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Posted by ブクログ
最近AI流行や高市早苗、トランプの登場によって、日経平均のボラティリティが大きくなっている。NISAなど個人投資家が取引に参加しやすくなった分、そこで翻弄されている人間も増えているように思う。
そうした時期にこの本を読んで分かったのは、バブルは今の流行りがとは全然レベルが違うということだ。日本全体が金融取引に熱狂した当時と比べれば、現在の日経急騰、AIや半導体株による変動の影響は一部分の話でしかない。
冒頭が長くなってしまったが、本自体については、最初から最後まで一気に読んでしまいたくなる疾走感のある書きっぷりで、冒頭から一気に世界観に引き込まれた。実際の事件をモチーフにしているためか、物語にリアリティが感じられたのかもしれない。
特筆すべきは、バブルが起こった理由とこの国の本質が物語を通して示唆されている点だ。
前者は、当時の会計制度の欠陥、今の市場では考えられないようなガバガバな規制や大蔵省を中心とした護送船団方式といった社会構造に起因したもの。そして、巨額の金を手に入れたいという欲、巨額の負債を表に出せないという保身、そしてご恩に報いたいという縁など個人に起因するものがある。
こうした複雑な要因が絡み合いバブルが発生し、金融という深い闇から抜け出せなくなったのがまさに古賀という存在だった。
しかし、上記の中でも核となるのは「縁」である。人間関係から生じる縁によって古賀はコールマンという存在となり、最終的には縁(人間関係)によってどんどん大きな存在となってしまった。コールマンとして他者から求められる、他者の期待に応える、この繰り返しによって古賀に頼ればなんとかなるというある種の理想が形成され、抜け出せなくなる。人は縁によって成長し、縛られていく。国が人によって動くなら、縁はこの国を縛っている。縛ることで、この国が成立している。
そして、あえてその縁の中で特に重要な決定力を持つ人がいるとするなら、それが柔らかい手を持つ人間なのかもしれない。
Posted by ブクログ
相場英雄『不発弾』新潮文庫。
大企業や大手金融機関が抱える『不発弾』。いつそれらが爆発し、多くの犠牲者を出すのだろうか……決して創作や虚構とは思えない迫真の経済小説。
大手電機企業が発表した巨額の不適切会計に絡み、背後で暗躍した古賀遼という男の数奇な人生と企業の不正を暴こうとする捜査二課の小堀秀明の闘いの行方は……
あのバブル崩壊を経験してもなお虚業の中に利益を見出だそうともがき続ける日本経済。大企業はピラミッドの僅かなトップだけが生き残るために玉ねぎ経営を続け、実体経済から離れつつある。
本作に登場する三田電機のモデル企業と思われる東芝の不適切会計だけでなく、シャープの身売りや、NECの4度にも渡るリストラと中核事業売却による凋落といった事実は記憶に新しいところだ。こうした玉ねぎ経営でかろうじて生き残った企業も『不発弾』を抱えているのだろう。
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