新潮文庫作品一覧

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  • 欲望
    3.8
    三島由紀夫邸を寸分違わず模倣した変奇な館に、運命を手繰り寄せられた男女。図書館司書の青田類子は、妻子ある男との肉欲だけの関係に溺れながら、かつての同級生である美しい青年・正巳に強くひかれてゆく。しかし、二人が肉体の悦びを分かち合うことは決してなかった。正巳は性的不能者だったのだ――。切なくも凄絶な人びとの性、愛、そして死。小池文学が到達した究極の恋愛小説。
  • すずの爪あと―乃南アサ短編傑作選―
    3.9
    一つになれない家族を猫だけが見つめ続けた――「すずの爪あと」。不倫に倦んで故郷に帰った女が癒やしを求めたのは――「秋旱」。幼時の事故で嗅覚を失った男が、ある女と出会って――「向日葵」。かつての恋人に書き続けたメールの思わぬ行方――「Eメール」。すれ違い、交錯する男女や家族の想いを、美しい風物とともに丁寧に描き出した11篇。珠玉のベスト短編集、第三弾。
  • 宇宙創成(上)
    4.6
    宇宙はいつ、どのように始まったのか? 人類永遠の謎とも言えるその問いには現在、ある解答が与えられている。ビッグバン・モデル。もはや「旧聞」の感さえあるこの概念には、実は古代から20世紀末の大発見へと到る意外なエピソードと人間ドラマが満ちていた――。有名無名の天才たちの挑戦と挫折、人類の夢と苦闘を描き出す傑作科学ノンフィクション。『ビッグバン宇宙論』改題。
  • 暗号解読(上)
    4.2
    文字を入れ換える。表を使う。古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。密書を解読され処刑された女王。莫大な宝をいまも守る謎の暗号文。鉄仮面の正体を記した文書の解読秘話……。カエサル暗号から未来の量子暗号に到る暗号の進化史を、『フェルマーの最終定理』の著者が豊富なエピソードとともに描き出す。知的興奮に満ちた、天才たちのドラマ!
  • 村上海賊の娘(一)
    3.9
    時は戦国。乱世にその名を轟かせた海賊衆がいた。村上海賊――。瀬戸内海の島々に根を張り、強勢を誇る当主の村上武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、娘の景(きょう)だった。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦(かんぷ)で醜女。この姫が合戦前夜の難波へ向かう時、物語の幕が開く――。本屋大賞、吉川英治文学新人賞ダブル受賞! 木津川合戦の史実に基づく壮大な歴史巨編。
  • 本屋さんのダイアナ
    4.4
    私の名は、大穴(ダイアナ)。おかしな名前も、キャバクラ勤めの母が染めた金髪も、はしばみ色の瞳も大嫌い。けれど、小学三年生で出会った彩子がそのすべてを褒めてくれた――。正反対の二人だったが、共通点は本が大好きなこと。地元の公立と名門私立、中学で離れても心はひとつと信じていたのに、思いがけない別れ道が……。少女から大人に変わる十余年を描く、最強のガール・ミーツ・ガール小説。
  • 信長燃ゆ(上)
    3.9
    「天下布武」──武力を背景に世を変革してゆく信長は、天正九年、安土を中心に磐石の体制を築いていた。だが、巨大になりすぎた信長の力に、好誼を結んできた前関白・近衛前久らの公家も反感を持ち始める。武家と朝廷の対立に巻き込まれながら信長に惹かれる東宮夫人・勧修寺晴子、信長に骨髄の恨みを抱く忍者・風の甚助ら、多彩な人物をまじえ史料に埋もれた陰謀を描く本格歴史小説。
  • 伴連れ
    3.9
    高野が警察手帳を紛失したらしい。柴崎警部は頭を抱えた。彼女はその事実をあっさり認める。だが捜査を続けるうち、不祥事は全く別の貌を見せはじめた。少年犯罪、ストーカー、老夫婦宅への強盗事件。盗犯第二係・高野朋美巡査は柴崎の庇護のもと、坂元真紀署長らとぶつかりながら刑事として覚醒してゆく。迫真のリアリティ。心の奥底に潜むミステリ。警察小説の最高峰がここに。
  • 日本防衛秘録―自衛隊は日本を守れるか―
    4.0
    防衛省トップとして最前線で指揮を執ってきた著者が解き明かす国家防衛、その真実。日本列島の軍事的価値、中国軍の狡猾な目論み、在日米軍の戦略、北朝鮮のミサイル開発など、激変する安全保障環境の未来を占う啓発の書。冷徹な地政学とリアリズムに裏づけられた知見から、領土・領海をめぐる議論に一石を投じる。国民には見えにくかった自衛隊員24万人の真の姿も明らかになる。
  • 下天を謀る(上)
    4.0
    「その日を死に番と心得るべし」との覚悟で幾多の合戦を生き抜いた藤堂高虎。織田信長亡き後、豊臣家に三顧の礼を持って迎え入れられるが、秀吉は茶々との愛欲に溺れ、天下人としての資質を失っていく。落胆した高虎は一時出家さえ試みるが、徳川家康から届いた一通の手紙に心を動かされ、再び下天を謀る決意を固める──。「戦国最強」との誉れ高い異能の武将を描く本格歴史小説。
  • くまちゃん
    4.2
    風変わりなくまの絵柄の服に身を包む、芸術家気取りの英之。人生最大級の偶然に賭け、憧れのバンドマンに接近したゆりえ。舞台女優の夢を捨て、有望画家との結婚を狙う希麻子。ぱっとしない毎日が一変しそうな期待に、彼らはさっそく、身近な恋を整理しはじめるが……。ふる/ふられる、でつながる男女の輪に、学生以上・社会人未満の揺れる心を映した共感度抜群の「ふられ」小説。
  • 新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(上)
    4.1
    平安王朝の宮廷ドラマの華麗な覇者、光源氏の、因果応報ともいうべき秘められた業を背負って生れた、もの静かな貴公子・薫。彼を敬愛するがゆえに、その切実な求愛に応えることを拒みとおして逝った大君。運命の恋人たちの愛は、さらに変転しながら、川をくだる……。流麗な文章と巧みな構成を以て、世界の古典を現代に蘇らせた田辺版・新源氏物語、待望の完結編「宇治十帖」上巻。
  • 櫻守
    4.1
    1巻781円 (税込)
    丹波の山奥に大工の倅として生れ、若くして京の植木屋に奉公、以来、四十八歳でその生涯を終えるまで、ひたむきに桜を愛し、桜を守り育てることに情熱を傾けつくした庭師弥吉。その真情と面目を、滅びゆく自然への深い哀惜の念とともに、なつかしく美しい言葉で綴り上げた感動の名作『櫻守』。他に、木造建築の伝統を守って誇り高く生きる老宮大工を描いた長編『凩』を併せ収める。
  • メガバンク最終決戦
    3.9
    日本最大のメガバンクであるTEFG銀行。ディーラーとして名を馳せた桂光義は専務の地位にいた。ある日、盤石なはずの銀行は国債暴落を機に巨大負債を抱え、一夜にして機能不全に。暴落した株に群がるハイエナの如き外資ファンドや混乱に乗じて巨利を貪ろうと暗躍する政財官の大物たち――。桂は総務部の二瓶正平と共に生き残りを懸けた死闘に挑む。『メガバンク絶滅戦争』改題。
  • 水を抱く
    3.8
