ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで188万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
優しい鍛冶屋の義兄ジョーに育てられている少年ピップは、あるクリスマス・イヴの晩、脱獄囚の男と出会う。脅されて足枷を切るヤスリを家から盗んで与えた記憶は彼の脳裏に強く残った――。長じたある日、ロンドンからやってきた弁護士から、さる人物の莫大な遺産を相続することを示唆されると、貧しいながらも人間味ある生活を捨て去り、ピップは大都市ロンドンへと旅立つのだった……。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
1~2件目 / 2件
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
読書会のため、名前だけは知っている名作を読んだ。やっぱり現在まで残るだけのことはある。面白かった!! 『第一部』 名前はフィリップ・ピリップなんだけど、ピップということになった。幼く死んだ五人の兄がいたらしく、両親が死んで20歳年上の姉の「手で」育てられた。と言っても姉は支配するのが好きでいばり屋...続きを読むでピップはろくな者にならない駄目人間扱いしてきたけど。 姉の夫のジョー・ガージェリーは鍛冶屋で善人。お母さんがお父さんに酷い目に合わされたから、自分の家庭では反対が良いんだって。だから妻に支配されているこの家庭を他からのように思っている。 ヒップが7歳の時、怪しい男に捕まった。「家から食べ物とヤスリを持って来い。持ってこないと特別な力でお前を呪い殺す」と言われて本気にして、夜中に怖い怖いお姉さんの台所から食べ物を、ジョーの作業所からヤスリをくすねて持っていった。 翌日、男は脱走兵だって分かった。ピップは二人の脱走兵が捕まる場に居合わせて、自分が密告したんじゃないよ!という必死の合図を送った。男は何を察したのか「そういえば、昨夜鍛冶屋の家に忍び込んで食べ物をくすねたぜ」と言った。 数年後、町に住む大金持ち引きこもり老嬢ミス・ハヴィシャムから退屈しのぎの相手として屋敷に呼ばれた。扉を開けたのは、ミス・ハヴィシャムの養女で、ヒップをとってもとっても見下すエステラという美少女。彼女はヒップの階級、手、服装、発音をすごくすごく馬鹿にする。するとヒップはそれまで満足していた鍛冶屋暮らしが嫌になってきた。ああ、教育を受けたいなあ。エステラと結婚できる紳士になりたいなあ。 ミス・ハヴィシャムは擦り切れたウェディングドレスを着続け、屋敷の時計はすべて9時20分で止められ、居間には虫に食い尽くされたウェディングケーキが置いたままになっている。 あとになって明かされるんだけど、高慢に育ったミス・ハヴィシャムには、母親違いの弟と憎しみ合い、その弟と組んだ結婚詐欺師に騙されたという事情がありました。 ピップはしばらくミス・ハヴィシャムの屋敷を訪れていたが、ジョーの従弟(鍛冶屋の奉公働きで、だいたい14歳から21歳の7年契約)になれる年齢になると、ミス・ハヴィシャムは従弟契約金(このあたりよくわからない)を与えて「これっきりだよ」と言う。 以前はあれほどジョーの弟子になりたかったのに、ミス・ハヴィシャムの屋敷、美少女エステラを知ってしまったら、鍛冶屋職人になんてなりたくなくなっていた。 4〜5年後、姉のガージェリー夫人が何者かに襲われて寝たきりになってしまう。ヒップは現場に残された凶器が、数年前に食べ物を与えた脱走兵がヤスリで削り取った足かせではないかと思う。すっかり性格も穏やかになったガージェリー夫人だが、発音にも支障が出て意思の疎通も図れない。そんな折にちょうどピップと同じ年齢で、身寄りを亡くした少女ビディがやってきた。ビディは以前初めてピップに文字を教えた相手で、遠縁の老婦人の世話をしていたので、ガージェリー夫人の世話も引き受けた。 ある日、弁護士のジャガーズ氏が訪ねてきて告げる。「ピップ少年に大いなる遺産を渡そうとする人物がいる。条件は、決してその相手の身元を探らないことと、上流階級にふさわしい教育を受けること、そしてずっとピップと名乗ること」 ピップは大喜びで受諾する。 