「タ」は夜明けの空を飛んだ

「タ」は夜明けの空を飛んだ

小説・文芸
891円 (税込)

4pt

4.7

1900年代初頭。日清、日露の二戦争の間に、通信技術は手旗から無線へと飛躍的に進化。日本海軍は戦況を左右する無線機の独自開発を決定。科学者・木村駿吉は、原理すら解明されていない無線機の改良を手探りで進めていく。マイペースな科学者が無茶振りに応えた結果、彼らの血と汗の結晶、三六式無線機を搭載し、日本海軍は当時最強と謳われたバルチック艦隊を迎え撃つ――。授業では教わらない歴史の行間に潜むドラマを掘り起こし、迫力の筆致で活写した傑作描き下ろし。新たな歴史小説の誕生!

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    「タ」は夜明けの空を飛んだ
  • タイトルID
    :
    1112294
  • ページ数
    :
    488ページ
  • 電子版発売日
    :
    2022年04月07日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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「タ」は夜明けの空を飛んだ のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    無茶苦茶おもしろかった!!!プロジェクトXみたい。
    ドラマ化しないかなぁ。
    坂の上の雲も真っ青なくらい面白い。日露戦争が財政的に綱渡りなのは知ってたけど、技術的にもかなり頑張ったんだなと思う。

    木村駿吉は教師をしていたが、内村鑑三の不敬事件の煽りを喰って免職になりアメリカに留学していた。日清戦争が開戦する。

    イタリアでグリエルモは電磁波の研究に夢中だ。電磁波でモールス信号を送れることにも気づく。この話をイギリスに持っていくことにした。後にノーベル賞を受賞する。

    海軍内に無線電信調査委員会が立ち上げられている。世界最先端の技術である。グリエルモマルコーニが世界で初めて実用できる無線機を作ったのだ。無線電信を海軍は開発することにした。外波中佐が責任者だ。木村駿吉が海軍大学校の教授になる。

    木村駿吉の父は木村摂津守。咸臨丸で太平洋横断し、勝海舟とも交流があり、その際には福沢諭吉を従者としていた元幕臣。顔は広い。

    駿吉は松代技師といろいろ相談する。全てが手作りだ。課題がすでに箇条書きされている。一つずつ潰していくしかない。駿吉は並行して受信機を作る。音響式と印字式のどちらが便利かやってみる。なにしろ無線の天覧を行う予定なので、プレッシャーは半端ない。海軍大演習があるのだ。

    そうこうしているうちに、無線機の扱える兵を作らねばと教育も始まる。仙台の高校で教えていた要領でやったら、みんな寝てしまった。だがロシア情勢が不安定なので急がざるを得ない。

    山本英輔中尉。授業がまるでわからない。

    駿吉はアメリカに調査に行く。がみんな、自分の専門分野ばかり滔々と語って得るものは少ない。

    イギリスへの表敬訪問に行く途中、無線をしっかり使うよう命令されている。改善要望をまとめていく。イギリス海軍の無線機まで見せてもらえた。

    駿吉は米国からの帰国で船が漂流し、おお急ぎでヨーロッパを回る。まだ周波数を測る手立てはどこにもないようだ。よい部品を見つける。

    横須賀に正式な無線の開発局が作られた。松代は逓信局に帰ってしまった。問題点をリスト化すると100を超えた。あれこれ無理難題も持ち込まれる。山本が大尉になって派遣されてきた。ロシア情勢が緊迫する中、駿吉は行き詰まっている。

    改良型無線機を扶桑という船に取り付けて実験開始。いよいよ人事も開戦を見据えたものになってくる。予算が通り、部品調達から始める。外波中佐と山本大尉が戦隊の方に行ってしまう。突貫工事で改良型を増産して各艦に取り付ける。