    初対面で彼女は、ぼくの頬をなめた。29歳の営業マン・伊藤俊也は、ネットで知り合った「ナギ」と会う。5歳年上のナギは、奔放で謎めいた女性だった。雑居ビルの非常階段で、秘密のクラブで、デパートのトイレで、過激な行為を共にするが、決して俊也と寝ようとはしない。だがある日、ナギと別れろと差出人不明の手紙が届き……。石田衣良史上もっとも危険でもっとも淫らな純愛小説。
  • 幸福について―人生論―
    4.0
    幸福は人間の一大迷妄である。蜃気楼である。がそうは悟れない。この悟れない人間を悟れないままに、幸福の夢を追わせつつ救済しよう。人生はこの意味では喜劇であり戯曲である。従ってこれを導く人生論も、諷刺的、ユーモア的にならざるをえない。本書は厭世哲学者といわれる著者が、豊富な引用文と平明な表現で人生の意義を説き幸福を教える名随筆「処世術箴言」の全訳である。
  • 知と愛
    4.3
    本来官能の子でありながら精神の人になろうとして修道院に入った美少年ゴルトムントは、若く美しい師ナルチスの存在によって、自分は精神よりもむしろ芸術に奉仕すべき人間であることを教えられ、知を断念して愛に生きるべく、愛欲と放浪の生活にはいる――。二つの最も人間的な欲求である知と愛とが、反撥し合いながら互いに引かれ合う姿を描いた多彩な恋愛変奏曲。一九三○年作。
  • 最後の花束―乃南アサ短編傑作選―
    3.7
    色恋をめぐる狂気は、その女たちを少しずつ蝕み、少しずつ壊していった……。ある女は大阪に引っ越してまで愛人を追いかけ、またある女は親友の婚約者を欲しがる。職人の夫の浮気を疑った妻は夫の作る提灯に火を仕込み、OLは見る間に垢抜けた同僚への嫉妬に狂う……。サスペンス・ミステリーの名手による短編を、単行本未収録作品を加えて精選したベスト・オブ・ベスト第一弾!
  • ファウスト(一)
    4.1
    1~2巻781~990円 (税込)
    世界の根源を究めようとする超人的欲求をいだいて、ファウストは町へ出る。理想と現実との乖離に悩む彼の前に、悪魔メフィストーフェレスが出現、この世で面白い目をみせるかわりに、死んだら魂を貰いたい、と申出る。強い意志と努力を信じる彼は契約を結び、若返りの秘薬を飲まされて、少女グレートヒェンに恋をするが――前後六十年の歳月をかけて完成された大作の第一部。
  • 新版 トットチャンネル
    3.9
    いいお母さんになるやりかた、教えてくれるかも知れない――そうして、一人の少女はNHK専属テレビ女優第1号となり、放送の世界に飛び込んだ。しかし、録音された声を初めて聞いた時は、自分の声じゃないと泣きじゃくるなど、草創期のテレビ界でトットが巻き起こす事件の数々、やがて個性派女優へと開花していく姿を、笑いと涙で綴る感動の青春記。最新メッセージを加えた決定版。
  • シャーロック・ホームズの事件簿
    3.9
    端正で知的な顔の背後に地獄の残忍性を忍ばせた恐るべき犯罪貴族グルーナー男爵との対決を描く「高名な依頼人」。等身大の精巧な人形を用いて犯人の心理を攪乱させ、みごと、盗まれた王冠ダイヤを取戻す「マザリンの宝石」。収集狂の孤独な老人がその風変りな姓ゆえに巻込まれた奇妙な遺産相続事件のからくりを解く「三人ガリデブ」。ますます円熟した筆で描く最後の短編集である。
  • シャーロック・ホームズの思い出
    4.1
    逞しく男らしい生涯を送った老人の暗い過去を、その刺青に読みとったホームズ……。探偵を生涯の仕事と決する機縁となった「グロリア・スコット号」事件をはじめとして、名馬の失踪とその調教師の死のからくりを解明する「白銀号事件」、もっとも危険な犯罪王と時代にぬきんでた大探偵との決死の対決を描く「最後の事件」など、ホームズの魅力を遺憾なく伝える第二短編集。
  • 本にだって雄と雌があります
    4.2
    本も結婚します。出産だって、します。小学四年生の夏、土井博は祖父母の住む深井家の屋敷に預けられた。ある晩、博は祖父・與次郎の定めた掟「書物の位置を変えるべからず」を破ってしまう。すると翌朝、信じられない光景が――。長じて一児の父となった博は、亡き祖父の日記から一族の歴史を遡ってゆく。そこに隠されていたのは、時代を超えた〈秘密〉だった。仰天必至の長編小説!
  • あと少し、もう少し
    4.4
    陸上部の名物顧問が異動となり、代わりにやってきたのは頼りない美術教師。部長の桝井は、中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り練習をはじめるが……。元いじめられっ子の設楽、不良の大田、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介。寄せ集めの6人は県大会出場を目指して、襷をつなぐ。あと少し、もう少し、みんなと走りたい。涙が止まらない、傑作青春小説。
  • いちばん長い夜に
    3.9
    ペットの洋服作りの仕事が軌道に乗ってきた芭子と、パン職人の道を邁進する綾香。暗い場所で出会い、暗い過去を抱えながら、支え合って生きてきた。小さな喜びを大切にし、地に足のついた日々を過ごしていた二人だったが、あの大きな出来事がそれぞれの人生を静かに変えていく。彼女たちはどんな幸せをつかまえるのだろうか――。心を優しく包み込む人気シリーズ、感動の完結編。
  • アスクレピオスの愛人
    3.7
    感染症の最前線で働く、WHOのメディカル・オフィサー、佐伯志帆子。世界中を飛び回るその凛々しい姿は、後進の医師や医学部に通う一人娘の憧れの的であった。だが仕事を離れた彼女は、奔放に恋を楽しむ、どうしようもなく妖艶な女――。医術の神・アスクレピオスに、数多の男たちに、狂おしいほど求められる美しき女神が、本当に愛したのは……。林真理子が初めて挑んだ医療小説。
  • フランケンシュタイン
    4.3
    若き科学者ヴィクター・フランケンシュタインは、生命の起源に迫る研究に打ち込んでいた。ある時、ついに彼は生命の創造という神をも恐れぬ行いに手を染める。だが、創り上げた“怪物”はあまりに恐ろしい容貌をしていた。故郷へ逃亡した彼は、醜さゆえの孤独にあえぎ、彼を憎んだ“怪物”に追い詰められることになろうとは知る由もなかった――。天才女性作家が遺した伝説の名著。
  • 胡蝶の夢(一)
    4.0
    黒船来航で沸き立つ幕末。それまでの漢方医学一辺倒から、にわかに蘭学が求められるようになった時代を背景に、江戸幕府という巨大組織の中で浮上していった奥御医師の蘭学者、松本良順。悪魔のような記憶力とひきかえに、生まれついてのはみ出し者として短い一生を閉じるほかなかった彼の弟子、島倉伊之助。変革の時代に、蘭学という鋭いメスで身分社会の掟を覆していった男たち。
  • 風神の門(上)
    4.2
    関ヶ原の合戦によって豊臣家が大坂城にとじこめられてしまった時期、伊賀の忍者の頭領、霧隠才蔵は人ちがいで何者かに襲われたことから、豊臣・徳川の争いに次第にまき込まれてゆく。生来、いかなる集団にも属することを嫌った才蔵であったが、軍師真田幸村の将器に惹かれ、甲賀の忍者、猿飛佐助とともに、豊臣家のために奮迅の働きをし、ついには徳川家康の首をねらうにいたる。
  • ボクの町
    3.9
    警視庁城西署・霞台駅前交番に巡査見習いとして赴任した高木聖大は、研修初日から警察手帳に彼女のプリクラを貼っていたことがバレるような、今風のドジな若者。道案内、盗難届の処理、ケンカの仲裁などに追われるが、失敗の連続でやる気をなくしていた。が、所轄の同期見習いが犯人追跡中に大ケガを負ったことで俄然、職務に目覚める。聖大の成長をさわやかに描くポリス・コメディ!
