「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄

「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄

815円 (税込)

4pt

4.2

10万人を動かした中国最大の民主化勢力幹部 逃亡2万キロの全記録。まさに現代の『水滸伝』だ。

巨額の贈収賄や不正ビジネスが横行する中国共産党、資産隠匿に手を染める高級幹部たち……。腐り切った現体制に業を煮やした共産党若手エリートは、社会問題を考える人々の食事会に参加したのをきっかけに、次第に体制改革運動に身を投じてゆく。

著者らを待ち受けていたのは、国内安全保安局(いわゆる秘密警察)による監視、尾行、盗聴だった。そして逮捕、監禁、拷問すれすれの非人道的な取り調べ……エスカレートする弾圧から逃れるため、彼らは家族も捨てて逃亡を開始する。

中国国内には当局の厳重な監視をかいくぐって民主化シンパたちの地下ネットワークが張り巡らされている。か細い糸をたどって潜伏先を探すが、すぐに当局の包囲網が彼らを追い込む。

逮捕された後、当局の取り調べは熾烈を極める。自白しない著者の前に、妻まで連れてこられ、強烈なプレッシャーをかけられた。運良く獄から出られても、監視の目はつきまとう。

息詰まるようなサスペンスが次から次へとやってくる中、それでも彼らは逃げ続ける。チベット、香港、ミャンマー、タイ……。拠点を移しながら活動を続け、ときおり北京にもこっそり戻り、体制改革へのアピールを続けてゆく。再び捕まったら一巻の終わり。ボロ雑巾のようになるまで人間性を破壊され、闇に葬られる。

祖国の民主化のため、凄まじい人権侵害と闘い続ける英雄豪傑たちの群像。

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「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2021年12月06日

    面白かった。
    今の中国政府が反体制派と見做した人間にどのような行動をとるのかがよくわかる。そして何より彼がさすらう中国全土のそれぞれの土地の様子もとても面白い。
    ミャンマー軍閥割拠地域やメコン川沿いの黄金三角地帯、チベットから雲南の冬の山越えなど、旅行記としての価値も高くて最高。

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    Posted by ブクログ 2016年07月08日

    中国で民主化運動を行っていた人物の逃亡記。
    正直、この程度の些細な活動で拘束される中国の恐ろしさを味わった。家族と離別し、命からがらタイへ逃げるという話は、あまりにも壮絶である。
    あとは一度拘束されても、民主化運動を継続しようという意思の強さに敬服する。家族や仕事があれば、運動から身を引こうとするの...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年09月05日

    筆者は1974年生まれ。中国共産党のエリート養成校出身だが、公民権運動の中心人物となったため、習近平政権後の弾圧により苦難の後に2015年2月にタイに出国するまでの手記。2016年6月第一刷。中国共産党による独裁体制の歪みをインサイダーの視点から書いていることが本書のリアリティを増している。

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    Posted by ブクログ 2016年09月09日

    中国で人権を訴えていた顔(がん)氏が国家権力から目をつけられて以来、拘束を逃れるために逃亡し、そして逮捕され、拷問を受け、ついに脱獄してタイに亡命するまでの体験を綴った逃亡記。国家権力が法的な根拠もなく、国家にとって都合の悪い人物を強制的に拘束することが許されている現代の中国がいかに歪んだ政治形態で...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年10月29日

    公民運動を行って当局から迫害されタイに亡命することになった顔伯鈞のルポ こちらの常識からするととんでもない人権侵害が行われているのだが、思ったほどめちゃくちゃではないと思った。線引きはものすごく低いところにあるがそれなりの法の抑制が効いている印象。 山塞携帯の時も思ったが中国人は水滸伝が好き。これは...続きを読む

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