デイヴィッド・ピースの作品一覧
「デイヴィッド・ピース」の「Xと云う患者 龍之介幻想」「GB84」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「デイヴィッド・ピース」の「Xと云う患者 龍之介幻想」「GB84」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
芥川龍之介が書いた作品と伝記的エピソードをコラージュし、この世という地獄を彷徨う作家の姿を描いた〈芥川版ドグラ・マグラ〉のような幻想怪奇小説。
日本在住のイギリス人作家が英訳された芥川作品を使って書いた小説の邦訳、というひねった成り立ちで、発売当時から気になっていた一冊。とにかく黒原敏行の訳文が格好良すぎる! この小説は芥川をそのまま引用してるところも多いけど、だからこそ芥川とピースの文体をつなぐ役割を見事に果たしている訳文に痺れずにいられない。
そしてやはり語りの声こそ、この小説の肝だ。芥川の文章を切り貼りしたコラージュが、いつのまにか呪詛のような、読経のようなグルーヴを持つピースの声に
Posted by ブクログ
これは凄い。芥川を愛する著者の二次創作的な作品集かと思っていたけれど、それだけではない。さらに芥川の生涯を追い、死に至るまでを描いていく。
この描き方が半端ではない。その時代、その場所で見てきたのではないかという位リアルでありながら美しく幻想的。
「本当にこうだったのではないか」と思わされてしまう。
彼が魂を擦り減らしながら小説を書いていくのを身をもって感じ、特に終盤、こころを病んでからは剥き出しになった神経を持て余して苦しむ感覚が身に迫ってきて、乾いた筆致でありながら辛くて堪らず、死によって解放される感覚までも追体験してしまった気がした。
断片的に知っていた彼の人生をここまで見事に、彼の小説
Posted by ブクログ
『彼はある郊外の二階に何度も互いに愛し合うものは苦しめ合うのかを考えたりした。その間も何か気味の悪い二階の傾きを感じながら―芥川龍之介「或阿呆の一生」昭和二年(一九ニ七年)』―『地獄変の屏風 HELL SCREEN』
芥川龍之介の文章から受けるイメージは読むたびにその鈍色(にびいろ)の光沢が薄れるような印象がある。思春期の頃には、まるで外科用の刃物のような鋭い光を放っていると感じたものが、読み返してみると、私生活が半透明の薄皮一枚のすぐ下に透けるような酷く生々しいものに見える気がする。形而上学的な言葉と思えたものが単に陳腐な感情の吐露だと判明してしまったかのようでもある。作家に関する余計な知