  • 白い夏の墓標
    3.9
    パリで開かれた肝炎ウィルス国際会議に出席した佐伯教授は、アメリカ陸軍微生物研究所のベルナールと名乗る見知らぬ老紳士の訪問を受けた。かつて仙台で机を並べ、その後アメリカ留学中に事故死した親友黒田が、実はフランスで自殺したことを告げられたのだ。細菌学者の死の謎は真夏のパリから残雪のピレネーへ、そして二十数年前の仙台へと遡る。抒情と戦慄のサスペンス。
  • アメリカン・スクール
    4.2
    占領下の時代に、アメリカ人の学校を参観しに出かけた日本の中学校教員の、貧しく、それゆえにも滑稽な姿を描いて、芥川賞を受賞した「アメリカン・スクール」。ほかに、現代の複雑な世相を、批評精神に貫かれた知的感覚で捉え、人間ドラマを深味のあるユーモアと鋭く深く屈折した諷刺で描いた小島文学初期の傑作「汽車の中」「燕京大学部隊」「小銃」「星」「微笑」「馬」「鬼」を収める。
  • ホメロスを楽しむために
    3.9
    ギリシャに生れた盲目の吟遊詩人ホメロスの世界が、阿刀田魔術で生き生きと目前に広がります。イリアス、オデュッセウス、ポセイドン、トロイア戦争──著者の名解説を聞きながらのギリシャ周遊パック旅行のような、至れり尽せりの入門書。今までは読みたくても手が出なかった西洋文学古典中の古典のエキスが、苦もなく手に入る大好評シリーズ第6弾。※文庫版に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。
  • マイ国家
    4.0
    マイホームを“マイ国家”として独立宣言した男がいた。訪れた銀行外勤係は、不法侵入・スパイ容疑で、たちまち逮捕。犯罪か? 狂気か?――世間の常識や通念を、新鮮奇抜な発想でくつがえし、一見平和な文明社会にひそむ恐怖と幻想を、冴えた皮肉とユーモアでとらえたショートショート31編。卓抜なアイディアとプロットを縦横に織りなして、夢の飛翔へと誘う魔法のカーペット。※文庫版に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。
  • 疫病神
    4.0
    建設コンサルタント・二宮啓之が、産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれた。依頼人の失踪。たび重なる妨害。事件を追う中で見えてきたのは、数十億もの利権に群がる金の亡者たちだ。なりゆきでコンビを組むことになったのは、桑原保彦。だが、二宮の〈相棒〉は、一筋縄でいく男ではなかった――。関西を舞台に、欲望と暴力が蠢く世界を描く、圧倒的長編エンターテインメント!
  • 黙示録殺人事件
    3.6
    休日の銀座に、突然、蝶の大群が舞った。蝶の舞い上ったあとには、聖書の言葉を刻んだブレスレットをはめた青年の死体があった。これが、十津川警部の率いる捜査本部をきりきり舞いさせた連続予告自殺の始まりだった。次々に信者の青年たちを自殺させる狂信的な集団。その集団の指導者・野見山は何を企んでいるのか……。“現代の狂気”をダイナミックに描き出した力作推理長編。
  • 後宮小説
    3.9
    時は槐暦元年、腹上死した先帝の後を継いで素乾国の帝王となった槐宗の後宮に田舎娘の銀河が入宮することにあいなった。物おじしないこの銀河、女大学での奇抜な講義を修めるや、みごと正妃の座を射止めた。ところが折り悪しく、反乱軍の蜂起が勃発し、銀河は後宮軍隊を組織して反乱軍に立ち向かうはめに……。さて、銀河の運命やいかに。第一回ファンタジーノベル大賞受賞作。
  • 花のれん
    3.8
    船場に嫁いだ多加は頼りない夫を立ててよく働くが、夫は寄席道楽に耽って店を潰す。いっそ道楽を本業にという多加の勧めで場末の寄席を買った夫は、借財を残したまま妾宅で死亡する。多加のなりふりかまわぬ金儲けが始まった。金貸しの老婆に取入り、師匠たちの背中まで拭い、ライバルの寄席のお茶子頭を引抜く──。大阪商人のど根性に徹した女興業師の生涯を描く直木賞受賞作。
  • ビタミンF
    3.8
    1巻781円 (税込)
    38歳、いつの間にか「昔」や「若い頃」といった言葉に抵抗感がなくなった。40歳、中学一年生の息子としっくりいかない。妻の入院中、どう過ごせばいいのやら。36歳、「離婚してもいいけど」、妻が最近そう呟いた……。一時の輝きを失い、人生の“中途半端”な時期に差し掛かった人たちに贈るエール。「また、がんばってみるか――」、心の内で、こっそり呟きたくなる短編七編。直木賞受賞作。
  • 善人長屋
    3.9
    善い人ばかりが住むと評判の長屋に、ひょんなことから錠前職人の加助が住み始めた。実は長屋の住人は、裏稼業を持つ“悪党”たち。差配の儀右衛門は盗品を捌く窩主買(けいずか)い。髪結い床の半造は情報屋(ねたもと)。唐吉、文吉兄弟は美人局(つつもたせ)。根っからの善人で人助けが生き甲斐の加助が面倒を持ち込むたびに、悪党たちは裏稼業の凄腕を活かし、しぶしぶ事の解決に手を貸すが……。人情時代小説の傑作!
  • 楡家の人びと 第一部
    4.3
    1~3巻781~825円 (税込)
    溢れる楽天性と人当たりの良さで患者の信頼を集めるドクトル楡基一郎が、誇大妄想的な着想と明治生まれの破天荒な行動力をもって、一代で築いた楡脳病院。その屋根の下で、ある者は優雅に、ある者は純朴に、ある者は夢見がちに、ある者は漠とした不安にとまどいながら、それぞれの生を紡いでゆく。東京青山の大病院と、そこに集う個性豊かな一族の、にぎやかな年代記の幕が上がる。
  • 写楽 閉じた国の幻(上)
    3.6
    世界三大肖像画家、写楽。彼は江戸時代を生きた。たった10ヵ月だけ。その前も、その後も、彼が何者だったのか、誰も知らない。歴史すら、覚えていない。残ったのは、謎、謎、謎──。発見された肉筆画。埋もれていた日記。そして、浮かび上がる「真犯人」。元大学講師が突き止めた写楽の正体とは……。構想20年、美術史上最大の「迷宮事件」を解決へと導く、究極のミステリー小説。
  • 赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ1―
    4.4
    1~10巻781~990円 (税込)
    ちょっとした手違いから、グリン・ゲイブルスの老兄妹に引き取られたやせっぽちの孤児アン。初めは戸惑っていた2人も、明るいアンを愛するようになり、夢のように美しいプリンス・エドワード島の自然の中で、アンは少女から乙女へと成長してゆく――。愛に飢えた、元気な人参あたまのアンが巻き起す愉快な事件の数々に、人生の厳しさと温かい人情が織りこまれた永遠の名作。
  • エミリーはのぼる(新潮文庫)
    3.7
    威厳正しいエリザベス伯母、優しいローラ伯母、批評家カーペンター先生、イルゼ、テディ……。美しい自然と人びとの愛情に恵まれたニュー・ムーンで、エミリーは「ひらめき」に従って創作に励み、雑誌社に送り続ける。「アルプスの道の頂上」にのぼっていこうと努力する彼女の姿には、著者の恐ろしいまでの文学への敬愛とたゆみない勉強がうかがわれる。エミリー・シリーズ第二作。

