戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実

戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実

ビジネス・実用
1,119円 (税込)

5pt

教科書が教えない「二つの世界大戦の真実」!

「歴史修正主義」とは戦前の日独を全面肯定する歴史観のことではありません。米英の外交に過ちはなかったのか、あったとすれば何が問題だったのか。それを真摯に探る歴史観のことです。

「公式の歴史」ではベルサイユ体制と国際連盟体制を破壊した枢軸国(日独伊)の他国への侵略が第二次大戦の原因と説明されますが、実は英米参戦の「必要」や「理由」は後からでっち上げられました。
ヒトラーによるユダヤ人抹殺は絶対に許されませんが、ナチスのユダヤ人差別が戦争の原因ではありません。
ベルサイユ体制の不条理、チェンバレンの愚策(ポーランドの独立保障)、ポーランドの頑なな対独外交こそ、大戦の真の原因でした。

「ヒトラーはどん底のドイツ経済を立て直した」
「オーストリア国民はドイツへの併合を熱烈に歓迎した」
「借金に追われていたチャーチルにとって、ナチス台頭は絶好のチャンスとなった」
などと、本当のことを言ってしまうと、連合国が作り上げた戦後体制の正当性が崩れてしまうのです。

二つの世界大戦は必要のない戦争だった。とくに第二次大戦はチャーチルとルーズベルトがいなければ起らなかった――。
本書は二つの世界大戦の真実に迫ります。

●目次●
第一章 第一次世界大戦の真実
第二章 第一次世界大戦後の歴史解釈に勝利した歴史修正主義
第三章 ドイツ再建とアメリカ国際法務事務所の台頭
第四章 ルーズベルト政権の誕生と対ソ宥和外交の始まり
第五章 イギリスの思惑とヒトラー
第六章 ヒトラーの攻勢と、ルーズベルト、チェンバレン、そしてチャーチル
第七章 ヒトラーのギャンブル

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 教育
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春新書
  • タイトル
    :
    戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実
  • タイトルID
    :
    421505
  • ページ数
    :
    328ページ
  • 電子版発売日
    :
    2017年01月20日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    5MB

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戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     なるべく感情を廃して、後世を知る色眼鏡を廃して、当時の人たちの視線で公平に伝えてくれた渡辺先生の意図を尊重し、私も、激しい喜びもなくかといって深い絶望もない、植物のような心で、穏やかに平凡に読ませてもらおうと思いました……が、無理でした。
     限界だねぇ、押すねぇ……バイツァダストッ!
     
     釈明史観は、『裏の皇国史観』と揶揄されるように、日本や枢軸国が全て悪かった……裏を返せば、日本や枢軸国が世界を動かしていた、それほどに影響力があった、英仏米ソは、何も影響など出来なかったと認めるという、無理無茶無謀な暴論なのです。
     その点、歴史修正主義は、事実のみを見て、端的に捉え、我々から見た味方の無力や過ちも認め、かつ、当時の人たちの懸命な努力も、敵となった人々への、戦う直前まで交渉を繰り返した、尊敬や愛情を認め、また、彼らも我々に尊敬と愛情を見せてくれていたことを伝えているのです。
     正直、涙なしには読めませんでした……。
     特に、ヒトラーに対しては、後世を知る私たちには多くの偏見があります。人種淘汰の残酷さは許してはなりませんが、そうなるまでの彼の、平和への惜しみない努力の数々は、正しく受け入れられ、知られていて欲しいと願うばかりです。

