村木嵐の作品一覧

「村木嵐」の「頂上至極」「阿茶」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 天下取(てんかとり)
    -
    1巻770円 (税込)
    武田信玄の娘、春姫は嫁ぎ先の北条家より戻されてきた。両家敵対のためである。迎える母、三条の方は戦乱の世での女の幸せに思いを巡らせる。三条自身も政略結婚で武田家に嫁いで来たのだ――。武田から北条へ、今川から武田へ、北条から今川へ。同盟のため、姫たちは命じられた家に嫁いでいった。戦を避けるための結婚は戦によって終わりを迎える。運命に翻弄されながら、人生を生き抜いた女たちを力強く描く!
  • いつかの朔日
    3.8
    1巻1,870円 (税込)
    竹千代は今に天下を掌中に入れおるぞ――。 室町幕府の権威が低下し、各地で戦乱が巻き起こっていた激動の時代。 松平家が城を構える三河、周辺国である尾張、遠江、美濃、駿河、信濃らが絡む東海地方の覇権争いは熾烈を極めていた。 そんな争いのなかで、織田家ついで今川家の質物として囚われていた松平家の竹千代――後の徳川家康。 数奇な運命を辿った幼少期から天下人へ。 直木賞候補『まいまいつぶろ』の著者が、天下統一を果たした男を鮮やかに浮かび上がらせる十の物語。
  • またうど
    3.8
    1巻1,776円 (税込)
    人はなぜ、身に余る位や物を望むのか。 「この者は、〈またうど〉の者なりーー」 徳川家重の言葉を生涯大切にし続けた老中・田沼意次。 彼は本当に、賄賂にまみれた悪徳政治家だったのか? 【またうど】愚直なまでに正直なまことの者 全てを奪われても、志を奪うことは誰にもできない。 いつか必ず、次の一里を行く者がある。 財源としての年貢が限界を迎え、江戸税制の改革者として商人にも課税。 身分の低い者も実力さえあれば抜擢し、交易に役立つ俵物のため蝦夷地開発を決定。 前例や格式にとらわれず、卓見と奮迅の働きで日の本を支えた田沼意次は、 なぜ突如老中を罷免され領地を失ったのかーー。
  • 地上の星
    3.0
    1巻800円 (税込)
    葉室麟、絶賛! 「島原の乱」開戦前夜 天草を守った武将・麟泉。民に愛された姫・お京。異国との架け橋になった少女・おせん。かなしみの秘史に、はじめて光を当てる! ※この電子書籍は2016年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • まいまいつぶろ
    3.8
    1~2巻1,672~1,881円 (税込)
    ●週刊ダイヤモンド(2023年6月10・17合併特大号)書評掲載(評者:昼間匠[リブロプラス商品部]) ●読売新聞(2023年6月13日付)書評掲載(評者:川村律文[読売新聞文化部]) ●日経新聞(2023年6月15日付)書評掲載(評者:縄田一男[書評家]) ●週刊現代(2023年7月1日・8日号)書評掲載(評者:東えりか[書評家]) 口が回らず誰にも言葉が届かない、歩いた後には尿を引きずった跡が残り、 その姿から「まいまいつぶろ(カタツムリ)と呼ばれ馬鹿にされた君主。 第九代将軍・徳川家重。 しかし、幕府の財政状況改善のため宝暦治水工事を命じ、田沼意次を抜擢した男は、本当に暗愚だったのか――? 廃嫡を噂される若君と後ろ盾のない小姓、二人の孤独な戦いが始まった。
  • 阿茶
    4.0
    1巻888円 (税込)
    「政など、きれいごとでは進まない。呑まれているときではない」。豊臣家大坂城の堀を埋め徳川の権威を決定づけたのは、武士をも凌ぐ智慧を持った阿茶だった。夫亡き後、徳川家康の側室に収まり、戦場に同行するも子を喪う。禁教を信じ、女性を愛し、戦国の世を自分らしく生き抜いた阿茶の格闘と矜持が胸に沁みる感涙の歴史小説。
  • せきれいの詩
    3.0
    1巻805円 (税込)
    名家に生まれ文武に優れながらも浪人となった松平陸ノ介。成瀬家の姫で幼馴染の澪と仲睦まじく町で暮らしていたが、尾張藩主である長兄・徳川慶勝に請われ家士となる。新政府のため藩内の粛清を行う陸ノ介。一方、弟の松平容保は朝敵の汚名を被り追い詰められていく。陸ノ介はある想いを胸に会津へ......。固く結ばれた五兄弟の絆を描く傑作小説。
  • にべ屋往来記
    4.0
    1巻1,900円 (税込)
    東海道から身延山道に入った万沢宿にある旅籠・にべ屋。 関ケ原の大戦から十五年、にべ屋のような小さな宿屋にも、御上の探索方が探りを入れに来たり、素性の知れないお侍が訪れたり。今日もにべ屋には厄介事が持ち込まれて……。
  • 夏の坂道
    5.0
    1巻929円 (税込)
    帝国憲法が発布された年に生まれた南原繁は、やがて一高で新渡戸稲造、内村鑑三らの師や生涯の親友と出会い、学問とキリスト教の道へ。 次第に軍国化してゆく日本は、政治学徒となった南原の人生や学問の砦・東京帝国大学にも暗い影を落とし始める。 言論や研究の自由が脅かされ、教え子が次々と戦地へと送られる苦悩のなか、南原は絶望のなかで「最高善」を目指して格闘し続けるのだった。 東大教授・宇野重規氏が解説!
  • 頂上至極
    5.0
    1巻847円 (税込)
    宝暦三年(一七五三)、将軍から突如川普請を命じられた薩摩藩。遠路向かう先は二百もの支流がある木曽三川。重なる借財、烈しく強かな百姓、貧苦に喘ぐ故郷の妻子、疫病に倒れる藩士達と、総奉行・平田靱負の前に次々と難題が持ちあがる。これは形を変えた関ヶ原の戦い――。絶対不可能に思える手伝い普請を、靱負はやり遂げることができるのか。
  • 雪に咲く
    4.0
    1巻720円 (税込)
    今一番楽しみなのは村木嵐だ――と葉室麟に言わしめた作家による骨太な歴史小説。江戸に幕府が開かれて五十年余り。後に越後高田藩筆頭家老になる小栗美作は、大地震の後処理で手腕を発揮し、藩主・松平光長の信頼を勝ち取る。しかし光長の嫡子が亡くなると藩内は真っ二つに割れ、御家騒動へと発展。美作は否応なく、その渦に巻き込まれていく。そんな高田藩を取り潰そうと幕府は虎視眈々と機会を窺っていた。逃げず、媚びず、諦めず――藩を守るため、次々に襲いかかる難題と懸命に戦った男の生涯を感動的に描く歴史長篇。伊達騒動を描いた『樅ノ木は残った』を彷彿とさせる力作。