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  • 夜のかくれんぼ
    3.8
    宇宙からきた意味ありげな電波、壁からはえた人間の手、神からテレポートの能力をさずけられた男etc。信じられないほど、異常な出来事が、次から次へと起るこの世の中。科学もふきとび、理屈も引っこむ摩訶不思議な世界に、あなたもまきこまれるかもしれません。ひと足さきに、活字の世界で奇妙な体験をしてみませんか。ミステリアスな世界にあなたを誘うショートショート28編。
  • 絶叫城殺人事件
    3.6
    「NIGHT PROWLER(夜、うろつく者)」と記された小さな紙片を、口の中に押し込まれ、次々と殺害される若い女。残酷な無差別殺人事件の陰には、カルトなホラー・ゲームに登場するヴァーチャルな怪物が――。暗鬱の「絶叫城」に展開する表題作ほか、「黒鳥亭」「壺中庵」「月宮殿」「雪華楼」「紅雨荘」と、底知れぬ恐怖を孕んで闇に聳える六つの迷宮の謎に、火村とアリスのコンビが挑む。

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  • 新約聖書を知っていますか
    3.9
    新約聖書の冒頭で、マリアの夫ヨセフの系図を長々と述べているのはなぜでしょう。処女懐胎が本当ならば、そんなことはイエスの血筋と無関係のはずです。ところで、聖書の中に何人のマリアが登場するか知っていますか? ではヨハネは? そして、イエスの“復活”の真相は? 永遠のベストセラー『新約聖書』の数々の謎に、ミステリーの名手が迫ります。初級者のための新約聖書入門。

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  • 王妃マリー・アントワネット(上)
    4.0
    1~2巻781円 (税込)
    美しいブロンドの髪とあどけない瞳を持つ14歳の少女が、オーストリアからフランス皇太子妃として迎えられた。少女はやがて、ヴェルサイユに咲いた華麗な花と呼ばれ、フランス最後の王妃として断頭台に消える運命にある……。フランス革命を背景に、悲劇の王妃の数奇な生涯を、貧しい少女マルグリット、サド侯爵、フェルセン、ミラボーなど多彩な人物を配して綴る、壮大な歴史ロマン。
  • 彼の生きかた
    4.3
    〈俺は人間の世界が嫌や。言葉も不自由やし……俺もお前たちの中に入りたいわ〉 ドモリで気が弱いために人とうまく接することができず、人間よりも動物を愛した福本一平は、野生の日本猿の調査に一身を捧げる決意をする。しかし、猿の餌づけに精魂をかたむける彼の前には、大資本が、無理解な人間たちが立ちふさがる。一人の弱い人間の純朴でひたむきな生きかたを描く感動の長編。