     日本の名酒と、ドイツのヴェリタスブロイを呑みながら……今日の平和のありがたさに、感謝を。

    0
    2026年03月02日

    Posted by ブクログ

    歴史を綴るのは過去を遡る行為である以上、知識の範囲(地球上全ての事実を知るのは無理)や思想、時代背景その他様々な要因に縛られて記載されているものとの前提で見る。いずれも一方的な見方をするのは危険だと考えて触れるべきだと思う。とは言え本書は最近の私自身の考え方に最も近く、私自身も否定する材料は探せない事から、見事に心を掴まれてしまう。
    先の大戦(第二次世界大戦)は時間をかけてゆっくりと膨らませてきた風船、それは一つでは無く色も大きさも異なる多数の風船が膨張し過ぎてひしめき合い、ある日突然誰かが針で刺す様な行為で破裂した結果だとぼんやり考えてきた。
    世界に破壊的な恐怖をもたらした大戦の要因とは何か。大きくは民主主義と全体主義、資本主義と共産主義のせめぎ合いと捉えるのがごく自然だし、少し狭めて見れば、ポーランドや英仏、米国にソ連、そして定説として語られてきた歴史上の大戦の当事者である独、日の個々の利益のぶつかり合いである事は言うまでもない。
    本書で登場する主要な人物として、ヒトラー、チェンバレン、チャーチル、FDRを中心に各国の外相や外交官のやり取りを詳細に追っていく流れは、推理小説の様にスリリングで一気に頭の中はセピア色の「現場」に自身を置くことになる。まるで会話を傍で聞いてるかの様な感覚だ。
    所々、読み手は地図上の国の形や国力をグラフでイメージしながら辿っていく事になるだろうが、ページをめくると良いタイミングで効果的に当時の地図が掲載されてくるので読みやすさもある。
    全くあり得ない事だが、必然的に自分ならこうするだろうと、あたかも国の元首や外相外にでもなった様な考えが頭の中で生まれてくる。ああ、もう少しあと20年早くこんな気持ちになっていれば(本書に出逢っていれば?)、少しは政治の道を目指したかもしれないなと。
    誰が戦争を起こすのか、タイトル通り最終的に風船に針を刺すのは前述の個人を始めとした政治家たちだ。第一次大戦からの国民の積年の恨みを一挙に晴らした代弁者、個人の利益や後世に残る名声にこだわってしまった人々。背後で暗躍する赤色で染めようとする思想家たち。それに見事に翻弄されていく人々。皆それぞれに抱えた背景を後世の歴史家が自身の歴史観で如何様にでも描ける。時代が彼等を生み出したのか、彼等が時代を利用したのかは分からないが、結局膨らむ風船を掴んで後世に名を残す程に高く昇って行った事は間違いない。途中で重し扱いでポロポロと落とされていく民衆には多くの悲劇と犠牲が強いられるのではあるが、風船を飛ばしたのも民衆だ。
    そう考えると、成る可くして成る、起こる可くして起こる戦争の過程は今のウクライナ戦争を見ていても非常に合致する点が多い。
    今まさに動いている現在をその様な歴史的、大局的、全網羅的に眺めるのは不可能ではあるが、少しでも広く高い視点で世界地図を眺めていないと、身に降りかかる火の粉は払い落とせないだろう。もちろん大半はその様な力を持てないが。
    まずは本書を手に取り流れに身を任せる事で濁流をもがく状態から緩やかな清流を泳ぐ力を自分が持たなければと感じた。

    0
    2023年04月08日

    Posted by ブクログ

    従前学んできた事とは違った観点からのアプローチで、そのような事情があったとは露知らずに歴史を学んできた事に反省した。
    教科書等の説明も、ある観点からの説明であり、違った見方をする事の大切さを学んだ。

    0
    2022年04月23日

    Posted by ブクログ

    目から鱗の記述ばかり。

    歴史から主観を完全に排除することはできない。
    ドイツや日本を擁護するというわけではなく、
    あくまでも勝者に都合の悪い出来事も丹念に洗うということ。

    0
    2018年08月18日

    Posted by ブクログ

    第二次大戦は極悪国である日本やドイツ、イタリアなど軍国主義、全体主義の国が引き起こし、自由と民主主義の国であるアメリカやイギリスなど正義の連合国が、悪である枢軸国を倒した戦いである・・・
    これに異議を唱えたり、疑問を持ったりする人々は歴史修正主義者とされる・・・
    歴史修正主義で歴史を語る学者は、歴史学界で主流から排斥されるそうな・・・
    歴史修正主義・・・
    南京大虐殺はなかったとかホロコーストはなかったとか、そういうのも含まれてしまうのでややこしいけれども、本書によると・・・
    英米両国の外交に過ちはなかったのか?あったとすれば何が問題だったのか?と探究しようとする歴史観に過ぎない、ということだそうな・・・
    そして、別に戦前の日本やドイツは素晴らしいとか、そういった主張をするものではない、と・・・
    歴史は勝者によって作られる・・・
    と言うけれど、勝者のプロパガンダに依らず、実態はどうであったのか、を探究するのが本来の歴史修正主義であるっちゅーことですね・・・
    で、その歴史修正主義からすると、世界大戦は必要のない戦争だったという・・・
    中にはチャーチルやローズベルト(FDR)がいない方が世界は平和だったろう、とする方もいるそう・・・
    防共という点ではドイツと日本が壊滅した結果、第二次戦後の世界に共産主義が拡散したことを考えると、隠れた勝者はソ連や中共といった共産主義陣営と考えられる・・・
    チャーチルとFDRの外交は間違っていたのではないか?と疑問を持たざるをえないっちゅーわけです・・・
    チャーチルもFDRもソ連に対して親和的で共産主義に対する警戒も薄かった・・・
    第二次大戦勃発前ってのはヒトラーの犠牲者はまだ数百人程度だった一方で、既にスターリンによる100万単位の犠牲者数が伝わっていたにも関わらず、ですよ・・・
    うーむ・・・
    結果的に第二次大戦後すぐに東西冷戦の緊張をもたらしたし、世界史上でとんでもない犠牲者を出すのは2つの共産主義国でしたし、ってことを考えると・・・
    間違っていたと言えなくもないですね・・・
    結果論ちゃあ結果論ですが・・・

