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叶わぬ恋こそ、うつくしい――能の演目に材をとり、繊細なまでに張りつめた愛の悲しみをとらえる作品集。 雨の気配を滲ませた母子に宿命的に惹かれ、人生設計を投げ捨てたエリート医師(「弱法師」)。 編集者の愛を得るために小説を捧げ続けた若き作家(「卒塔婆小町」)。 父と母、伯母の不可思議な関係に胸ふるわせる少女(「浮舟」)。 能のモチーフをちりばめ、身を滅ぼすほどの激しい恋情が燃えたつ珠玉の3篇。
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Posted by ブクログ
何度も読んでいる中山可穂さんの一冊です。中山可穂さんの本は体力、精神力両方ある時じゃないと読めません。両方ある時にはぐわーっと引き込まれて読んでしまうのですが。 この弱法師、「弱法師」「卒塔婆小町」「浮舟」の三作が載っているのですが、私の中で「卒塔婆小町」の印象が薄くて、確か、老婆が出てきたような?...続きを読むくらいの記憶でした。ですが、今回読み返してみて、一番ガツンときたのはこの「卒塔婆小町」でした。元々この方の書かれる愛と狂気の背中合わせっぷりが大好きなのですが、この卒塔婆小町、その愛と狂気が薄皮一枚でつながっているような感じがしたのです。 他の本だと、その薄皮一枚っていうのが今まであまり感じられなくて、ぴったり背中合わせになっている印象があったのですが、この作品、その薄皮一枚があったからこその愛と狂気がもう、心臓わしづかみでした。え?そうなるの?からのはーー!?なラストで読み終わった時に暴れまわりそうでした。どうしてこのお話が過去の私の中で印象に残ってなかったのかが不思議でなりません。 この本、性描写をしないで書いたと後書きにあったのですが、なくても十分色気がありましたし、なんならなくていい、ないからこその色気がにじみ出ていてそこがいい。私は性描写ない方が好きかもしれません。なんというか、においだけ嗅がせていただいて十分です。と思ってしまって。 毎度のことではありますが、読んでいる最中涙腺は緩むは、頭はガンガンするわ、心臓バクバク言うわでなかなか肉体的にしんどい物でした。精神的にはこんな素敵な(素敵の一言では言い表せない)お話を読めて満足でした。 今日、この本を読めたということは、体力と精神力がしっかりしているという証です。体も心も健康な証拠に読み終わった今、健やかな空腹感を味わっています。脳みそは大食いと言いますし。 さて、納豆ご飯でも食べますかね。
恋とは死に至る病である―― 難病を患う少年と、彼を助けようとする医師であり継父である男との、その関係を越えた純愛の物語《弱法師》 かつて優秀な編集者だったホームレスの女が振り返る、若き作家との身を滅ぼすほどの恋の物語《卒塔婆小町》 父と母、そして大好きな叔母との許されない愛の形を描いた物語《浮舟》...続きを読む 古典"能"を材にとり、繊細なまでに張りつめた愛の悲しみをとらえる中篇3篇。 うわ〜、これすごかった、、←語彙力なし笑 叶わぬ恋ほど美しいと言うけれど、まさにそういう恋を描いた3篇でした。 中山さんの描く文章がとても美しくて、それが故に鋭さや脆さをも感じさせる作品でした。 「弱法師」から引き込まれましたが、「卒塔婆小町」はもうその世界に引きずりこまれて没頭。。 身を削るほどの狂おしい恋に心持ってかれました。 能を題材に描かれたそうで、こういう恋の形ってどこか古典的と言うか、純文学っぽさを感じるんですが、それはそこからきてるのかな〜。 とても印象に残る作品でした。 これは手元におきたいな〜♡♡
文章が美しすぎます。 こんなに研ぎ澄まされて、一滴一滴絞り出すように紡がれた文章と出逢えたことが幸せです。 この文量でこの濃度、必要な描写がすべてなされていて、しかも美しいのです。 『卒塔婆小町』と『浮舟』がとくに好きです。 恋をすること。想い続けること。心が引き裂かれること。 愛について考える...続きを読むことは作家にとって一生の宿題だ。 『卒塔婆小町』 にある通り、著者の中山可穂さんも、その一生の宿題に取り組んでいるところなのだと思います。 以前から強く、ほとんど憤りのように、中山可穂さんは日本文学史上であまりにも過小評価されている小説家だ、と感じています。 2022年河出文庫からの復刊はほんとうにうれしいです。