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  • 戦国 番狂わせ七番勝負
    4.3
    1巻896円 (税込)
    この結末、すべて想定外にして予測不能! 戦国時代に起きた、島津義弘、織田信長、真田昌幸など想定外、七つのストーリーを歴史小説界気鋭の作家たちが描く傑作短編集。 歴史に残るような戦国武将は、戦いに勝つべくして勝つのみにあらず。 時として味方は寡勢、敵は数倍という絶体絶命の場面を潜り抜けて来て、世に名を残したのだ。 織田信長、伊達政宗、浅井長政、島津義弘など七人の武将たちの驚愕の逆転の打開策を、当代きっての名手七人が描く、珠玉の短編アンソロジー。
  • やまと錦
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    熊本藩の大秀才、井上多久馬(後の井上毅)は、欧州各国の法律を学び帰国した後、統一した法を持たぬ未開の地として不平等条約を結ばされた日本にも、独自の憲法が必要だと痛感する。憲法草案の研究を進める多久馬だが、諸外国には決してない「二千五百年も続く皇室」の信頼に応えられるか苦悩する……。国のために才を尽くした井上毅の実直な生き方と、家族愛に溢れた人間性を丁寧な筆致で書き下ろした、長編時代小説の傑作誕生!
  • 火狐 八丁堀捕物始末
    -
    1巻586円 (税込)
    快男児か、稀代の悪党か――。江戸の華・町火消を追え! 江戸は下町の商店で若い娘が立て続けに押し込み強盗に殺害され、数十両の金が奪われた。現場に残された紙片には狐の絵が描かれていたことから、盗賊は「火狐」と呼ばれる。南町奉行所同心・大沢源之進は間もなく火狐一味を捕らえるが、真の下手人はほかにいると睨み、やがて町で評判の火消・多助に目をつける…清張賞作家が放つ時代サスペンス! 「多助の女 盗賊火狐捕物控」改題。
  • 遠い勝鬨
    3.0
    1巻753円 (税込)
    江戸幕府の三代将軍・徳川家光の時代に幕政を宰領し『徳川の平和(パックス・トクガワーナ)』の礎を築いた「知恵伊豆」こと松平伊豆守信綱。信綱には我が子のごとく慈しんだ少年・小太郎がいた。小太郎は南蛮医としての将来が嘱望されたが、決して知られてはならない秘密を抱えていた。信綱との固い絆の行方は如何に。やがて二人に最大の試練「島原の乱」が迫りくる――。
  • 船を待つ日 - 古物屋お嬢と江戸湊人買い船
    4.0
    1巻726円 (税込)
    ひどい近眼でどんくさい古物屋の娘・翠。ある日、翠の聡さを見抜く大商人・勘兵衛から南蛮の眼鏡を贈られ、図らずも江戸にはびこる大犯罪の渦中に。海に投げ捨てられた子供の変死事件や贋御紋つきの古物を作る人物を追い、侍の子・森之介と奔走するが、次第に幕府さえ脅かす巨大な黒幕が現れる。舶来の古物から謎を解く古物屋お嬢シリーズ第一弾!
  • マルガリータ
    4.0
    1巻693円 (税込)
    第17回松本清張賞に輝いた本作の主人公は、戦国末期、天正遣欧少年使節団の1人としてローマに派遣された千々石ミゲル。8年後、帰国した彼らを待ち受けていたのはキリスト教の禁教と厳しい弾圧。信仰に殉じた他の3人に対し、ミゲルは棄教という選択をする。なぜ彼は信仰を捨て、生き抜こうとしたのか? その生涯をミゲルの妻、珠の視点から描く。「物語を押しすすめる筆力は素晴らしいものがあるし、後半に四人の使者が交わす会話などは作者の熱気が伝わってきた。生身の人間が見えた気がした」(伊集院静氏の松本賞選評より)。新人離れした練達の筆が冴える、傑作歴史小説。
  • まいまいつぶろ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    生まれつき話すことができない第九代将軍家重。
    しかしそんな彼の言葉を唯一聞き取ることができる小姓の大岡忠光。家重が将軍に上り詰めるまでと、その後の政を主従関係のなかでどのようして取り組み進めていくのか、というお話し。