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  • 沈黙
    4.4
    島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。

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  • 聖獣配列(上)
    -
    1~2巻781円 (税込)
    華麗な迎賓館の一室で、米大統領バートンと濃密な一夜を過ごしたクラブママ可南子――その迎賓館で可南子は日本の首相らと会っているバートンの姿を偶然、カメラに収める。絶対におおやけになってはいけない秘密会談の証拠写真であった。その価値に気がついた可南子は、バートンを脅迫するためにヨーロッパに飛んだ。――綿密な取材をもとに描いた迫真の国際謀略サスペンス。

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  • 地の骨(上)
    -
    1~2巻781円 (税込)
    大和大学教授の稲木は、バーのマダム啓子との情事の後で入試問題草案を紛失した。前代未聞の不祥事の処理に奔走する専務理事一派に対し、執拗なまでに真相を追求する反主流派の川西教授。草案は美貌の事業家楢沢莢子から無事稲木のものに届けられたが、稲木は彼女への愛に溺れてゆく。一方、川西は啓子との浮気旅行を夢見て、その資金を作るために裏口入学を斡旋する……。

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  • 赤い氷河期
    -
    西暦二○○五年、現代のペスト、エイズは猖獗を極め、患者は一億五千万人にも及ぼうとしていた。一方で世界情勢は激しく揺らぎ、改革に失敗したソ連に独裁政権が誕生、ヨーロッパは連邦を形成しつつある。エイズの急激な蔓延を訝しむ山上と彼の周囲に出没する謎の男・福光。背後で蠢くのは何者か? 新型エイズ・ウイルスをばらまいたのは誰か? 近未来を舞台に描く長編サスペンス。

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  • おせっかいな神々
    3.8
    1巻781円 (税込)
    神さまたちはおせっかい。人間どもをからかったり、意地悪をしたり、時にはいたずらをしかけたり。あなたのそばで起る事件もひょっとしたら神さまの仕業かもしれない……。畑で拾った“笑い顔の神”の正体は? ブロンズの“商売の神”のご利益は?――ふとした偶然からまき起される数々の事件を斬新・奇抜なアイデアで描き、異次元の笑いの世界に誘うショート・ショート40編。
  • 妄想銀行
    4.0
    1巻781円 (税込)
    人間のさまざまな妄想を取り扱うエフ博士の妄想銀行は連日大繁盛。しかし博士が、彼に思いを寄せる女から吸いとった妄想を自分の愛する女性に利用しようとしたのが誤ちのもとだった――奇想天外なユーモアのあふれる表題作。ほかに、道で拾った風変りな鍵に合う鍵穴を探すことに情熱を傾ける男の物語『鍵』、人生修行に出て説教癖のついたロボットの話『人間的』などS・S32編。
  • ボンボンと悪夢
    3.9
    1巻781円 (税込)
    ドイツの片田舎で買ったふしぎな魔力をもった椅子……。静かな雪の夜に、老夫婦のもとにあらわれた侵入者……。あくびの出るような平和な地球に、突如出現した、黄金色に輝く奇妙な物体……。宇宙に、未来に、平凡な日常生活の中に、ユニークな想像力と、シャープなインテリジェンスで描き出される、サスペンス、ミステリー、ユーモアあふれるショートショート36編を収録。
  • ボッコちゃん
    4.2
    1巻781円 (税込)
    スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群! 日本SFのパイオニア星新一のショートショート集。表題作品をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな自選50編。
  • 官僚たちの夏
    4.0
    日本人の誇りを取り戻すべく、固い信念で通産行政を強引、着実に推し進め、次官への最短コースを疾走する“ミスター・通産省”風越信吾。高度成長政策が開始された60年代初め、通産省という巨大複雑な官僚機構の内側における、政策をめぐる政府・財界との闘いと、人事をめぐる官僚間の熱い戦いをダイナミックに捉えた城山三郎の代表作!

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  • スローフードな人生! -イタリアの食卓から始まる-
    4.3
    「スローフード」って何だろう。それはだらだら食事をすることでもないし、金にあかせて高い食材を買うことでもない。もっと大きな「生き方」に関わる姿勢であることが、本書を読み終わったらわかるでしょう。スローフードな生き方に惹かれる人や食育に携わる人は基礎知識として必ず読みたい定番の一冊!

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  • 憑神
    3.6
    妻夫木聡主演の映画原作。時は幕末、処は江戸。貧乏旗本の次男の身ながら、その才を見込まれて大身の入婿となった彦四郎。だが、跡継ぎを授かったとたん離縁され、実家に出戻るはめに。ある夜、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、なんと神様があらわれた。だが、この神様、神は神でも、貧乏神! 果たして、貧乏侍vs.貧乏神の行方は……!? とことんツイてない男が最後に選んだ真実の生きる道とは――。抱腹絶倒にして、やがては感涙必至。最近ツイてない、ツキが欲しいと思っている人、必読。

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  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-
    4.4
    1~5巻781~935円 (税込)
    広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命――。人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける!
  • BRAIN VALLEY(上)
    3.8
    脳研究のために、各分野の気鋭の学者が巨大施設ブレインテックに集められた。そこで脳科学者・孝岡護弘が遭遇した奇怪な現象の意味とは、そしてこのプロジェクトの真の目的とは――。

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  • 雨

    -
    「行方不明の旦那様」にうり二つと、羽前国平畠藩の紅花問屋の当主にまつり上げられた金物拾いの浮浪者徳。莫大な財産と美貌の新妻を目のあたりにして、本物の当主になりおおすべく、色と欲との二股かけた必死のお芝居の始まり。東北弁もマスターし、邪魔者は消して、大願成就と思いきや……。根なし草の主人公を襲うどんでん返しの運命。
  • 國語元年
    -
    明治七年、文部省官吏南郷清之輔は「全国統一話し言葉」の制定を命じられた。織田信長や太閤秀吉の天下統一にも比すべき大事業! しかし彼の家では家族、奉公人など十の方言が入り乱れて大混乱……。戯曲版・井上ひさし日本語連続講座。
  • 栄光の岩壁(上)
    4.0
    1~2巻792円 (税込)
    戦前に幼少時を過した竹井岳彦は18歳のとき八ヶ岳で遭難し、凍傷によって両足先の大半を失う。戦後の荒廃した雰囲気の中で、青春を賭けるものは山しかないと考えた岳彦は、鴨居からロープを吊して、まず歩行訓練をはじめる。やがて“ない足”を甦らせて、未登攀の岩壁をつぎつぎと征服し、強烈な意志の力と不屈の闘魂によって日本一のクライマーにまで成長していく……。

