翻訳夜話2 サリンジャー戦記
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翻訳夜話2 サリンジャー戦記

小説・文芸
866円 (税込)

4pt

サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の新訳を果たした村上春樹が翻訳仲間の柴田元幸と、その魅力・謎・真実の全てを語り尽くす。ホールデン少年が語りかける「君」とはいったい誰なのか? 村上が小説の魔術(マジック)を明かせば、柴田はホールデン語で、アメリカ文学の流れのなかの『キャッチャー』を語ってのける。永遠の青春文学の怖さ、ほんとうの面白さがわかる決定版です。「幻のキャッチャー・イン・ザ・ライ訳者解説」を併録。

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  • 翻訳夜話
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    roll one's eyes は「目をクリクリさせる」か? 意訳か逐語訳か、「僕」と「私」はどうちがう? 翻訳が好きで仕方ないふたりが思いきり語り明かした一冊。「翻訳者にとっていちばんだいじなのは偏見のある愛情」と村上春樹。「召使のようにひたすら主人の声に耳を澄ます」と柴田元幸。村上が翻訳と創作の秘密の関係を明かせば、柴田はその「翻訳的自我」をちらりとのぞかせて、作家と研究者の、言葉をめぐる冒険はつづきます。村上がオースターを訳し、柴田がカーヴァーを訳した「競訳」を併録!
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記
    866円 (税込)
    サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の新訳を果たした村上春樹が翻訳仲間の柴田元幸と、その魅力・謎・真実の全てを語り尽くす。ホールデン少年が語りかける「君」とはいったい誰なのか? 村上が小説の魔術(マジック)を明かせば、柴田はホールデン語で、アメリカ文学の流れのなかの『キャッチャー』を語ってのける。永遠の青春文学の怖さ、ほんとうの面白さがわかる決定版です。「幻のキャッチャー・イン・ザ・ライ訳者解説」を併録。

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翻訳夜話2 サリンジャー戦記 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     読んだばかりのJ.D.Salinger の「Catcher in the Rye」について、訳者である村上春樹と、それを教材に東大で講義をしている柴田元幸が徹底的に語り合っている。

     この小説は「社会に反抗する無垢な少年の物語」という評価が通り相場らしいが、村上も柴田もそれに関してはとても否定的である。以前は、若者はこの小説を読まないことには話が始まらないというところがあったそうだ。ところが二人の対談を読んでいると、とてもそんな単純な物語ではないことに気付かされた。

     二人は「トム・ソーヤー」や「ハックルベリー・フィン」を引用しながら、ヨーロッパにある成長物語はアメリカにはない。反成長物語ばかりだという。この2つもそうだし、「ギャッツビー」もそうだし「老人と海」もそうだという。他のアメリカ文学もそうなのか後に検証してみたい。

     ホールデンの言葉遣いについて柴田が村上に言っている。
    「『何々しちまう』という語尾なんか50年代を意識したのか。最初は違和感があったが、読んでいるうちにすんなりはまった。」
     実際私も非常に違和感を持ったが、村上はこれを意図的にそうしたという。「ホールデン語」みたいなのが必要だったという解説を読んで納得した。

     タイトルについては、野崎孝の既訳は「ライ麦畑でつかまえて」だが、村上訳では原文のまま「キャッチャー・イン・ザ・ライ」とした。そのままでは全然意味が伝わらないかもしれないが、ある程度情報があればそれでも機能するだろうと、このタイトルにしたそうだ。例えば映画でも「プライベート・ライアン」なんかそうで、private に「兵卒」の意味があることなんか、一般の日本人はあまり知らない。でも誰も文句言わない。ということだそうだ。

     「キャッチャー・イン・ザ・ライ」本体には、契約上訳者の解説を付けることができなかったそうだ。そこで本書にその解説を載せている。これを読むことができて本書の理解が深まったと思う。

     また、最後に柴田が「キャッチャー」をアメリカ文学の中に位置付けるという意味で書いたという「Call me Holden」もホールデンに語らせた解説みたいで、とても面白い。

    1
    2014年06月06日

    Posted by ブクログ

    映画「ライ麦畑の反逆児」がおもしろく、サリンジャー関連でそういえばこの本持ってたと思い出して再読。(初読のとき感想書いたかな?と思って本棚内検索したら、わたしは2007年から感想書きはじめていたようで、2003年出版のこの本は出てこなかった)。
    最初に村上春樹氏による「キャッチャー・イン・ザ・ライ」訳者解説を読んだら、「ライ麦畑の反逆者」のストーリーがよりよくわかって、さらに細部が補完される感じですごくよかった。村上氏は、サリンジャーは戦争体験がショッキングすぎて小説にすることができず、「キャッチャー~」は書かれることのなかった彼の個人的な「戦争小説」かもしれない、ということを書いていた。
    で、結局全部再読してしまい、村上氏と翻訳家の柴田元幸氏の対談も隅から隅までおもしろかったんだけど、特に印象に残ったのは、「キャッチャー~」が読み継がれているのは、イノセンスを礼賛しているからではなくて、『人々が巨大なシステムを前にしたときの恐怖や、苛立ちや、絶望感や、無力感や、焦りのようなものを自然に呑み込み、ユーモアをもって優しく受け入れてくれるから』というところとか。あと、『イノセンスに代わるものは必ずあります。たとえばそれは愛情です。広義な意味での愛情。』というところとか。

