イン・ザ・ライ訳者解説」を併録。
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Posted by ブクログ
読んだばかりのJ.D.Salinger の「Catcher in the Rye」について、訳者である村上春樹と、それを教材に東大で講義をしている柴田元幸が徹底的に語り合っている。 この小説は「社会に反抗する無垢な少年の物語」という評価が通り相場らしいが、村上も柴田もそれに関してはとても否定的...続きを読むである。以前は、若者はこの小説を読まないことには話が始まらないというところがあったそうだ。ところが二人の対談を読んでいると、とてもそんな単純な物語ではないことに気付かされた。 二人は「トム・ソーヤー」や「ハックルベリー・フィン」を引用しながら、ヨーロッパにある成長物語はアメリカにはない。反成長物語ばかりだという。この2つもそうだし、「ギャッツビー」もそうだし「老人と海」もそうだという。他のアメリカ文学もそうなのか後に検証してみたい。 ホールデンの言葉遣いについて柴田が村上に言っている。 「『何々しちまう』という語尾なんか50年代を意識したのか。最初は違和感があったが、読んでいるうちにすんなりはまった。」 実際私も非常に違和感を持ったが、村上はこれを意図的にそうしたという。「ホールデン語」みたいなのが必要だったという解説を読んで納得した。 タイトルについては、野崎孝の既訳は「ライ麦畑でつかまえて」だが、村上訳では原文のまま「キャッチャー・イン・ザ・ライ」とした。そのままでは全然意味が伝わらないかもしれないが、ある程度情報があればそれでも機能するだろうと、このタイトルにしたそうだ。例えば映画でも「プライベート・ライアン」なんかそうで、private に「兵卒」の意味があることなんか、一般の日本人はあまり知らない。でも誰も文句言わない。ということだそうだ。 「キャッチャー・イン・ザ・ライ」本体には、契約上訳者の解説を付けることができなかったそうだ。そこで本書にその解説を載せている。これを読むことができて本書の理解が深まったと思う。 また、最後に柴田が「キャッチャー」をアメリカ文学の中に位置付けるという意味で書いたという「Call me Holden」もホールデンに語らせた解説みたいで、とても面白い。
サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を村上春樹さんが翻訳していること、併読している『ギンガムチェックと塩漬けライム』(鴻巣友季子著)で初めて知りました。そして、本書に辿り着きました。 村上さん、『キャッチャー』(『ライ麦畑』)を大絶賛でした。翻訳という大変なお仕事をするのですから、当然とい...続きを読むえば当然ですが。『キャッチャー』(『ライ麦畑』)を読んだら、(どちらかでも)本書は必読だと個人的に思います。 村上さんの翻訳を巡っての柴田さんとのお話は、とにかくおもしろい! 野崎訳『ライ麦畑でつかまえて』を読み、ちょっと理解が難しいところが、こんがらがった糸がほどけたように分かり、すっきりしました。そして何より、村上さん柴田さんの翻訳観を知り得たこと、大きな収穫でした。言葉の訳し分けの細かいところまで、突っ込んで説明されています。翻訳の繊細な部分を感じ取れました。 契約上、「訳者が本に一切の解説をつけてはならない」という縛りがあったとのこと。本書には村上さんの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の解説、柴田さんの「Call Me Holden」が掲載されていてお得です。 早速、村上春樹訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、読んでみようと思います。
おもしろかった! ハルキストではないので、おもしろかったことが悔しい(笑) 柴田先生との対談。ホントに楽しそうで、また、本の紹介本でもある… 柴田先生のコール・ミー・ホールデンが良かったです。 ライ麦畑でつかまえて、読みたくなりました。
サリンジャーに限らず、これまで学んできたアメリカ文学に関するアンサーが次から次へと流れるように入ってくるけど、全部すっと入ってくるものだから、消化はしやすいです。 特にカポーティやフィッツジェラルドのイノセンスとの比較論は興味深い。(マンハッタンの「地獄めぐり」ね) 麦畑か…という理由だけで実はずっ...続きを読むと読んでなかった。はやく読んだらよかった。
この本を読んだあとに村上訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」も読みました。作者との契約で村上春樹訳の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」に翻訳者のあとがきを載せることができないために、こちらに掲載されたとのこと。学生時代に野崎訳で「ライ麦畑…」を読んで以来の再読なので、予習のつもりで、こちらを先に読みまし...続きを読むた。 翻訳者のレベルの細かい話がたくさんあって、翻訳された日本語をぼーっと読むだけの読者の私としては、新鮮でなかなかおもしろかったです。
「キャッチャー・イン・ザ・ライ」が大好きなので。 すごく良かったです! 改めてサリンジャーのこの作品が、どれだけ凄いか分かりました。 そしてそれを見抜かれたお二人も。
村上さんと柴田先生の対話で暴かれていく作家サリンジャーのひととなり、非常に興味深く読めました。物語への考察=サリンジャーの生涯に密に関わっていたんだという発見があり、サリンジャーの生き方をホールデンになぞらせたのではなく、サリンジャーがホールデンの生き方をなぞっていったというのは一種の狂気を感じた。...続きを読む大昔に野崎訳を読んだ後に村上訳を読んで比較したことはあったけど、当時の印象として前者のホールデンはとんがり少年で、後者は引きこもりがちな天邪鬼。この印象の違いは翻訳に取り掛かった時代の背景を訳者がうまく反映させていたからだというから感心しきりだったし、ひとつの文章がこんなに変わるものなのかと文学の多面性のようなものにやっぱり面白いと思わずにはいられなかった。海辺のカフカが読みたくなる。
訳本の方はまだ読んでなく、旧約ももう長いこと読んでいなかったが、楽しく読めた。 解釈の違いで翻訳に色を出したりすることを知らなかったので、村上春樹の考察するキャッチャーの話も楽しめたし、また、村上春樹の小説はほぼ読んだことないので、村上春樹の思考の一端が垣間見えたようで新鮮だった。
キャッチャーに惹かれる理由がなんとなくわかる対話だった。結局のところ、寂しさとか孤独があるから共感できるんだろうし、あれほどタラタラ文句言う本もそうそうない気がするから言いたいこと言ってくれたみたいな感じがあってスッキリするのかもしれない。
村上春樹がサリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の新訳を刊行したことを受けて、彼と柴田元幸が二度にわたっておこなった対話を収録しています。さらに巻末には、『キャッチャー』に収録できなかった村上の「訳者解説」、さらに柴田がホールデンに成り代わってハックルベリー・フィンなどとの比較についての考察を...続きを読むおこなっている「Call Me Holden」が収録されています。 本書を読む前は、おそらく柴田がサリンジャーのアメリカ文学上の位置づけについて大きな枠組みを示し、そのつど村上が作家としての感性にもとづく解釈を差し挟んでいくというスタイルで議論が進められているのではないかと思っていたのですが、じっさいに読んでみるとむしろ村上が終始サリンジャー解釈の大きな枠組みを提示し、柴田がサポートにまわっているという印象です。村上が、翻訳についてはともかく、他の作家の作品世界についてこれほど能弁に語るのは意外でしたが、「イノセント」の意味にかんする、おそらくは河合隼雄の心理学に由来をたどることのできるような考えが示されていて、興味深く感じました。 わたくし自身は野崎訳『ライ麦畑でつかまえて』しか読んでいないのでよく理解できないところもありましたが、村上の翻訳についての考え方も率直に語られており、こちらもおもしろく読むことができました。
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