    で、ドイツと英仏がもし、ポーランドを巡る問題で対立せずにそのままドイツの東進を許容していれば・・・
    欧州はドイツ対ソ連の壮絶な死闘となっていただろう、と著者は言います・・・
    で、そうならずに、欧州で世界大戦が勃発してしまったのは・・・
    戦渦が拡大してしまったのは・・・
    1つには、まず根本的にベルサイユ体制があまりにも不正義で不条理だったのであり・・・
    1つには、チェンバレン英首相がポーランドの独立保障という愚策を採ったからであり・・・
    1つには、ポーランドの外交が当時の情勢からするとあまりに頑なだったからである・・・
    と・・・

    で、恥ずかしながら知らなかったんですが、ドイツは最初から英米と対決姿勢だったわけではなかったんですね・・・
    第一次大戦で敗戦したドイツは戦後の非道なベルサイユ条約で英仏を中心に徹底的に追い詰められた・・・
    海外領土や利権を全て失い、ヨーロッパ大陸の領土も容赦なく切り刻まれ、無茶な賠償金額支払わされ・・・
    英仏の強欲っぷりやそれを容認したアメリカの裏切りでドイツは身ぐるみ剥がされボロボロになった・・・
    けれども・・・
    アメリカは自らの利益のためにドイツの再建を助けたし(その結果ウォール街も産業界もボロ儲け)、イギリスも自らの利益のために次第にドイツに宥和政策をとっていった、と・・・
    ドイツが弱体化したままでは、共産主義の餌食になるし、イギリス経済にとってもマイナスであると考えたと・・・
    英米ともにドイツを利用していたわけですね・・・
    また一方でヒトラーもイギリスを恨まなかったみたいです・・・
    というかむしろ、イギリスの後ろ盾を得て、ベルサイユ条約でバラバラになったドイツを再統一し、東方に領土を拡げて、ドイツ民族の生存圏を拡大しようとしたんだそうな・・・
    イギリスの保守派にさすがにベルサイユ体制が非道過ぎると見る向きがあったし、防共という観点からも、ドイツのある程度の東方への進出(ベルサイユ体制の解消)は許容していた・・・
    オーストリア、チェコスロバキア(ズデーテンラント)、ポーランド(ダンツィヒ)の線引きの変更は、平和的手段で行うならOKということだったよう・・・
    で、オーストリア、ズデーテンラントと容認してきたところで・・・
    ポーランドで揉めてしまった・・・
    これまた知らなかったけど、当初はヒトラーはチェンバレンとの約束があったのでポーランドに好条件(イギリスの歴史家も驚くほどの)を提示して、外交による決着を強く望んでいた・・・
    でもポーランドが強硬だった・・・
    でも外交で結構粘り強く決着させようとしていたところチェンバレンが突然、ポーランドに対して独立保障を宣言してしまった・・・
    ヒトラーはこれにかなり動揺してショックを受けたそうな・・・
    チェンバレンとしてはチェコスロバキアの解体を受けてヒトラーに裏切られた!!!となり・・・
    ヒトラーからすれば、チェンバレンに裏切られた!!!このイギリスめ!!!ということになってしまった・・・
    そしてこれが大きな転換点になった、と・・・
    一般的に言われているミュンヘン協定(対独宥和外交)ではなく、こっちが大問題だった、と・・・
    ちなみにポーランドの独立保障宣言はイギリス国内の政治家やアメリカのフーバー元大統領なんかも驚き、ありえないわ!チェンバレン何やってんの?!と批判している・・・

