賢明とはいえない主君を持ったばかりに、お家の崩壊 追われる浪人生活 主家再興のための地味な努力 と忠臣蔵といくらか似通ったところがある。
前半部分はいくらか地味であったが後半部分の話の盛り上がりは、なかなかのものである。もっともこの作者の以前の作品にあったようなほろ苦いユーモアは影を潜めているとこ
...続きを読むろは残念である。
作品後半に南朝方と接触した際、赤松党も南朝方も絶望的な努力を長年尽くして来たので、手段が目的化してしまいもし本願がかなったら呆然としてしまうだろう という述懐の部分には感銘を受けた。