    あと、柴田先生が「キャッチャー~」をアメリカ文学史のなかに位置づけるために書いた「Call me Holden」もすごくおもしろくてためになり、「アメリカの息子」とか「ハックルベリーフィンの冒険」はやっぱり読まないといけないかも、と今さらながら思った。

    0
    2026年09月06日

    Posted by ブクログ

    サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を村上春樹さんが翻訳していること、併読している『ギンガムチェックと塩漬けライム』(鴻巣友季子著)で初めて知りました。そして、本書に辿り着きました。

    村上さん、『キャッチャー』(『ライ麦畑』)を大絶賛でした。翻訳という大変なお仕事をするのですから、当然といえば当然ですが。『キャッチャー』(『ライ麦畑』)を読んだら、(どちらかでも)本書は必読だと個人的に思います。

    村上さんの翻訳を巡っての柴田さんとのお話は、とにかくおもしろい! 野崎訳『ライ麦畑でつかまえて』を読み、ちょっと理解が難しいところが、こんがらがった糸がほどけたように分かり、すっきりしました。そして何より、村上さん柴田さんの翻訳観を知り得たこと、大きな収穫でした。言葉の訳し分けの細かいところまで、突っ込んで説明されています。翻訳の繊細な部分を感じ取れました。

    契約上、「訳者が本に一切の解説をつけてはならない」という縛りがあったとのこと。本書には村上さんの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の解説、柴田さんの「Call Me Holden」が掲載されていてお得です。

    早速、村上春樹訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、読んでみようと思います。

    0
    2025年07月03日

    Posted by ブクログ

    おもしろかった!
    ハルキストではないので、おもしろかったことが悔しい(笑)

    柴田先生との対談。ホントに楽しそうで、また、本の紹介本でもある…

    柴田先生のコール・ミー・ホールデンが良かったです。

    ライ麦畑でつかまえて、読みたくなりました。

    0
    2022年10月12日

    Posted by ブクログ

    サリンジャーに限らず、これまで学んできたアメリカ文学に関するアンサーが次から次へと流れるように入ってくるけど、全部すっと入ってくるものだから、消化はしやすいです。
    特にカポーティやフィッツジェラルドのイノセンスとの比較論は興味深い。(マンハッタンの「地獄めぐり」ね)
    麦畑か…という理由だけで実はずっと読んでなかった。はやく読んだらよかった。

    0
    2016年10月13日

    Posted by ブクログ

    この本を読んだあとに村上訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」も読みました。作者との契約で村上春樹訳の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」に翻訳者のあとがきを載せることができないために、こちらに掲載されたとのこと。学生時代に野崎訳で「ライ麦畑…」を読んで以来の再読なので、予習のつもりで、こちらを先に読みました。
    翻訳者のレベルの細かい話がたくさんあって、翻訳された日本語をぼーっと読むだけの読者の私としては、新鮮でなかなかおもしろかったです。

    0
    2013年10月01日

    Posted by ブクログ

    「キャッチャー・イン・ザ・ライ」が大好きなので。
    すごく良かったです!
    改めてサリンジャーのこの作品が、どれだけ凄いか分かりました。
    そしてそれを見抜かれたお二人も。

    0
    2012年08月13日

    Posted by ブクログ

    村上さんと柴田先生の対話で暴かれていく作家サリンジャーのひととなり、非常に興味深く読めました。物語への考察=サリンジャーの生涯に密に関わっていたんだという発見があり、サリンジャーの生き方をホールデンになぞらせたのではなく、サリンジャーがホールデンの生き方をなぞっていったというのは一種の狂気を感じた。大昔に野崎訳を読んだ後に村上訳を読んで比較したことはあったけど、当時の印象として前者のホールデンはとんがり少年で、後者は引きこもりがちな天邪鬼。この印象の違いは翻訳に取り掛かった時代の背景を訳者がうまく反映させていたからだというから感心しきりだったし、ひとつの文章がこんなに変わるものなのかと文学の多面性のようなものにやっぱり面白いと思わずにはいられなかった。海辺のカフカが読みたくなる。

    0
    2025年05月28日

    Posted by ブクログ

    訳本の方はまだ読んでなく、旧約ももう長いこと読んでいなかったが、楽しく読めた。
    解釈の違いで翻訳に色を出したりすることを知らなかったので、村上春樹の考察するキャッチャーの話も楽しめたし、また、村上春樹の小説はほぼ読んだことないので、村上春樹の思考の一端が垣間見えたようで新鮮だった。

    0
    2023年07月14日

    Posted by ブクログ

    キャッチャーに惹かれる理由がなんとなくわかる対話だった。結局のところ、寂しさとか孤独があるから共感できるんだろうし、あれほどタラタラ文句言う本もそうそうない気がするから言いたいこと言ってくれたみたいな感じがあってスッキリするのかもしれない。

    0
    2022年11月23日

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