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「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より)
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Posted by ブクログ
あーめちゃくちゃ面白かった。 リアルともファンタジーとも言い切れない不思議な世界を、私は駆け抜けた。 私は村上春樹の本を刊行順に読むという個人的なプロジェクトをしていて「ねじまき鳥クロニクル」の番がやってきたわけですが、こうして辿ってくると、村上春樹という人が書く物語りがどんどん立体的に拡張していく...続きを読むのが感じられる。 この話では歴史までもが現れてきた。 絶対なんかのメタファーの詰め合わせで、考察しがいがあるんだろうけど、ただこの物語だけで私は駆け抜けた。 意味が不在でも、この物語はとても、とても面白い!
最後の方にグロい描写があって、それのためにここまで読んだみたいな、それほどに引き込まれた文章だった。
ねじまき鳥クロニクルを読むのは三度目か四度目になるかと思う。初めて読んだ時からもう二十年くらい経つ。読むたびに自身が感じることが変わり、面白いと思うポイントが変わってきている。これは私の読解力が少なからず成長しているということなのか。 電話の女、加納マルタ、加納クレタ、そして本田さん…。魅力的なキャ...続きを読むラクターが次々に登場するのがとても楽しい。そしてそれらが重なり合って物語が進むのですが、文章や世界観に自分の脳がゆらゆらと揺らされているような感覚になり眠くなる。そう村上春樹は眠くなるのです。この眠くなるという点は、何度読んでも変わらない。 作者と同じ時代を生きて、作品を読めるということに感謝。だって自宅の電話が鳴るって感覚は今の子どもたちは分からないだろうし、FMラジオもおそらく聞かないだろうから。
半年ぶりとかの春樹 めちゃくちゃ楽しかった、一気読み ノルウェイ、海辺のカフカ、世界のハードボイルド、1q84からの不確かな壁でこれが多分6作目なんだけど 一番好きかも知れない 主人公の思考パターンがすんなり馴染むし(ちょっと待ってが大好き)、やっぱり春樹の文章のテンポが大好き 読む時間が楽しい...続きを読む 内容はいつもほど難解じゃない気がするけどまあ謎 いいじゃないの、楽しいんだからってかんじ
【ノルウェイの森】がすごく楽しかったので、続けてこの作品を読むことにしました。 村上春樹の世界にどっぷりと浸る今作も最高です。 上巻だけでは全く謎すぎます。 ただ、所々で村上春樹節が炸裂していて、それだけでも大満足です。 いろんな話が錯綜していて、これがどういう結末になっていくのか、とても楽しみで...続きを読むす。ていうか、あのカツラの話、特にあのアルバイトの話ってどうやって進んでいくんだろう(笑)
読み返す本
村上作品は、自分のコンディション、世代ごとに何度読んでも違った味が出る。 作品自体が面白いのもあるし、読み手の自分のそのときの状況がすごく影響する。 不思議な作品。
いつも通りではないズレ、日常の揺らぎに展開が気になって読み込みました。後半の戦争のシーンは衝撃を受けて、これは村上春樹を読んでるんだか確認してしまった。描写に引き込まれて唖然としてしまった。 普段と違う行動をしていく主人公、何かを象徴しているような周りの人々、これは3部まで一気に読みたい。
面白くて一気に読んだ。 最後のバイオレンスシーンは怖いので、あえて朝、読んだ。ノモンハンの情景がありありと頭に浮かびました。あらすじを知ってて良かった!
間宮中尉の長い話はかなり読むのがきつかった。 でも戦時中は「悪」の連鎖反応により「悪」が増幅した結果、あのようなものは当たり前のようにあったんだろうな…. 壮大な物語がこれから始まろうとするワクワク感のある第一部。是非
8/10 完璧な序章。 文章が完膚なきまでに完璧で、惹き込まれてしまう。終盤の間宮中尉の話は止まらない、あれほどにグロテスクで場面が頭の中で自動再生されたのは初めてだな。やはり、村上春樹はトリアー+リンチ+濱口竜介って感じだ。幻想的且つ暴力とエロスに満ちた世界を、無機質な文体が染める。まるで脂ギッ...続きを読むシュな鶏胸肉みたいだな。
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