ジャガーズ弁護士はジョーにも手付金を渡そうとするが、善人の彼は拒否した。ピップは嬉しく思うと同時に、ジョーのあまりの無学さを恥ずかしくも思うのだった。 この遺産の持ち主は誰だろう?候補①は脱走犯が社会的成功し自分と同じような境遇の少年を引き上げようとした。候補②はミス・ハヴィシャム。 ピップは断然候補②だと確信して、自分は気に入られて、エステラとも結婚させてくれるんだ!と有頂天に。 ロンドンに旅立つ前に身支度を整えると、今までヒップを「役立たずで恩知らずでバカで将来ろくな者にならない」と扱っていた人々が平身低頭。ヒップは新調したスーツでミス・ハヴィシャムに挨拶に行く。だがエステラはレディになるためにどこかで教育を受けているという。 === 下級階級の少年が夢の立身出世物語か!文章は軽いというかコミカルな感じ。 登場人物はそれぞれが特徴立っている。ジョーはとことん無学な善人、ジョーの妻(ピップの姉)は田舎のいばりんぼ、カージェリー夫人を訪れるパンプルチョーク氏やウォプスル氏は田舎だけで通じる地位にいて弱気をくじき強きを助け、ジョーの職人オーリックは田舎のいばりんぼ職人、ビディは田舎のいい子。 ミス・ハヴィシャムの暮らしは怪奇なんだけど、なんだかコメディでさえある。本人も実は楽しんでないか??(本人は楽しんでいないのは分かるけど、文章でそんな感じがしちゃう)エステラは徹底的に高慢。 簡単に、大金持ちになる道がひらけたようだけど、階級社会でこんな夢のような一発逆転もあったのか、というか、こんな一発逆転じゃないと乗り越えられない階級差があったのだろうなあ。 『第二部』 ロンドンに行ったピップの新生活で、新登場人物紹介みたいな記載が続く。 弁護士ジャガーズは依頼人を右!左!と捌いて偽装もどんとこい、人間を軽く見ている感じ。 中年事務員ウェミックは、事務所では面白味もないのだが、犯罪記念品コレクションしたり、自宅は自分の手でこじんまりした小さい屋敷に庭園を整え、仕事と個人を完全に別けているなかなか面白い・笑 ピップが勉学や礼儀作法を教わることになったのは、ミス・ハヴィシャムの遠縁のポケット氏。まず顔を合わせたのは、ポケット氏の息子で会計士見習いのハーバード。実は昔ミス・ハヴィシャムの屋敷でボクシングごっこをしたことがあって二人は意気投合。ハーバードは「ぼくはあの時自分がミス・ハヴィシャムのお気に入りになってエステラと結婚できるかと思っていたんだけど駄目だったよ。君は幸運を掴んだんだね」と言う。ますます謎の後見人はミス・ハビシャムだと確信するピップ。 ええーそうかなあ、あの老嬢は他人のこと眼中になさそうだよ。 ハーバードはピップを「君は鍛冶屋だからヘンデルと呼ぶよ」という。…なぜ渾名を?ピップでいいじゃん。あと「遺産を受け取るのはピップと名乗ること」なんだけど大丈夫なのか? ピップはポケット氏の屋敷に下宿することに。彼は子沢山で、ポケット夫人の祖父だか父だかが名声を築いたらしく、家でもそのように振る舞っている。ポケット氏の屋敷に下宿ししているのは、不機嫌・愚鈍・見栄っ張りお坊ちゃんのドラムルと、母の過保護で教育が遅れたスタートップ。 とにかく出てくる人物人物が特徴際立っているので、第二部の最初の頃は紹介エピソードみたいな感じ。 そしてこの物語はピップが昔を思い出して書いている形式で、「羽振りがよかった頃は節操のない無駄遣いをしまくったもんだ」と語る。どうやら「大いなる遺産」はピップの元には定着しなかったらしい。 そんな無駄遣いとしてハーバードの事務所にも別宅を作り意味のない贅沢な家具に、珍妙な従卒を雇って成金丸出し。 このピップのいい気になる性格は、第一部から見受けられたし、ジャガーズ弁護士は最初から「急に大金を手に入れたらきっと大失敗するけれど、別に私には関係ないし?」と言い伝えているし、ヒップの弱点として「無駄遣い、ハーバードに兄貴風を吹かせる、将来手にする莫大な財産を自慢する」と看破される。 そんなある日、鍛冶屋の兄貴ジョー・カージェリーが訪ねてくるという知らせが。ピップはすでに上流階級の一員のつもりだから、あれほど仲良くあれほど気を使ってくれてあれほど良い人のジョーを「田舎ものと自分が一緒に歩いているところを見られたら恥ずかしい」などと考えるようになっている。