    日露戦争が始まる。たまたま通りがかったロシア商船を拿捕して連行などの連絡が素早くできてみな感心する。旅順海戦が始まった。制海権を制することはできなかった。

    駿吉は対馬に出張だ。まだ中傷の船に取り付けねばならないのだった。

    海門号はイギリスのタイムズ紙のチャーター号で、海戦の模様を海から無線で報道しようとしている。外波中佐はそこにマレーシア人のボーイに扮して乗り込んでいる。ロシア巡洋艦のバヤーンが検査にやってくる。尋問されたがやり過ごす。と、外波中佐はバヤーンが提督船であることに気がつく。その話を駿吉にしてやった。

    日本海軍はロシアと海戦をしたいが、旅順港の奥深くに籠ってしまい、陸からの砲弾で近づけない。そこで旅順港の入口にボロ船を沈めて出られないようにしようとしたがうまく行ってない。バルチック艦隊が来る前に旅順艦隊と勝負をつけなければならない。が、ロシア司令長官のマカロフ中将が戦死。

    ロシアの巡洋艦は太平洋側にまで出没し、輸送船や商船を襲う。駿吉はロシアの無線解読を頑張るがロシア語はわからない。ロシア語がわかる人はみなさん出陣している。しかし辞書がある!読めるわけなかった。せめて方角がわかれば…

    日本海軍はウラジオ艦隊が無線として孤立していることに気づく。三隻中一隻を沈める。戦闘は終わったが、敵兵の救助作業が始まる。山本大尉も報告書を作成して後続艦や軍司令部などへ打電しなければならない。

    海軍は日本海と黄海の制海権を得ているが、バルチック艦隊が出航していた。旅順が潰せていない。陸側から頑張って陸軍が攻めている。旅順が落ちた。残るはバルチック艦隊だ。

    外波中佐はエジプトだ。日本郵船の社員ということになっている。知りたい点は3つ。
    ・潜水艦を持っているか
    ・機雷敷設用の機材があるか
    ・無線通信能力
    しかし空振りに終わる。スエズではなく希望峰を回ったのである。外波は追加部隊を観察する。

    呉のドッグで艦隊を補修する。もちろん無線もやられている。駿吉は指示を出す。まだ日本は2等巡洋艦も造船できない。バルチック艦隊の無線はドイツ製らしい。今度は国内の離島の望楼に無線機を張り巡らす仕事が待っている。ドイツ製というのは外波大佐(昇進した)の報告で間違いない。アンテナなら今から改良できないだろうか。今は立石兵曹長が手伝ってくれている。やるべきことはやった。バルチック艦隊はマラッカ海峡まで来ている。

    タ。一字暗号。バルチック艦隊を見ゆ。橋立とある。しかしこれは結果的に誤報。バルチック艦隊とすれ違った宮城丸は宮古島に入って報告したが、宮古島には電信局がない。石垣島まで110キロを丸太をくり抜いた小舟で垣花善という若者が漕いで渡る。同じ頃、「敵艦隊らしき煙見ゆ」のネを東シナ海から発せられた。近づいてきて、タを連打する。位置は203、信濃丸の符号はYK。厳島を中継して日本海軍に知らされる。無線が連合艦隊の全艦に行き渡ったのは2-3ヶ月前だった。信濃丸などその際たるものだ。ギリギリ間に合ったのだ。敵艦隊の位置や様子は絶えず送られてくる。

    0
    2026年09月16日

    Posted by ブクログ

    バルチック艦隊との海戦が、臨場感溢れた。
    タが空を飛ぶまでの頑張りが、この海戦の見方を変えたように思える。

    0
    2024年09月24日

    Posted by ブクログ

    「タ」の連打が、日本の未来を変えた。

    日露戦争の命運を分けた無線通信。

    原理すらわからない中で、試行錯誤し続け挑んだ技術者たち。

    歴史の陰に埋もれた彼らの物語に興奮した。

    0
    2026年05月30日

「タ」は夜明けの空を飛んだ の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    「タ」は夜明けの空を飛んだ
  • タイトルID
    :
    1112294
  • ページ数
    :
    488ページ
  • 電子版発売日
    :
    2022年04月07日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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