Posted by ブクログ
2014年08月28日
【本の内容】
新宿二丁目でギターを奏でるストリート・ミュージシャンのカイ。
彼女の美しく切ない歌声に魅せられて、多くの女たちが立ち止まる。
そうした女たちの中から、カイは夜な夜な新しい恋人を求め続ける。
まるでジゴロのように―。
人妻との禁断の逢瀬、年若い少女への恋の手ほどき、命をかけた悦び...続きを読む…。
カイをめぐる、女を愛する女たちの激しく狂おしい官能と恋を鮮烈に描く連作短編集。
[ 目次 ]
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女性同士の恋と官能の物語。
主人公はそれこそ「ジゴロ」のように様々な女性と関係を持つが、彼女の行動は一見男性のようでありながら、それでいてひどく女性的だ。
特に、恋を知り始めたばかりの高校生の少女との関係。
主人公は年上のお姉さんらしく恋を教えてあげながらも、少女が求めるセックスを与える。
全篇が女同士でしかありえない愛のかたちを描いていて、男女の恋にはない独特の味わいを持っている。
主人公は特定の恋人を持ちながらも、他の女と寝ずにはいられない。
そこに漂うセンチメンタルな雰囲気がとてもいい。
恋愛のかたちが捩れていても、そこに悪意も独占欲もなく、どうしようもない寂寥感がある。
この感覚はこの小説でしか味わえないのではないだろうか。
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