    史実に基づいているとはいえ、家重と忠光をとり巻くキャラが個性豊かで、特に父吉宗が家重を継嗣にするかどうかを苛む辺りはなかなか面白いし、家臣の忠音が家重を一貫して信頼する姿も清々しい。
    でも途中で死んだのは残念だったけど。

    忠光が生涯、家重の良き理解者として生き抜いたのはお涙ちょうだいに値する展開ですね。



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    2025年02月27日
  • まいまいつぶろ 御庭番耳目抄

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    9代将軍徳川家重と忠臣大岡忠光を主人公にした傑作「まいまいつぶろ」のスピンオフ、帯には「完結編」と書かれているが本編を補完する短編集として読める。

    収録作品に全てを見知っているのが御庭番の万里、この人実に味わい深い良いキャラで、本編登場時から気になっていたんだけどこの本で大活躍できてよかった。

    どの作品も心象描写や人物造形が良く描かれていて読み甲斐ある。捨作なしの粒ぞろいなのだが、あえて好みは「配信の士」、本編での嫌われ役「松平乗邑」を主人公に据えた一作。家重を世継ぎに推さなかった男の気骨と7代将軍吉宗との信頼関係がとても良かった。

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    2025年02月22日
  • またうど

    Posted by ブクログ

    「この者は、〈またうど〉の者なり・・・」徳川家重の言葉を生涯大切にし続けた老中・田沼意次。江戸の大火、浅間山の噴火、飢饉に打ち毀し、激動の世、田沼意次は困難な時代をどう舵取りしたのか?彼は本当に、賄賂にまみれた悪徳政治家だったのか?「またうど」=全き人。愚直なまでに正直な信の者。いかが?

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    2025年02月16日
  • まいまいつぶろ

    Posted by ブクログ

    ページを捲る手が止まらないほど熱中して読み終わりました。家重という体が不自由な徳川の将軍がいることも、家重の言葉を知ることのできた唯一の人、大岡忠光の存在も本書で初めて知りました。そして、その家重の父があの享保の改革で有名な徳川吉宗だと知り、より身近に感じることが出来ました。フィクションも多いでしょうが、物語の大岡忠光の慎み深さには大きな感動を覚えるものがありました。日本人だから余計に慎み深さが美しく感じたのかもしれません。

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    2025年02月04日
  • またうど

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まいまいつぶろの続編

    徳川家重公に仕え、またうど、と称された、田沼意次の物語

    まいまいつぶろで涙した後に、また心が揺さぶれるた

    当時の侍というのは、主君によって生き方が大きく左右されるのだから、良い主君に恵まれるのか否かで、人生が変わるのも無理はない

    しかし、田沼意次のような実直で聡明な家臣をもった家重、家治も、幸せものだろう

    この主従関係は、殿様と老中という役割を越えて、人生の友、と呼ぶにも相応しい、心の通わせが随所に見られた。なぜなら、この主従は人生の岐路で何度も苦難を一緒に乗り越えてきたからだ

    それは身分の違いを超えた、同志のようであった

    意次が肌身離さず持ち歩いた、手足が

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    2025年01月28日

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