自分が敬意を持っているスタートアップとか、ハーバードとかなら構わない。しかし不機嫌・いばりんぼ・不誠実なドラムルにだけは見られたくない! <人生を通じて私達の最悪の弱さや卑しさは、もっとも軽蔑する人がいることで表に出てくる。(P373)> ピップの部屋にやってきたジョーは、ピップを「さようです、サー」と敬語で話す。これがジョーの「けじめ」なのだ。自分の願いはピップの役に立つこと、ピップが幸せになること。こうして紳士となった(成金衣装成金インテリアなのが記述で分かるんだけど)なら、自分とピップには区切りが必要だ。もし今日の訪問で不都合があったのなら、すべて自分の責任だ。なぜなら自分はロンドンにいられる人間ではない。自分は鍛冶屋の服を着て、鍛冶屋や、泥んこの土地にいなければいけない。今度自分たちが会うとしたら、ピップが鍛冶屋を覗く時だ。 そしてそうまでして訪ねてきたのは、大事な伝言を預かっているからだという。それは「ミス・ハヴィシャムの屋敷にエステラが戻り、ピップに会いたいと言っている」ことだった。それを伝えるために、この場違いな場にやってきたのだ。 そして帰っていった。 ピップは大急ぎでミス・ハヴィシャムの屋敷に向かう!ジョーの鍛冶屋には顔を出さない!なんてヤツ!他の人たちは「自分こそあのピップの保護者、友人」などと嘘をついているっていうのに。 久しぶりに会ったエステラはとてもとても美しく上品なレディになっていた。ピップは、自分が彼女と結婚させてもらえると思い込んでいるので有頂天。 ミス・ハヴィシャムはピップに「あの子を愛して、愛して、愛しなさい!あなたを傷つけたとしても、あなたの心を引き裂いても愛しなさい!本物の愛とは、やみくもな献身、無条件の自己卑下、完全な服従、全て逆らってでも相手にすがり、深い傷を負って、全身全霊を捧げなさい!」と言い渡す。
100分で名著でディッケンズの小説として説明した本である。有名な本であるが読まなかったが、英語学習の縮刷版で読んだ記憶はある。姉に引き取られた子どもが、職人の見習い後に、急に金持ちの後見人としてジェントルマンの訓練を受ける、という話までが上巻の話である。
母は亡く年の離れた厳しい姉と優しいその夫に面倒を見られている少年。脱獄囚に脅されて犯した罪を抱えて成長する。弁護士がやって来る。大いなる遺産についての知らせを持って。貧しい生活から都会へ、彼の思いはどう変わっていくのだろう
チャールズ・ディケンズの代表作であり、新潮文庫のStar Classics 名作新訳コレクションの1冊として発売されたばかりであり、セレクト。 ディケンズは『クリスマス・キャロル』と『オリバー・ツイスト』しか読んでいなかったのだが、両作にも共通するように、ストーリーテリングの巧みさが際立っている。...続きを読む特に本作『大いなる遺産』では、主人公の少年ピップが冒頭で巻き込まれる脱獄囚との恐怖に満ちた出会いが彼を奇想天外な運命へ導く下巻のドライブ感が素晴らしい。 点在する登場人物の関係性が最後には綺麗につながっていきながら、早く続きを読みたいという思いに駆られていく古典的名作。
母親代わりの厳しい姉に育てられたピップは、義兄である善良な鍛冶屋のジョーの愛情を支えに少年期を送るが、ある日、街の裕福な老婦人ミス・ハヴィシャムに呼び出される。時の止まった屋敷で色褪せた花嫁衣装を着て過ごすミス・ハヴィシャムの気まぐれな話し相手に指名されたピップは戸惑うが、彼女の養女である高慢なエス...続きを読むテラの美貌に心奪われ、その振る舞いに傷つけられながらも強い愛情を抱く。エステラと出会ってから鍛冶屋の家での暮らしや自らの貧しい境遇に劣等感を抱くようになったピップだが、ロンドンからやって来た弁護士が彼が「大いなる遺産」の相続人になったことを告げ、彼の生活は一変する。ピップは遺産を彼に贈ろうとしているのはミス・ハヴィシャムであり、自分はエステラの結婚相手に選ばれたのだと確信するが、財産に相応しい紳士になるべくロンドンで暮らし始めた彼は、やがて、過去に端を発する様々な真実を知ることになる――。 婚約者に裏切られたことで胸が張り裂けたまま暗い屋敷に閉じこもって暮らすミス・ハヴィシャム、彼女により男たちへの復讐の道具として育てられた美しくも高慢で無感情なエステラ。