三篇とも胸にズンッとくる話、言葉、雰囲気だった。正に狂おしいという表現がぴったり合う。 特に好きなのは二作目の「卒塔婆小町」。形はどうあれ、あの二人は間違いなく愛し合っていたのだと思う。
「報われない恋」というテーマの中編を三編収めた作品集、今回はレズビアン的要素を抑えているのが特徴というか。 表題作(弱法師と書いて「よろぼし」と読む)も悪くないが何と言っても白眉は「卒塔婆小町」。 自暴自棄になった主人公が捨てた原稿をホームレスの老婆が拾うシーンから始まり人の業というものを凝縮し...続きを読むたような終わりを迎える編集者と作家の壮絶な物語は圧巻としか言いようがないのだった。 ラストの鎌倉を舞台にした「浮船」がまた良いんだ。 財布の一番奥にしまわれていたぼろぼろになった写真――……切ないよなあ。 それはそれとして結局最後まで明かされなかったけど、薫子おばさんの職業はいったい何だったんだろかね。 ほんとにスパイだったらそう簡単にやめられないだろうし……気になるやのう。
すごーーーーくよかった!!中山さんは「猫背の王子」がだんとつだ!と思ってるのと同じくらいよかった。どの話も登場人物がせいいっぱい毎日暮らしてて寂しくてもの悲しくてきれいな世界でした。引き込まれた。 「弱法師」が一番好きです。噛み合わないようでいて噛み合っていて、交錯して、消失してしまうかなしさ。最後...続きを読むのほうの愛してる、がつらい…… 二番目の話も好き。
日本の能をモチーフにした3編の物語。激しい恋心、届かない想いを、絶妙の文章で描いています。 その中でも私は「浮舟」が一番好きです。全てを投げ出してしまうくらいの恋も良いですが、身を引き好きな相手を守る愛というのも、切ないけど美しいと思いました。 単行本が発売した時に一度読んだんですが、文庫本も買っ...続きを読むたのにそのままにしていたのを思い出し再読しました。 初めてこの作品を手にした5年前、息を止めていたのかと錯覚するくらい苦しい気持ちで読んだのを思い出しました。 とても苦しくて、先が気になってても一編ずつしか読めなかった。 読者の呼吸まで止めてしまうなんて!!と衝撃を受け、それと同時に今までの作品とは何かが違うと感じたっけ。それまでの作品でも、心臓を鷲掴みにされるようなことは多々あったけど・・・。 その後に出版された「ケッヘル」で殻を破ったんだ!と知り、中山可穂さんをますます好きになったんだよな~と、内容とは別に懐かしい気分で読んでしまいました。 何度読んでも好きだと思える作品です。
能のお話を根底にすえた3篇。 「恋とは死に至る病である。」という帯のキャッチに惹かれて購入しましたが、個人的にすごく満足です。 弱法師だけ、知らなかったのですが知らなくても楽しめる、小説として一本ぴん、と通っている印象です。 一番すきなのは「浮舟」、でも同じくらい「卒塔婆小町」も好きです。 ...続きを読む卒塔婆小町、有名な深草少将の百夜通いを百本の小説に代えたところが素敵。小町が男を避け続けたのも、ここでは同性愛というリアルで補う。ほんとうにそうだったかも、と考え込んでしまいます。そうやって、比較して読むものじゃないかもしれませんが、、 「浮舟」の、二人の男からの求婚に耐えかねて身投げ、という場面も。そうとは悟らせず持っていく。能の主題を殺さず、作者自身のテーマもしっかり主張していて。 最初から最後まですべてがおもしろかったです。 中山さんの本は初挑戦だったのですが、これを期に挑戦してみたいですね。
一番心に残ったのは「卒塔婆小町」。天才的な小説家の男が、編集者に恋をし、彼女の為だけに小説を書き、捧げる。と、こうして書くと何の変哲もない話だが、登場人物達の、確かな存在感・愛の重量。誰に感情移入して読めばいいのか。誰に感情移入しても、苦しくて押しつぶされてしまいそうになる。どうしてここまで狂おしい...続きを読む感情を表現できるのか。最後まで揺ぎ無い「美しさ」を貫き通す作者の文章力にも圧倒される。読み終わった後、心にずしりと「何か」が残るはずです。純度の高い「愛」の本質とは、透き通るものでもなく、こんなにも重いものだったのか、と気付かされました。
「浮舟」を読んで、私の中で恋愛に対する気持ちがぐちゃぐちゃになった。 胸が締め付けられて、離してくれないような作品だった。
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