    チャーチルに関しては、第一次大戦の頃から好戦的だったし・・・
    第一次大戦後、政治家としては不遇で・・・
    しかも大恐慌で大損して、借金で追い詰められていたところ、ユダヤ人のお金持ちに肩代わりしてもらい・・・
    その代わりに&自身が政治家として再度日の目を見るべくヒトラーそしてチェンバレン批判を強めていった・・・

    FDRに関しては、親ソ連であり、親中国であったし・・・
    火種が燻る欧州やアジアで仲介できる巨大な国力を持ちながら仲介せず、というよりむしろ火種を煽ったフシがあった・・・
    若者を海外の戦場に送らないとして大統領に異例の3選を果たしたのに、特に欧州戦線へ参戦したがった・・・
    ニューディール政策の失敗(統計で見るとよく分かる)を隠すためという説が有力とのこと・・・

    第一次大戦からドイツのポーランド侵攻までの経緯を追ってみたのが本書ですが・・・
    第二次大戦は一次大戦後の国際秩序を乱した、全体主義で軍国主義の悪の枢軸国による他国への侵略が原因である・・・
    とは・・・
    一概には言えないもんですね・・・
    原因にも原因がありますし、戦争って相手があってのものだから、一方的なものではないことの方がほとんどでしょう・・・
    本書で言う歴史修正主義ってのは語られてない歴史というものに目を向けるオハラみたいなもんですね・・・
    ワンピースの世界なんかもそうですが、勝者は当然自分たちの正当性を主張するもんなんだから、語られている歴史ってのは注意しないといけませんね・・・
    参考文献も興味深いものが多く、フーバー大統領の本とかちょっと読んでみたい・・・
    とても参考になり面白かった!オススメ!

    0
    2017年03月30日

    Posted by ブクログ

    この帯はかなりミスリードですね。東條英機なんて出て来ないし。
    この本の内容を表すには、正確にはルーズベルトとチャーチルだけでなく、チェンバレンの後先考えない不用意な演説と、ポーランドの外交の頑なさ、を加えるべきですね。
    それにしても、スペイン内戦のゲルニカ空爆の脈略…意味を恥ずかしながら初めて知りました…なるほど、そういう背景だった訳ですか…

    0
    2020年11月10日

    Posted by ブクログ

    史実も見方を変えると大いに見え方が違ってくる。FDRはアメリカ史上異例の大統領であることは間違いないが、意外と評価が高くない。その理由の一端が本書を読むとわかる。

    0
    2018年08月06日

    Posted by ブクログ

    「釈明主義史観」と「歴史修正主義」。後者の立場(戦前の日本が正しかった、とかいう立場ではなくて)から、第二次世界大戦に至る過程を事実に即して追うもの。

    0
    2018年06月10日

    Posted by ブクログ

    要するにナチスドイツの脅威より共産主義の拡大を警戒すべきであった、という観点から歴史を見直し、チャーチルやF.D.ルーズベルト(やチェンバレンら実際の政治家等)の誤った判断がなければ第2次世界大戦はなかったはずなのに、と過去の現実を修正するのが歴史修正主義なのか? と思わせる。
    第2次大戦は共産主義者(ある部分ではユダヤ(借金を補填してもらうなど、チャーチルはユダヤ系富豪たちと親密だったということを記した節が「チャーチルの策謀」と題されていたりする。))の謀略だと言いたいのか? と途中思ったが、そんなことまでは言わず、英独開戦までの事象を割と淡々と記述して終わった。
    ただ、第1次も第2次も、ドイツのせいではない、とは言いたいのはわかった。実際、第1次大戦はドイツが主導して始めた、という刷り込みって、別にないような? 第2次大戦の大元はベルサイユ体制の不公正さというのも、教科書でもそう習ったような。
    しかし、ベルサイユ体制への固執を満洲問題にまで適用するのは違和感ありあり。たらればで言えば、日本が介入しなければ国共合作も起きなかった、つまり中国の共産化は防げたかも、と言えてしまうのでは。
    たらればだったら、ヨーロッパ戦線についても、ドイツの東進を英をはじめとする第三国が許容したら、確かに独ソ戦争でおさまった(両国の間にある小国は壊滅…)かもしれないが、ヒトラーとスターリンという両キャラを考えると、19世紀までのように適度(?)なところで終戦にならなかったのでは。ソ連のほうが勝つ可能性だってあったと思うのだが、そしたら、反共陣営からしたら実際よりもっと悲惨な事態だったのでは? ヒトラーが勝ったとして、超強国となったドイツに(ドイツが西には一切進まなかったとしても)仏英が耐えられるだろうか? 結局泥沼化していたのでは(それでもアメリカさえ参戦しなければ「世界大戦」にはならないようだが)。日本についても、アメリカを参戦させないことが肝要なら、挑発に耐え、真珠湾など起こさなければよかったのに、欧米の権益を侵さないのは言うまでもなく…という話になりそう。
    ポーランドやチェコスロバキアの状況の記述は新鮮だった。しかし、ダンツィヒ(グダニスク)をドイツに渡したほうが、つまりみんなのために自国が犠牲を払えばよかったんじゃん、と後知恵で言われても、今の日本に置き換えて考えれば、きわめて難しいのは自明だと思うが。
    引かれているのが2次文献(もしかして修正主義の著作ばかり?)ばかりで、孫引きも多いのが気になった。著者はなく編集方針かもしれないが、参考文献一覧がないのも不便だと思う。