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  • 有吉佐和子の中国レポート
    -
    「どうぞいい面も、悪い面も見てください」――予想外の中国要人の言葉に驚きながら、著者は予定された見学コースを外れて、前人未到の人民公社に泊りこむ。農民と寝食を共にし、語り合い、農薬の害を説き、監視労働の旧地主との会見に成功する――。人間へのつきぬ好奇心と優しい洞察力、バイタリティー溢れる行動力によって、激動する中国の深層をすくい上げた大胆率直な体験記。
  • 女たち三百人の裏切りの書(新潮文庫)
    値引きあり
    3.0
    後世の人々よ、本ものの宇治十帖を語ろう、語りましょう――。源氏物語が世に広まって百年あまり。改竄され流布した物語を正すため、紫式部が怨霊となって蘇り、宇治十帖のその真の姿を語り出す。やがて発表された物語は、人々の思惑とともに時代を動かし始め、壮大な女たちの裏切り合いに発展していく――。読売文学賞、野間文芸新人賞の二冠に輝いた、嘘と欲望渦巻く、全く新しい源氏物語。(対談・保坂和志)
  • 激情次長―不正融資を食い止めろ―(新潮文庫)
    4.0
    1巻814円 (税込)
    大洋栄和銀行の上杉健は、問題があると思えば上司や官僚であろうと容赦しない広報部次長だ。横領、派閥抗争、大蔵省接待、インサイダー取引。数々の苦難を持ち前の正義感で乗り越えてきた上杉に、未曾有の金融不祥事が立ちはだかる! 隠蔽を図る経営幹部たち。腐敗が極限にまで達した銀行の膿を出し切ることはできるのか? 企業エンタテインメントの傑作。『さらば銀行の光』改題。
  • 眠狂四郎無情控(上)(新潮文庫)
    -
    豊臣秀頼は生きていた。大坂城落城後、西国のある藩で庇護され、死の直前、豊臣遺産百万両のありかを示す文書を大奥に隠した――。シャム、ラオス等の在留邦人の夢を背負った美女千華、陽明学に基づく改革を願う同朋衆百名、悪徳商人阿蘭陀屋嘉兵衛、謎の兵法者死神九郎太、目付下条主膳等、いずれもが百万両争奪に命を賭ける。狂四郎の運命や如何に。シリーズ最高峰の痛快伝奇活劇。
  • 眠狂四郎虚無日誌(上)(新潮文庫)
    4.5
    旗本の妻女を次々に犯し、無辜の民をも容赦なく斬る――。質実英邁と目されていた将軍家世継・徳川家慶が突如豹変し、乱行を重ねていた。家慶は何故豹変したのか、本物なのか。その鍵は、四年前に没したはずの近藤重蔵にあった。蝦夷地に秘められた謎を探る狂四郎。襲いかかる公儀隠密、最強の刺客明日心剣。謎と謎が交錯し、淫靡なエロティシズムが匂い立つ出色のシリーズ第五弾。
  • 眠狂四郎独歩行(上)(新潮文庫)
    -
    二代将軍秀忠の正統を称する若者を頭にあおぎ、幕府転覆をはかる風魔一族と傾いた幕府の支柱たるべく旗本八万騎からえらばれた秘密集団黒指党との壮絶な死闘。葵の刺青を持つ娘を救ったために死闘にまきこまれた狂四郎に風魔の手練者が襲いかかる。狂四郎を慕う薄幸の美女、予知能力をもつ怪盗、そして、冴えわたる秘剣円月殺法……。殺気とエロチシズムに溢れる本格伝奇時代長編。
  • 聖・栖
    4.0
    この村に、男は都会からやって来た。女は都会から舞い戻った。若い二人を結びつけたのは、異様なヒジリの風習だった。男女の愛の生成を土俗的な集団幻想を背景に描出した野心作『聖(ひじり)』と、その続編で、両者が東京で生活を構えてからの営みを多面的に追求した『栖(すみか)』(日本文学大賞受賞)を同時収録。現代の極北を行く著者の斬新で緻密な才能の精華。
  • 蟻地獄・枯野の宿
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ひどい砂嵐だった。観光客は砂漠の大きな穴にはまり、炎天下、水も食糧も尽きてしまう。そんな極限状況下の人間の本性を暴く「蟻地獄」……。遅筆の漫画家が一計を案じた。郊外に安い土地を買い、せめてのんびりくらしたい、と。だが、現実は彼の夢を許さない。逼迫した漫画家、その小さな挫折を描く「枯野の宿」……。貸本時代の作品を中心に17編収録。懐かしさ溢れるつげ漫画集第三弾!
  • 水の翼
    4.0
    木口木版画家・柚木のもとを訪れて弟子入りを志願した青年、東吾。柚木の歳若い妻・紗江は、どこか謎めいたこの青年に強く惹かれていく。ある日、柚木が急逝し、東吾は詩画集『水の翼』のための木版画制作を引き継ぐことに。同じ家で二人きりで過ごす紗江と東吾は、互いの想いの強さを偽れなくなっていく……。芸術と恋情のはざまで引き裂かれる男女の運命を描く、恋愛小説の白眉。
  • 結婚
    4.0
    芥川賞受賞作『忍ぶ川』以降の6つの作品集から選ばれた9編と、早稲田大学仏文科在学中に24歳で執筆し第二回新潮同人雑誌賞を受賞した「十五歳の周囲」を収録。
  • 文士の料理店
    4.0
    「松栄亭」の洋風かきあげ(夏目漱石)、「銀座キャンドル」のチキンバスケット(川端康成)、「米久」の牛鍋(高村光太郎)、「慶楽」のカキ油牛肉焼そば(吉行淳之介)、「武蔵」の武蔵二刀流(吉村昭)──和食・洋食・中華からお好み焼き・居酒屋まで。文と食の達人厳選、使える名店22。ミシュランの三つ星にも負けない、名物料理の数々をオールカラーで徹底ガイド。『文士の舌』改題。
  • 精霊探偵
    3.4
    交通事故で同乗の愛する妻を亡くして以来、なぜか私には人の背後霊が見えるようになってしまった。特殊な能力を見込まれて、人捜しを依頼された私は、どこかで妻の霊に会えることを期待して探偵のまねごとを始める。だが、手がかりの奇妙なカードをめぐり、不穏な出来事が次々と起こり――。驚きのラストが待ちうける、ちょっと不思議でほんわか切ないスピリチュアル・ミステリー。
  • ウィンチェスターM70
    -
    恐るべき威力を秘めた名銃ウィンチェスターM70。その銃声と衝撃波はビルをもゆるがし、オレンジ色の閃光は正確な死と破壊を送り続ける。分身ともいうべきM70を持ち、三人の仲間と銀行を襲い、大金を奪った登川は、警官隊の重囲を突破するが、彼等を待っていたのはボスの卑劣な裏切りだった……。
