7つの階級―英国階級調査報告

7つの階級―英国階級調査報告

3,080円 (税込)

15pt

3.3

BBCが行ったイギリスの階級調査を複数の社会学者が分析した書。
従来の階級研究は、上流階級、中流階級、労働者階級の3つに分け、中流と労働者の間を明確に線引きすることが重視されてきたが、現代はそれほど単純ではない。
他から隔絶した最上層のエリートと、何も持たない最下層のプレカリアート(不安定な無産階級)という両極の間に、単純明快に分けることができない幅広い中流層が存在するという。著者らはこの中流を、経済資本(所得・貯蓄・住宅資産)・文化資本(学歴・趣味・教養)・社会関係資本(人脈)をどのようなバランスでどのくらい所有しているのかに着目して5つに分類し、7階級の存在を明らかにした。
1.エリート(elite)
2.確立した中流階級(established middle class)
3.技術系中流階級(technical middle class)
4.新富裕労働者(new affluent workers)
5.伝統的労働者階級(traditional working class)
6.新興サービス労働者(emerging service workers)
7.プレカリアート(precariat)

エリートを自覚しているくせに、自分は「普通」だと強調する現代的なエリートの姿、あからさまにはスノッブな態度はとらないが、自分の審美眼や知識をひけらかしたい豊富な文化資本の所有者など、英国階級調査参加者の偏りを補正するために行った追加的なインタビュー調査からは、現代のイギリスを生きる人々の生の声が知られ、非常に興味深い。

本書はイギリス特有の現象や慣例、考え方により叙述されるが、社会の上下両端の格差が著しいという状況は各国共通の現象であり、3つの資本が重なり合って格差が広がる実情は、私たち日本の現状にも当てはまる!

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7つの階級―英国階級調査報告 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2019年12月19日

    イギリスの階級調査報告。

    大半のお金持ちは成功者ではなく、
    長期間にわたって資産形成してる人達。

    格差はさらに広がる。

    年収1,350万円以上の人達は親も専門的
    エキスパート。

    お金持ちは文化的教養に興味があり、
    自分の趣味に自信がある。

    貧乏人は自分の趣味が偏った趣味で
    あると自覚してい...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年05月20日

    貴族の存在等もあり、社会階層の格差は日本よりも大きいと考えていたが、想像以上に格差が大きいようだ。貴族は没落しつつあるが、それでもエリートととの差は大きく、格差が拡大しているようだ。
    能力主義という言葉に騙されて、能力以外の資源の蓄積がじつは大きな要因であるが、そこは是正されないまま過度なエリート層...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年07月12日

    英国の根深い階級意識について理解。発音やイントネーションだけでなく、子どもの名前だけで階級がわかる、という件りが印象に残った。下層はより下層を敵視すること。海外に限らず日本でも起きていることだと思う。

    0

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