そして見下されたことで自らの生まれ育ちを恥と感じ、転がり込んだ大きな財産によってそこから抜け出し、無学で貧しい者たちの世界を苛立たしく軽蔑する主人公ピップ自身も、人間としてはいかがなものかという印象をまず受ける。 しかし、波乱万丈の物語を追っていくにつれ、ミス・ハヴィシャムはミス・ハヴィシャムの、エステラはエステラの、ピップはピップの苦難に満ちた道を歩むうちに、見失っていたもの、価値に気づかずにいたものがそれぞれを変え、読者の目から見ても人間性を取り戻してゆく。ピップが沼地で出会った飢えた脱獄囚に食べ物を渡したのは恐怖心からでしかなかったかもしれないが、ついこぼれ出た一言にこめられた優しさが傷ついた男にとっての何よりの温もりとなったように、人は意図せぬところで誰かの恩人となり、一方で誰かに深く恨まれ、憎まれることもある。保身、嫉妬、憧れと蔑み、人の感情が人生にもたらす影響は大きいが、打たれた石が精錬されていくように、ピップが痛みの末に善なる心を取り戻していく様に素直に心打たれた。 『二都物語』のような圧倒されるエンディングではなく、完全なるハッピーエンドとも言えないが、それでも、根っこの優しさをそこここで示しながらも急ごしらえの鼻持ちならない「紳士」となったピップが、愛するジョーのために自身の身勝手な計画を心密かに捨てるラスト近くの場面に、深く静かなカタルシスを感じた。エステラとのラストシーンも、苦難を乗り越えてきた者同士、互いの過去を知る者同士の穏やかな共鳴が豊かな余韻を残して素晴らしい。 悪辣な登場人物も出てくるが、ピップの態度に関わらず常に善良で親切なジョーや、ロンドンで知り合った友人ハーバート、遺産管理人である弁護士の下で働くウェミックなどの温かみのある個性ある面々の存在のおかげで、全体のトーンは暗くなく読みやすい。登場人物の過去が複雑に絡み合う一大冒険譚としても大変面白い作品。上下二巻。
ディケンズさんの代表作の1つの上巻です。 文章は美しい流れだと思った。 でも内容はかなり暗いね。 孤児と言っても両親がいないけれども実姉とその夫と暮らすピップ。 実姉はヒステリーでぎすぎすした人。 両親の墓地がある沼地で脱走兵を結果的に助けることで「大いなる遺産」を将来手にすることになるのだけど...続きを読む、なんだか不思議な世界だな。 ただ、ところどころに人間とは何か、より良く生きるにはどうしたらよいかのヒントになりそうなものがキラっと隠されるように埋め込まれていて、それを宝探しのように見つけるのがこの作品の醍醐味なのかも…。
イギリス文学を代表する作家ディケンズの『大いなる遺産』でっか 先日読んだカルロス・ルイス・サフォンの『天使のゲーム』で主人公ダビッドの人生を変えたともいえるこの名作 本当にそこまで魂を揺さぶるようなお話なの?ってことで確かめてみることにしました 出来れば光文社古典新訳文庫で読みたかったんですが、...続きを読むラインナップにないものはしょうがない(『クリスマスキャロル』『二都物語』『オリバー・ツイスト』はある) と思っていたら新潮社がわいの大好きな加賀山卓郎さん訳で新訳版を出してるじゃないですか やるな新潮社 まぁ今回ばかりはいい仕事したなと認めてやろう さて中身の方はと言えば加賀山さんらしからぬちょっと古めかしい訳、新潮社に飲まれたか?いや元のディケンズの文章がかなり腫れぼったいんだな いや「腫れぼったい」ってどういう文章よ?って思われるかもしれないが、自分としてはかなり的を射た表現なので説明しない そして何より主人公のピップがぜんぜん好きになれない 莫大な遺産を相続することになった幸運をさも当たり前のように享受し、浪費して、これまでどんなときでも味方になってくれ、愛情深く育ててくれた義兄で田舎の鍛冶屋ジョーを恥ずかしいと感じて粗末に扱う かなり最低な奴 子どものころは心やさしいいい子だったのにすっかり変わってしまってがっかりりな上巻 ふふふふふ でも分かってますよ 分かってますとも、これってあれでしょ?ディケンズが仕掛けた巧妙な罠なんでしょ?読者を一回嫌な気持ちにさせといてからのーなんでしょ? 間違いないでしょー! さて下巻や如何に?!