  • 日本が犯した七つの大罪
    4.0
    あやまちに満ちた日朝交渉、欺瞞だらけの道路公団民営化、危機的な日中関係、国民の利益に全く結びつかない住基ネット……。国際社会における脆弱さと裏腹に、自国民を番号で縛ることだけに躍起になっているこの国はいったいどこへ向かうのか? 櫻井よしこが徹底した取材で、政府と行政機関が抱える問題を追及し、真の日本再生の方途を探る。
  • 裂けて海峡
    3.3
    海峡で消息を絶ったのは、弟に船長を任せた船だった。乗組員は全て死亡したと聞く。遭難の原因は不明。遺族を弔問するため旅に出た長尾の視界に、男たちの影がちらつき始める。やがて彼は愛する女と共にある陰謀に飲み込まれてゆくのだった。歳月を費やしようやく向かいあえた男女を、圧し潰そうとする“国家”。運命の夜、閃光が海を裂き、人びとの横顔をくっきりと照らし出す。
  • 飢えて狼
    3.7
    ささやかだが平穏な暮らしが、その日、失われた。怪しい男たちが訪れた時刻から。三浦半島で小さなボート屋を経営していた渋谷は、海上で不審な船に襲われたうえ、店と従業員を炎の中に失う。かつて日本有数の登山家として知られた渋谷は、自らの能力のすべてを投じ、真実を掴むための孤独な闘いを開始する。牙を剥き出し襲いかかる「国家」に、個人はどう抗うことが出来るのか。
  • あいうえおいしい。―おうちごはんのヒント365日―
    -
    ごはん作りに悩むすべての人へ。この本を開けば必ずヒントが見つかります。塩小さじ1は何グラム? しょうがの皮はむく? そんな意外と知らない料理のキホン。春のあさりに冬の大根、旬の味を楽しむ簡単レシピ。肉の焼き方に魚の洗い方、普段の料理がおいしくなるコツ。エスニックやエッグベネディクトにも挑戦! 1月から12月まで、毎日楽しく使える超お役立ちキッチンメモ集。
  • 暗闘 尖閣国有化
    4.0
    2010年9月、尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件は日中関係を制御困難な混乱に陥れた。そして2012年4月、石原都知事は「尖閣購入」を宣言する。「中国と戦争になっても構わない」。知事の言葉に戦慄した民主党の野田首相は、この島々の国有化へ向けて大きく舵を切った。動き出す外務・防衛官僚、官邸での「頂上会談」……日本の安全保障問題の最前線に切り込む緊迫のドキュメント。※新潮文庫版に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
  • ぼくの住まい論
    4.0
    南から吹くやわらかい風、“凱風”。神戸の一隅にその名を冠した著者の自宅兼道場「凱風館」が竣工した。この手で道場をつくりたいと願い、「宴会のできる武家屋敷」を目指した思想家・武道家の家づくりの哲学とは――書斎、合気道稽古、能舞台、寺子屋学塾、安眠……住まうことは生きること、教育の奇跡を信じ、次世代への贈り物としてウチダタツルが考え抜いた「住まいの思想」。
  • とりあたまJAPAN
    4.3
    無敵の漫画家・サイバラと、知の怪人・佐藤優の二人が、日本人に送る過激なエール! 国際社会になめられないよう、ひたすら復興を目指せ。スマホは知的活動の障害になるかも。嫌韓の原因は弱日か? フェイスブックは人間のマルチ商法。北方領土に尖閣、竹島……領土問題はヤクザのシマ取りに学ぶべし! 読むと世間がよくわかる、「週刊新潮」連載の爆笑マンガ&本音コラム全65本。
  • 三たびの海峡
    4.2
    「一度目」は戦時下の強制連行だった。朝鮮から九州の炭鉱に送られた私は、口では言えぬ暴力と辱めを受け続けた。「二度目」は愛する日本女性との祖国への旅。地獄を後にした二人はささやかな幸福を噛みしめたのだが……。戦後半世紀を経た今、私は「三度目の海峡」を越えねばならなかった。“海峡”を渡り、強く成長する男の姿と、日韓史の深部を誠実に重ねて描く山本賞作家の本格長編。
  • 松山・道後十七文字の殺人
    5.0
    松山市の俳句祭りで、「血の匂い・怨念・死ぬ」といった言葉が詠み込まれた俳句が見つかった。殺意を秘めた不吉な響きに、十津川警部は警戒を強め、過去の事件を洗い直した……。やがて事故死とされた二つの事件が結びついた。被害者は大学教授とOL。何ら接点が見えない二人だが、実は俳句の同人誌仲間だった――。復讐を仄めかす俳句が詠まれ、未曾有の殺人劇が開幕する長篇ミステリー。
  • チッチと子
    4.2
    息子のカケルと二人暮らしの“チッチ”こと青田耕平は、デビュー以来10年「次にくる小説家」と言われてきた。だが、作品は売れず、次第にスランプに陥ってしまう。進まない執筆、妻の死の謎、複数の女性との恋愛……。ひとつの文学賞を巡る転機が、やがてカケルや恋人達との関係を劇的に変化させていく。物語を紡ぐ者の苦悩、恋、そして家族を描いた、切なく、でも温かい感動長篇。
  • 異端の大義(上)
    3.8
    1~2巻814~858円 (税込)
    シリコンバレーからの帰還──。世界有数の大手電機メーカー・東洋電器産業の高見龍平は、米国の半導体開発部門撤退という大任を果たして帰国した。長い海外勤務から戻った彼の目を驚かせたのは、創業者一族とその取り巻きによる恣意と保身の横行。入社同期で一族に連なる人事本部長へ直言するが、それが仇となる。高見は、工場閉鎖という過酷なリストラ業務を命じられてしまった。
  • 冬の運動会
    4.0
    厳格な祖父、口やかましい父が支配する、冷たく思いやりのない家庭を憎み、菊男は町の小さな靴屋に出入りするようになった。子供のいない靴屋夫婦と菊男の間に、いつしか奇妙な疑似親子関係が出来ていく。二つの家庭を行き来する菊男は、やがて父や祖父も同じような場所を持っている事に気付いた──。祖父、父、長男の三世代の男達と、彼らを支える女達の愛を描く異色長編シナリオ。