    0
    2019年05月19日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    花戦争なるものが実在することを本書で知った。WW1で調印されたベルサイユ条約により領土を喪失したドイツが、回復を求めてオーストリアに侵攻し、軍事力ではなく花で迎えられ、無血で併合を実現したことを指す。ナチス政権において急速に国力を回復させたドイツは恐慌にあえぐ世界の羨望の的で、オーストラリア国民もドイツの支配をむしろ望んでいたという。
    FSSはいつの間にかコーラスが表舞台から去り、ものすごいフィルモア推しになっていた。当初予定になかったことは明らかで、設定が大幅に拡張された印象がある。同時に出現したのは詩女とかオートマチック・フラワーズとかいうものだ。花戦争という事象を知ってみれば、ダイ・グ統治下のフィルモアのナイーブな外交や、付随する設定変更のモデルとなったのではないかと思える。

    さて、本書は歴史修正主義の立場に立つという。
    歴史修正主義とは「従来の史観に異を唱える」というものであるらしい。字面から第一印象は「いいように歴史を解釈してやるぜ」と思えてしまい、意味を知る機会を逃したまま長く過ごしてしまったせいで、今でも混乱している。対義語は公式史観、別称あるいは蔑称は釈明史観である。

    本書が主張するWW1の原因はイギリスのエスカレーションである。ヨーロッパの局地戦に終止するはずだった戦争にイギリスが介入し、ドイツの領土を戦勝国で分配する結果を得た。イギリスの取り分は海外領土だ。ドイツは海外領土を100%喪失している。結果からすると説得力がある。この結果を正当化するためにドイツを悪役にする必要があり、それがベルサイユ条約だという。

    WW2の原因はイギリスがポーランド独立保障をしたことである。ベルサイユ条約の不正義を十分に認識していたチェンバレンは当初ドイツのポーランド外交に不干渉の立場だったが、フランクリン・デラノ・ルーズベルトの工作によって対立する気にさせられたという。これがなければWW2は発生せず、ドイツとソビエトの戦争に終止した可能性があると主張する。ドイツは外交によってポーランドと交渉を重ねており、ポーランドは実力もないのに強硬にそれを突っぱねていた。イギリスの保証を背景にそれは強まり、結果として軍事侵攻を招いた。この一連の流れを誘発したチェンバレンの不見識には当時のイギリスの有識者たちも驚いたという。チェンバレンが決断するに至った情報筋が非常に怪しい。

    別の歴史修正主義の書籍によれば、WW2はチャーチルがエスカレーションを主導し、アメリカの参戦を促したとある。本書の主張と矛盾するものではないが、主従が逆転する印象がある。
    いずれの主張においても、ソビエトが一人勝ちした印象を十分に説明するものではないのが気になるところ。

    暗記力と解釈能力の欠如から、世界史の教科書から歴史を俯瞰することができなかった。学業から離れて改めて第二次次世界大戦とはなんぞと問い、長く答えを求め続けてきたが、なんとなく形は見えてきたような気がする。まだ足りないピースがあるような。
    それはそれとして、本書は本書なりの因果関係を説明しているため、歴史の俯瞰はしやすい。

    0
    2025年11月03日

戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 教育
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春新書
  • タイトル
    :
    戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実
  • タイトルID
    :
    421505
  • ページ数
    :
    328ページ
  • 電子版発売日
    :
    2017年01月20日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    5MB

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