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〈中国のスティーヴン・キング〉が放つホラーミステリー!
ある雨の夜、若い警察官・葉シャオ(イエシャオ)の家を、幼馴染の作家の周旋(ジョウシュエン)が訪ねてくる。
周旋は思いつめた様子で、木の小箱を取り出す。ある夜、バスで隣り合わせた血だらけの美しい女性・田園(ティエンユエン)から預かったという。しばらく仕事で上海を留守にしていた周旋が田園を訪ねると、警備員から彼女は心臓発作で亡くなったと告げられた。周旋が自宅に戻ると留守電に彼女のメッセージが入っていた。「あの箱を幽霊旅館に届けて。場所は……」と途中で切れており、発作を起こして電話をかけ、途中で亡くなったと思われた。
周旋は、小箱を届けたいので田園の身元を調べてほしいと葉シャオに頼む。葉シャオが調べてみると、田園は実力と美貌を兼ね備えた伝統演劇の女優で、一時は大変な人気だったが、3年前、公演中に心臓病の発作で倒れ、それ以来ひっそりと暮らしていた。病は悪化し、死を予感して苦しんでいたらしく、精神科にも通院していたことがわかった。
葉シャオの調べで、幽霊旅館は浙江省K市西冷鎮にあることがわかり、周旋は木箱を携えて旅立つ。やがて葉シャオはのもとに、周旋から手紙が届くようになる。幽霊旅館では電気も電話も使えず、近くの集落の郵便ポストから手紙を出すしかないが、旅館で手紙を受け取ることはできないから、一方的に書くことにするというのだ。
そこで語られる幽霊旅館での謎の人々との日々、やがて幽霊騒動が持ち上がり……。
累計発行部数1千万部を超える大ベストセラー作家が放つ、巧緻を極めたサスペンスホラー!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
著者は<中国のスティーヴン・キング>と呼ばれるベストセラー作家らしい。
バスで隣り合わせた女性から預かった謎の箱を幽霊客桟に届けに行った作家、周旋から毎日届く長文の手紙。そこに描かれる幽霊客桟は不気味な雰囲気に満ちており、宿泊客も謎めいていた。手紙は日に日に現実離れした話になっていき、ついに…
本筋とは関係ないが、そんな辺鄙なホテルに行くときに周旋が持って行った本が森村誠一の『野生の証明』なのがちょっと笑った。
全体として少々冗長な気もするが、ゴシックホラーめいた幽霊客桟の雰囲気がよかった。ホラーとミステリの融合もなかなかいい感じ。
続編もあるようで、引き続き翻訳を期待したい。
Posted by ブクログ
浙江省東部の海岸に建つ三階建ての客桟。それが幽霊客桟だった。亡くなった女優の田園から託された木匣を幽霊客桟に持っていくことになった小説家の周旋は浙江省K市西冷鎮行の長距離バスに乗った。田園からの電話は途中で途切れて「幽霊客桟に持って行ってほしいの。場所は…。」だけで、場所も住所も分からなかったが、周旋は古い友達の警察官の葉䔥にその場所を探してくれるように頼んだ。そして今は幽霊客桟のある西冷鎮行のバスに座っている。これからどんなことが待っているか分からないのに…。幽霊客桟についた周旋は毎日友達の葉䔥に手紙を書いた。その中にこの悲劇が綴られていた。
Posted by ブクログ
愛情と狂気の深淵に飲み込まれる。親友が訪れた幽霊客桟から手紙が届くのだが… #幽霊ホテルからの手紙
■あらすじ
警察官の葉䔥(イエシャオ)に自宅に、かつての親友である周旋(ジョウシュエン)が訪ねてくる。彼は美しい女性と出会った逸話を話しだす。その彼女から木箱を預かり、木箱を幽霊客桟に届けてほしいとお願いされたのだ。
幽霊旅館がどこにあるか不明だったが、葉䔥が調べあげることに成功。周旋は木箱を届けるために、幽霊客桟に旅立ったのだが…
■きっと読みたくなるレビュー
めっちゃ濃厚!
プロットもストーリーも人間関係もねばっこく、じっくりと味わえる良作です。
世界観としてはド真ん中ホラーで、つねに生死の間を漂っているかのようで不気味。それでいて愛に対しては純粋すぎて、その背景にある人間の業があまりにも怖い。
美しい描写が多く、また文中に様々な文学作品の引用やエピソードがちりばめられていて、ストーリーにも厚みが増す。日本の作品からの引用は、文学への恵愛と尊敬に溢れていて、同じ本を愛する者として、大変優しい気持ちになりました。
本書のメインは「第二章 幽霊客桟からの手紙」ですが、これはちょっとスゴイ。まさに周旋から葉䔥に宛てた手紙を読んでいくことになるのですが、幽霊客桟やその土地の歴史や謎、利用客の面々の描写がめっちゃ力強いです。
特に上手なのは小道具の使い方。木箱、蓄音機、写真、お墓、彫像など… 過去の人間の歴史を暗示する仕掛けが不安さを煽る。現実なのか幻なのか、本当なのか嘘なのか、生きているのか死んでるのかすらよくわからない。不気味さのなかにある混乱が、より読者を怖がらせ、でも熱中して読み続けてしまうんです。
そして謎解きとしても、おそらくよくミステリーを読んでいる人こそ唸らせる内容。そういうことだったんだ~と言う、からりとしたトリックではありません。作者のねばっこい、たくらみといった仕掛けで、ただ読み終わった後は胸にじんわりとくるものになっています。
海外ミステリーを読むたびに、いつも世界は広いなぁと感じますが、本作も例外ではありません。あきらかに本や文学、物語を愛している作家先生と分かる作品で、読んでいて嬉しくなりましたね。中国文学や文化を知るきっかけにもなるし、読んでよかったと思える作品でした。
■ぜっさん推しポイント
第二章後半の手紙。こんなに純粋な愛情表現は、久しぶりに読んだ気がします。情愛と狂気、そして憎しみや業が入り交じり、人間の底知れぬ部分が丸裸になっていく。
私はここまで情熱をもって生きたことがあっただろうか…
年を取ると安定やバランスばかり求めてしまいますが、力強く生きることの大切さは忘れずにいたいですね。
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