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  • 吉原御免状
    4.0
    宮本武蔵に育てられた青年剣士・松永誠一郎は、師の遺言に従い江戸・吉原に赴く。だが、その地に着くや否や、八方からの夥しい殺気が彼を取り囲んだ。吉原には裏柳生の忍びの群れが跳梁していたのだ。彼らの狙う「神君御免状」とは何か。武蔵はなぜ彼を、この色里へ送ったのか。――吉原成立の秘話、徳川家康影武者説をも織り込んで縦横無尽に展開する、大型剣豪作家初の長編小説。

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  • ボヴァリー夫人
    3.6
    田舎医者ボヴァリーの美しい妻エマが、凡庸な夫との単調な生活に死ぬほど退屈し、生れつきの恋を恋する空想癖から、情熱にかられて虚栄と不倫を重ね、ついに身を滅ぼすにいたる悲劇。厳正な客観描写をもって分析表現し、リアリズム文学の旗印となった名作である。本書が風俗壊乱のかどで起訴され、法廷に立った作者が「ボヴァリー夫人は私だ」と言ったのは、あまりにも有名である。

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  • 女の一生 一部・キクの場合
    4.2
    1~2巻814~858円 (税込)
    長崎の商家へ奉公に出てきた浦上の農家の娘キク。活発で切れながの眼の美しい少女が想いを寄せた清吉は、信仰を禁じられていた基督教の信者だった……。激動の嵐が吹きあれる幕末から明治の長崎を舞台に、切支丹弾圧の史実にそいながら、信仰のために流刑になった若者にひたむきな想いを寄せる女の短くも清らかな一生を描き、キリスト教と日本の風土とのかかわりを鋭く追求する。

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  • 戦慄(新潮文庫)
    NEW
    -
    1巻825円 (税込)
    福岡県で篠山照幸君が自宅を出たまま失踪した。四年後、火災死亡事件の現場から子供の骨が発見されたが、疑惑の三藤響子は完黙、裁判で無罪に。一方、同県で望月留美さん誘拐事件が発生。ノンフィクションノベルを執筆する前田は二つの事件を追う。照幸君が履いていた靴の謎、留美さんに声をかけた男、共通する地名、気味の悪い〈真相〉。実際の事件を基にした実話小説。『完黙の女』改題。
  • 神獣夢望伝(新潮文庫)
    -
    神獣を信奉する国・耀(よう)の小村から男が出奔した。彼の望みはただ一つ、軍で出世し大切な恋人を取り戻すこと。一方、いつのまにか村に居ついた少年もまた、夢に現れる景色を求めて旅に出る。愛と裏切り、戦乱と謀略――各々の思惑が交錯し、衝撃の運命に突き進む! 圧倒的なスケールと登場人物の鮮烈な生き方に息をのむ、激動の中華風幻想スペクタクル。日本ファンタジーノベル大賞2023受賞作。(解説・卯月鮎)
  • 雨上がりのビーフシチュー(新潮文庫)
    4.0
    ボーイズバーでバイトをしていた佐野楓雅が“潜入”を命じられた男性限定料理教室。謎めいた女性、小鳥遊りらが講師を務め、元刑事の頑固な爺さん、他人の気持がわからない建築家、気弱な中学生などが通ってくる。さまざまな問題に悩む男たちをクッキングを通じ導く、りら。やがて浮かび上がってきたのは彼女自身の驚くべき過去だった。とびきり美味しくてドラマチック。最高の料理小説!(解説・吉田伸子)
  • ポーの話(新潮文庫)
    3.8
    あまたの橋が架かる町。眠るように流れる泥の川。太古から岸辺に住みつく「うなぎ女」たちを母として、ポーは生まれた。やがて稀代の盗人「メリーゴーランド」と知りあい、夜な夜な悪事を働くようになる。だがある夏、500年ぶりの土砂降りが町を襲い、敵意に荒んだ遠い下流へとポーを押し流す……。いしいしんじが到達した深く遥かな物語世界。驚愕と感動に胸をゆすぶられる最高傑作。(解説・堀江敏幸)
  • ネバーランド(新潮文庫)
    3.0
    堅苦しいのは嫌い、ふざけているのが好き。30歳になってもそんな子供っぽさの残るミサが好きになったのは、同棲中の恋人がいる隆文だった。夏の終わりの夜、ファミレスで恋人の愚痴を聞いたことをきっかけに隆文はミサの家に居候。なのに恋人との関係を終わらせようとしないのだ。しびれを切らしたミサはついに出禁を言い渡すが……。普通の二人の歪な関係。芥川賞作家による絶品恋愛小説。(解説・角田光代)
  • 闇抜け―密命船侍始末―(新潮文庫)
    4.0
    富山藩の下級藩士・金盛連七郎は失業の身。ある日、重臣・寺西左膳から〈抜け荷〉の密命が下る。成功の暁には復職を約束する、と。ご法度と知りつつ、連七郎には選択肢はない。苛酷な決死行は富山から蝦夷・薩摩を経て再び戻る日本一周。そのなかで連七郎は侍以外の人々に初めて出会う。荒くれの船乗り、大商人、アイヌの美しい娘。旅の終わりに湧いてくる感慨とは。男たちの転機を描く傑作。(解説・細谷正充)
  • 悲鳴(新潮文庫)
    3.6
    サチは美しく利発な少女だった。だが彼女は誘拐され、何年も男に監禁された。教育を、青春を奪われ、子を産まされ……けれどようやく事件は発覚し、生還を果たす。しかしそれは新たな苦痛の始まりだった。旧弊な価値観のまま変化のない住人による嫌がらせや無理解に疲弊する彼女の元へこの骨が本物のサチだと白骨死体が送りつけられる――。重なる悪意の根幹に何があるのか。衝撃のミステリ。(解説・大矢博子)

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