現代でいう異世界転生ものやタワマン文学などにに共通する,孤独な人間の隠れた僻みを感じさせる。枯れた皮肉をどう読むかで印象が変わると思う。
上下一括感想 下巻にて 私にとっては エステラは“グウィネス・バルトロー” “イーサン・ホーク”や“ロバート・デ・ニーロ” そう、1998年アルフォンソ・キュアロン監督の映画『大いなる遺産』は、不思議な色彩に溢れた物語だった。 でも、できるだけ排除して読んでみている。
先日読んだ「20の古典で読み解く世界史」で紹介されていたうちの1作品 主人公ピップは幼い頃両親が亡くなり、20以上年上の意地悪な姉とその婿である鍛冶屋のジョー(こちらは良い人)に育てられた ジョー以外ほとんどの大人がピップをサンドバッグかのように当たり散らし、意地悪を言い、傷つける 結構読んでい...続きを読むくのがしんどくなる ここまでみんなで意地悪をする場面を描く必要はあるのか?と素朴な疑問が浮かんでしまう どうやらディケンズの両親が金銭的にだらしなく一家が破産し、ディケンズは靴墨工場で働いていたようなのだが、そこでの仕打ちはひどく、かなり精神的ダメージだったようだ そんなことも影響しているのかもしれない… それでもジョーだけが強い味方で何度も助けられ支えられ、それなりになんとかやっていく 退屈であまり愉快とはいえない日常に変化が… クリスマスイブに脱獄囚と出会う 脅されながらも食糧を渡し、誰にも話さないことを約束 これを皮切りにピップの身に次々と変化が… その中でも一番の出来事はお金持ちハヴィシャムの屋敷に招かれ、美しく誇り高いエステラと出会ったことだ しかしエステラはピップを軽蔑し、ひどいことをたくさん言い、ピップは辱めを受ける 自分が下等で情けない暮らしをしていることを嫌と言うほど思い知るのだ そしてハヴィシャムはエステラに言う 「男の心をずたずたにしておやり」 (そうハヴィシャムは過去に婚約者に裏切られひどい目にあっているのだ) 今までジョーを誇りに思い、ジョーの徒弟になるのを幸せなことと思っていたのに… ピップの中で何かが変わっていく… 心の葛藤が生まれる ジョーとの単調で貧しいながら、人としての誇りを持つ暮らし 一方、新しい都会での生活に憧れ立派な紳士を夢見るピップの気持ちは痛いほどよくわかる (若い頃はそういうものだと言ってしまえばそれまでなのだが…) どちらも気持ちも正直なピップの心だ 揺れ動きつつももう後ろを見たくない前のめりな若さの勢いが加速する 一見シンデレラストーリー(少年版)かに見えるがそんな一筋縄ではいかなさそうな意味深なことがあちこちに潜んでいる(ワクワク) 誰にも内緒に食糧を渡した脱獄囚、彼とはまた再会の予感を示唆している… 一体姉は誰に襲われてしまったのか 再起するのであろうか? ハヴィジャムはピップに何を仕掛けているのか (ピップ及び一部の人間は彼女から遺産を引き継いだと思っているが、密かに違うと思っている… では一体誰が…) エステラは人間らしい感情が芽生えるのか ピップに対する気持ちに変化は起こるのか はたまたピップはエステラを愛し続けるのか ヒディに対する気持ちはどうなるのか? そして、ピップは与えられたこの環境でどう成長していくのか そうそう新たに出会う友人となるハーバートはとても粋で心暖かい青年 彼との友情シーンはポッと明かりが灯りホッコリする!(数少ない癒し場面) イジメられたり、ひどい扱いを受けてばかりいるピップ それでもストーリーが暗くならないのはウィット感に溢れる文章のせい ジョークにイギリスらしさが溢れており、テンポの良さがジメジメさせない そしてあまりに個性あふれる登場人物たち しかしアクが強過ぎ…みなさん この時代の英国って??? 下巻で張り巡らされた伏線がどう回収されるのか楽しみである
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
大いなる遺産(新潮文庫)
新刊情報をお知らせします。
チャールズ・ディケンズ
加賀山卓朗
フォロー機能について
「新潮文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
小説・文芸
火刑法廷〔新訳版〕
頬に哀しみを刻め
葬儀を終えて〔新訳版〕
三つの棺〔新訳版〕
英国クリスマス幽霊譚傑作集
エドウィン・ドルードの謎
大いなる遺産(上)
大いなる遺産 上
作者のこれもおすすめ一覧へ
みんなの公開リストをもっと見る
一覧 >>
▲大いなる遺産(上)(新潮文庫) ページトップヘ