Xと云う患者 龍之介幻想

Xと云う患者 龍之介幻想

作者名 :
通常価格 2,037円 (1,852円+税)
紙の本 [参考] 2,640円 (税込)
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作品内容

あの文豪の生涯と作品を織りまぜて、リシャッフルし、夢見直して、12の妖しい、美しいピースに仕立てた本。それだけで十分すごいが、さらにこの日本語版は、原文の独特のリズムを緻密に再現し、等しく妖美な作品を再創造している。奇跡のような一冊。
――柴田元幸

本書を読む者は 必ずや二度三度と 芥川の文学的狂気に侵される。

イギリス暗黒文学の旗手が、芥川龍之介の生涯を恐るべきヴィジョンと魔術的な語りを通じて幻想文学として語り直す。

芥川龍之介。東方と西方の物語と伝承と信仰に魅せられた男。そのなかで静かに渦を巻く不安。それがページから少しずつ滲み出す。

半透明の歯車が帝都を襲った震災の瓦礫の彼方にうごめき、頽廃の上海の川面には死んだ犬が浮き沈み、長崎には切支丹の影が落ち、己が生み出した虚構の分身が動き出し、そして漱石がロンドンでの怪異を語る。河童。ポオ。堀川保吉。ドッペルゲンゲル。鴉。マリア像。歯車。羅生門、藪の中、蜘蛛の糸、西方の人――キリスト。私のキリスト。

ジェイ・ルービン訳の芥川作品をピース自身の呪術的な語りとコラージュし/マッシュアップし/リミックスして生み出した幻想と不安のタペストリーを、コーマック・マッカーシーやリチャード・パワーズらを手がけた黒原敏行が芥川自身の文章と精密によりあわせて完成させた日本語版。芥川と幻想ノワールの結合として、原語版以上の衝撃をもって読者を眩惑する。

災厄と文学、狂気と詩情、日本文学と英国文学、現代文学と近代文学、現実と幻覚……すべての境界をおぼろに融かしてゆく文学と翻訳のはなれわざ。

カテゴリ
小説・文芸
ジャンル
小説 / 海外小説
出版社
文藝春秋
掲載誌・レーベル
文春e-book
ページ数
368ページ
電子版発売日
2019年03月22日
紙の本の発売
2019年03月
コンテンツ形式
EPUB
サイズ(目安)
2MB

Xと云う患者 龍之介幻想 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2020年03月22日

    『彼はある郊外の二階に何度も互いに愛し合うものは苦しめ合うのかを考えたりした。その間も何か気味の悪い二階の傾きを感じながら―芥川龍之介「或阿呆の一生」昭和二年(一九ニ七年)』―『地獄変の屏風 HELL SCREEN』

    芥川龍之介の文章から受けるイメージは読むたびにその鈍色(にびいろ)の光沢が薄れる...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年08月17日

    芥川龍之介の作品を使っての幻想文学(著者はイギリス人。ということでもちろん原書は英文なわけで、本書はそれの『翻訳本』)という点だけ知っていて、それ以上は前情報仕入れずに読んでみましたがこれがビックリ。
    これは「芥川の人生」と「作品」を素材として使って、芥川龍之介を主人公に据え、史実と幻覚と妄想と文学...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年04月16日

    日本在住のイギリス人著者が芥川作品の英訳を多数引用して作品を構成しているわけだが、その部分も含んで日本語に訳す、という単純ならざる訳業。
    「戻し訳」ではなく芥川の文章そのものを使ったことや、当時の表記(エドガア・アラン・ポオ、レエン・コオト、ジョオンズ、洋燈と書いてランプとルビをふるなど)にも細やか...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年06月01日

    テクノ/ハウスなどの音楽で一般的なリミックスという手法は、その後、”シミュレーショニズム”の文脈で現代美術にも派生するが、文学においてはそこまで一般的な手法ではない。本書はそうしたリミックスの手法を用いて、芥川龍之介の作品を英国人作家デイヴィッド・ピースが新たな文学作品に仕立てた一冊である。

    芥川...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年05月24日

    芥川龍之介の作品にインスパイアされた短編集。
    著者は英国生まれだが、日本文学に精通し現在は日本在住、東大で教鞭もとる。

    ああ、もう一度芥川作品を読まなくては…。

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    Posted by ブクログ 2020年08月22日

    これは凄い。芥川を愛する著者の二次創作的な作品集かと思っていたけれど、それだけではない。さらに芥川の生涯を追い、死に至るまでを描いていく。
    この描き方が半端ではない。その時代、その場所で見てきたのではないかという位リアルでありながら美しく幻想的。
    「本当にこうだったのではないか」と思わされてしまう。...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2019年05月01日

    芥川龍之介の世界観を積み重ねて、
    独自の世界を築くという
    小説でしかなしえない離れ業を成し遂げている。

    最後にあげられた日本文学の英訳の
    列挙をみて、日本人、もっと
    日本文学読もうよ、と思った。

    脇を固める、斎藤茂吉などの作品も
    改めて読み返したいと思った。

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